更新日:2025/01/20

会計・経理・財務研修|効果を高めるポイントや身に付く内容を解説

会計・経理・財務研修|効果を高めるポイントや身に付く内容を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

会計・経理・財務研修とは、財務会計、管理会計、税務会計などの知識と実務スキルを学び、財務分析力や経営への貢献力を高める研修です。会計・経理・財務研修によって経営戦略への理解を深め、組織の財務リテラシー向上を目指します。本記事では研修内容やカリキュラム例を紹介します。

 

01会計・経理・財務研修の目的

会計・経理・財務研修は以下の目的で行います。

  • 1:専門スキルの向上
  • 2:経営戦略への貢献
  • 3:組織全体の財務リテラシー向上

会計・経理・財務研修の目的は、社員の専門スキルを向上させること、経営戦略に貢献できる人材を育成すること、そして組織全体の財務リテラシーを向上させることにあります。具体的には、財務諸表の作成や分析、原価計算、税務対応などの実務スキルを習得することで、業務効率化と精度向上を図ります。また、財務データを活用して経営上の課題を解決する力を養い、組織全体での合理的な意思決定を支える基盤を築きます。

1. 専門スキルの向上

会計・経理・財務研修の目的の1つは、専門スキルの向上です。専門スキルが向上することで、企業の財務状況を正確に把握し、適切な財務諸表を作成する能力を高めることができます。また、最新の税制改正や会計基準に対応するための知識を習得することも重要です。研修を通じて実務に直結する専門知識を深め、即戦力として活躍できるスキルの習得が期待されます。

2. 経営戦略への貢献

会計・経理・財務研修は、経営戦略への貢献を目的としています。財務データを分析し、企業の現状を正確に把握することで、経営層に適切なアドバイスを提供する能力を養うことが可能です。具体的には、コスト管理や利益分析、キャッシュフローの管理を通じて、企業の健全な成長を支援します。また、財務的な視点から経営戦略を支えるスキルを習得することで、組織の意思決定に大きく寄与します。これにより、企業全体の戦略的方向性を確立する基盤がさらに強化されるでしょう。

3. 組織全体の財務リテラシー向上

会計・経理・財務研修の目的の1つは、組織全体の財務リテラシーを向上させることです。財務リテラシーとは、企業の財務情報を理解し、それを基に意思決定を行う能力を指します。この能力を全社員が持つことで、業務の中で財務的な視点を取り入れることが可能となります。たとえば、コスト削減や利益追求に向けた行動などが挙げられます。このように、財務リテラシーを向上させることは、企業の競争力を高めるために不可欠です。

 

02会計・経理・財務研修の内容

会計・経理・財務研修の内容は以下の3つです。

  • 1:財務会計
  • 2:管理会計
  • 3:税務会計

財務諸表の作成方法などの財務会計、予算管理・コスト分析などの管理会計、税法知識などの税務会計が、主な会計・経理・財務研修の内容です。以下で詳しく紹介します。

1:財務会計

財務会計は、企業の財務状況を外部の利害関係者(投資家、金融機関、税務署など)に報告するための会計です。主に、財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を作成し、企業の経営成績や財政状態を示します。研修では、国際会計基準(IFRS)や日本基準に基づく財務諸表の作成方法と、その解釈方法を学びます。

財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)

財務諸表は、企業の経営成績や財務状況を示す重要な報告書です。損益計算書(P/L)は利益と損失を、貸借対照表(B/S)は企業の資産、負債、資本の状況を、キャッシュフロー計算書(C/F)は現金の流れを示します。研修ではこれらの諸表の構造を理解し、財務分析に役立つ読み方を学びます。

簿記

簿記は、企業の取引を記録するための基本的な技術で、会計の基盤となります。研修では、取引の記録方法(仕訳)や帳簿の作成方法を学び、企業の日常的な経理業務に必要な知識とスキルを習得します。また、財務諸表の作成に必要な基礎知識を提供し、経理担当者としての実務力を向上させます。

決算書の読み方

決算書の読み方を学ぶことは、財務会計において重要なスキルです。研修では、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書をどのように解釈し、企業の業績や財務状態を把握するかを学びます。また、企業の経営状況を正しく評価し、意思決定に活かせる知識を身につけます。

財務分析(安全性、収益性、成長性)

財務分析は、企業の健全性や業績を評価するための手法です。研修では、安全性分析(流動比率、自己資本比率など)を使って企業の支払い能力を、収益性分析(ROE、ROAなど)で収益力を、成長性分析(売上成長率、利益成長率など)で将来の成長可能性を評価する方法を学びます。

固定資産会計

固定資産会計は、企業が使用する長期資産(建物、設備、機械など)の管理と処理に関する会計処理です。研修では、固定資産の取得、減価償却、売却などに関する会計処理方法を学びます。特に減価償却の計算方法や、税法に基づく取り扱いについて詳しく学び、企業の財務状況にどう影響を与えるかを理解します。

連結決算会計

連結決算会計は、親会社と子会社の財務情報を1つにまとめる会計処理です。研修では、親子間の取引を消去する方法や、連結財務諸表の作成方法を学びます。また、子会社の財務状態や業績が親会社にどのように影響を与えるかを理解し、グループ全体の経営状況を把握するスキルを習得します。

税効果会計

税効果会計は、企業の税務と会計処理の差異に関連する会計手法です。研修では、企業が将来の税金負担を繰り延べたり、繰延税金資産や負債を適切に計上する方法を学びます。これにより、企業の財務状況がより正確に反映され、税務調整を適切に行えるようになります。

退職給付会計

退職給付会計は、企業が従業員に支払う退職金や年金に関連する会計処理です。研修では、退職給付引当金や年金負債の計上方法、退職給付費用の計算方法を学びます。また、企業の財務諸表に与える影響を理解し、将来の退職給付に関するリスクを適切に管理する方法を習得します。

2. 管理会計

管理会計は、企業内部の経営陣が意思決定を行うための情報を提供する会計です。主に予算管理、コスト分析、損益分岐点分析などを扱います。研修では、経営戦略に基づいた財務分析方法や、業務改善のためのデータ活用方法を学びます。

業績管理・予算管理

業績管理・予算管理は、企業の目標達成度を把握し、資源の最適な配分を行うための重要な手法です。研修では、予算の策定方法や業績評価指標(KPI)の設定方法を学び、予算達成のための対策を考えます。また、定期的な業績レビューを行い、目標とのギャップを分析し、改善策を講じる方法を理解します。これにより、業績向上を目指した管理能力が養われます。

変動費と固定費の分解

変動費と固定費の分解は、企業のコスト構造を理解するための基本的な技法です。研修では、費用を変動費(生産量に比例)と固定費(生産量に関係なく発生)に分け、これらのコストが業績に与える影響を分析します。コストを適切に分けることで、効率的なコスト管理が可能となり、企業の利益最大化を支援します。

損益分岐点(CVP)分析

損益分岐点分析(CVP分析)は、企業の収益性を理解するために必要な手法です。研修では、売上高と費用の関係を明確にし、損益分岐点(利益がゼロとなる売上高)を計算します。これにより、目標利益を達成するために必要な売上や生産量を予測し、戦略的な意思決定をサポートする能力を養います。

原価計算とコストマネジメント

原価計算とコストマネジメントは、製品やサービスのコストを正確に把握し、効率的に管理するための重要なスキルです。研修では、直接費や間接費の計上方法、原価計算の手法を学び、コスト削減や利益向上に向けた戦略を立てる方法を理解します。これにより、企業の競争力を高めるためのコスト管理能力が向上します。

投資評価と資本コスト

投資評価と資本コストは、企業の投資判断を行うために必要な知識です。研修では、NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)などの投資評価手法を学び、投資の収益性を測定する方法を習得します。また、資本コストを理解し、資金調達の最適な方法を選択するための知識を深め、企業価値を最大化するための意思決定能力を養います。

税務会計

税務会計は、税金計算とその申告に関する会計です。税法に基づき、適切な税額計算や税務申告書の作成を行います。研修では、法人税、消費税などの税法知識を学び、税務調査の際の対応方法なども習得します。

税務基礎(法人税、消費税、所得税、印紙税)

税務基礎として学ぶのは、企業が遵守すべき主要な税制についてです。法人税、消費税、所得税、印紙税など、各税の基本的な仕組みや計算方法、申告手続きについて理解します。法人税は企業の利益に課税される税で、消費税は商品の売買に関わる税です。所得税は個人所得にかかり、印紙税は契約書などの書類に課税されます。研修を通じて、税務の基本的な知識を習得し、企業活動における税務リスクを軽減できる能力を身につけます。

国際税務と移転価格

国際税務と移転価格に関する研修では、複数の国に拠点を持つ企業が直面する税務の課題について学びます。特に移転価格は、グループ企業間での取引価格設定に関する税務問題であり、税務当局の監査対象となります。研修では、国際的な税法や取引の価格設定ルール、OECDのガイドラインに基づく適切な取引価格の設定方法を学び、税務リスクを回避するための対応策を理解します。

法人税申告書作成

法人税申告書作成の研修では、法人税申告書の正確な作成方法を学びます。研修では、財務諸表を基に、税引前利益や各種調整項目を整理し、課税所得を算出する方法を学びます。また、税務上の調整事項や控除、税額計算の実務を習得し、税務申告書の提出までの流れを理解します。正しい申告を行うことで、税務リスクを回避し、企業のコンプライアンスを確保する能力を養います。

税務調査対応

税務調査対応の研修では、税務当局の調査に適切に対応するための方法を学びます。研修では、税務調査の流れや調査項目、求められる資料について理解します。調査が開始された際に、どのように情報提供を行い、調査官と効果的にコミュニケーションをとるかを学び、税務調査後の修正申告や過少申告加算税のリスク回避策を習得します。企業の税務リスクを管理し、円滑な対応を行うスキルを身につけます。

 

03会計・経理・財務研修のカリキュラム例

ここからはSchooの授業を用いた会計・経理・財務研修のカリキュラム例をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

財務会計のカリキュラム例

財務諸表の作成方法を学べる研修カリキュラムです。財務諸表の基本的な構成を理解し、実務に即した方法で損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を作成できるスキルを養うことを目的とします。

第1回 企業活動と財務諸表の概要
時間 10分
研修内容
  • ・財務モデリングとは
  • ・企業活動の概要
  • ・企業活動と財務諸表
第2回 企業活動と財務諸表の2つのつながり
時間 15分
研修内容
  • ・財務三表 (PL /BS /CF) 内のつながり
  • ・企業活動 (稼ぐ / 使う / 調達する)
  • ・財務三表 (PL /BS /CF) 間のつながり
第3回 具体事例の概要
時間 15分
研修内容
  • ・ベースとなる財務三表
  • ・飲食店が新店舗をオープンして販売を行うまでに行う企業活動例

 

管理会計のカリキュラム例

管理会計の基本的な概念や用語を理解し、業績管理や予算管理を効果的に行うためのスキルを習得する研修カリキュラムです。

第1回 損益分岐点
時間 40分
研修内容
  • ・管理会計とは何か
  • ・管理会計と財務会計の違い
  • ・単期、単一製品の収益構造
  • ・製品単価、固定費、変動費とは
第2回 限界利益
時間 20分
研修内容
  • ・限界利益とは
  • ・限界利益を考慮したときにやるべきこと
  • ・財務諸表を比べてみよう
第3回 収益改善
時間 20分
研修内容
  • ・売上、費用の改善
  • ・収益構造改善の手段
第4回 ABC会計
時間 20分
研修内容
  • ・直接費と間接費
  • ・間接費とは
  • ・ABC会計とは
第5回 DCF
時間 40分
研修内容
  • ・投資運用益とは
  • ・割引現在価値(DCF)とは
第6回 BSC
時間 40分
研修内容
  • ・経営戦略とは
  • ・バランススコアカード(BSC)とは
第7回 予算管理
時間 40分
研修内容
  • ・予算管理とは
  • ・予算管理の意義とは
  • ・予算管理を行う上での重要な前提とは
  • ・差異分析

 

税務会計のカリキュラム例

税務会計では、税務に関する基礎的な知識を学びます。本カリキュラムではインボイス制度について学びます。

第1回 ビジネスパーソンのインボイスへの対応
時間 40分
研修内容
  • ・適格請求書発行事業者かどうかの判断
  • ・会社の経費で購入する店も必要?
  • ・税務調査が入ったときに適格請求書発行事業者かどうかのチェック
   
 

04会計・経理・財務研修の効果を高めるポイント

会計・経理・財務研修の効果を高めるポイントは以下です。

  • 1:受講者の知識レベルを確認する
  • 2:業務に直結する内容にする
  • 3:復習ができる体制を整える

会計・経理・財務研修の効果を高めるためには、まず受講者の知識レベルを確認し、適切な難易度でカリキュラムを設計することが重要です。また、研修内容は業務に直結する具体的な事例や問題を取り入れ、実務で役立つスキルを身につけられるようにします。さらに、研修後に復習できる体制を整え、学んだ内容を定着させることで、実際の業務に活かせる効果的な学習が可能となります。

受講者の知識レベルを確認する

会計・経理・財務研修の効果を高めるためには、受講者の知識レベルを事前に確認することが重要です。研修内容が受講者の理解度に適していない場合、理解が浅くなったり逆に難しすぎてついていけないことがあります。事前に簡単なアンケートやスキルチェックを行い、受講者の基礎知識や理解度を把握した上で、カリキュラムをカスタマイズすることが求められます。レベルに合った研修を行うことで、学びの効果を最大化し、業務で活用できる実践的な知識を身につけてもらうことができます。

業務に直結する内容にする

研修を業務に直結する内容にすることで、受講者のモチベーションを高め、実務に即したスキルを効率的に習得できます。会計・経理・財務の知識やスキルは、日常の業務で必要不可欠なものです。そのため、研修内容には具体的な事例やシミュレーションを取り入れ、受講者が直面するであろう実務課題を解決できるように設計します。また、業務の流れに沿った内容にすることで、研修で学んだことをそのまま実務に適用でき、学びが業務改善に直結します。

復習ができる体制を整える

研修が終わった後に学んだ内容を定着させるためには、復習できる体制を整えることが重要です。定期的なフォローアップや進捗確認を行い、研修内容を実務に活かせるようにサポートする仕組みを作ることが効果的です。また、オンラインでのリソース提供や、研修資料の共有など、復習しやすい環境を整えることも重要です。さらに、研修後の成果を測定し、受講者がどの程度学んだことを実務に活かせているかを確認することで、次回の研修の改善にも繋げられます。


 

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会計・経理・財務研修に関するコンテンツ一覧

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管理会計入門 4時間30分
ビジネストレンドがわかる決算書超解説 2時間
会計を通してみる企業価値と社会の動向 2時間
財務モデリング入門:企業活動と財務諸表のつながり 40分
初心者でも安心-はじめての簿記3級 13時間
押さえておきたい会計・財務の基礎知識 1時間30分
イラストでまなぶ 会計・財務のきほん 3時間
数字が苦手でもわかる「会計」の図解教室 1時間
 

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広い企業にご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

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06まとめ

会計・経理・財務研修では、財務諸表の作成方法を学ぶ財務会計、予算管理やコスト分析を学ぶ管理会計、税法知識を学ぶ税務会計の3分野を中心に学習します。研修の効果を最大化するためには、まず受講者の知識レベルを把握し、それに応じた適切な難易度でカリキュラムを設計することが重要です。また、復習の時間を設けることで、学んだ内容を実務に活かせるようにすることも欠かせません。このように研修を設計・実施することで、組織全体の財務リテラシーを向上させるとともに、経営戦略を支える基盤の強化につながります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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