公開日:2022/01/21
更新日:2023/02/25

経理研修とは?研修の効果を高めるポイントや身に付く内容を解説

経理研修とは?研修の効果を高めるポイントや身に付く内容を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新入社員が経理を担当することになったとき、経理の知識をすべて兼ね備えた社員は、あまり見受けられません。入社後に受ける研修によって、経理に必要な知識を学ぶケースが一般的です。経理研修の受講によって、どのような知識を学ぶのでしょうか。

 

01経理の業務内容

経理業務は、企業経営に必要不可欠な業務のひとつです。経理とは「経営管理」の略称であり、企業における日々の金銭のやり取りや取引の流れなどを、お金に関する数字を記録する役割を担っています。 記録する内容は多岐にわたり、会計基準によって定められたルールに則って処理を進めます。具体的には、毎日の売上や仕入額、給与支払及び従業員の交通費精算、売掛金管理、伝票作成帳簿への記帳など細かい作業が該当します。これに加え、 貸借対照表や損益計算書などの決算書作成も、経理の重要な業務です。

財務・会計との違い

財務は経理部門で作成した財務諸表をもとにし、資金調達などの融資や出資に向けた段取りを組み、経営陣と共に事業計画を立てる業務です。このため、経理会計の業務の後に財務の業務が行われます。 会計は、企業全体の金銭を把握するための部署であり、経理の仕事を含んでいる企業が多くなっています。企業の収支を帳簿に記録し、株主や国などに報告する必要があるためです。 時系列としては、会計・経理・財務の順に進められます。会計が「報告」・経理が「連絡」・財務が「相談」の役割を果たしており、ビジネスの基本とされる「報・連・相」に当てはまります。

 

02経理部門に求められるスキル

経理部門はオフィスワークに含まれる業務であり、次にあげるスキルが求められます。

  • ・簿記に関する知識
  • ・パソコンソフトを使いこなすスキル
  • ・コミュニケーションスキル
  • ・ファイリングスキル

お金を扱う部門だからこそ、必要不可欠なスキルばかりです。必須とされる資格はありませんが、幅広いスキルを身につけ、スムーズな業務が行えるようにしましょう。

簿記に関する知識

経理部門に必要な基礎知識が、簿記の知識です。日々のデータ入力や伝票処理、帳簿への記入、決算期に必要な資料の作成などにおいて、知識が求められます。経理の仕事であれば、簿記の入門レベルである仕訳の基本や、財務諸表の仕組み、収益と費用の区別、資産・負債・純資産の区別などは、身につけておくべき知識です。

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  • 東京みなと会計事務所 所長 公認会計士 税理士

    2008年に公認会計士試験合格。大手監査法人で実務経験を積んだ後に転職、会計システムコンサルタントとして20社を超える上場企業のシステム導入に携わる。2018年、東京みなと会計事務所を設立し、決算コンサルティング、法人の税務や個人の確定申告等の会計・税務に関するサービスを展開している。大学生の頃は社会学部に所属しており、そこから知識ゼロの状態で会計分野に転身をしていることから、最初は簿記の授業についていけず、非常に苦労した。その経験を活かし、どのようにすれば分かりやすく会計を伝えられるかを突き詰め、これまで多くのセミナー開催をし、好評を得ている。

パソコンソフトを使いこなすスキル

経理部門は、パソコンを使った業務が中心であるため、最低限のパソコンスキルは取得しておくべきと考えます。 経理業務を円滑に行うシステムやソフトを導入している企業もありますが、使いやすいように工夫されているため、システムの使い方はそれほど難しくありません。

コミュニケーションスキル

経理部門は、金銭面の話し合いや相談などの場面で、経営者や他部署の社員と接したり、交渉したりする機会が多い部署です。そのため、コミュニケーションスキルが重要なポイントとなります。経理面から見た企業の改善点など、経理部門だからこそできるアドバイスも多いものです。

<コミュニケーションスキルについてのSchooおすすめ授業>

これからリスキリングを進めていくにあたり、なぜ今リスキリングが必要なのか、個人/組織双方の観点から理解すべきことを学びます。
自らのリスキリングを進めたい方、組織マネジメントの観点から従業員の方々のリスキリングを推進したい方々におすすめの授業です。担当するのは、リクルートワークス研究所 人事研究センター長の石原 直子さんです。

「ロジカルコミュニケーション基礎」

ロジカルコミュニケーション基礎

  • コミュニケーション・スピーチコンサルタント、CCO代行

    福岡のTV局・ラジオ局で年間300日以上の生放送に出演。その経験を元に独立し、現在は企業向けの人材育成研修や人材育成コンサルティング、経営者や元アスリートなどのスピーチコンサルティングを行う。組織活性、営業成績4倍UP、スピーチ力向上による顧客獲得率UPなど成果を上げるためにとことんクライアントに寄り添う。 企業研修:200社以上、個別コンサルティング:300名以上の実績あり。 趣味は読書と音楽鑑賞と筋トレ。無類のチョコレート好き。

ファイリングスキル

会計システムの利用は増えたものの、書類や伝票をファイリングする業務がすべてなくなったわけではありません。作業効率を上げ、業務を円滑に進めるためにファイリングスキルを身につけておくと、決算期に役立てられるでしょう。

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【関連記事】書類整理は快適な仕事環境づくりに必要!上手に進めるポイント

 

03経理研修の対象となる従業員

経理知識を学ぶのに、入社前から知識を持っている人もいますが、入社後に実務や研修を通して学ぶことが一般的です。経理部門以外でも、経理知識を活かした業務が必要であるため、研修対象となる従業員も複数の部署にわたります。どのような従業員が、経理研修を受けると良いのでしょうか。

若手経理スタッフ

若手経理スタッフは、経理知識のほかにも、経理の役割や業務全体の流れ、実務の進め方などを全般的に教えると、知識の習得を早めることができます。さらに、業務の見える化につながり、実践においてどのような行動をとるべきかを学べます。

営業部門

営業部門は顧客と接するのがメインの仕事であり、企業の経営状態を的確に把握する必要があります。そのためには、決算で使われる貸借対照表や損益計算書などの見方を知っておかなくてはなりません。経理研修を受けることで、決算についての確かな知識を身につけられます。

経理部門の中堅社員

中堅社員ともなると、通常業務のなかで新たな知識を覚えることが少なくなってきます。その上、企業においてICT化が進むなかで、ICTスキルの向上を目指すためには、研修の受講が最も効果的です。中堅社員は、研修によって経理知識以外にも幅広い知識の取得が求められます。

新入社員

新入社員は企業に送るお金の流れを理解していないため、経理研修を受けることでお金の流れを理解する必要があります。経理業務を理解すると、経理業務の重要性を実感し、伝票や書類などの記入に気を配れるようになるでしょう。 さらに、一人前に仕事を任されるようになった時に必要な、取引先の損益や財務などを判断する能力も、経理研修によって身につけられます。

 

04経理研修で身に付く内容

経理研修を受けることで、経理に関する幅広い知識が身につくのはもちろんですが、具体的にどのような知識が得られるのでしょうか。企業の規模や業種によって、経理に求められる知識は若干異なりますが、研修で学ぶ内容としては主に次のものが挙げられます。

経理の基礎用語についての理解

勘定科目、仕訳、会計帳簿、会計伝票など、経理の基礎用語は経理独特のものが多く、用語のひとつひとつについて意味を理解する必要があります。例えば、一口に伝票と言っても、売上伝票・入金伝票・出金伝票・仕入れ伝票・仮払い伝票など、種類が複数あり、場面ごとで使う伝票が決められています。伝票の使い分けを間違えると、決算の結果まで変わってきてしまうため、研修できちんと覚えることが必要です。

財務三表に関する知識

決算書を作成するのに、財務三表と呼ばれる貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つは、特に重要だとされています。上場企業とそれ以外の企業によって、決算書の構成が異なりますが、経理研修では3つの内容を全て理解しなければなりません。

<経理の基礎知識についてSchooのおすすめ授業>

「ヒト・モノ・カネ」と言われるようにビジネスを行っていく上で「お金」は大事なリソースになります。

また、ビジネスにおけるお金の動きとしては、仕入れ代、販売利益、人件費、融資などさまざまな項目があるかと思います。そして、それらの会計を踏まえ、企業としての財務状況を示しているのが決算書です。

一方で、ビジネスパーソンとしては、会計・財務の数字を理解することで、自社の課題点や自らの業務の役割を意識し取り組むなど、仕事に対する視野が広がったりもします。

そこで、決算書をある程度、読み解ける知識を身につけるために、会計・財務の基本を公認会計士である宮澤佑輔先生から教えてもらいます。

「押さえておきたい会計・財務の基礎知識」

押さえておきたい会計・財務の基礎知識

  • 株式会社ペイミー CFO | 公認会計士

    大手監査法人、KPMG FAS(M&A・財務アドバイザリー会社)、事業会社(IPOプロジェクト、組織開発)に勤務し、現職。 note(@ymiyazawa)やtwitter(@shapescpa)にて会計財務や人・組織について発信している。

起票の仕方など社内ルールの把握

企業によっては、起票の仕方などについて、社内独自のルールを設けている場合があります。このルールを把握していないと、周囲の人に迷惑をかけてしまう恐れがあります。社内ルールを網羅した経理研修の実施により、ルールの把握に役立てられます。

財務分析手法の習得

財務分析とは、財務諸表の分析により、企業の現状や問題点を洗い出した上で把握することをさします。企業経営の問題点があれば、財務分析により経営危機の回避を期待できます。 財務分析は、安全性・生産性・成長性・収益性と4つの分類があり、目的によって使い分けられます。

<財務分析手法についてのSchooおすすめ授業>

本授業では ”会計” というレンズを通して、企業の価値や社会の動向といったマクロな視点を俯瞰するために必要な用語と考え方を学ぶ財務会計の中級者向け授業です。

なかなか聞きなれない会計用語や、会計的な思考法を学ぶだけではなく、自身が所属している企業の価値や、日本や世界の社会的な動きについて考えるきっかけにしていただけると幸いです。

「会計を通してみる企業価値と社会の動向」

会計を通してみる企業価値と社会の動向

  • 株式会社そろそろ代表取締役/一般社団法人図解総研代表理事

    1987年東京生まれ。株式会社そろそろ代表取締役社長。ビジュアルシンクタンク「図解総研」代表理事。 東京理科大学工学部建築学科卒。千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程修了。面白法人カヤックでディレクターを務め、Webサービスやアプリ開発の設計・構築に携わる。2014年、株式会社そろそろ創業。社会の課題をクリエイティブで解決するべくNPOやソーシャルビジネスの支援を行う中で、「どれだけ社会にいいことでも経済合理性がなければ活動が継続しづらいもどかしさ」を痛感し、グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻(MBA)に2年通学。ビジネスの構造のおもしろさに気づき、ビジネスモデルや会計の仕組みを図解し始める。 2018年、海外のスタートアップから大企業までのビジネスモデルを図解した『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)が9万部のベストセラーとなり、「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARD受賞。2020年、「共通言語の発明」をコンセプトに「図解総研」を設立。大手企業・研究機関・行政との共同研究を通して、環境問題や政策、共創の図解に取り組む。共著に『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』(スマート新書)がある。
 

05経理研修の効果を高めるポイント

経理研修を行うには、時間や費用を費やさなくてはいけません。限られた時間で研修の効果を高めるには、ポイントを押さえた上で研修内容を決めていくことが重要です。次に挙げるポイントを、研修内容の検討時に考慮しながら、研修当日の進行を考えていきましょう。

計画段階で研修の目的を明確にする

経理研修の目的は、参加者の所属部署や役職などによって、大きく変わってきます。例えば、経営者や経理幹部に新入社員向けの研修を行っても、全く意味を成しません。誰に対してどのような研修をするかという目的を、研修計画を立てる段階で明確にしましょう。

研修に関する参加者のニーズを把握しておく

研修の企画者が参加者に知ってほしい知識と、参加者が研修で得たいと感じている知識は、 必ずしも一致するとは限りません。また、参加者の中でもともと持っている知識レベルに差があると、同じ研修を行っても満足度は大きく異なるでしょう。 参加者が有意義だと感じる研修にするためには、 参加者が知りたいと思っている知識やニーズを前もって調査し、把握しておく必要があります。

グループワークなど演習を設ける

研修の効果を高めるのに、 少人数でグループワークを行うのもおすすめです。受講者参加型で演習を設けることで、受け身で講義を聞くだけでなく、与えられた課題に対して解決に向けた取り組みを行います。その結果、自ら考え行動できる従業員の育成が目指せるのです。

外部の専門講師を招いて開催する

経理の専門知識に加え、経理に関係する最新のICT事情などを知りたい場合には、外部の専門講師に研修を依頼する方法も考えられます。外部へ依頼するのであれば、必要な知識レベルを確保できるとともに、客観的な目線で従業員の習得レベルを把握できるようになります。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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・自己啓発への活用方法 など


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06まとめ

今回紹介したように、経理部門の業務では、経理の専門知識だけでなく、ICTの知識やマネジメント能力なども必須のスキルと言われるようになってきました。顧客のニーズを的確に把握し、時代の流れにあった企業経営を行うためには、お金の出し入れを管理する経理部門から基盤を作っていく必要があります。 基盤づくりの第一歩として経理研修を導入し、企業の成長につなげていけるように取り組んでいきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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