公開日:2021/05/28
更新日:2022/09/30

インテグリティの重要性を実践に取り組む企業事例とともに解説

インテグリティの重要性を実践に取り組む企業事例とともに解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業の経営について語る際に「インテグリティ」という言葉が注目されています。これには、過度の成果主義や、SNSで簡単に情報が拡大するようになった時代背景が大きく関係しています。ここでは、インテグリティの意味や重要性を、企業事例とともに解説します。

 

01インテグリティとは誠実さを重視する経営のこと

昨今、経営において「誠実さ」を意味する「インテグリティ」が重視されています。ここでは、インテグリティの言葉の意味や、同時に使用される「コンプライアンス」との違いについて解説します。

インテグリティの意味

インテグリティ(Integrity)は、ラテン語で「完全性」「完璧性」を意味する言葉が語源になっています。日本語に訳すと「誠実さ」「高潔さ」「正直さ」の意味があります。欧米企業では、組織のリーダーやマネジメントに必要な資質のひとつとして、頻繁に使われている言葉です。 日本でもインテグリティを評価する企業が増加しており、企業理念にインテグリティの言葉または、それに類する言葉を入れるようになっています。

コンプライアンスとの違いは「積極性」

インテグリティと同様に、多くの企業が頻繁に使用する言葉に、コンプライアンスがあります。コンプライアンスには、「遵守」「守る」という意味があり、法令遵守、社会的通念を守ることの意味合いで用いられます。この2つの言葉には密接な関係がありますが、大きな違いとして、言葉の意味合いの「積極性」を挙げることができます。 コンプライアンスには、「悪いことはしてはいけない」「不祥事を起こさないように」という消極的な面があります。それに対して、インテグリティには、進んでよいことをして、社会に貢献したいという積極的な面があります。当然、インテグリティがなければコンプライアンスを遵守することはできません。

 

02ビジネス界の著名人も提唱するインテグリティの重要性

インテグリティの重要性は、古くからビジネス界の著名人により提唱されています。ここでは、町名投資家のウォーレン・バフェットと、経済学者のピーター・ドラッカーが語るインテグリティについて解説します。

著名投資家ウォーレン・バフェットが語るインテグリティ

アメリカの著名投資家であるウォーレン・バフェットは、スティーブ・シーボルト著「一流の人に学ぶ自分の磨き方」から引用して、人を雇う際に重要な資質として高潔さ、知性、活力があるが、高潔さに欠ける人を雇うと、他の2つの資質が組織に大損害をもたらすことを語っています。 ここでいう高潔さはインテグリティのことで、インテグリティの欠けた知性や活力は、企業にとって害になること、むしろ怠惰で愚かな人材を雇うほうがましであることを語っています。高潔さ、つまりインテグリティは、企業で働く従業員すべてにとって大切な資質であることを唱えていることがわかります。

経営学者ピーター・ドラッカーが語るインテグリティ

経済学者であるピーター・ドラッカーは、自著「現代の経営」の中で、「真摯さに欠けるものは、いかに知識があり才気があり仕事ができようとも、組織を腐敗させる」ことを述べています。そして、部下たちが決して許さないことは「真摯さの欠如」であることを指摘しています。 経営者にとって、才能や知識も大切ではありますが、最も大切な資質は、真摯さ、つまりインテグリティであることを唱えているのです。

 

03インテグリティが注目されるようになった背景

日本で、インテグリティが注目されるようになった背景には、以下のことが関係しています。

過度の成果主義が生み出す不祥事

無理にでも成果を出そうとする企業の姿勢が、これまでに多くの不祥事を生み出してきました。例えば、DeNAが運営するキュレーションサイトが、外部からの指摘によって閉鎖となった不祥事では、健康や医療分野の「WELQ」が、専門家による監修なしで、真実性のない情報を読者に伝えていたことが問題となりました。検索上位表示を重視し、コンプライアンスが無視されたことで、SNSでは炎上し、テレビでも取り上げられました。

働き方改革で浮き彫りになった雇用問題

政府が推進する「働き方改革」でも、インテグリティの欠如に関する問題が浮き彫りになりました。例えば、多様な働き方を選択できる社会を目指している中で、正規雇用者と非正規雇用者の待遇の格差が指摘されるようになり、同一労働をしている場合は同一の賃金を支払うべきであることが法令化されました。 長時間労働についても社会問題のひとつとして認識されるようになり、ワークライフバランスの推進が行われています。これらの雇用問題は、企業側のインテグリティによって解決されるべきものであるといえます。

インテグリティの実践は企業一丸で取り組む必要がある

コンプライアンスも、インテグリティも、経営陣が襟を正して率先しない限り、従業員には定着しません。ひとりのアルバイトや従業員の行動が、SNSによる情報拡散で大問題となり、企業イメージを落とす原因となる昨今、インテグリティの実践は企業一丸で取り組む必要があるといえます。

 

04インテグリティを持つ人材の特徴

インテグリティを持つ人材とはどのような特徴を持っているのでしょうか?ここでは主な特徴を2つ解説します。

正義感が強い

インテグリティを持つ人材は正義感を持っているという特徴があります。自分や自社にとって利益になる取り引きだったとしても、顧客のためにならないのであれば実施しないといった行動が取れることです。会社から責任や目標を課せられている状況だと、それらを全うしなければならない気持ちが出てしまいます。そういった時にこそ、正しくないことには正しくないと言える人材がインテグリティを持っていると言えます。

利他的な考え方ができる

自分のことだけを考えるのではなく、周りの人のことまで考えられる人もインテグリティを持っている人材と言えるでしょう。たとえ能力が高くても、自分が評価されることだけを考えるだけの人材はどこかで問題を起こしてしまう傾向があります。自分の行動が顧客のためになっているのか、社会のためになっているのかなど、俯瞰的に考えられることが重要な要素です。

 

05インテグリティにより企業はどう変わるか

インテグリティによって企業はどう変わるのでしょうか。以下の3つの点について解説します。

従業員の主体性が育つ

インテグリティを意識することで、従業員の主体性が育つことが期待できます。インテグリティを意識するということは、何が社会にとって有用なのか、自身の行動に対する責任を持つことに繋がります。「規則だから」「禁止されているから」ではなく、自分の意志でやるべきことを考える主体的な人材に育つのです。また、違反を目撃した際に、声を上げることのできる勇気ある従業員の育成を後押しすることにもなります。

健全な組織運営が推進される

組織の上層部や管理職が、インテグリティにもとづく行動を率先して行えば、部下にも大きな影響を与えることになります。判断に迷っているときなどは、上司がインテグリティを自らの行動で示すことで、その重要性を部下に伝えることができます。そもそも誠実さのない上司についていきたい部下はいないでしょう。上司がインテグリティを示すことで、健全な組織運営が推進されるのです。

コンプライアンス遵守により企業イメージ向上

企業の経営陣を筆頭に、インテグリティの実践に率先するなら、インテグリティは企業の文化になります。インテグリティを実践する人は、コンプライアンスを遵守します。従業員一人ひとりの行動が、企業イメージを向上させることに繋がるのです。 また、コンプライアンス遵守が最低ラインとなり、地域において良いことをしたいという風土が社内に根付き、社会貢献の面でも活動が活発になると期待できます。企業イメージを作るのは、アルバイトやパートなど、非正規雇用者を含めた全従業員であることを、決して忘れてはなりません。

 

06社員にインテグリティを身に着けさせる方法

社員にインテグリティを身に着けさせるには、どのようなことをすればよいのでしょうか。ここでは、主な方法を3つ解説します。

インテグリティを重要視していることを共有する

いきなりインテグリティを身に着けろと言われても、すぐに身に着けることは難しいでしょう。最も有効な方法としては、企業からインテグリティの必要性は重要視していることを全社に共有することです。企業として意識していることを共有することで、社員も意識するようになります。インテグリティを身に着けさせることは簡単ではないため、根気よく取り組んでいくことが大切です。

インテグリティを基準とした評価制度の導入

インテグリティを評価制度として導入することも方法の一つです。評価基準として取り入れられていれば、社員は基準を満たすために業務においてインテグリティを意識するようになります。評価基準の軸としては、主にチーム・会社・顧客の3つの観点で定めると良いでしょう。会社としてコンピテンシーを設定し評価基準にしている場合は、その中の要素として取り入れることも有効です。

 

07インテグリティの実践に取り組む企業の事例

インテグリティの実践に取り組むことで知られている企業がいくつかあります。ここでは、その中から3社の事例を紹介します。

日本ゼネラル・エレクトリック株式会社

日本ゼネラル・エレクトリック株式会社は、企業行動指針の中で、「誠実原則(インテグリティ)を前面に押し出しています。全世界で働く27万6千人の社員にとって、インテグリティは優先されるものであることを明記し、懸念を抱いた場合は報告すること、匿名による報告ができる制度を整えていることを全社員に周知しています。さらに、報告者や情報提供者に対しては、いかなる立場であろうと報復してはいけないことが記されています。

 
参考:GEの「誠実原則/企業規範」

花王株式会社

花王株式会社でも「花王のアプローチ 社会的課題と花王が提供する価値 方針」の中で、 インテグリティを重要項目としています。花王は創業以来、「正道を歩む」、つまり法と倫理に則って行動し、誠実で清廉な事業活動を行うことをベースとしてきました。そして、コンプライアンス教育に力を入れていることや、コンプライアンス通報・相談窓口の設定、監査とモニタリングなどの取り組みで、法令や倫理を遵守した「よきモノづくり」をさらに徹底する決意を表明しています。

 
参考:花王のアプローチ 社会的課題と花王が提供する価値 方針

ダイムラー・グループ

メルセデス・ベンツに社名を変更したことでも注目されている、ダイムラー・グループでも、インテグリティは基本となる価値観であるとしています。「私たちのインテグリティ規定」では、社会的責任を果たしていくことが、長期的な成功に繋がることを述べており、ダイムラー・インテグリティ規定を全従業員に適用することで、日々の正しい決定を下すための助けとするよう訴えています。そして、不誠実なことは担当者に話ができる「声を上げる文化(スピークアップ)」も推奨しています。

 
参照:私たちのインテグリティ規定

 

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08まとめ

インテグリティは、健全な組織づくりに欠かすことのできない要素です。コンプライアンス遵守は当たり前のことで、今の時代はさらに積極的な態度で、インテグリティを実践することが求められています。SNSでの炎上を未然に防止するために、アルバイトやパートを含むすべての従業員にインテグリティの重要性を教えなければなりません。そのためには、まず、企業の経営陣を中心に率先した取り組みを行う必要があります。

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