グリットとは?その構成要素や伸ばす方法について解説する
成功の秘訣とされるグリットが持つ意味とは、どのようなものなのでしょうか。本記事では、成功の秘訣と言われる理由やその構成要素ついて解説していきます。グリットとは何かを理解し高める方法についても理解し、人材育成に役立てていきましょう。
- 01.グリットとは
- 02.グリットを構成する4つの要素
- 03.グリットの種類とは
- 04.グリットが高い人の特徴
- 05.グリットを伸ばす方法
- 06.グリットの測定方法
- 07.グリットを身に着けるならSchooビジネスプラン
- 08.まとめ
01グリットとは
グリット(grit)とは、「やり抜く力」または「粘る力」だと定義されます。困難に遭ってもくじけない「闘志」「気概」「気骨」の意味を持つ用語で、社会的に成功している人が共通して持つ心理特性として注目が集まっています。心理学者でペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワースは、「才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」とし「グリット」理論を提唱しました。
アンジェラ・リー・ダックワースの概念
GRIT(グリット)はGuts(闘志)、Resilience(粘り強さ)、Initiative(自発)、Tenacity(執念)の4つの頭文字をとった言葉で、「やり抜く力」のことを意味します。グリットを提唱したペンシルバニア大学教授のアンジェラ・リー・ダックワースが、シカゴ調査した結果、グリットを持つ学生は退学せずに卒業していく確率が高いことがわかりました。アンジェラは、「才能やIQ(知能指数)や学歴ではなく、個人のやり抜く力こそが、社会的に成功を収める最も重要な要素である」と唱えています。
- 「GRIT(グリット)理論」
- ・生まれ持った才能・知能は関係がない
- ・失敗を恐れず挑戦することが重要
- ・長期間、継続的に粘り強い努力を要する
02グリットを構成する4つの要素
次にアンジェラが提唱するグリットを構成する4つに要素Guts(闘志)、Resilience(粘り強さ)、Initiative(自発)、Tenacity(執念)について解説していきます。それぞれがどのような意味を持っているかを知り、より深くグリットについての理解を深めていきましょう。
Guts(ガッツ):「闘志」
よく知られている言葉である「ガッツ」は日本語で「闘志」という意味を指します。そのまま使用されていることの多い言葉なので、聞きなれている単語です。闘志とは、困難なことに立ち向かうことを意味して利用されています。ビジネスにおいては、課題解決、顧客からの要望や予算見直しなど、困難なテーマを担当することや、業務そのものを困難だと感じることもあります。
Resilience(レジリエンス):「粘り強さ」
「レジリエンス」は、「粘り強さ」という意味。最後までやり抜くためには、失敗しても諦めずに続ける、逆境に負けない粘り強さが必要だとしています。現在では、レジリエンス自体も「逆境や困難に負けず、環境に適応し、生き抜く回復力」という意味をもとにビジネス上で注目されてる用語です。失敗を怖れず、最後までやりぬく粘り強さ、逆境にも負けない粘り強さを必要としています。
Initiative(イニシアチブ):「自発」
「イニシアチブ」も知られている用語です。「自発的に目標を定め取り組む力」との意味があります。自分で目標を見据えること、自ら見出し設定した目標を達成するために粘り強く努力をし継続することが必要だとしています。グリットにおけるイニシアチブは、あくまで自発的に行うことを基準としている点に注意しておきましょう。
Tenacity(テナシティ):「執念」
「テナシティ」は日本語で「執念」という意味です。途中で困難や逆境にぶつかっても、最後までやり抜くことが必要で「何としても達成する」という執念を必要としています。日本語での執念は悪い意味で使われるイメージがありますが、何事も最後までやりぬくという意味を持つポジティブな意味として理解しておきましょう。
03グリットの種類とは
グリットには、良いクリット、悪いグリットの2つの種類があるとされています。2つの違いと構成要素として含まれる内容を理解しておくことで、よりグリットの意味を理解することができます。2つの違いと効果について確認していきましょう。
良いグリット
良いグリットを構成する要素には8つの種類があります。「情熱」「幸福感」「目標設定」「自制心」「リスク・テイキング」「謙虚さ」「粘り強さ」「忍耐」の8つです。良いグリットを発揮できると周囲から尊敬されるだけではなく、自分自身の中の可能性に気が付くことができます。この可能性に気が付くことで、より成長したいという気持ちを呼び起こすことができ、段階的な成長を実現します。結果的に、自己成長だけではなく周囲に対しての影響力も増し、ビジネスにおける影響力をもつ人材になることも可能になるでしょう。
悪いグリット
反対に悪いグリットは、良いグリットの8つの構成要素のどれかが大きく欠けているものを指します。いづれかの要素がかけてしまうことで、偽りの成功へや自己陶酔、嫉妬、傲慢の原因になります。そして、頑強で忍耐強くなりすぎてしまうことで「強情グリット」という状態になり、いくら道を進んでも成果につながらない、アドバイスに耳を傾けない、間違った方向に突っ走ってしまうなどの行動につながり悪循環に陥ってしまうのです。結果的には、周囲との調和が取れなくなり悪影響を与える人材と見られる可能性もあります。
04グリットが高い人の特徴
グリットの概要について解説しましたが、グリットの高い人にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは主な特徴を3つ解説します。
努力と関心を維持できる
グリットが高い人は、目標に向かって自己をコントロールし、努力を感心を維持することができます。医師などの難関な国家資格を取ることや、仕事で大きな成果を出すためには自ら主体的に選択肢、継続的な努力が必要です。そして、努力を継続するためには取り組んでいることに対する関心も欠かせません。グリットが高い人はそれらの要素を持ち合わせており、社会的地位が高いなどの傾向があります。
幸福度が高く健康面も良好である
グリットの高い人はポジティブな感情を持ちやすい傾向があります。グリットを測る方法にグリットスケールというものがあります。10個の質問を、5段階評価し点数化します。測定の結果、物事を悲観的に考える人よりも物事を悲観的にとらえる人の方がグリットスケールの値が高いことが明らかになっています。グリットが高い人は、幸福度が高く健康面も良好であり、メンタルヘルスや自己管理に対しても影響を与えているようです。
社会や他者への貢献意識が高い
グリットの高い人は、自分のやっていることの意義を見出し他者や周囲へ積極的に還元しようという意識が高い傾向にあると言われています。人は、例えばお金を稼ぐこと、成長することなど自身をよりよくするために努力をします。しかしそこに、自分のためだけではない意義や、他者に貢献している実感が湧くと、より強力なモチベーションになります。グリッドが高い人は、周囲への貢献意識を、やりぬくことに活かしていると考えられます。
05グリットを伸ばす方法
次に、メリットの多いグリットを伸ばす方法について解説していきます。どのような方法を取ることがグリットを伸ばすことにつながるかを理解しておきましょう。実際に、日常のご業務において意識することで伸ばすことができる方法であるため、日頃から意識的に実践することが近道です。
新たな課題へのチャレンジ
新たな課題やテーマ、業務へのチャレンジはグリットを伸ばす最高の教材です。チャレンジをし続けることは大変なことですが、1つのテーマが終了した後には、新しい課題へチャレンジをする習慣を持ち、常にチャレンジをすることを繰り返していきます。このチャレンジを通じて、グリットを伸ばし自分の可能性を広げたり、新たな知識や技術を吸収し続けることで成長を果たしていきます。
成功体験の蓄積
成功体験を蓄積していくこともグリットを伸ばす方法です。最初は小さな成功体験から始め、徐々にその規模を大きくすることで経験の蓄積、知識や技術の蓄積を行っていきます。これを繰り返すことで、自ずと大きなチャレンジをする機会に恵まれるでしょう。成功体験と同時に、大変だった経験をすることはその後の業務運営にもおおいに役立つ経験となり自己成長を促す結果を導きます。
グリットを持つ人と行動を共にする
グリットを持つ人と交流し行動を共にすることで、その人の考え方や価値観を吸収していく方法です。価値観や考え方については、全てを真似する必要はありません。どう考えているのか、何をもとに判断しているのかという思考のプロセスを学ぶことを指します。そして、その価値観を通して、何を得ているのかやどういった知識や技術が必要であるかを理解することこそが必要です。
長期的な視点で伸ばしていく
グリットは、短期的に伸ばすことができるスキルではありません。長期的なスキル習得やスキル向上を目標とし実践していく必要があります。グリットを伸ばすことに焦りは禁物です。簡単に伸ばせるスキルではないため、長期的な視点で施策を講じスキルアップを行うことで、確実なスキルアップを実現していきましょう。
評価する
自分のグリットがどの程度であるかを評価することも大事です。この評価には、グリット・スケールを用いて評価する方法があります。定期的に自分自身のグリットを評価し、成長度合いや不足している要素を棚卸し、より高いグリットとなるように工夫を行うことも必要です。グリット・スケールは非常に簡単な測定方法ですので、機会があるごとに測定をしていきましょう。
06グリットの測定方法
グリットを測定する方法に「グリット・スケール」があります。グリット・スケールは、以下の10項目についての評価から導き出し、その数字の合計を10で割った数字(グリット・スコア)によりグリットの高さを測定します。グリット・スコアが高いほどグリットが高い状態となります。スコアはその時の状況や気持ちによっても変動することを理解し、常に高い数値が取れるように意識しておきましょう。
グリットを測定するための設問
各設問にそれぞれ1~5のどれが最も当てはまるのかを選びます。「非常に当てはまる」が5点、「かなり当てはまる」が4点、「やや当てはまる」が3点、「あまり当てはまらない」が2点、「まったく当てはまらない」が1点となります。
- 【設問】
- (1) 新しいアイデアや企画があると、ついそちらに気を取られてしまう。
- (2)妨げがあっても挫けないし、簡単にはあきらめない。
- (3)目標を設定しても、途中で変えてしまうことがよくある。
- (4)私は努力家だ。
- (5)達成まで何ヶ月もかかるようなことだと、集中を維持することが難しい。
- (6)始めたことは必ずやり遂げる。
- (7)興味が毎年のように変わる。
- (8)私は勤勉で、絶対にあきらめない。
- (9)アイデアや計画に夢中になっても、直ぐに飽きてしまう。
- (10) 大切なことを成し遂げるために、挫折を克服してきた。
07グリットを身に着けるならSchooビジネスプラン
Schooビジネスプランでは約8,500本の授業をご用意しており、危機管理の研修にも対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.自発的に学ぶ人材を育成できるSchooの講座
上記でも説明したように、Schooでは約8,500本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。
Schooビジネスプランの講座では、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。
ここでは、グリットに関連するSchooの講座をご紹介します。
折れない心を育てるレジリエンスの高め方
【授業アジェンダ】 ・レジリエンスとは? ・レジリエンスを高めるには何が必要か? ・ポジティブとネガティブについて考える
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(一社)日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンス・トレーナー
外資系IT企業、ITベンチャーの創業メンバーとして、システムエンジニア、プロジェクトリーダ/マネージャ、社員育成の企画/運用などに従事。IT業界で10年間働いた後、無農薬・無化学肥料で作る野菜農家になる夢を実現させるため、山梨県へ移住して1年間農家修行を行う。しかし、家庭の事情により農家になる夢を断念しIT業界へ戻る。 社員育成の経験、夢の実現を目指した経験から「充実した人生を創りたい人をサポートしたい」という想いを強く抱き、コーチング、ポジティブ心理学、そしてレジリエンスを学ぶ。現在はIT業界での仕事を続けながら、レジリエンス・トレーナー、ビジネスコーチとして活動。レジリエンスを高めることが折れない心を作ること、さらには夢や目標を達成するためにも大きな効果があると実感し、特にレジリエンス講座の開催に力を入れている。
「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -チャレンジできる人になる-
【授業アジェンダ】 ・レジリエンスとは? ・「しなやかマインドセット」を身につける方法 ・実践エクササイズ「最高の自分像」を描く
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(一社)日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンス・トレーナー
外資系IT企業、ITベンチャーの創業メンバーとして、システムエンジニア、プロジェクトリーダ/マネージャ、社員育成の企画/運用などに従事。IT業界で10年間働いた後、無農薬・無化学肥料で作る野菜農家になる夢を実現させるため、山梨県へ移住して1年間農家修行を行う。しかし、家庭の事情により農家になる夢を断念しIT業界へ戻る。 社員育成の経験、夢の実現を目指した経験から「充実した人生を創りたい人をサポートしたい」という想いを強く抱き、コーチング、ポジティブ心理学、そしてレジリエンスを学ぶ。現在はIT業界での仕事を続けながら、レジリエンス・トレーナー、ビジネスコーチとして活動。レジリエンスを高めることが折れない心を作ること、さらには夢や目標を達成するためにも大きな効果があると実感し、特にレジリエンス講座の開催に力を入れている。
「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -チャレンジできる人になる-を無料視聴する
目標を「絶対達成」する仕事スイッチの入れ方
「目標を「絶対達成」させるために必要な力」について学んでいきます。 本授業でみなさんにお伝えしたい力は大きく分けてこの3つになります。 ・SMARTの法則&目標設定 ・自分を変化させる力 ・スイッチの入れ方 どうすれば絶対に達成することができるのか? 中期的な目線で自身の力をつけていくための方法を、みなさんと一緒に学んでいきましょう。
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経営コンサルタント
アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。 企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。「日経ビジネス」「東洋経済」「PRESIDENT」など、各種ビジネス誌への寄稿、多数のメディアでの取材経験がある。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの他、『「空気」で人を動かす』『自分を強くする』等多数。著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。
3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。
さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。
さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。
「研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
08まとめ
本記事は、成功している人材が保有しているスキル「グリット」について解説しています。本記事を参考にグリットとは何かを理解し、自分自身のグリットを上げる方法を行いビジネスにおける成功を勝ち得ていきましょう。また、グリットが高い人材を育成することで、企業には大きなメリットが生まれることも理解し人材育成を行う参考にしてください。