公開日:2021/05/28
更新日:2024/03/01

DXとIT化との違いとは?DXの導入が求められる理由や成功事例を紹介

DXとIT化との違いとは?DXの導入が求められる理由や成功事例を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略であり、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変えていくシステムです。本記事ではDXの概要や重要性、IT化との違いについて紹介します。これからDXを導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

01DXとはIT化とは別のものなのか?

DXとIT化は、同じものとして捉えがちですが、実は全く別の仕組みです。最初に、それぞれの定義を学び、違いを明確にしておく必要があります。ここからは経済産業省が定義しているDXについて、詳しく説明します。

DXの定義とは

DXは、「Digital Transformation」を略した用語です。「Digital」はその名の通りデジタルであり、「Transformation」は変容(姿や形が変わること)を意味しています。デジタル技術を活用しながら、生活や仕事をより良く快適にしていこうという目的があります。 経済産業省では「デジタルガバナンス・コード2.0」が作成されており、DXについて次のように定義しています。

デジタル技術やツールを導入すること自体ではなく、 データやデジタル技術を使って、顧客目線で新たな価値を創出していくこと。 また、そのためにビジネスモデルや企業文化等の変革に取り組むこと。

この定義のもと、国をあげてDXを推進しようという動きが活発化しています。DXは、生活のあらゆる場面で活用されています。例をあげると、インターネットの通販サイトやインターネットバンキング、チケットのオンライン購入など、普段利用しているサービスに応用されています。

【参考】経済産業省 | 産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)

他にもあるDXの2つの定義

DXの定義には、先に紹介した経済産業省の定義以外に2つあるといわれています。 1つは、2004年にスウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱した定義で、「ITが浸透すると、人々の生活がより良い方向に変化する」と説いています。

もう1つは、スイスにあるビジネススクールで教授を勤めるマイケル・ウェイド氏が、2010年代に提唱した定義です。「デジタルの技術とビジネスモデルを融合させ、業績を向上させること」が狙いとされています。

IT化とは

ITとは、「Information Technology」を略した用語であり、コンピューターによるデジタル技術の総称です。つまり、IT化とはデジタル技術を応用して業務の効率化を図るとともに、コスト削減を目指すことを意味します。IT化によって、これまで手作業で行っていた業務が自動化でき、さらに情報をデジタル化できるようになり、業務時間の短縮にもつながります。作業工程を減らす効果もあり、従業員の負担が軽減できるのです。

反対に、システムを導入しても、紙の書類で処理を行っているようでは、IT化が進んだとはいえません。IT化が推奨される理由には、少子高齢化による労働人口の減少、グローバル化による迅速な対応の必要性向上、多様な働き方への対応などがあげられます。

DXとIT化の違いとは

IT化が、工程一つひとつの生産性を上げる技術であるのに対して、DXはITを活用することで業務全体の工程を改革させ、より便利なものに変えるという明確な違いがあります。このため、IT化を進めることでDXが活用できると考えられます。 目的が異なるため、導入方法や必要な情報はそれぞれ独立しています。ただ、完全に別々の技術ではなく、常に連携して業務効率化を図るツールであるといえます。

 

02DXを導入することで解決できる課題とは

企業において、DXが果たす役割は大きくなる一方ですが、DXの導入によりどのような課題が解決できるのでしょうか。期待できる効果やメリットなどを解説します。

新たな価値の創出や競争優位性を確保できる

経営戦略にDXを活用すると、業務を変革するための取り組みとして認識され、他社との競争における優位性を高められます。さらに、データを運用することで新たな発見にもつなげられる可能性があると考えられます。

データの損失・ブラックリスト化を防げる

日本では、少子高齢化により生産年齢の人口減少が続いているほか、ITを駆使できる人材も不足しています。これまで企業が蓄えてきた貴重なデータをデジタル化すると、データを長期保管できるようになり、データ損失およびブラックリスト化のリスクを低減できます。

利益率が向上する

DX導入を検討していた飲食店で、売上・天気・曜日・周辺宿泊施設の宿泊人数などをデータ管理することから始めたケースを紹介します。これらのデータを基に、翌日の来店客数を予測するシステムを独自開発しました。 その結果、材料の発注数や従業員の適切なリソースにつながり、利益率および売上の向上という結果を出せました。食品ロスも減り、大きな成功事例だといわれています。

BCP(事業継続計画)を実行できる

BCPとは、自然災害・テロ・システム障害などの危機的状況に陥ったとき、事業の停滞や損失を最小限に抑え、早期復旧を目指す取り組みです。業務のデジタル化により、不測の事態にも柔軟に対応できます。 DXの導入により、テレワークの実施につながるほか、社内コミュニケーションも専用ツールで行えます。

▼BCP(事業継続計画)について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】BCPとは?現在の実施状況や策定のステップを解説|業種ごとの取り組みも紹介


 

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03DX実現を支えるデジタル技術

AI(人工知能)

AI(人工知能)は、機械が人間のような知的な活動を行う技術です。データからパターンを抽出し学習し、認識や予測、意思決定などのタスクを自律的に実行します。DXにおいては、AIは大量のデータを処理し、高度な分析と洞察を提供することで効率化と自動化を実現します。

IoT(モノのインターネット化)

IoT(モノのインターネット化)は、様々な物理デバイスやセンサーをインターネットに接続し、相互に情報をやり取りする技術です。DXでは、IoTによってリアルタイムなデータ収集やモニタリングが可能となり、効率的な運用やサービス提供が実現します。

クラウド

クラウドは、インターネット上のリモートサーバーにデータやアプリケーションを保存・処理する仕組みです。これにより、大量のデータを効率的に処理したり、複数の人が同時に協力して作業したりできます。

5G

5Gは高速で低遅延の通信技術で、インターネットへの接続がさらに高速化されます。これにより、大容量データの高速な送受信や、リアルタイムの情報共有が可能になります。また、信頼性や接続性が向上するため、モバイルやリモートワーキングなど新しいビジネスモデルの実現が促進されます。

 

04今導入されているDXの実例

実際の業務にDXを導入している企業は、どのような方法で活用しているのか、例をあげて紹介します。いずれも、誰しもが聞いたことのある企業ばかりで、きっと参考になる事例が多いはずです。ぜひ参考にしてみてください。

資生堂

大手化粧品メーカーの資生堂では、個々に合ったスキンケアを提案するシステムを開発しました。スマートフォンのアプリで肌を測定し、専用マシンを使いケア方法を選び出します。このサービスにより、化粧品の月額課金制販売が開始されました。
参考:「Optune|資生堂」

日本交通

タクシー会社である日本交通では、AIを使って乗車需要が多い地点を予測するシステムを導入しました。過去の乗車履歴や開催中のイベント情報、気象情報、鉄道の遅延情報を基に予測しています。このシステムを導入し、車両の稼働率を上げることに成功しました。
参考:「日本交通とDeNAがタクシー配車で事業統合 業界の課題に挑む|日経クロストレンド」

Spotify

毎月定額を支払うと、音楽が聴き放題になる「Spotify」も、DXを活用したサービスです。このサービスにより、人々の音楽の聴き方に大きな影響を及ぼしました。レコード会社の収益モデルも変化しており、定額に含まれる分配金が各会社に配分されるようになっています。
参考:「Spotifyに見るサブスクの真髄|マーケジン」

ウィラーエクスプレス

高速バスを運行しているウィラーエクスプレスでは、運転手の居眠り防止にウェアラブルセンサーを導入しました。耳たぶに装着し、脈波から眠気を感知するもので、重大事故の大幅な減少に成功しました。
参考:「センコーとWILLER EXPRESS 東名阪で貨客混載開始」

家庭教師のトライ

家庭教師のトライでは、時間や場所を問わず、個々の生徒に合った授業が受けられる映像授業サービスを開発しました。配信している映像授業は4,000本にのぼるうえ、スマートフォンを振ると直接講師へ質問できる仕組みを構築しました。
参考:「利用者向けぺージ|質問できる映像学習サービスTry IT」

 

05DXを導入しないと発生するリスクとは

DXの導入は、企業の急務とされていますが、導入しなければ、具体的にどのようなリスクが起こりうるのでしょうか。ここからは、日本の企業が抱えている課題とあわせて紹介します。システムの移行は特に大きな問題であり、今すぐにでも解決したい問題です。

大規模システムからの移行が難しい

独自のシステムを採用していたり、大規模システムを導入したりしている企業では、別のシステムへの移行は容易ではありません。業務の重要部分に関わるシステムであれば、この傾向はより顕著にみられます。 この場合は、細かいステップに分けて移行していく必要があります。部署間の調整や、内部から上がりうる反対の声など、懸念される点はいくつかありますが、企業の生命線を守るためには重要な作業です。

結果が出るまでに時間が必要

DXを導入したからとはいえ、結果が目に見えて分かるまでには3年から5年ほどかかるといわれています。長期間にわたってプロジェクトが継続できるように、人材や資金の投資を長い目で見据えていかなかればなりません。

 

06DXの推進が重要である理由とは

DXの推進が、ここまで重要視されるのは、次のような理由があげられます。そのなかでもとりわけ2025年の崖の問題はすぐそこにまで迫ってきています。どのような問題なのかを理解して、早めに対策を考えましょう。

テレワークの普及

コロナ禍において、日本でもテレワークが急速に普及しました。テレワークを行うには、あらかじめ業務をデジタル化しておくことが必要です。書類を電子化する、申請のプロセスをクラウドで行えるようにする、チャットツールを導入するといった対策が求められます。

デジタル化によるビジネスモデルの変化

ビジネスモデルは、時代の流れとともに常に変化し続けています。中でも、業務を効率化させるデジタル化を、急ピッチで進めている企業が増えています。時代の流れに遅れないため、企業がDX推進に取り組む重要性が叫ばれているのです。

2025年の崖を克服するため

現在多くの企業で使われているITシステムが時代に合わなくなっています。さらに、「レガシーシステム」と呼ばれる既存システムを使いこなせる人材の多くが、2025年までに定年を迎えることで、人材不足が起こる可能性が高まっています。 その結果、2025年以降におよそ12兆円もの経済損失が発生すると予測されています。これが「2025年の崖」と呼ばれている問題です。DXを推進すると、既存システムのデジタル化につながり、業務の効率化を図ることができます。

 

07Schoo for BusinessのDX研修

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オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

Schoo for Businessの資料をもらう

DX研修では、診断結果から自動で学習内容を推奨してくれる機能だけでなく、実務で使えるスキルを身につける3ヶ月の学習プログラムまで用意しており、組織全体のDXスキルを底上げすることが可能です。

特長1. DXスキルを診断・結果に応じて学習のレコメンド

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「DXスキル診断」で社員のDXスキルを可視化することができます。100問ほどの質問に回答することで、社員一人ひとりの強みや課題が明らかになります。

また、この診断結果に基づいて自動で学習コンテンツをレコメンドする機能も備わっています。学習内容は、経産省のデジタルスキル標準に準拠しています。

※DXスキル診断の利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

特長2. 実践的なDXスキルが学べる

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Schooの学習動画では、第一線で活躍するビジネスパーソンが講師を務めています。そのため実践的なスキルが身につく研修を実施することが可能です。

また、データ分析・ITリテラシーなどスキル毎にカリキュラムもご利用いただけます。カリキュラム作成に時間を割く余裕が無いという方でも、簡単に研修を開始できます。

※DXカリキュラムの利用に、追加料金は一切かかりません。Schoo for Businessの利用者は無料でこの機能をお使いいただけます。

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08まとめ

DXの推進および導入は、業務効率化を図るだけでなく、企業の生命線にも関わる重要な施策です。企業の発展を目指すため、DXは必要不可欠なシステムとなっていくはずです。今回紹介した内容を参考に、ぜひDXを社内で活用してください。

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経済産業省の商務情報政策局 情報技術利用促進課でDXリテラシー標準化の検討会を行っている同課の金杉 祥平氏をお招きし、「経済産業省が取り組むデジタル人材育成プラットフォーム」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。デジタル人材要件の定義や、リスキリングするための構造化された項目、さらに経済産業省で構想している人材育成プラットフォームについてもお話しいただいております。

  • 登壇者:金杉 祥平様
    経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)

    2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。

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