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産前休暇についての基本知識から使える給付金の知識までを解説

公開日:2021/07/13
更新日:2021/07/28
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産前休暇についての基本知識から使える給付金の知識までを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

2016年に施行され2019年に改正された女性活躍促進法を筆頭に、より一層の女性労働者の活躍が求められています。女性労働者が活躍する上で欠かせないのは妊娠・出産・育児と仕事との両立です。当記事では安全な出産には欠かせない産前休暇について解説します。

 

産前休暇とは?

出産の際の休暇制度については労働基準法第65条によって定められています。

  • 第六十五条
  • 1.使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
  • 2.使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
  • 3.使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。(昭六〇法四五・平九法九二・一部改正)

いわゆる産休には産前休暇と産後休暇があります。また育児・介護休業法には育児休業制度が定められています。当記事で紹介する産前休暇とは労働基準法第65条の1にあたる休暇です。
引用:労働基準法

 

産前休暇はいつから取得可能か

産前休暇は原則として出産予定日の6週間前(42日間)から取得が可能です。双子以上の場合は14週間前(98日間)から取得可能です。しかし、出産する予定の女性が休業を請求して取得する休暇のため、希望すれば出産直前まで働くことも可能です。ただし、その際には医師の許可が必要となります。 また例外として医師が自己療養が必要と診断し、診断書を書いてもらうことにより産休を前倒しで取得することも可能です。

産前休暇の申請方法

産前休暇は本人が申請して会社に手続きをする必要があります。出産までの期間中であればいつでも申請は可能ですが、休暇直前の申請だと業務に支障が出るため早めに妊娠報告と産前休業期間の相談をしておくのがいいでしょう。 必要な手続きは以下の通りです。

  • ・産休の申し出 勤め先の会社に対して産休前の期間に産休の申し出を行います。
  • ・産前産後休業取得者申出書

勤め先の会社が申請する場合もあります。所轄の年金事務所に産前産後休業の期間中に申請します。産前産後休業取得者申出書を日本年金機構に提出することで健康保険料や厚生年金保険料の負担を免除してもらえます。日本年金機構のホームページよりダウンロードして郵送で書類を送るのが通例です。

転職直後やパートタイムでも取得可能

産前休暇、産後休暇、育児休暇には取得条件はありません。そのため転職直後であってもパートタイム労働者であっても取得可能です。転職直後に産休を取得する際に注意する点は育児休業給付金制度です。 育児休業給付金は育児休業中に「休業開始時の賃金日額×支給日数×67%」相当の給付金を受け取れる制度です。育児休業給付金の受給には育児休業を開始する前の2年間に12か月以上の雇用保険被保険者期間があることが条件です。そのため離職期間が長い場合には注意が必要です。 またパートタイム労働者でも産休は取得可能ですが、全国の企業と25~44歳の女性労働者へのアンケート結果によると、非正規社員に対し「産休・育休を実施している企業」はパートタイマー約4割、契約社員などフルタイム有期雇用労働者で3割という実態です。法律で認められている権利ですが、まだまだ浸透していないのが現状です。
参考:独立行政放任労働政策研究・研修機構「妊娠などを理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」

休暇中の給料は原則もらえない

産前休暇、産後休暇中の給料は基本的に支給されません。法律で定められた労働者の権利としての休暇ですが、その間の給料についての規定はありません。企業側からすれば、ノーワークノーペイの原則に従い働いていない期間の給料の支給をしていないのが現状です。 しかし給料の5~7割に相当する給付金や手当を健康保険や雇用保険から受け取ることが可能です。産休中に受け取れるお金について次章で解説します。

 

産前休暇取得時にもらえるお金

公益社団法人国民健康保険中央会の調査によると出産費用(正常分娩の場合)の平均額は50万5,759円です。出産費用は地域差もあり、もっとも平均費用が高いのは東京都の62万1,814円です。 また正常分泌が困難な際に選ばれる帝王切開や痛みをやわらげる和通出産・無痛出産などではさらに費用がかかります。入院料や分娩料、新生児管理保育料、検査費用などで費用がかかります。出産費用は原則すべて実費です。妊娠は病気や怪我ではないため健康保険が適用されません。 合わせて、出産費用以外にもその間の生活費やベビー用品の準備など必要な費用はかさんでしまいます。そのため、国が支給している給付金や手当金を最大限有効活用しましょう。
参考:公益社団法人国民健康保険中央会「出産費用」

出産育児一時金

加入している健康保険から支給されます。胎児1人あたりにつき42万円が支給され、双生児の場合は合計84万円の支給です。本来、出産育児一時金は出産後に受け取るものでしたが、今では直接支払制度や受け取り代理制度という健康保険が施設に直接支払ってくれる仕組みができました。産前もしくは産後2年以内に申請することが必要です。 今では医療機関を通して申請する直接支払制度が一般的です。直接支払制度の場合、退院までに医療機関に申請をすることで、医療機関が健康保険に直接申請し、出産費用に充当してくれます。医療機関への支払いは給付金を超えた分のみとなるので、退院時の支払いが軽減されるメリットがあります。

出産手当金

勤務先が加入している健康保険から受け取れます。出産手当金は産休中の給与の支払いがない期間でも安心して休養できるようにするために設けられた制度です。「支給開始日以前の継続した12か月の各月の標準報酬月額を平均した額÷30×2/3×産休で休んだ日数」を受け取ることができます。勤務先の健康保険に加入していることが条件です。国民健康保険に加入している場合や、産休中でも1日あたりの出産手当金より多い給与が支払われている場合には対象となりません。

育児休業給付金

育児休業給付金は育児休業中に国から給付されます。休業期間は産前、産後、育児と3段階に分かれます。出産後8週間は産後休暇扱いとして前述の出産手当金が対象です。しかし、最大で産後2年間までは育児休業の取得が認められています。産後8週間が経過してからの育児休業期間も会社からの給与は支払われません。支払われる金額は下記の通り計算されます。 育休開始から180日目までは「育休取得前6ヶ月の賃金を180で割った額×67%×支給日数」 育休開始から181日目以降は「育休取得前6ヶ月の賃金を180で割った額×50%×支給日数」

 

産前休暇は取得しないことも可能

前述のとおり産前休暇は出産する予定の女性が休業を請求して取得します。そのため、必ずしも取得する必要はありません。ではなぜ取得する人と取得しない人が出てくるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを解説します。

産前休暇を取得しないメリット

・経済的に安定する 出産ギリギリまで働くことでその分金銭的な安心は得られるでしょう。ただし、働いていると出産手当金は入りません。 ・相談ができる 出産に理解のある職場であれば相談することで不安を解消できるでしょう。仕事を休んでしまうと人と話す機会は減ってしまいます。ストレスは出産に悪影響を与えることもあるため、不安を抱えないことは大切です。 ・規則正しい生活ができる 出産前は、動くことが普段より大変です。そのため、仕事がなくなれば家で一日ダラダラ過ごしてしまう方も少なくありません。生活のリズムを崩して調子を悪くしたり体重が急に増える人もいるようです。無理のない範囲で自分を律することも大切です。

産前休暇を取得しないデメリット

・体調不良が起こり得る 産前は体調の予測がつきにくく、何が起こるかわかりません。急に休暇をとることは職場に迷惑をかけてしまうことにもつながります。産前休暇をすべての日数を使わないまでも、ある程度余裕をもった出産を迎えることが大切です。 ・体への負担がかかる お腹がかなり大きくなった状態での仕事や通勤は体への負担も大きくなります。体調が不安な方は出産準備に時間を使う方が良いでしょう。 ・自分の時間がなくなる 出産後は忙しくなります。退院した後も子育てに時間をとられて自分の時間を確保できなくなってしまうでしょう。産前休暇を自分の時間が確保できる最後の休暇と捉えている人も少なくありません。

 

新設された男性版産休制度について

子どもの誕生直後に父親が休みをとりやすくする「出生時育児休業(男性版産休)」を新たに設ける改正育児・介護休業法が2021年6月3日衆院本会議で可決、成立しました。男性版産休は子どもが産まれてから8週間以内に計4週分の休みをとれる特例措置です。申請期限は1か月前でしたが休みをとりやすくするように2週間前に短縮されました。 女性の産後の社会復帰を促すためには父親の協力が欠かせません。産前休暇時に時間をとって夫婦で話し合いをして決めてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

産前休暇は、安全な出産を迎えるために有効です。また、時間をとって出産後の計画や手続きを行える時期でもあるでしょう。収入面の不安もあるかもしれませんが、各種制度の利用で金銭的なダメージを抑えることも可能です。無理せず安心して計画的な出産を行うことは大切です。産前休暇は労働者がもつ当然の権利であるため、ご自身の事情に合わせて使うことを検討してみてはいかがでしょうか。

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