公開日:2022/01/26
更新日:2023/01/17

アウトカムとは?アウトカムを活用するメリットから活用のポイントや業種別事例までを紹介

アウトカムとは?アウトカムを活用するメリットから活用のポイントや業種別事例までを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アウトカムは、医療・経済の研究をはじめ、さまざまな業界や業種で、積極的に活用されています。本記事では、アウトカムとはどのようなものか、そしてアウトカムを捉える上で不可欠なインプット・アウトプットとの関係、活用するメリットと活用のポイント、業種別活用事例をご紹介します。

 

01アウトカムとは

ビジネスで使うアウトカムとは、実際の業績や社会に与えた影響を指します。何らかの施策を実施した際に得られる、最終的な結果のことです。 商品サービスを例にすると、企業はユーザーが求める商品の開発や他社と比較して品質や機能の高い自社商品の製造法、マーケットへの展開方法、コストなど、利益を生み出すために必要な要素を検証しています。その要素の1つひとつがアウトカムに影響を与えています。 ビジネスモデルでは、利益を生み出すという結果に目を向けがちですが、それによってどの程度の効果や影響があったのかといった、アウトカムの評価が必要です。


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02インプット・アウトプット・アウトカムの関係

ここでは、アウトカムと似た言葉の「結果」を意味するアウトプットや、それと対比して使われるインプットとアウトカムの関係について解説します。施策を実施する過程において、どちらもアウトカムに影響を与えるため、正確に理解しましょう。

インプットとは資源

インプットは、入力という意味があり、もともとは、コンピューターの内部に情報を取り込むことを指します。 ビジネスモデルにおけるインプットは、施策に対してどのような資源を投入するかということになります。そして、この場合の資源は原材料や労働力、情報などです。

アウトプットとは資源を元に活動した結果

一方で、アウトプットは、出力という意味で、コンピュータから情報を外部に出すことを指します。 ビジネスモデルにおけるアウトプットとは、原材料や労働力、情報をを投入して作り出されたサービス(製造・生産)や財貨、その総量のことです。具体的には、どのような結果が得られたか、目標がどの程度まで達成されたのかという直接的な成果を指します。

インプット・アウトプット・アウトカムの関係性

ここまでご紹介したように、それぞれ連続した関係にあり、「インプット→アウトプット→アウトカム」が一連の流れになります。アウトプットからもたらされた効果がアウトカムになります。 ここで3つの関係を整理すると、以下のように進みます。

  • ・インプット:「資源(原材料・労働力・情報など)を取り込む
  • ・アウトプット:それを処理(製造・生産など)し、外に出せる形にして送り出す
  • ・アウトプットの評価:生産個数、売上高などを明らかにする
  • ・アウトカムの評価:アウトプットの評価と過去のデータから生産率や売上高の増減率を比較する

アウトプットの評価にとどまらず、その先のアウトカムを評価していきます。その際に、アウトカムに至る論理的根拠を明らかにしていくことが重要です。

 

03アウトカムを活用するメリット

アウトカムを活用することで、以下のようなメリットがあります。

  • ・客観的評価に使える
  • ・過去のデータと照合できる

ここでは、2つのメリットを分かりやすく解説します。

客観的評価に使える

アウトカムは、どの程度の効果や影響が出たかを数値で出すことができるため、客観的評価に使うことができます。言葉やイメージだけの評価では、目的の達成具合や投入した資源に見合う成果が上がっているのかなどの適正な評価ができません。 また、「指示通りに仕事をしたか」といった手続きを重視した評価も、「指示通り」の定義が曖昧なため、客観的な評価にならないのです。アウトカムであれば、結果の信頼性を客観的に証明するための指標として有用です。

過去のデータを照合できる

アウトカムは、アウトプットを基にして継続的に記録されているデータであり、時系列が明確になっています。そのため、過去のデータと照合して評価をすることができます。 正確に評価するためには、過去のデータと現在のデータを同一期間の同一条件で比較する必要があります。アウトカムは、過去のデータと照合し、客観的な評価を行うことができます。

 

04アウトカムを効果的に活用するポイント

実際にアウトカムを効果的に活用するためには、以下のポイントが重要になります。

  • ・明確な目標設定
  • ・目標達成に必要な条件の選定

ここでは、2つのポイントについて分かりやすく解説します。

明確な目標設定

アウトカムは、本来評価すべきものを評価することで効果を発揮します。つまり、達成すべき目標と目指すべき成果が明確になっていなければいけません。「何について、いつまでに、どのようなことを実現するのか」というように、アウトカムに着目した目標を設定しましょう。 「どんな効果を生み出したいのか」とアウトカムを想定し、そのためには、どのようなアウトプットやインプットが必要になるのかを逆算して、目標を設定することも1つの方法です。

解釈の余地がないアウトカムを設定する

誰が見ても明白で、解釈が変わる可能性のないアウトカムを設定します。2通り以上の意味にとれる場合は、データの収集自体に、本来の目的との間に誤りが生じてしまうためです。例えば、「顧客」という言葉を使う際には、新規か既存顧客なのか、あるいは両方を合わせたものかを明確にしておくということです。明確なアウトカムにしてこそ、インプットも明確になります。

アウトカム設定のための必要条件

達成目標は、客観的に達成度を測定できるような指標を設定する必要があります。そのため、アウトカムは、既存のデータから収集でき、そのデータによって一定期間の変化が読み取れるものを設定しなければいけません。1つのデータからも評価できますが、より信頼性を高めるのであれば、比較するデータが求められます。

見直しが必要になる場合も

場合によっては、アウトカムの見直しが必要になることがあります。施策実施期間の中間時点で、アウトカム評価を実施してみましょう。目標達成が可能であるかを、検討するために必要です。なんらかの要因で目標達成が困難な場合は、速やかにアウトカムの見直しを検討しましょう。

アウトカムの時期を適切に検討する

施策の効果が発現する時期の違いによって、アウトカムの時期を初期・中間・最終に分けて、検討する必要があります。もちろん、すべての施策に、これら3つのアウトカムが想定されるわけではありません。 アウトカム評価は、事業実施直後の短期間では行えないものもあるため、アウトプット直後の初期アウトカム以降に、段階的な評価が必要になるのです。そのため、最終アウトカムから検討して、初期・中期アウトカムでは、最終アウトカムに貢献するために達成しておきたい目標を設定しておきます。

 

05業種別アウトカムの活用事例

さまざまな業種の研究や実践で、アウトカムが活用されています。ここでは、医療・リハビリテーション・介護サービスにおいて、アウトカムとはどのようなものを指しているのかをご紹介します。

医療

医療におけるアウトカムとは、病院などの医療機関での治療や検査を行い、その結果を評価して得られる「患者の状態の変化」などのことです。また、治療や検査の経過において、効果が早期に現れないことも多いため、達成される中期的な目標から導き出される成果もアウトカムとして扱っています。 具体例として、検査値の改善度や合併症の発生率、再発率、死亡率、回復率、再入院率、患者満足度 など、治療や予防による臨床上の成果を数値化しものが挙げられます。

看護

看護におけるアウトカムとは、医療機関で行われる看護師が療養上の世話または診療の補助などを行い、その結果を評価して得られる「患者の状態の変化」などのことです。 具体例として、褥瘡、転倒や転落、誤薬の発生率など、看護を実施することで、臨床上の成果がどれだけ得られたかを数値化したものが挙げられます。

リハビリテーション

リハビリテーションにおけるアウトカムとは、医療機関で理学療法や作業療法などの患者の状態や体調に合わせたリハビリテーションを行い、その結果を評価して得られる「患者の状態の変化」などのことです。 また、リハビリテーションの効果は、入院中から退院後の日常生活までの長期間で測定されるため、達成される中期的な目標から導き出される成果もアウトカムとして扱っています。 具体例として、ケガや疾病による機能障害における改善度や回復率など、リハビリテーションを実施することで、臨床上の成果がどれだけ得られたかを数値化したものが挙げられます。

介護サービス

介護サービスにおけるアウトカムとは、介護事業所におけるサービスの介入により、利用者の自立した日常生活がどのように支援されたかを評価して得られる「利用者の状態の変化」などのことです。 具体例として、利用者の日常生活率、在宅復帰率、ベッド回転率、排せつ支援率など、介護サービスによりもたらされた成果がどれだけ得られたかを数値化したものが挙げられます。 このようにアウトカムは、さまざまな業種において客観的、定量的に測定されています。そのため、施策の見直し、経営改善などにも反映されます。さらに、「評判の良い」「豊かなサービス」といった抽象的な表現を、より具体的にして、利用する人の判断基準となる役割も果たしているといえるのです。


 

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06まとめ

本記事では、アウトカムとはどのようなもので、アウトカムを捉える上で不可欠なインプット・アウトプットとの関係、活用するメリットと効果的に活用するポイントについて解説し、業種別の活用事例をご紹介しました。ビジネスで使うアウトカムとは、実際の業績や社会に与えた影響に焦点を当てた成果です。自社の施策を適正に評価するためにも、アウトプットの評価にとどまらず、アウトカムの評価を検討してみてください。

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