公開日:2021/05/28
更新日:2023/08/14

新入社員の早期退職を防ぐには?離職の原因と解決策を紹介

新入社員の早期退職を防ぐには?離職の原因と解決策を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

会社にとって新入社員を採用することは大事なことです。ただ、最近で早期の離職や退職をする新入社員が増えており、会社側としては環境や制度の見直しをすることが求められています。どのような改善ができるのか内容を紹介します。

 

01新入社員の退職率は?

厚生労働省の発表によると、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者で35.9%、新規大卒就職者で31.5%となっています。つまり、高卒も大卒も3人に1人は3年以内に離職している計算になります。特に新規就職者で離職率が高いのが宿泊業や飲食サービス、生活関連や娯楽産業、教育や学習支援業です。これらの職種は退職率がいずれも45%を超えており、およそ2人に1人は離職している計算となります。

▶︎参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」

早期退職は昨今の若者の傾向ではない

「最近の若者はすぐに辞めてしまう」といった声が聞かれる昨今ですが、前述した厚生労働省の資料にある離職率の推移を見ると、高卒、大卒ともに直近10年ほどは横這いで推移しています。また、平成10年~平成17年あたりの期間の方が、離職率は高くなっており、直近の離職率が決して高くないことがわかります。 それでも、新入社員がすぐに辞めてしまうと感じてしまうのは、最近の若者だから、という言葉で片付けず、企業側に問題がないかを見直す必要があるかもしれません。

 

02早期退職の主な原因とは?

多くの新入社員が3年以内には離職や退職をしてしまうことになっていますが、「どうして離職や退職をしてしまうのか?」と疑問を感じる人もいるでしょう。大卒や高卒者が離職や退職をしてしまうのは以下の原因があるからです。

新入社員の早期退職理由

勤務時間や休日日数などの条件が悪い

1つ目は働く条件です。特に勤務時間の長さに不満を感じてやめてしまう人が多いようです。新入社員でも高卒の人であれば仕事自体をしたことがない人も多いため、仕事の労働時間がどれくらいの長さなのか認識せずに入社してきます。また、大卒の方も仕事はアルバイトのみが多く、労働時間の長さは気にしていないこともあります。 しかし、実際に入社すると労働時間が8時間で終わることはなく、残業により労働時間が長引いてしまうこともあります。職種によっては繁忙期のときは毎日出勤して朝から夜遅くまで働き休日も返上して働かなければいけないこともあります。 残業や休日出勤をしても残業代や休日手当などが給与にあまり反映されないこともあり、自分の時間が仕事に取られているように感じてしまって仕事を辞めてしまうことが多いようです。

給与が低い

2つめの原因は給与面での不満です。昨今では、エンジニアを中心に年齢問わずスキルや経験に応じて給与を提示する企業も増えていますが、国内企業の多くは年功序列型の給与体系を採用しているため、新入社員の給与は低く設定されています。そのため、給与と労働時間が見合っていないことに不満を抱き、仕事を辞めてしまうことも少なくないようです。 また、現時点での給与が低いだけでなく、昇進や昇格による給与の伸び率といった将来的な給与の上がり幅が小さいという場合も、ずっと今の会社に所属する意欲を低下させる要因となるようです。

職場の人間関係

3つ目の原因は職場の人間関係です。仕事をするときは自分1人ではなく上司の方や同じ仕事で働く同僚、また後輩などがいます。仕事は協力して行っていくことが多いですが、1人1人性格や価値観が違います。そのため、もし自分と価値観や性格が合わないなら、職場環境で仕事を行うことが難しくなってしまうこともあります。 たとえば、仕事をしていて頑張って成果を出してもノルマを達成できなければ、上司から叱られることもありますし、同僚の人が自分と同じ働きをしてくれないこともあります。職場の人間関係は入社する前に合うのか合わないのか確認することができず、就職しないと分かりません。 人間関係が合わないと、仕事で一緒にいる時間はずっとストレスを溜め込んでしまうことになるため、体を壊して仕事自体ができないこともあります。離職の原因でも人間関係は上位にあるため、1番大きな原因といえるでしょう。

仕事内容に不満を感じる

4つ目の原因は仕事内容に不満を感じていることが挙げられます。これは、新入社員が期待や希望とは異なる仕事内容に直面したために起こることがあります。入社時には仕事の一般的な内容をしていたかもしれませんが、実際に配属されると、それが自分の興味やスキルと合わないことが明らかになることがあります。その結果、おもしろさや、やりがいを感じることができず仕事がつまらなくなって辞めてしまうこともあるようです。最近では給与よりも仕事へのやりがいを重視している若者も多いため、実際の仕事に魅力を感じず3年以内に辞めてしまうことが多いようです。

会社の将来に対する不安

5つ目の原因は会社の将来に対する不安です。入社する会社を選ぶ際には、会社や業界の成長性や安定性を重視しながら判断する人がほとんどでしょう。しかし、業界に変化が起きたことで業績が傾いたり、実際に働いてみて現実を見たことで会社の将来性に不安を抱き、仕事を辞めてしまうことも少なくないようです。 昨今は変化の激しい時代のため、定年まで経営が安定する企業があると断言することは難しいと言えます。就業経験が乏しい新入社員は自分が入社する企業に良いイメージを抱きがちですが、実際に働いてみることで理想とのギャップが生じてしまうようです。

ノルマや責任が重い

6つ目の原因はノルマや責任が重いことです。新入社員は十分なトレーニングや経験を積んでいないにも関わらず、高い業績目標を課せられます。しかしながら、その目標が達成できずに上司にも叱られるといった状況に陥り、モチベーションが低下してしまうのです。また、与えられた仕事が大きなもので、責任が重くのしかかってしまうことも、経験が不十分な新入社員には重荷になってしまい、退職する可能性が高まるのです。

 

03早期退職が企業にもたらすデメリットとは

新入社員が就職してくれても、直ぐに退職や離職をされてしまうと会社側としては大きなデメリットとなるでしょう。早期の離職や退職は会社にどのようなデメリットをもたらすのか以下の3点を確認しておきましょう。

コストが無駄になる

新入社員が早期の退職や離職をされてしまうと、今まで費やしてきたコストが無駄になってしまうこともあります。人材を確保するにはいろいろなコストがかかり、例えば給料や求人を募る広告費用、また新入社員への教育や面接官などの役員への配置などいろいろな時間も消費します。 会社側としては新入社員を選び、仕事として戦力になってもらうために大きな費用や時間をかけますが、1年や2年などの短い期間で辞められてしまうと、今まで費やしてきた費用と時間は全て意味が無くなります。また、再度人材を募り、面接をして教育を受けてもらう必要があるため、コストの損失は大きいです。 会社側としては、離職や退職を早期に行うことで重要な仕事ができる人が少なくなり仕事自体が難しくなってしまうこともあります。

新たな人材確保の問題

新入社員が早期で退職や離職すると、人材を確保することが難しくなってしまいます。仕事をするときはある程度の人図を計算して部署や仕事場所を割り振っています。新入社員の場合も研修という立ち位置である場合がありますが、必要な人材として確保されています。 ただ、早期退職や離職をされると計算していた人数は少なくなってしまい、仕事において大きな調整をしなくてはいけません。例えば、人材確保のために新たに求人広告を出さなくてはいけませんし、補充するための人材確保は直ぐに行えないため、その分社員にも負担が大きくなってしまいます。 人材確保できないことで会社側の計画が崩れてしまいます。

残った社員の負担増

早期で退職や離職されると計算していた人数が減ってしまうため、その抜けた部分を誰かで穴埋めしなくてはいけません。誰かがその分を負担するとなると仕事が円滑に進まなくなったり誰かが大きな負担を強いられたりすることになるため、大きな負担ゆえに社員のストレス増加やパフォーマンスの低下につながることもあります。 特に最近では転職やフリーランスなども身近になっており、新入社員でも「今より良い仕事があるのでは?」と感じて就職してもすぐに転職をすることがあります。 時には転職で複数人が抜けてしまうこともあり、膨大な数の人数がなくなるとその分補充するのは難しくなり、会社の経営状態が悪化してしまうこともあります。

 

04新入社員の早期退職を防ぐための対策

早期退職を防ぐためには、成長実感を与えたり、人間関係を円滑にしたりといった施策が鍵となります。また、可能な限り社内の環境・制度を見直すことによって、若者世代の価値観にも沿うような企業にしていく必要があります。現代は多様性の時代とも言われ、働き方を含め自身で選択する自由を求める若者は多く、企業にも多様性を重視した制度設計が求められるようになってきています。

フォローアップ研修の実施

フォローアップ研修とは、研修終了後に一定の期間が経過した後、もう一度研修の受講者が集められて研修することです。研修を1回一通りに行うことができても、新入社員によっては最初に学んだことを忘れてしまうこともありますし、イマイチ理解できない分野もあるでしょう。 しかし、フォローアップ研修を行うことで新入社員も仕事への取り組み方がより分かりやすくなり、配属された部署でもある程度の知識を理解して仕事に取り組むことができます。何より社会人としての自覚を持つこともでき、責任を持って仕事に取り組む姿勢を作ることも可能です。

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1on1ミーティング

1on1ミーティングは上司と新入社員が1対1でミーティングを行うことで、モチベーションの向上や仕事への不安を解消させる狙いがあります。1対1で話し合うため、新入社員の方も気兼ねなく自分の悩みや疑問、また仕事への取り組みを話すことができます。 ただ、1on1ミーティングは話を聴く側の上司の選択が大事です。上司が話を聞かずに横暴な態度を取るなら、逆に新入社員はモチベーションが下がってしまい、離職率を高くしてしまいます。1on1ミーティングは上司の選択がとても大事です。

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1on1とは?問題点や効果的に実施するための7つのコツを紹介

メンター制度を設ける

メンター制度とは、新入社員の悩みに対して年齢や社歴の近い先輩社員が助言する制度です。年齢が近い先輩社員なら新入社員の方も自分の悩みや仕事に対してのモチベーションなどについて、話しやすく仕事を辞めずに前向きに捉えてくれる可能性が高くなります。 また、年齢が近いことから相談を受けるメンターも新入社員と同じような問題にぶつかった経験があり、より新入社員の悩みを理解して適切なアドバイスを行うこともできるでしょう。ただ、メンターという業務が増加するため社員としては大きな負担となることもあります。

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社内の環境・制度を見直す

新入社員の定着率を上げるために労働環境や社内の制度を改善することも大事です。例えば、長時間労働やサービス残業、休日出勤などが多くなっている傾向であれば、改善のために業務の簡略化や仕事を外注に回すなど労働負担を減らすように会社で取り組むことができます。 また、制度に関しても上司や部下、企業の仕事内容を全体に正確に伝達できるようにコミュニケーションの改善を図ることもできます。ピアボーナスなどの制度を確立して社員がコミュニケーションを円滑に取って仕事が満足できるような環境を整えるのも良い方法です。

成長・キャリアパスを明示する

新入社員の成長とキャリアパスを明示することも重要です。これは、企業が新入社員に対して将来の成長やキャリアの展望を明確に示すことを指します。 概要として、まずは企業は新入社員に対して、どのような成長機会やスキル習得の機会が提供されるのかを明確に伝えます。これには、研修プログラムなどのサポートも含まれます。新入社員が社内で自己成長を追求する手段が用意されていると知ることは、モチベーションを高める要素となります。 また、キャリアパスを明示することも重要です。新入社員には、自身のキャリア目標や将来の役割について明確な人もいれば、曖昧な人もいます。企業は、新入社員が将来どのようなポジションや責任を担うことができるのかなどを示す必要があります。これらにより、新入社員は企業における成長の道筋を把握し、モチベーションを保つことができます。 また、上記に加えて、新入社員の育成に必要な研修などのトレーニング環境を設けることも重要です。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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05Schoo for Businessの新入社員研修

Schoo for Businessでは8,500本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.Schooの新入社員研修カリキュラム

様々な研修に対応できるSchoo for Businessの研修パッケージですが、もちろん新入社員研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、新入社員がまず身につけなければならないビジネスマナーや報連相に関する知識から、ビジネスパーソンとして必要なOAスキルやコミュニケーションスキルまでがラインナップされており、新入社員に必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

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3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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06まとめ

新入社員が会社を早期で退職や離職してしまうのは、会社の環境や制度が整っておらず、仕事がしにくい状況となっていることもあります。新入社員が早期で離職されると会社側としても損失が大きくなるため、今のうちに問題点を見つけて改善できるようにし、仕事がやりやすいように制度の見直しを行うことが大切です。

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  • 登壇者:高木 一史 様
    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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