メンタルヘルス研修の目的とは|具体的なカリキュラム内容例を紹介

メンタルヘルス研修の目的とは、従業員の心の健康を守り、組織全体の生産性と心理的安全性を高めることです。本記事では、企業におけるメンタルヘルス研修の目的を明確にし、効果的な研修の進め方や実践ポイントをわかりやすく解説します。
01メンタルヘルス研修の目的
メンタルヘルス研修の目的は、以下の通りです。
- メンタルヘルスに関する知識の習得
- セルフケアとラインケアの習得
- ストレスマネジメント能力の向上
- メンタルヘルス不調の早期発見・対応
- 職場環境の改善
メンタルヘルス研修の目的は、従業員の心の健康を守り、職場全体の生産性と安心感を高めることにあります。研修を通じて、基礎知識の習得やセルフケア・ラインケアの理解、ストレスへの適切な対応力などを学ぶことで、不調の予防と早期対応、さらには職場環境の改善へとつなげていきます。
メンタルヘルスに関する知識の習得
うつ病などのメンタルヘルス不調の症状や原因、対処法を学び、心の健康に対する理解を深めます。正しい知識を得ることで、偏見をなくし、適切な対応ができるようになります。
セルフケアとラインケアの習得
従業員自身がストレスを管理し、早期に不調を察知して対応するセルフケアの方法を学びます。また、上司として部下の状態を見守り、支援するためのラインケアも併せて理解します。
ストレスマネジメント能力の向上
ストレスの要因を把握し、状況に応じた効果的な対処法を身につけることで、心身への悪影響を減らすスキルを育みます。これにより、生産性と働きがいの向上にもつながります。
メンタルヘルス不調の早期発見・対応
身近な人の変化やサインに気づく力を養い、問題が大きくなる前に適切な行動がとれるようになります。放置せずに対処することで、不調の悪化を防ぐ効果が期待されます。
職場環境の改善
職場のコミュニケーションや人間関係、業務負荷などのストレス要因を見直し、改善する方法を学びます。誰もが安心して働ける職場づくりを目指します。
02メンタルヘルス研修を実施するメリット
メンタルヘルス研修を実施するメリットは、以下の通りです。
- ・生産性の向上
- ・不調の早期発見
- ・離職率の低下
メンタルヘルス研修の目的は、従業員の心の健康を守り、職場全体の生産性と安心感を高めることにあります。研修を通じて、基礎知識の習得やセルフケア・ラインケアの理解、ストレスへの適切な対応力などを学ぶことで、不調の予防と早期対応、さらには職場環境の改善へとつなげていきます。組織全体の心理的安全性を高め、長期的な人材の定着や活力ある職場づくりにもつながるため、企業活動における重要な施策のひとつといえるでしょう。
メンタルヘルスに関する知識の習得
メンタルヘルスの基本を理解することは、心の不調を正しく認識し、適切に対処するための出発点となります。うつ病や不安障害、適応障害などの症状や原因、治療法を学ぶことで、偏見をなくし、職場内での誤解や孤立を防ぐ効果が期待されます。また、病気だけでなく「健康な状態とは何か」を知ることが、自身の心の状態への関心を高めるきっかけにもなります。基礎知識の定着が、すべての対策の土台となります。
セルフケアとラインケアの習得
セルフケアとは、自らのストレス状態に気づき、適切に対処するための行動や思考を指します。リラクゼーション、生活習慣の見直し、早期の相談などを習慣化することで、不調の重症化を防げます。またラインケアでは、管理職が部下の異変にいち早く気づき、必要な支援につなげるスキルを身につけます。両者の理解を深めることで、個人と組織の両面からの予防体制が整い、早期対応と安心感のある職場づくりが可能になります。
ストレスマネジメント能力の向上
ストレスマネジメントは、メンタルヘルス対策の中核をなすスキルです。まずストレスの要因や自身の反応パターンを把握し、それに応じた対処法を身につけることが重要です。具体的には、感情の整理、タスク管理、コミュニケーション改善などが挙げられます。こうした技術を学ぶことで、ストレスに強くなるだけでなく、職場の空気や人間関係にも良い影響をもたらします。健全な働き方を支える土台づくりに役立つ内容です。
メンタルヘルス不調の早期発見・対応
心の不調は表面化しにくく、気づいたときには深刻化しているケースもあります。そのため、変化のサインに早期に気づく視点を育てることが大切です。遅刻・早退、表情や言動の変化、業務パフォーマンスの低下など、日常の中で注意すべきポイントを学びます。自分自身だけでなく、同僚や部下の異変にも目を向ける意識を持つことで、組織全体の対応力が高まります。結果として不調の深刻化を防ぎ、職場の安定にも寄与します。
職場環境の改善
メンタルヘルスの不調は、個人の問題だけでなく職場環境に起因するケースも少なくありません。業務量の偏り、人間関係のストレス、相談しづらい雰囲気などが蓄積すると、全体のパフォーマンスにも影響を与えます。この研修では、コミュニケーションの円滑化や業務改善の視点を学び、誰もが安心して働ける職場づくりのヒントを得ることができます。個々のスキル向上だけでなく、組織としての体制強化にもつながる重要な視点です。
03メンタルヘルス研修の内容例
メンタルヘルス研修の内容例は、以下の通りです。
- メンタルヘルスの基本知識
- メンタルヘルスの必要性
- メンタル不調の発見方法
- セルフケアの方法
- ラインケアの方法
- 職場環境の改善策
メンタルヘルス研修では、従業員のストレス対処力を高めるだけでなく、職場全体の心理的安全性を向上させるための幅広いテーマが扱われます。ここでは、基本的な知識の習得からセルフケア・ラインケア、そして職場改善まで、実際の研修で取り上げられる代表的な内容を紹介します。
メンタルヘルスの基本知識
メンタルヘルスの基本を理解することは、職場全体の意識向上に欠かせません。このパートでは、ストレスや不安、うつ病などの心の不調について基礎的な情報を学びます。正しい知識を持つことで、誤解や偏見を減らし、心理的な問題に対して冷静かつ適切に対応する姿勢が育まれます。
メンタルヘルスの必要性
メンタルヘルス対策が企業に求められる理由を明確にします。メンタル不調が与える業務パフォーマンスへの影響や、組織全体の士気低下などを例に挙げ、心の健康を守ることが生産性の向上や人材定着につながることを理解します。経営視点での必要性にも触れます。
メンタル不調の発見方法
メンタル不調は外見だけでは判断しにくいため、日頃の観察と信頼関係が重要です。このパートでは、不調のサインとなる言動や態度の変化に気づくポイントを解説します。身近な同僚や部下の変化に敏感になり、声かけや相談のきっかけをつかむ力を養います。
セルフケアの方法
自身の心の状態を適切に管理するための方法を学びます。ストレスの原因を把握し、休息、相談、運動、生活リズムの整備などの具体的な対処法を取り上げます。早期に自分の不調に気づいてケアすることが、重症化の防止と安定した働き方の実現につながります。
ラインケアの方法
管理職として部下のメンタルを支える方法を学びます。日常的なコミュニケーションや観察、相談対応、必要に応じた専門機関へのつなぎ方など、実務に直結する内容を扱います。組織としてラインケアを担う役割を認識し、適切な対応の基本を身につけます。
職場環境の改善策
働きやすい環境を整えることは、メンタル不調の予防にもつながります。ここでは、業務量や働き方、コミュニケーションの質など、ストレス要因となる職場環境を見直す視点を学びます。誰もが安心して働ける職場をつくるために、個人と組織でできる改善策を検討します。
04メンタルヘルス研修のカリキュラム例
メンタルヘルス研修は、職場における心の健康を守るうえで重要な取り組みです。対象者の立場や役割に応じて内容を工夫することで、より実効性の高い研修設計が可能になります。ここでは、一般社員向け・管理職向けに分けた具体的なカリキュラム例をご紹介します。
▶︎参考:労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防の浸透手法に関する調査研究(平成23年度 厚生労働科学研究費)
▶︎参考:事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集|厚生労働省
一般社員向け
一般社員向けのメンタルヘルス研修では、ストレスの正体や感情との向き合い方、セルフケアの具体的な方法を中心に構成されています。研修を通じて、日常的に抱える不安や悩みとどう向き合うかを学び、自己理解を深めることで、より健やかに働ける状態を目指します。
第1回 | 精神科医に聞くストレスとの向き合い方 |
時間 | 1時間 |
研修内容 |
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第2回 | ストレスの正体 不調のサイン |
時間 | 1時間 |
研修内容 |
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第3回 | 心の原動力を知る6つのステップ |
時間 | 1時間 |
研修内容 |
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第4回 | 弱メンタルでもうまいことやる |
時間 | 1時間 |
研修内容 |
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管理職向け
管理職向けのメンタルヘルス研修では、部下の不調を早期に察知し、適切な対応を行う「ラインケア」の知識と実践力を重視します。特にテレワーク環境におけるストレス要因やコミュニケーションの課題にも焦点を当て、マネジメントに必要な支援スキルを習得する構成になっています。
第1回 | メンタルヘルスマネジメント |
時間 | 50分 |
研修内容 |
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第2回 | テレワーク下でのラインケア - メンタルヘルスマネジメント |
時間 | 1時間50分 |
研修内容 |
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05メンタルヘルス対策を効果的に進めるポイント
自社でメンタルヘルス研修を実施しても、形式的に終わってしまっては本来の効果を得ることはできません。ここでは、対策を職場に根付かせるために意識したい実践ポイントをご紹介します。社員の意識変容と職場環境の改善につなげるための工夫が求められます。
自分事になる工夫をする
「心の病気は他人事」「自分には関係ない」という意識を払拭することが、研修の効果を高める第一歩です。セルフケアやラインケアを学んでも、自分ごととして受け止めなければ実践にはつながりません。そのため、研修前のアナウンス段階で「なぜこの研修を実施するのか」「どんな問題を防ぎたいのか」といった背景を丁寧に伝える必要があります。個人の意識に刺さる説明があることで、研修内容が腹落ちし、受け身ではない主体的な学びへとつながります。
定期的な計画策定・見直しを行う

研修は一度実施して終わりではなく、継続的な計画と見直しが不可欠です。長時間労働や人間関係など、職場が抱える課題は時期や状況によって変化します。定期的に従業員の実態を調査し、現場のニーズに合ったテーマを計画しましょう。また、過去に参加した社員の声を参考にすることで、改善点が見つかり、より効果的なプログラムへとつなげることができます。
▶︎参考:職場における心の健康づくり|厚生労働省
全社員を対象に研修を実施する
メンタルヘルス対策というと、ケアを受ける「対象者」ばかりに注目しがちですが、実際には加害的な言動を防ぐ視点も欠かせません。メンタル不調の引き金となるハラスメントや配慮不足を防ぐためには、全社員が心の健康についての基本的な理解と配慮の意識を持つことが重要です。役職や立場を問わず全員に研修機会を提供することで、組織全体の心理的安全性が高まり、不調の予防と早期発見につながります。
関係者への理解・協力の呼びかけ
メンタルヘルス対策を社内で定着させるには、人事部門だけでなく各部署の管理職やリーダー層の協力が不可欠です。研修後の実践フェーズでは、日々の業務の中で声かけを行ったり、不調の兆しに気づける視点を持ってもらうよう働きかけましょう。特に定例会議などの場で、遅刻や欠勤の多い社員がいないかを確認し、早期のケアにつなげることが定着への近道となります。
精神科医などの専門家に講師を依頼する
専門的な知見を持つ講師による研修は、社員の信頼性や納得感を高める効果があります。特に精神科医が登壇する講座では、実際の現場での経験や最新の知識に基づいた解説を受けられるため、受講者にとって具体的かつ実践的な内容になります。
Schooのメンタルヘルス研修の講師例
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産業医・精神科医/株式会社ウェルプラ/メディカルディレクター
東京女子医科大学病院精神科で助教・非常勤講師を歴任したのち、現在はメンタルクリニックの副院長を務めつつ、産業医としても幅広く活動している。また、ヘルスケア企業やHR領域の事業のメディカルディレクターも務めている。「健康問題を経営問題にしない」をミッションとし企業・ビジネスパーソン双方のサポートを専門としている。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06メンタルヘルス研修|Schoo for Business

Schooでは約9,000本の授業を保有しており、メンタルヘルス研修に関する授業も多く揃っています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。
研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年3月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
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メンタルヘルス研修に関するコンテンツ一覧
講座名 | 時間 |
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精神科医に聞くストレスとの向き合い方 | 1時間 |
ストレスの正体 不調のサイン | 1時間 |
怒りをコントロールするための「アンガーマネジメント」入門 | 2時間 |
自分でできる認知行動療法~レジリエンス力を高める | 2時間 |
元コンサルが教える ストレスに負けないためにできること | 1時間 |
日常の「もうムリ…」に効く科学的な方法 | 45分 |
人間関係のモヤモヤをなくす科学的な方法 | 45分 |
気分転換で仕事のストレスから強制リセット | 1時間 |
背伸びをしないメンタルトレーニング | 1時間 |
5万件のこころ相談に答えた漢方薬剤師・タクヤ先生のメンタル養生メソッド | 11時間 |
メンタルが強い人になる -ストレスに負けない心の作り方- | 17時間 |
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大企業から中小企業まで幅広く導入

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広い企業にご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
07まとめ
本記事では、メンタルヘルス研修の目的をテーマに、研修の際に参考となる厚生労働省のマニュアルや研修を成功させるために気をつけておきたいことなどを解説しています。メンタル不調者が出ることは、企業にとっても大きなマイナスです。モチベーションが高く前向きに仕事に取り組める従業員を育てることで企業の運営は成り立つため、メンタル不調者が出ない仕組み作りを行っていきましょう。また、早期発見を行うことで従業員の不調を改善し組織に問題がない対策を講じることも必要です。メンタルヘルス研修の成功は、企業成長に必須だということを忘れずに研修を企画することが大事です。本記事を参考に自社のメンタルヘルス対策を実践していきましょう。