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みなし労働時間とは?制度導入のメリットや注意点を解説

公開日:2021/07/20
更新日:2021/08/13
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みなし労働時間とは?制度導入のメリットや注意点を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

労働時間を従業員の裁量に任せる「みなし労働時間制」は、多様な働き方に対応するために有効である一方、長時間労働を引き起こす可能性が懸念されています。本記事では、みなし労働時間制を導入することのメリットや、導入時の注意点について解説します。

 

みなし労働時間とは?混同しやすい制度との違い

みなし労働時間の他にも、「フレックスタイム制」「みなし残業」など、似たような制度が存在します。ここでは、みなし労働時間の詳細や、混同しやすい制度との違いについて解説します。

みなし労働時間」とは所定時間労働したとみなす制度

「みなし労働時間」とは、あらかじめ定められた労働時間を、実労働時間にかかわりなく、労働したとみなす制度のことです。業務によっては、従業員が仕事の進め方や時間配分を決定するほうが効率的な場合や、社外に出ているために労働時間の管理が困難な場合があります。 みなし時間労働制により、1日の労働時間が8時間と定められている場合、実労働時間が6時間であっても10時間であっても、8時間分の賃金が支払われます。所定労働時間は、必ずしも8時間である必要はなく、通常必要とされる時間を設定します。

「フレックスタイム制」との違いはコアタイムの有無

従業員が始業時間と就業時間を自由に決定できる「フレックスタイム制」も、柔軟な働き方を可能にする制度です。しかし、一般的にフレックスタイム制にはコアタイム、つまり必ず勤務するべき時間帯が定められており、勤務時間帯が完全に従業員の裁量に任されているみなし労働時間制と異なります。 フレックスタイム制の場合、実労働時間の管理が行われており、所定労働時間には必ず働かなくてはなりません。また、法定労働時間を超過した分は残業代として支給されます。

「みなし残業」との違いは労働したとみなす時間の対象

「みなし残業」と「みなし労働時間」は、みなす時間の対象が異なります。みなし労働時間が対象とするのは所定労働時間なのに対し、みなし残業が対象とするのは所定労働時間を超えた残業時間のことです。 「みなし残業」とは、実際の残業時間に関わらず、一定の残業時間を働いたとみなす制度です。毎月の残業時間を定め、その分の残業代を含めた賃金契約を結びます。所定残業時間を見たなさない月も、みなし残業時間分は給料に含まれます。みなし残業時間を超過した分は、別途残業代として支給されるのが一般的です。

 

みなし労働時間制の3つの種類

みなし労働時間制は、「事業所外みなし労働時間制」と「裁量労働制」に分けることができ、裁量労働制はさらに「専門業務型」「企画業務型」に分けることができます。ここでは、みなし労働時間制を3つの種類に分けて解説します。

事業場外みなし労働時間制

事業所外みなし労働時間制は、外回りの営業、添乗員や出張など、事業所外で業務を行うため、実労働時間を正確に把握するのが難しい場合に適用できます。事業所外みなし労働時間制を導入するには、以下2つの条件を満たす必要があります。  ・従業員が労働時間の全部または一部について事業所外で業務に従事すること  ・労働時間の算定が困難であること 社外での業務すべてに適用できるわけではなく、会社からの指示や管理の程度などが考慮されます。例えば、外回りの営業職で、会社から支給された携帯電話を使用しようして上司からの指示を随時受けながら業務を行っている場合は、労働時間の算定が困難とは言えません。

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制は、研究開発、公認会計士、弁護士など、対象となる19の業務において適用されます。これらの業務は、会社や上司からの具体的な指示がない状態で行うのが一般的で、従業員が自身の裁量で時間配分や仕事の進め方を決定するほうが合理的であると言えます。 所定労働時間は労使協定によって決定し、その時間分働いたとみなされます。専門業務型裁量労働制を導入するには、労使協定の締結と労働基準監督署長への書類提出が必要です。

企画業務型裁量労働制

企画業務型裁量労働制は、業種を問わずに裁量労働制が適している業務に導入できるように、2000年から施行された制度です。この制度の主な対象となっているのは、事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などで、企画や立案、調査や分析を行う従業員です。 企画業務型裁量労働制は、本来対象とならない従業員に導入することがないよう、専門業務型裁量労働制と比較して、手続きが複雑なのが特徴です。導入においては、労使委員会で決議を行い、従業員の同意を得てから労働基準監督署に届け出ます。

 

みなし労働時間制を導入するメリット

みなし労働時間制は、従業員にとって柔軟な働き方を実現します。ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

業務効率化や生産性向上に繋がる

みなし労働時間制は、専門性の高い業務やクリエイティブな業務において、業務効率化や生産性向上に繋がる制度であると言えます。これらの業務では、アイディアを考えるための時間を必要とすることがあり、労働時間を固定するよりも柔軟にするほうが効率的です。 従業員の生活スタイルによって、早朝や深夜など、特定の時間帯に集中しやすいことがあり、自身で柔軟に労働時間を決めることができるなら、モチベーションが上がるとも考えられます。集中力とモチベーションを高めて作業するため、生産性向上にも繋げることが可能です。

勤務時間や人件費の管理が容易になる

みなし労働時間制の導入により、基本的に残業代などの割増賃金の計算が不要となります。そのため、勤務時間や人件費の管理が容易になり、労務管理の負担を軽減できます。特に、多くの従業員を抱える企業にとって、それぞれの従業員の残業などによる割増賃金を管理するのは容易ではありません。 また、年度予算の算出をする際も、みなし労働時間制の場合、発生する賃金を固定化できるため、予想値が立てやすくなります。

ワークライフバランス向上に繋がる

みなし労働時間制の導入は、従業員のワークライフバランス向上にも繋がると考えられます。従業員は自身の工夫や業務の処理能力を上げることで、所定労働時間よりも短い時間で作業を終えることが可能です。 労働時間が短くなった場合でも、賃金が減ることはなく、余った時間を自分のために用いることができます。自身の予定に合わせて時間が使えることや、働き方が自由になることで、プライベートと仕事のバランスを保つことが容易になります。

 

みなし労働時間制を導入するデメリット

みなし労働時間制にはデメリットもあるため、導入の際は慎重に検討することが必要です。ここでは、主なデメリットを3つ解説します。

導入時の手続きが複雑

みなし労働時間制の導入には手続きが必要なため、導入が簡単に進まない場合があります。特に、企画業務型裁量労働制を導入する場合は、労使委員会を設置して決議し、労働基準監督署への届け出と対象従業員の同意が必要になります。 専門業務型裁量労働制では、労使協定の締結と労働基準監督署への届け出、従業員への周知が必要です。担当者がこれらの仕組みを理解していないと、手続きが負担になるでしょう。

自己管理のできない従業員にとっては負担になる

みなし労働時間制においては、労働時間が従業員の裁量に任されることになります。労働時間や作業の進め方を自由に決定できることはメリットである一方、従業員に大きな責任も生じさせます。特に、自己管理のできない従業員にとっては負担になる場合もあります。 例えば、段取りが悪くて業務が所定時間内に終わらない場合も、残業代は発生しません。改善できずに長時間労働が常習化することもあり、過労などの問題に発展する可能性も考えれます。

不当な導入が裁判に発展するケースもある

みなし労働時間制には多くの規定がありますが、規定を外れた不当な導入が、裁判に発展するケースもあります。特に、時間外割増賃金を巡る裁判例が少なくないため、未払い時間外割増賃金の支払いなど、金銭面でのダメージを受けることがあります。 また、不当な導入によって長時間労働が常習化すると、従業員の心身の健康にも影響が及ぶこともあり、企業イメージの悪化や従業員の定着率の低下にも繋がる場合があるため注意が必要です。

 

みなし労働時間制を導入する際の注意点

最後に、みなし労働時間制を導入する際の注意点について解説します。

適正な労働時間管理を行う責務がある

みなし労働時間制において、労働時間や仕事の進め方は従業員の裁量に任されるとはいえ、企業としては適正な労働時間管理を行う責務があります。これは、従業員の概ねの労働時間を掴んだり、労働時間帯の傾向を知ることが関係します。必要に応じて従業員にヒアリングを行い、無理のない労働が行われているか、また改善措置を講じる必要性の有無を確認します。 みなし労働時間が適用されていることを理由に、従業員の労働時間について関知しないことは適切と言えず、健康確保を図る必要性があることから、適正な労働時間管理を行う責務があります。

割増賃金が発生するケースもある

みなし労働時間制の場合、基本的に所定時間を超過した労働時間分の残業代は発生しませんが、割増賃金が発生するケースもあるため注意が必要です。例えば、みなし労働時間を1日あたり10時間とする場合、法定労働時間を超過するため、その分の残業手当が発生します。 また、休日や深夜に業務を行う場合も、その分の手当てを支給する必要があります。深夜勤務の場合は125%、法定休日勤務の場合は135%が上乗せされることになります。

就業規則の整備が必要不可欠

みなし労働時間制を導入する場合、就業規則の整備も必要不可欠です。始業・就業時間の定めの例外として、就業規則でみなし労働時間制についての規定を設けます。割増賃金のトラブルを防止するために、休日や深夜の労働を原則禁止としたり、必要な場合は許可を得るなどの規定を設けると良いでしょう。

 

まとめ

みなし労働時間制のメリットや、制度導入の際の注意点についてまとめました。企業にとっては業務効率化や生産性向上など多くのメリットが期待でき、従業員にとっても多様で柔軟な働き方を実現するのに有効な制度ですが、手続きや気を付けるべきポイントもあるため、慎重に検討する必要があります。

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