公開日:2022/01/26
更新日:2022/06/28

プロパー社員とは?非プロパー社員との溝を作らないコツを解説

プロパー社員とは?非プロパー社員との溝を作らないコツを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業が事業目標を達成するためには、従業員が力を合わせ目標達成に向け進んでいく必要があります。企業によっては雇用形態の違いにより、さまざまな立場の従業員が混在することもあるでしょう。「プロパー社員」という言葉は、そうした一つの立場を指す言葉です。 ときにプロパー社員とそれ以外の従業員の間で、摩擦や軋轢が生じることもあります。 当記事ではプロパー社員の概要と、プロパー社員以外の従業員との間に溝を作らないコツについて解説します。

 

01プロパー社員とは

プロパー(proper)という言葉は、「正しい」「本来の」という意味で用いられる言葉です。「プロパー社員」という言葉にした場合に、明確な定義はありません。業界や企業、人によっても使い方が異なる曖昧な言葉です。 大きく分けて、次に挙げる3つの意味で使われることが多いようです。

新卒入社の社員

「新卒で入社し、ずっと在籍している社員」という意味で使われるパターンです。「生え抜き社員」と呼ばれることもあります。通常、中途入社の社員や出向社員と区別する際に使われるパターンです。

正規雇用の社員

「正規雇用の社員」という意味で使われるパターンです。フルタイムの勤務で雇用期間の定めのない、いわゆる「正社員」のことを指します。雇用期間の定めがある、契約社員やパートタイマーと区別する際に使われます。

自社の社員

「自社の直雇用の社員」という意味で使われるパターンです。下請け会社の外部スタッフや、派遣従業員などを多く活用している企業で、自社の社員を区別するときに使われます。

 

02プロパー社員が企業にもたらすメリット

プロパー社員が企業にもたらすメリットは、以下の3点が挙げられます。

高い帰属意識

プロパー社員には、高い帰属意識が育ちやすい傾向があります。愛社精神といっても良いかもしれません。 社会人としてのキャリアをスタートさせた企業であり、入社以来さまざまな育成機会を設けてくれたことに対する恩を感じている場合が多いようです。 なによりも長く勤めていることによる愛着が、帰属意識につながるのでしょう。

理念が浸透しやすい

新卒で入社以来、他社の環境を知らずに育成されることにより、自社の理念が良く浸透している場合が多いようです。 長く勤務することにより社風にも馴染み、居心地の良さを感じていることもあるでしょう。会社独自の判断基準や物の考え方、価値観もプロパー社員間で共有されています。

社内人脈によるチームワークが期待できる

新卒で入社以来、ずっと同じ社内の人間と関わることで社内人脈が形成され、チームワークが発揮しやすくなることもメリットとして挙げられます。 特に同期入社のつながりは、強固なものになる場合が多いようです。中堅社員になっても同期のネットワークで連携が図られ、仕事がスムーズに進むこともあるほどです。

 

03プロパー社員が企業にもたらすデメリット

反面、プロパー社員が企業にもたらすデメリットもあります。メリットの裏返しの側面もありますが、多くは他社の環境を知らないことによる弊害であるといえます。

視野が狭くなりやすい

新卒入社という意味でのプロパー社員は、自社での経験でしか会社というものを知ることができません。そのため視野が狭くなりやすいデメリットがあります。 中途入社や出向社員と比較した場合、物事の捉え方や考えが狭くなりがちです。

発想が硬直しやすい

経験が偏ることで、発想が硬直しやすいこともデメリットとして挙げられます。プロパー社員同士で構成されたプロジェクトチームでは、似たような価値観が共有されているため、革新的な発想は生まれにくいといえます。

保守的で変化を嫌う

年功序列的な制度が残る企業では、プロパー社員は上司の評価を気にする傾向が強くなりがちです。新たなチャレンジをするよりも、目の前の仕事を確実にこなすことに集中する傾向が強くなります。そのため、保守的で変化を嫌う風潮が生じます。 前例がないことや、会社が重視しないものに、あえてチャレンジするような雰囲気は生まれにくいでしょう。

 

04使う場合に注意が必要な言葉

プロパー社員という言葉は、使う際には注意が必要な言葉であるといえます。 ここまで見てきたとおり、新卒入社と中途入社、正社員と非正規社員、外部人材と自社の社員というように立場を区別する際に使う言葉であるためです。 場合によっては、良くない意味で使われることもあります。 複数の企業で豊富な経験をもつ中途入社の社員が、自社のプロパー社員の物足りなさを揶揄する際に使うといったケースです。 そのため社内制度上の呼称など、正式な用語としての使用は避けたほうが無難であるといえます。

 

05非プロパー社員との溝を作らないために

新卒入社のプロパー社員と中途入社の正社員の間では、経験値の差から価値観の相違が生まれるケースが考えられます。非正規雇用の従業員との間にも、「同じような業務をしていても待遇が違う」といった不満が生じることもあります。 このようにプロパー社員と非プロパー社員の間には、軋轢が生じやすいようです。 しかし、同じ会社で働く従業員として、一丸となり目標達成に向かう必要があります。無用な摩擦や軋轢を生まず、溝を作らないための施策を紹介します

評価を公平に行う

人事評価は同じ制度、同じ基準で実施するべきです。 入社の経緯に関係無く、業務内容や成果で公平に評価できる制度が望ましいでしょう。こうした制度運営であれば、実力に見合わないポジションで仕事をしているプロパー社員にも刺激となり、自己研鑽に取り組むなど、好ましい行動につながる可能性もあります。

給与制度を見直す

年功的な給与制度を見直し、勤続年数による給与の格差を生じさせないことも有効です。 中途入社社員の業務スキルを適切に見極め、実力に見合った処遇で迎え入れると良いでしょう。 そのためには、中途入社社員の採用に際して、ミスマッチを起こさないことが前提となります。ミスマッチが生じ、中途入社社員のスキルが処遇に見合わないものであれば、反対にプロパー社員側の不満となる可能性があります。

業務外の交流を増やす

プロパー社員と中途入社、非正規雇用従業員との交流機会を設けることも良いでしょう。従業員同士の協力が必要なイベントを実施するなど、仕事以外の会話が生まれるチャンスを会社として提供します。 その人の「人となり」が理解できれば、仕事以外での交流も生まれ、社内コミュニケーションが活性化します。昨今では集合してのイベント開催は控えなくてはなりません。オンライン上のイベント企画が望まれます。

業務上の交流を増やす

プロパー社員と中途入社社員の混成チームで、プロジェクト運営を行うのも良い方法です。それぞれの良い面が刺激となり、活性化したプロジェクト運営が期待できます。 また、中途採用の新人が入社した場合、一定期間プロパー社員をメンターとしてサポートする取り組みも良いかもしれません。 中途入社の社員は、組織に馴染むまでは孤独を感じがちです。孤独を感じさせず早期に会社の雰囲気に巻き込むことは、プロパー社員の役割といえます。

非正規雇用者の役割を見直す

例えばベテランのパートタイマーなどは、若手のプロパー社員が生まれる前から自社に勤務しているようなケースもあります。 こうしたベテランパートタイマーには、積極的に組織運営に参加してもらうことも有効な方法です。若手のプロパー社員に技術を継承するなど、役割を明確に意識してもらい、モチベーションを高めてもらうと良いでしょう。

 

06非プロパー社員への従業員教育

中途入社の社員や非正規雇用の従業員に対する、教育の機会を設けることも必要です。少なくとも中途入社社員に対しては、プロパー社員と同様の教育機会を設けるべきではないでしょうか。

中途入社社員への教育

プロパー社員は新入社員研修から、自社のプログラムで育成を図られています。自社の理念や行動指針が身についている状態です。 中途入社の社員は、その点がまったく分からないため戸惑いを感じ、実力を発揮できないのかもしれません。 可能な限り、プロパー社員が受けた教育を、同様に後から追いかける形でも受けてもらうことが望ましいでしょう。 中途入社社員に新入社員研修に参加してもらい、自社の理念や歴史をじっくり教えるといった取り組みも良いのではないでしょうか。

非正規雇用従業員への教育

パートタイマーや契約社員などの非正規雇用の人材に、明確に教育機会を設けている企業はどれくらいあるでしょうか。 定期的な集合研修を実施できれば良いのですが、勤務形態の違いもあり実現が難しいこともあります。 こうした層には、自分のペースで学びが進められる機会を用意すると良いかもしれません。 映像教材や、オンライン研修を提供する形でもかまいません。 何らかの教育機会を提供することが、非正規雇用従業員のエンゲージメント向上には有効です。


 

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07まとめ

ここまでプロパー社員の特徴やメリット・デメリット、非プロパー社員との間に溝を作らないコツについて解説してきました。 プロパー社員とそれ以外の従業員の間に溝を作らないためには、交流の機会を増やすことが一つのポイントとなりそうです。 しかし、昨今では集合してのイベント開催は難しいでしょう。 こうした状況でこそ、オンラインの学びの場を活用し、交流の機会を設けることが良いのかもしれません。

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