AIエンジニアとは|仕事内容や未経験からなる方法を解説

近年、AI(人工知能)の実用化が進み、企業におけるDX推進の一環として、AI技術を用いたシステム開発やサービスの提供が活発化しています。 それにともない、「AIエンジニア」という職種が注目を浴び、需要が高まっているようです。 本記事では、「AIエンジニア」の仕事内容から、必要なスキルや資格、AI人材の獲得から定着までの取り組みを解説します。
- 01.AIエンジニアとは
- 02.AIエンジニアの仕事内容
- 03.AIエンジニアに必要なスキル・知識
- 04.AIエンジニアに必要な資格5選
- 05.AIエンジニアに向いている人の特徴
- 06.未経験からAIエンジニアになるには
- 07.Schoo for BusinessのAI研修
- 08.まとめ
01AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、機械学習・ディープラーニングなどのAI技術を活用して、人間のような判断・学習が行えるソフトウェアやシステムを設計・開発・運用するエンジニアのことです。
AIエンジニアと言っても、サービスに搭載されるAIを開発する人もいれば、ビッグデータをAIによって分析して、事業に関する示唆を与えるような役割を担う人もいます。
いずれの役割でも、AIエンジニアは需要に対して供給の人数が釣り合っておらず、その他の職種と比較して平均年収は高い傾向にあります。
▶︎参考:厚生労働省|job tag
AIエンジニアの平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、AIエンジニアの年収は全国平均で628.9万円となっています。この値はあくまでも全国平均なので、大都市部や所属企業の規模や業種によって変動するでしょう。
また、AIエンジニアは需要に対して供給が追いついていない職種でもあります。そのため、AIエンジニアの需要が今後も伸びる場合は、さらに平均年収も高まっていく可能性もあるでしょう。
▶︎参考:厚生労働省|job tag
02AIエンジニアの仕事内容
AIエンジニアは、AI技術の発展とともに多様な業務を担うようになりました。研究から実装、データ活用や企業支援まで、担当する領域は幅広く、職種によって専門性も異なります。ここではAIエンジニアが実際に行っている代表的な6つの業務内容を紹介します。
AI技術の研究開発
AIエンジニアの中には、最新のアルゴリズムや手法を研究する役割を担う人材もいます。AIの精度や処理速度を高めるための基礎研究や、既存技術の課題を解決する改良が主な業務です。大学や研究機関、または企業の研究部門に所属し、論文発表や技術検証を通じて実用化に向けた基盤を築いていきます。
AIモデルの構築
実際の業務では、用途に応じてAIモデルを設計・構築するプロセスが中心となります。画像認識や自然言語処理、需要予測など、課題に適したモデルを選定し、アルゴリズムを実装していきます。精度検証やパラメータ調整も重要で、PoC(概念実証)を通じて運用可能かを見極めます。
AIシステムの開発・運用
構築したAIモデルを業務システムに組み込むには、プログラミングやシステム連携の知識が求められます。PythonやC++などの言語を用いてAPI連携やインフラ整備を行い、テスト後に本番環境で稼働させます。リリース後は、ログ監視や定期的なモデル更新などの保守運用もAIエンジニアの業務です。
データ分析
AIの基盤となるのが高品質なデータです。AIエンジニアはデータの前処理や分析にも携わります。統計解析や機械学習の手法を用い、顧客行動や市場動向などの洞察を導き出します。BIツールや分析基盤と連携し、事業戦略への活用を目的としたデータ活用を支援します。
AIコンサルティング
企業内にAI活用のノウハウが不足している場合、AIエンジニアがコンサルタントとして支援するケースも増えています。業務課題のヒアリングから、導入可能なAIの選定、運用体制の提案までを一貫して行います。技術だけでなく、ビジネス理解とコミュニケーション力も重要な要素です。
AI技術の応用
AI技術は製造業、金融、医療、小売などさまざまな分野で応用が進んでいます。AIエンジニアは、各業界の特性に合わせてAIを実装し、業務効率化や顧客体験の向上に貢献します。画像検査システムやレコメンドエンジンなど、現場で使えるソリューション開発が求められています。
03AIエンジニアに必要なスキル・知識
AIエンジニアとして活躍するためには、幅広いスキルと知識が必要です。ここでは、AIエンジニアが習得すべきスキルと知識について見ていきます。 以下に挙げる4つは、AIエンジニアにとって必須といえるでしょう。
機械学習・ディープラーニングの知識
AIエンジニアには機械学習とディープラーニングの知識が求められます。 機械学習とは、AIが与えられたデータの塊から、規則や法則を学習し未知の事柄を予測・判断する技術を指します。 こうした機械学習を進化させたのが、ディープラーニングです。AIそのものが判断基準を選択し、より精度の高い判断を下す技術です。
プログラミングスキル
AIエンジニアには、基本的なプログラミング技術に加え、AI開発に用いられる汎用プログラミング言語「Python」の知識が不可欠です。 Pythonはディープラーニングのプログラムに使用されている言語であり、AIエンジニアにおける共通語とも呼べるものです。 またスマートフォンなどの端末側で作動させるAIには、「C」や「C++」といった、違う言語が用いられるため、身に着けるべきプログラミングスキルは多岐にわたります。
数学的知識
AI開発においては高度な数学的知識が求められます。 データを扱うことが多いAIエンジニアに求められる特性として、論理的思考が挙げられます。論理的な思考や理解力には、数学的な素養が役に立つでしょう。 また、機械学習におけるデータ解析では、実際に確率論や統計学、微分・積分などを使用します。実務面でもこうした高度な数学的知識は必要となります。
データベース操作の知識
AIエンジニアにはデータベース操作の知識も求められます。 特に必要となるのが、SQLをはじめとしたデータベース言語の知識です。データベース言語とは、データベースの定義や制御を行う際に使用されるものです。なかでもSQLは汎用性の高い言語であり、習得しておけば応用の範囲が広がるでしょう。 ビッグデータのAIへの活用も注目を集めており、データを扱えるスキルは重要度を高めています。
04AIエンジニアに必要な資格5選
ここではAIエンジニアに必要な資格を5つ紹介します。AIエンジニアとして活動するためには、必ずしも資格を有している必要はありません。しかし、資格の取得は、AIエンジニアとしてのスキルを客観的に証明できることにつながります。実際にAIエンジニアとして実務を遂行する際の力となるでしょう。
基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験」は、情報処理推進機構が認定する国家資格です。ITエンジニアの登竜門とも称される資格で、ITに関わる人材に求められる、基本的な知識やスキルを有していることを証明してくれます。AIエンジニアのみならず、ITを生業としていく人材にとって、もっとも基本的な資格といえるでしょう。
▶︎参考:情報処理推進機構|基本情報技術者試験
G検定
「G検定」は、日本ディープラーニング協会が主催する資格試験です。ディープラーニングの基礎知識を有し、事業に活用するスキルと知識があることを証明する資格です。試験範囲にはAIや機械学習の知識も含まれ、AIエンジニアにとって必要なスキルが、網羅的に得られる資格といえるでしょう。
▶︎参考:日本ディープラーニング協会|G検定
E資格
「E資格」は、G検定と同じく日本ディープラーニング協会が認定する資格です。この資格を受験するには同協会が主催する認定プログラムを2年以内に修了している必要があります。合格することで、ディープラーニングを実装できるスキルを有することが証明できるため、AIエンジニアとして活躍するためには、ぜひもっておきたい資格です。
▶︎参考:日本ディープラーニング協会|E資格
Pythonエンジニア認定試験
「Pythonエンジニア認定試験」は、Pythonエンジニア育成推進協会が主催する認定試験です。Pythonの専門知識を問う試験であり、「Python3エンジニア認定試験」と「Python3エンジニア認定データ分析試験」の2つがあります。合格することで、AIエンジニアにとって必須であるプログラミング言語Pythonの知識を有していることを証明できます。
統計検定
「統計検定」は、統計質保証推進協会が主催する検定試験です。統計学の知識や活用力を評価する試験であり、「統計検定1級」から「統計検定データサイエンスエキスパート」まで10段階にランク分けがなされています。上位の資格では、データ解析に必要な統計学の知識が問われます。AIエンジニアに必要なスキルとしての証明に役立つでしょう。
▶︎参考:統計質保証推進協会|統計検定
05AIエンジニアに向いている人の特徴
Aiエンジニアに向いている人の特徴には、主に以下の3つがあります。
- ・数学や統計に対しての適正がある
- ・論理的思考ができる
- ・学び続ける習慣がある
AIエンジニアは、確率論や統計学の知見が求められます。そのため、数学や統計学などに苦手意識があると、AIエンジニアになるのは難しいかもしれません。また、AIに限らずエンジニアは基本的に新しい言語への対応をし続けなければなりません。そのため、学び続けることが億劫ではない人は向いていると言えます。
数学や統計に対しての適正がある
数学や統計に対しての適性がある人は、AIエンジニアに向いています。機械学習のパラメーター解析には微分積分学の知識が必要だったり、データ分析には確率論の知識が求められたりと、理数系の知識はAIエンジニアの基礎となるためです。
論理的思考ができる
AIエンジニアに限らず、エンジニアは論理的思考が求められます。場合分けをMECEに行い、条件分岐を事前に作り込むためには、論理的思考が欠かせないためです。
学び続ける習慣がある
AIエンジニアは、学び続ける習慣がある人も向いています。AIは今後もさらに発展していくため、現在の知見やノウハウが数年後には役に立たないという可能性も十分にあるのです。そのため、学び続ける習慣があり、常に最新の知見を得ようとする努力がAIエンジニアには求められます。
06未経験からAIエンジニアになるには
AIエンジニアに未経験から転職するのは、決して簡単ではありません。多くの求人には「実務経験必須」と記載されていることが多く、未経験者を歓迎する企業は限られています。
そのため、AIエンジニアを目指すには、段階的にスキルや経験を積み上げていくことが重要です。ここでは、未経験からAIエンジニアになるための6つの方法を紹介します。
1:大学・専門学校で学ぶ
情報系の大学や専門学校では、AIに関する理論やプログラミング、数学などの基礎から体系的に学ぶことができます。時間をかけて着実に力をつけたい人には向いているルートです。卒業後の就職支援も期待でき、未経験からの就職にも有利になる場合があります。
2:プログラミングスクールに通う
短期間でスキルを習得したい場合は、プログラミングスクールの利用が有効です。AIやデータサイエンスに特化したコースを提供するスクールもあり、実践的なカリキュラムで学ぶことができます。転職支援サービスを備えたスクールも多く、キャリアチェンジの一歩として活用されています。
3:オンライン学習サービスで学ぶ
自分のペースで学びたい人には、オンライン学習サービスの活用が効果的です。動画教材や演習課題を通じて、基礎から応用まで幅広く学べる環境が整っています。
たとえば、Schoo for Businessでは、AIやPythonに関する講座が豊富に揃っており、初学者でも無理なく学習を進められます。ビジネススキルと合わせてAI技術を学べる点も、Schooの特長です。
AIエンジニアになりたい人向けの授業を紹介
講座 | 時間 |
そのDX、AIでは無理ですよ | 3時間 |
AI時代に選ばれる「アウトプット型人材」になる方法 | 1時間 |
AI人材に必要な微分 | 1時間30分 |
AI人材に必要な線形代数 | 1時間40分 |
高校数学だけで理解するディープラーニング | 50分 |
AI人材に必要な統計学 | 1時間20分 |
AI人材に必要な数学概論 | 1時間10分 |
AI倫理:責任あるAIの使い方 | 1時間40分 |
AI人材に必要な高校数学:データ分析・関数・微分・ベクトル・確率 | 3時間 |
『文系AI人材になる―統計・プログラム知識は不要』 | 1時間 |
AI×ビジネス - 現場主義で実用的なAIビジネス思考- | 1時間 |
Pythonで学ぶ機械学習アルゴリズム:分類・回帰・クラスタリング | 4時間 |
機械学習のキホン | 1時間40分 |
AIを使ったデータ分析のアルゴリズム概論 | 1時間30分 |
AIの定義を理解する:歴史と発展可能性 | 1時間30分 |
4:インターンシップやアルバイトで経験を積む
AI関連の実務に直接関われるインターンやアルバイトに応募し、現場経験を積むのも効果的です。小さな業務でも、データの前処理や簡易なモデル構築に携わることで、実践力が身につきます。学習と実務を並行して進めたい人には特におすすめの方法です。
5:資格を取得する
未経験からの信頼性を高めるには、AI関連の資格取得も有効です。G検定、Pythonエンジニア認定試験、統計検定などは、自分の知識やスキルを客観的に示す材料となります。転職活動や副業の実績づくりにも役立つため、学習の目標としても活用できます。
これらの資格に向けた学習も、オンラインで効率的に進めることが可能です。特にSchooでは、G検定やPython、統計に関する内容を網羅した講座が揃っており、初学者でも体系的に学べる環境が整っています。以下に、Schooで資格取得を目指すためのおすすめ講座を紹介します。
『基本情報技術者試験』対策講座
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デジタルプランニング株式会社 代表取締役
デジタルプランニング株式会社 代表。udemy講師(開講から1年で受講者18000人、延数25000人)。応用情報技術者試験、データベーススペシャリスト試験合格。著書に「ゲーミフィケーション」(大和出版)。8年間のサラリーマンプログラマを経て、2007年に独立。2009年にデジタルプランニング株式会社設立。ネット集客の知識はもちろん、ネットを使わないいわゆる「リアル」集客も得意とする。
G検定(ジェネラリスト検定)対策講座
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アガルートアカデミー講師/エーアイアカデミー代表取締役兼講師
2014年にグルメ動画アプリの会社を共同創業し、約3年間Webエンジニア兼機械学習エンジニアとして活動。その後、2016年に株式会社エーアイアカデミーを創業し、AIやPythonを学べるオンライン学習サービス「AI Academy」やデータサイエンティスト育成ブートキャンプ「AI Academy Bootcamp」を運営。2023年9月よりアガルートグループに参画し、データサイエンスの講師を務める。現在は生成AI研修やコンサルティング等の業務を行う。「scikit-learn データ分析 実装ハンドブック」を共著にて出版。
6:未経験でもOKの求人で正社員として就職する
未経験者歓迎の求人に応募し、AIに関わる部署で働きながら実務経験を積む方法もあります。とくに中小企業やベンチャーでは、ポテンシャル採用を行うケースもあります。最初は周辺業務からのスタートになることもありますが、現場での実績を積むことがキャリアの第一歩になります。
「研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

07Schoo for BusinessのAI研修

Schoo for Businessは、国内最大級9,000本以上の講座を保有しており、AI研修やDX研修に限らず、学び続ける人材の育成、学び続ける組織づくりを支援しています。
導入企業数は4,000社以上、階層別研修からコンプライアンス研修・DX研修まで幅広く活用いただくだけでなく、自己啓発の支援ツールとしてもご利用いただいております。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
大企業から中小企業まで4,000社以上が導入

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
SchooのAI研修カリキュラム
Schooの数多くの授業の中にはAIが学べる授業も多くあります。ここでは、SchooのAI研修カリキュラムを紹介します。
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要件定義の具体的な要素や要件定義の流れ、成功するプロジェクトの要件定義の条件などを学ぶことができます。
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企画・設計段階におけるプロジェクトゴール作りのポイントや、システム機能の洗い出し方、システム開発における優先順位を学ぶことができます。
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交渉に必要な、伝わるプレゼンのポイントや相手の心を動かすストーリー(話の構成)の作り方、言いたいことが伝わる話し方の技術を学ぶことができます。
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マネジメントにおいて知っておくべき目標設定の役割や目標設定の具体的方法、目標達成に向けてのポイント、目標管理の方法(フレームワーク)などについて学ぶことができます。
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AIに関する基礎知識やAI導入やDXを推進するためのポイント(プロジェクトの進め方)から、機械学習の概要、アルゴリズムまで学ぶことができます。
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データ分析に必要な数学知識についてや、AI領域で使われる統計学、ディープラーニングの仕組み (アルゴリズム)を学ぶことができます。
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R言語の基本的な文法や、R言語の基本操作 (データの読み込み / 基本統計量の計算 / グラフィックスの作成 / パッケージの活用)、Pythonを使った機械学習などについて学ぶことができます。
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Excelを使用したデータ統合の実行例や、統計学のビジネス的応用例、機械学習の手順など、データ分析についてより実践的に学ぶことができます。
08まとめ
AI技術は日々進歩し、今後も日常生活のあらゆる場面で実用化が図られるでしょう。 それにともない、AIエンジニアをはじめとしたAI人材は、ますます不足し獲得競争は激化するものと思われます。 AI人材の獲得と育成は、企業成長を左右する要素といっても過言ではありません。 可能な限り早い段階で、企業としての取り組みが望まれるのではないでしょうか。