更新日:2025/08/07

参事とは|階級や役職はどのくらい?理事や参与との違いについて解説

参事とは|階級や役職はどのくらい?理事や参与との違いについて解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

参事とは、もともとは国会や地方公共団体といった公務員の役職名の1つとして使用されてきましたが、現在は一般企業でも用いられています。具体的にどのような立場で、役割があるのでしょうか。本記事では、参事の立場や、類似している参事官や参与との違い、参事が持つ役割について紹介しています。

 

01参事とは

参事とは、特定の分野に精通し、専門的な助言や調整を担うポジションのことです。もともとは官公庁や地方自治体における役職名でしたが、現在では一般企業においても導入されるようになっています。部長や課長のような管理職と比べると組織運営の前線に立つことは少ないものの、経験や知見を活かした支援的な役割を担います。

参事の仕事内容

参事の主な役割は、専門的な知識や経験を活かして経営陣や部門責任者を支援することです。業務としては、調査や研究、資料作成、他部署や取引先との調整などが含まれます。現場で直接指示を出すよりも、背景にある戦略や方針を支える立場で関与するケースが多いです。企業によっては、役職として扱われる場合と、専門的職能を示す肩書として用いられる場合があります。

参事が一般企業に普及した背景

もともと「参事」は官公庁で使われていた肩書でしたが、近年では一般企業でも採用されるようになりました。その背景には、定年後も豊富な経験や専門性を持つ人材を活用したいという人事戦略があります。管理職としての第一線からは退いたものの、知見や人脈を活かして社内外の調整役を担う人材を必要とする企業が増えたことが理由です。「部長」や「顧問」よりも柔軟に位置づけられるため、制度設計の幅も広がります。


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02参事はどのくらいの階級・役職?

参事の階級

参事は、一般的に部長や課長といった管理職経験者が就くことが多く、企業によっては部長職と同等あるいはそれ以上の位置づけとなることもあります。直接の指揮命令権は持たない場合が多いですが、実務や人脈、専門性に基づく影響力がある役職です。現場の統率よりも、アドバイザーや特命業務の担当者として活用されることが多く、組織に柔軟性をもたらすポジションといえます。

参事と部長・課長の違い

部長や課長は明確なライン上の管理職であり、組織運営や部下のマネジメントを担う立場です。一方、参事は役職上の序列に組み込まれていないことが多く、管理責任を持たずに専門的な業務を担当するのが特徴です。また、年齢や経験を重視して任命されることが多いため、階級よりも職能や影響力に基づいた位置づけとなります。会社によっては、部長経験者のポストダウンや再雇用の際の肩書きとして使われることもあります。

 

03参事の魅力とは?

参事は、管理職としてのラインマネジメントからは一歩引きつつも、豊富な知見や経験を活かして活躍できるポジションです。専門性を活かしながら、社内外の調整役や後進の育成に貢献できる点が評価されています。自らの裁量を持ちつつも、過度な責任を負わずに柔軟に働ける点が魅力です。

専門性を活かすことができる

参事の大きな魅力は、これまでのキャリアで培ってきた専門性を十分に活かせる点です。現場の責任者として業務全体を統括する立場ではないものの、特定分野において深い知識と経験を持つことで、部門やプロジェクトを支える役割を果たします。実務レベルの細かい判断や指導が求められる場面も多く、自分のスキルや知見がそのまま組織の価値となる実感を持てる点が、やりがいにつながります。

調整役として重宝される

参事は、社内外の利害関係者との調整において重要な役割を担います。取引先や関連部署との信頼関係を築きやすく、柔軟な立場だからこそ発揮できる調整力が求められます。組織の一部として指揮命令を出すのではなく、第三者的な視点から意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションや合意形成に貢献します。このような調整役としての立場は、現場の負担軽減や意思決定のスムーズ化において非常に重宝されます。

マネジメントの責務を負わなくて良い

参事は、部下の育成や業績責任など、一般的な管理職が担うマネジメント業務からは距離を置いて働ける点が特徴です。部長や課長といった役職に比べて組織的な責任が軽く、専門性に特化した業務に集中できる環境が整っています。責任を軽減しながらも影響力を持って関われるため、定年後やキャリア後半の働き方としても理想的です。無理のない範囲で貢献を続けたい人にとって、参事は非常に魅力的なポジションといえます。

 

04組織ごとの参事の立場や役割

参事はもともと公的機関で使われていた役職名ですが、現在では民間企業や協同組合でも導入が進んでいます。組織の種類によって参事の位置づけや職務範囲が異なるため、ここでは代表的な組織別の特徴を紹介します。

公的機関

国会では、国会議員を補佐する事務職員を総称して参事と呼んでいます。課長級だけでなく、係長や担当者まで含まれるケースもあります。地方自治体では、参事は部長級や課長級に相当することが多く、専門性を活かしながら部下を持たずに業務を行うのが一般的です。ただし、都道府県によっては職能レベルの肩書として扱われ、必ずしも役職とは限りません。国立国会図書館や議員事務局などでは、事務全体を統括する立場の職員が参事と呼ばれます。

協同組合や労働金庫

協同組合や労働金庫では、業務を担う職員に対して参事という肩書が用いられます。特に協同組合の場合、理事会によって選任され、支配人の権限を持つ者が参事に就くケースもあります。この場合、参事はその組織内での最高責任者という位置づけになることもあり、組織の中核を担う役割です。

民間企業

民間企業では、参事は管理職としての役割よりも、専門性や経験を評価された人に与えられる肩書です。長年の勤務で培った知識や技能を活かし、実務や助言を通じて組織に貢献します。参事から部長や課長に登用されることもあれば、研究機関などでは参事の中で等級が分かれている場合もあります。肩書として柔軟に使われているのが特徴です。

 

05参事に似た職務と違い

参事という言葉も聞きなれない方が多いかと思いますが、似たような響きの職務もあり、混乱の元となります。ここでは「参事官」「参与」「主事」の3つについてそれぞれの意味と参事との違いについて解説していきます。

参事官

参事官とは、内閣官房、内閣法制局、人事院、会計検査院といった日本の中央省庁において事務を参画している職員を指します。その職務や職責は組織によって様々ですが、辞書では「課長級の職員」と記載されており、重要事項を総括整理したり企画書や提案書を作成したりしています。参事とは基本的に働く組織が異なるといえるでしょう。

参与

参事が特定の能力・資格をもって仕事をするのに対し、参与の仕事は経営陣の直下で経営陣をサポートすることです。基本的には会社内の特定部署のみに関わるのではなく、会社の業務全体を対象にしているといえます。また、公的機関においては有識者を参与として選出し、非常勤の国家公務員の地位を付与し、相談を受けてもらうこともあります。このように参与は一般的には参事よりも上に位置づけられているといえるでしょう。

主事

主事とはある仕事を主として取り扱う人という意味です。会社においては参事の次に位置づけられることが多く、主任・係長・時には課長クラスを想定していることがあり、参事の様に社内の職能資格の1つとされる場合が一般的です。また、官庁や学校などでは長の名を受けて所定の業務を主管する人の事を指しますが、地位は高くないことが多いです。

 

06参事に対する注意事項

参事は権限がないものの、会社においては経験や能力が認められ、参事という職名を与えられています。部長や課長といった管理職ではないとはいえ、一般社員からすると適当に扱っていいというわけではありません。それでは最後に参事という役割が与えられた人と接する際の注意点について紹介していきます。

大先輩として敬意を払う

会社において参事とは役職はついていないものの、かつては部長や課長だったり、現在もその経験や能力が長けていることから参事という職能を与えられています。会社からはこれまでの会社に対する貢献に配慮されて参事という職名がつけられているともいえます。そんな参事に対しては、他の一般職とは一線を引いて、大先輩として敬意を十分に払う必要があります。そして、一緒に仕事をする機会があれば過去の経験を自分が引き継ぎ、参事がしていたようにこれからは自分が会社を支えていくという気持ちで接しましょう。

メールの敬称に注意する

メールを送る際には二重敬語に注意しましょう。二重敬語とは、敬語を重複して使用することで、日本語として間違いとなります。多用しがちなのが「様」の間違いです。例えば、「参事」とつけた役職名はそれ自体が敬称ですので、「○○参事様」となると二重敬語となります。メールを送る際には「参事 ○○様」や「○○参事」、氏名が分からなければ「参事 殿」といった形で送る様にしましょう。


 

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07まとめ

参事とは、特定の分野に精通した専門性の高い人材に与えられる肩書であり、公的機関から民間企業まで幅広く活用されています。部長や課長とは異なり、直接の管理責任を持たず、助言や調整、実務支援などを担う立場です。企業においては定年後や再雇用時に知見を活かす役割として重宝されており、マネジメントの負担を持たずに柔軟に働ける点が魅力です。また、敬称の扱いや接し方には十分な配慮が必要です。参事という立場を正しく理解し、社内での信頼関係構築に活かしましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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