公開日:2022/01/26
更新日:2023/01/17

参事とは?その役割や参事官や参与との違いについて解説する

参事とは?その役割や参事官や参与との違いについて解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

参事とは、もともとは国会や地方公共団体といった公務員の役職名の1つとして使用されてきましたが、現在は一般企業でも用いられています。具体的にどのような立場で、役割があるのでしょうか。本記事では、参事の立場や、類似している参事官や参与との違い、参事が持つ役割について紹介しています。

 

01参事とは

参事とは、もともとは国会や地方公共団体といった公務員の役職名の1つとして使用されてきましたが、現在は一般企業でも用いられています。その意味としては、ある特定の事務や業務に関わる職や、その職に従事する人のことを指しています。それでは詳しくみていきましょう。

参事の仕事内容

参事の仕事内容としては、特定の分野での豊富な知識や経験を用いて部長や課長などに対してアドバイスをしたり、自らが調査、研究をしたりすることです。過去の人脈を活かして取引先と調整したり、資料を作成するといった様に、今まで培ってきた個人の能力を発揮していくポジションです。年齢的にも部長クラスや課長クラスが多いので、会社においては相談役のような位置づけの場合もあります。組織によっては役職として扱われることもあれば、職能資格を表す肩書として使用されることもあります。


【人事ご担当者向け特別授業】
変化する事業環境に応じた新しい研修のあり方とは?教育工学の専門家が解説。

社員研修のあるべき姿-を無料視聴する

 

02参事の役職が一般企業に普及した理由

参事というポジションは元々は一般企業には普及していませんでした。参事が普及した背景にあるのは各会社が役職定年制を導入し始めたことが挙げられます。役職定年制とは、管理職として勤務していた人を、大体50代後半くらいの年齢で管理職から外してしまう制度です。役職定年制の目的としては人事を回すことによる組織活性化や将来をにらんだ若手の育成、そして人件費抑制といったものがあります。役職から外されると、その後は平社員という位置づけになってしまうため、社員からするとモチベーションを維持するのが難しかったり、今まで「部長」や「課長」と呼ばれていた人が急に平社員になるのであからさまに処遇が悪くなった印象を与えてしまったりします。そこで、対策として管理職ではなくなる代わりに参事というポジションを付与するのです。これまでは管理職としての業務の一部は対応しなくなりますが、基本的には今までの経験を活かし、近い業務を行うことが多いです。また、同じような立場になった過去の部下たちに責任を持って指導してほしいという思いがあることもあります。なお、管理職ではなくなるため、給料が下がるケースがほとんどです。

 

03組織ごとの参事の立場や役割

参事は元々は公務員の中でのみ使用されてきましたが、現在は一般企業含め他でも使用されています。そして組織の中で同じ参事という役職でも立場や役割などが変わってきています。続いては参事が使われる場合についての代表的な例を組織毎に位置づけや役割と共に説明していきます。

公的機関

国会においては、国会議員を補佐して事務をするほぼ全ての職員のことを参事と呼んでいます。課長級でも係長、担当者もみんな同様の総称として参事です。もちろんその中での役職として事務総長や法制局長という役職があります。  地方公共団体では部長級や課長級の役職として扱われることが多いです。基本的には部下を持たずに専門性を活かして働きます。なお、都道府県によって参事の使い方が異なり、役職としてではなく職能レベルの肩書として使用される場合もあります。  国立国会図書館や議員事務局などの機関では事務を取り仕切る立場の人を参事と呼びます。

協同組合や労働金庫

協同組合や労働金庫ではそこで業務を行う職員が参事と呼ばれます。協同組合の参事の中には、理事会で選任され、支配人の権限を持っている場合もあります。この場合は職員のトップのことを参事と呼びます。

民間企業

民間企業では社内の役職としてではなく、能力・資格を持っている人を参事としていることが一般的です。長年会社で勤めてきた経験や知識が認められ、参事として位置づけられるようになります。なお、中には参事の中から部長や課長などが選任される場合もあります。また研究機関では参事の中で際級が分けられている場合もあります。

 

04参事の地位

参事は組織によって立場が様々です。会社においてもその会社内に規定されているローカルな基準があり、その地位も組織によって違いがあります。とはいえ、大まかな傾向がありますので、ここでは参事の会社における地位について紹介していきます。

立場は管理職相当の場合が多い

一般的には役職が無くとも、会社においては係長や主任よりは権限があり、部長や課長クラスの立場である場合が多いです。そもそも、参事となる人の多くは元々部長や課長であり、役職定年制により参事となる割合が相当数います。豊富な知識や経験をもとに、部長や課長をフォローしていくことが求められています。ただし、管理職ではないので部長や課長と比べて保有する権限は少なくなることが一般的です。管理職が行っているような部下の育成や組織全体的なマネジメントについては部長や課長が行い、参事はあくまでもその手助けや個別の案件に対して責任を持っておこなうような位置づけとなります。

年収は高い傾向にある

参事は管理職ではないものの、仕事上の立場的に管理職相当である場合、年収も基本的には高い傾向にあります。ただし、管理職ではなく役職手当が付かないため、部長や課長といった管理職よりは低いことが多いでしょう。よって、平社員よりは高く、管理職よりは低いことが一般的であるといえます。

参事と部長の違い

参事と部長は同等の立場であることもありますが、そこには大きな違いあります。まず一般的に参事はある役職に付く資格や能力があるという意味の「職能資格名」ですが、部長は「役職名」だということです。役職は例えば10個の部があれば部長は10人しかなれませんが、職能にはそのような定員は基本的にはありません。また、参事はその能力を活かして部長や課長のフォローなどを自ら行いますが、部長は部をマネジメントすることが仕事です。自らというよりは組織を動かし、方針や目標を達成するためにリソースを最大限に活用することが求められます。

 

05参事に似た職務と違い

参事という言葉も聞きなれない方が多いかと思いますが、似たような響きの職務もあり、混乱の元となります。ここでは「参事官」「参与」「主事」の3つについてそれぞれの意味と参事との違いについて解説していきます。

参事官

参事官とは、内閣官房、内閣法制局、人事院、会計検査院といった日本の中央省庁において事務を参画している職員を指します。その職務や職責は組織によって様々ですが、辞書では「課長級の職員」と記載されており、重要事項を総括整理したり企画書や提案書を作成したりしています。参事とは基本的に働く組織が異なるといえるでしょう。

参与

参事が特定の能力・資格をもって仕事をするのに対し、参与の仕事は経営陣の直下で経営陣をサポートすることです。基本的には会社内の特定部署のみに関わるのではなく、会社の業務全体を対象にしているといえます。また、公的機関においては有識者を参与として選出し、非常勤の国家公務員の地位を付与し、相談を受けてもらうこともあります。このように参与は一般的には参事よりも上に位置づけられているといえるでしょう。

主事

主事とはある仕事を主として取り扱う人という意味です。会社においては参事の次に位置づけられることが多く、主任・係長・時には課長クラスを想定していることがあり、参事の様に社内の職能資格の1つとされる場合が一般的です。また、官庁や学校などでは長の名を受けて所定の業務を主管する人の事を指しますが、地位は高くないことが多いです。

 

06参事に対する注意事項

参事は権限がないものの、会社においては経験や能力が認められ、参事という職名を与えられています。部長や課長といった管理職ではないとはいえ、一般社員からすると適当に扱っていいというわけではありません。それでは最後に参事という役割が与えられた人と接する際の注意点について紹介していきます。

大先輩として敬意を払う

会社において参事とは役職はついていないものの、かつては部長や課長だったり、現在もその経験や能力が長けていることから参事という職能を与えられています。会社からはこれまでの会社に対する貢献に配慮されて参事という職名がつけられているともいえます。そんな参事に対しては、他の一般職とは一線を引いて、大先輩として敬意を十分に払う必要があります。そして、一緒に仕事をする機会があれば過去の経験を自分が引き継ぎ、参事がしていたようにこれからは自分が会社を支えていくという気持ちで接しましょう。

メールの敬称に注意する

メールを送る際には二重敬語に注意しましょう。二重敬語とは、敬語を重複して使用することで、日本語として間違いとなります。多用しがちなのが「様」の間違いです。例えば、「参事」とつけた役職名はそれ自体が敬称ですので、「○○参事様」となると二重敬語となります。メールを送る際には「参事 ○○様」や「○○参事」、氏名が分からなければ「参事 殿」といった形で送る様にしましょう。


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

07まとめ

参事について会社や公的機関などでの位置づけや仕事内容について説明してきました。参事は会社によって様々な扱いがあります。とはいえ、基本的には経験豊富で敬うべき存在です。もしも参事と接することがあれば敬意をもって対応していきましょう。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ