公開日:2022/01/26
更新日:2022/06/16

人事課長の資質とは?仕事内容と適正な人物像を徹底解説

人事課長の資質とは?仕事内容と適正な人物像を徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事課長に求められる素質やスキルとは、どのようなものがあるのでしょうか。当記事では人事課長に必要なスキルや、それらを育成する研修の際に注意する点について紹介しています。また、人事部長との違いについても説明していますので、ぜひ参考にしてください。

 

01人事課長の主な役割

まず人事課長の役割というと、管理業務を行うイメージする方が多いのではないでしょうか。もちろん管理業務も含まれますが、現場の人事業務も課長の重要な役割といえます。ここでは代表的な人事課長の役割を紹介していきます。

採用活動

採用活動は人事部の代表的な仕事です。課長であれば、事業計画を達成するためにどのような人材が必要であり、何名採用するのか、明確化しなければなりません。採用計画を立てる際に、人事課長は部長や経営陣、また各部署の責任者と協議して状況確認を行い、求める人物像を定めていきます。 人材確保に失敗してしまうと、会社の経営悪化につながる可能性もあります。採用基準の決定に深く関わる人事課長の責任は重大です。

従業員教育・研修の実施

新入社員や従業員の教育や研修内容を考えることも、人事課長の重要な役割です。経営陣や各部門の責任者にヒアリングをして課題を見つけ、綿密な教育・研修計画を立てる必要があります。 予算や目的に応じて適切な方法を考え、研修の際に従業員のスキルを大きく上昇させるため、ときには外部からどのような講師を招くのかを決定する必要もあります。

人事評価

人事課長は、適切な評価制度を設けて実行しなければなりません。制度を構築して従業員の労働に対して適切な評価をすることで、結果的に離職率の低下につながります。そうすることで、優秀な人材を会社に確保できるのです。 評価制度は適切に項目や評価者を決定しなければ、うまく機能しないことがあります。人事課長は従業員の賛同を得られるように改善を重ねつつ、公平な評価制度の作成と評価を実施する必要があります。

人事異動

人事課長は会社の事業計画達成や人間関係の円滑化のために、ときには従業員の異動も計画します。最適な配置にするために会社の方針と照らし合わせ、各部署と協議して、どのような人材がどの部署に必要なのかを的確に判断する必要があるのです。 各従業員のスキルを確認し、最適な人材が見つからないようであれば研修によって既存社員のスキルアップも図ります。場合によっては、外部から新たに人材を取り入れることも計画します。人事異動は会社の業績や雰囲気を大きく左右する、重要な役割です。

労務・福利厚生

労働時間や福利厚生の管理も人事課長の重要な役割です。社会保険の手続きや勤怠管理、給与の計算、支払いなどは適切に行わなければ、法に抵触してしまうおそれがあるため、役職者である課長が最終的にはチェックをします。 企業によって給与体系や休暇制度が異なるため、自社の制度を正確に把握しておかなければなりません。制度を理解することも人事課長の重要な役割です。

 

02人事課長の主な役割と人事部長との違い

人事の役職者としては、主に人事課長と人事部長の2つがあります。この2つの役職は名称が似ているため、違いを正確に理解できていない人が少なくありません。ここでは、それぞれの役割の違いについて説明していきます。

人事課長は人事現場の担当者

現場で指示を出す人事課長と、経営側の視点をもつ人事部長では、役割にも大きな違いがあります。課長は現場の責任者として戦略を実行する役割があり、直接部下に指示を出して業務の方向性を伝えます。 対応に悩んだときやトラブルが発生した際には、部長に相談して指示を仰ぐことになります。そのため多くの企業は、具体的な人事戦略や指示内容は人事部長が取り決め、従業員に指示を出すのは人事課長、という体制をとっています。

採用活動や研修内容の決定

採用活動や研修内容の決定も、人事課長の重要な役割です。人事部長から与えられた目的を達成するために、求める人物像を明確化し、採用計画を立案します。そして詳細な採用条件を求人票に記載し、適切な人材を確保できるように行動する必要があります。 また、既存の従業員のスキルの底上げが必要だと判断した場合には研修を計画し、段取りを整えなければなりません。ある程度計画が固まったら人事部長から意見を仰ぎ、最終的な方向性を決定します。

人事部長への報告・伝達

人事課長は人事部長に報告や伝達を行うことも業務の一環です。計画通りに人事業務が進んでいない場合、人事部長は戦略の見直しを行い、改善案を検討することもあります。そのため、人事課長は現場の状況を適切なタイミングで人事部長に報告しておかなければなりません。 現場の伝達が遅れてしまうと人事部長の戦略判断が厳しくなり、業務に大きな支障が生じることもあります。かといって、事細かに報告しても人事部長の手を止めてしまう可能性もあります。適切なタイミングを見極めた情報伝達を心がけることを忘れてはなりません。

部下への直接的な指導

人事課長は部下に直接指導をします。人事部長の考えた戦略や指示をしっかり伝えるために、定期的なミーティングを開いて部下に情報を共有します。部下から質問があった際には適切な回答ができるように、人事課長は常に人事部の全体像を把握しておく必要があるのです。 人事部長の戦略を確実に遂行するため、人事課長は部下の状況や業務進捗を把握し、進行と達成度合いをこまめに確認していきます。

 

03人事課長に求められる資質とスキル

人事課長は経営側に近い視点で戦略を考える必要があります。業務を遂行するだけの一般社員とは異なり、会社の業績を左右する役職でもあるため、重要な責任が生じます。 この項では、そんな人事課長にどのようなスキルと資質が求められるのかを解説していきます。

管理職の一員としての自覚

人事課長は管理職としての自覚をもたなければなりません。自分が出した指示によって業務の進行や業績は大きく変わってくるため、責任は重大です。そのことを自覚して、業務に携われるような人物が求められます。リーダーシップをもって部下を指導し、上司には的確な報告ができる人物が理想的です。

業務全体のスキルアップ能力

人事課長には、全社のスキルを底上げする能力も求められます。そのためには、人事部内一人ひとりのスキルの把握と、適切な業務の采配能力が重要です。 さらには各部署と連携して、自分の部署に求められるスキルを確認できるコミュニケーション能力も求められます。 各部署のスキルアップを行うため、人事課長に部署ごとに必要な人材を伝えて異動や人材募集の作業を行ってもらうこともあるでしょう。スキルの判断が適切でなければ全社の業務効率が下がってしまうこともあるため、業務スキルに関する正しい判断能力が求められます。

組織のマネジメント能力

人事課長にとって、組織のマネジメント能力は必要不可欠なスキルです。組織に必要な人材を育成するためには、人事課長は不足している部分を認識しなければなりません。また、トラブルが生じた際の対応能力も問われます。 組織全体を俯瞰して分析する能力は、マネジメントをするうえでも欠かせません。そのうえで、部下に最適な仕事を割り振り、トラブル発生時には上司の判断も仰ぎつつ迅速に対応する必要があります。

上司と部下をつなぐコミュニケーション能力

人事課長には、上司と部下の関係を円滑にするコミュニケーション能力も必要です。上司と部下がお互いにコミュニケーションを取りにくい雰囲気では、業務の効率面に悪影響を及ぼすこともあります。そのようなことがないように、職場の雰囲気にも敏感になって、気を配れる人物が理想とされています。

 

04人事課長におすすめしたい研修

人事課長が業務を確実に遂行するためには、研修の実施もおすすめです。多種多様な研修を実施し、受講してもらうことによって、課長としての自覚が芽生えるかもしれません。ここからは、そのなかでも特に人事課長候補におすすめの4つの研修を紹介します。

新任管理職研修

新任管理職研修とは、管理職としての意識をもち、役割を遂行するために必要なスキルを身につける研修です。人事課長が取り組むべき職場の環境づくりや適切な指導方法を学ぶことができます。 課長職に昇進する場合、それが初めての管理職への昇進である場合が多いのではないでしょうか。管理職に求められるスキルを理解できるため、新任の人事課長や管理職候補にとっておすすめです。

マネジメント研修

管理職は、組織と業務、資金、人材の状況を把握して、適切に管理する必要があります。このマネジメント研修では管理職がもつべき視点を学ぶとともに、ロールプレイングを通じて、部下への適切な指導方法を学ぶことができます。トラブル発生時の対応策について学ぶことで、いざというときにも慌てることなく対処できるようになるでしょう。

コミュニケーション研修

コミュニケーション研修では、日々のコミュニケーションのポイントについて理解できます。 人事部は自部署のみならず、自社の全部署と関わる必要があります。幅広い年齢層の従業員たちとスムーズに業務を行うためには、こういったコミュニケーションスキルが重要となるのです。 もちろん、自部署内での円滑なコミュニケーション方法や、上司との交渉を上手く進めるコツも学べます。

ハラスメント研修

ハラスメント研修は、どのような言葉や行動がハラスメントに捉えられてしまうのか、指導してもらうことができます。近年ではハラスメント関連の問題が多々発生していて、なにげない自分の言動がハラスメントトラブルにつながる可能性も否定できません。 管理職の場合は特に厳しく見られてしまうため、ハラスメントの知識を理解しておくことが重要です。

 

05人事課長へ管理職研修を行う際に気をつけるポイント

人事課長に対して管理職研修を行う際には、いくつかの注意点も存在します。必要なスキルを研修で身につけられるように、研修を実施する際にはポイントを押さえておきましょう。ここでは代表的な注意点を3つ紹介します。

人事部長との違いを理解してもらう

まずは、人事部長との違いを明確にしておく必要があります。人事部長は戦略を考案することが仕事であり、人事課長は戦略を実行することが主な仕事です。 すなわち、人事課長は現場寄りの管理職であり、人事部長は経営寄りの管理職である、という点をしっかりと理解してもらう必要があります。自分に求められる業務範囲を明確にしておかなければ、会社に不利益をもたらすことがあります。研修の際には、人事課長の業務範囲と求められる成果について明確に伝えるようにしましょう。

プレーヤーとマネジメントの両立を意識してもらう

人事課長はプレーヤーとマネジメントの両方の役割を求められます。人事部長の指示に従って業務を進める一方で、部下の業務内容や作業スピードなどをマネジメントする必要もあるのです。 プレーヤーとマネジメントの両立は、当人にとって大きな負担となる場合もあります。そのため、効率の良い仕事の進め方を研修に取りいれて、習得してもらえるようにしましょう。

各分野の目標を明確にして部下に伝達してもらう

採用や研修など、各分野の目標を明確にして部下に伝達するスキルは重要です。目標が不明瞭であれば、部下はどのように行動したら良いのかが分からず、各々が違う方向性で業務を進めてしまうおそれがあります。 目標を明確にした的確な指示ができれば、部下たちが同じ方向を向くことができるようになるはずです。研修時にはリーダーシップをもって、適切な指示を与えられる人事課長になるためのプログラムを取り入れましょう。


 

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06まとめ

人事課長に求められる資質やスキル、その育成方法について紹介してきました。人事課長と人事部長では、業務内容はもちろん、それぞれに求められる資質が異なります。人事課長候補には適切な研修を受講してもらい、人事部における役割や身につけるべきスキルを習得してもらいましょう。

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