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準委任契約とは?委任契約・請負契約との違いや導入するメリットを解説

公開日:2021/05/27
更新日:2021/05/31
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準委任契約とは?委任契約・請負契約との違いや導入するメリットを解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

雇用契約を結ぶ際には、さまざまな契約形態があります。準委任契約もそのうちの一つです。2020年4月1日より改正民法が施行され、準委任契約に成果完成型の規定が追加されました。システム開発の契約でよく使われる、準委任契約について詳しく解説していきます。

 

準委任契約とは?

準委任契約とは、業務の一部を外注する際に使われる契約形態の一種です。業務の発注者が受任者に法律行為以外の事務を委任するという契約です。 ここでいう法律行為とは、それを行うことにより法的な権利が発生したり消滅したりする行為のことです。準委任契約の受任者には、業務の結果に責任がありません。受任者は決められた時間や工数の分だけ労働力や技術を提出するか、成果物を納品することで報酬を受け取ります。

準委任契約にも履行割合型と成果完成型の2種類ある

準委任契約の受任者は2種類の契約に分かれます。一つは業務時間や工数などの業務量に応じて報酬を受け取る「履行割合型」です。もう一つは成果物の納品により報酬を受け取る「成果完成型」です。2020年4月の改正民法では新しくこの「成果完成型」が追加されました。

履行割合型

履行割合型は入力業務や会計業などの事務処理業務によく利用されます。民法改正により、受任者は業務の履行が不可能になった場合や、契約が途中で終了した場合であっても、その責任の有無にかかわらず、業務をした分の報酬を受け取れます。

成果完成型

成果完成型は成果物の納品までの契約です。しかし前述のように業務の結果に対して責任はもちません。あくまで「成果物の納品」であって、最後まで完成させる必要はないのです。完成に責任をもたないというと発注者にとって不利であるように聞こえてしまいますが、システム開発ではよく使われる契約形態です。というのもシステム開発において、すべてが当初の予定通りの仕様で、最後まで完成させることは少ないためです。

準委任契約なら業務の遂行に対し報酬が発生する

上記に対し、仕事の完成義務を負う契約を請負契約と言います。請負契約でシステム開発を外注している際に、開発途中に仕様の変更が必要になった場合は変更の指示をするために、再度契約しなおさなければいけません。しかし、完成に義務を負わない準委任契約の場合、現在完成している部分のみ納品する、もしくは変更された施行に合わせて業務を進める、といった方向転換が容易です。 履行割合型と成果完成型どちらであっても準委任契約は、業務の遂行に対してのみ報酬を与えるという契約形態です。

準委任契約・委任契約・請負契約の違い

委任契約と準委任契約の違い

委任契約とは、準委任契約と同様に依頼した業務を行うことを約束する契約です。準委任契約と異なる点は、法律関係に関わる業務において使われるという点です。税理士や弁護士などに依頼する際に使われる契約形態です。 弁護士の依頼を例に考えてみましょう。弁護士は、依頼主の要望に合わせて業務を遂行します。当初の依頼内容が途中で変更されても、業務を遂行します。準委任契約と同様に完了に責任は負わず、業務遂行に対して報酬が発生します。

請負契約とはと準委任契約の違い

請負契約とは、受注者が仕事の完了に対して責任を負う契約です。運送業務や建設工事において採用されることが多い契約です。準委任とは違い、遂行に対しては報酬は発生せず、完成して初めて報酬が発生します。運送業務の場合、業務途中の大幅な変更はあまり想定できません。送り届けて初めて報酬が発生します。運送業務を準委任契約で依頼すると、送り届けた相手が不在だった場合には、それまでの遂行に対して報酬が発生します。再度、依頼をして再配達を頼むことも可能ですが、二度報酬が発生してしまいます。請負契約であれば、依頼を受けた受任者は配達まで責任をもって完了させる義務があります。再配達することになった場合でも、二度目の報酬は発生しません。

 

IT企業に準委任契約が多い理由

IT企業では状況に合わせて、請負と準委任どちらの契約形態も採用しています。準委任契約は主にIT企業において使われます。それは準委任契約のメリットが、IT企業において特に有効だからです。

準委任契約のメリット

準委任契約のメリットは必要な労働力の確保がしやすい、変更にも柔軟に対応できる、の2点にまとめられます。

必要な労働力の確保がしやすい

準委任契約では業務のみを遂行してくれる受任者を確保できます。あらかじめ契約期間を定めて、その期間内で業務に従事してもらいます。もちろん、常に業務がある場合には正社員として雇用することも可能です。しかし、繁閑期の業務量の差が大きい場合には常駐の労働力は必要ありません。必要なときに労働力を確保できることが準委任契約の大きなメリットです。

変更にも柔軟に対応できる

準委任契約では期間を定めてその期間内での業務遂行を依頼するため、期間内であれば指示の変更が可能です。 アルバイトで採用しても所定の労働時間内であれば指示の変更は可能です。ただし、アルバイトや正社員は雇用契約を結びます。雇用契約を結ぶと、労働法の保護対象化に入ります。一方、準委任契約は業務の一部を外注する業務委託としての契約です。 業務委託の場合は、労働時間や賃金規制、解雇規制等がありません。受任者が好きな時に働くことができる契約です。

結果として、社内に負担を減らすことにもつながる

解雇規制があるため、自社で雇用契約を結ぶことには一定のリスクがあります。社内で雇用している人材に業務を任せるよりも、特定の業務のみを外注することで低コストで確実に成果を上げることもできるのです。 準委任契約を活用してそのメリットを享受することは、結果的に社内の負担を減らすことにもつながるのです。

準委任契約、別名SES契約がIT企業で選ばれる理由

SES契約とは、システムエンジニアリング契約のことです。SES契約は準委任契約をシステムエンジニアと結ぶ契約です。つまり準委任契約をIT企業で活用する際の別称として、SES契約という言葉が用いられています。 IT業務の外注を請け負う、SES企業もあります。業務の発注者はSES企業に依頼して、エンジニアの労働力を確保します。 SES契約を選択すると、企業は必要なスキルをもった人材を必要な期間だけ集めることができます。仕様の変更にも柔軟に対応可能です。 派遣契約でも同様のことがいえますが、指揮命令系統に違いがあります。派遣契約の場合は指揮命令権が発注者側にあります。対するSES契約では、指揮命令権はSES企業にあります。指揮命令権がSES企業側にあることで、発注者側の労働力を使うことなく、契約人材ごとの管理や作業時間、残業時間の管理がしやすくなります。 そして、エンジニアにとっても派遣会社ではなくSES会社に所属するメリットがあります。エンジニアはSES企業の正社員であることが多く、派遣契約よりも安定した収入が期待でき、社内でのキャリアアップも目指せます。

 

準委任契約の使い分けと注意点

準委任契約は、上述のようによくIT企業において利用されますが、IT企業でも請負契約と準委任契約を使い分けることがあります。 準委任契約では、契約期間が過ぎても開発が終わっていなかった場合、同じ人と再契約できずに新たな人員を一から探さなければならないこともあり得ます。また、業務時間に対して報酬が払われるため、受任者は納品を先延ばしにしてしまう可能性すらもあるのです。進捗状況や作業の進行度が適切であるかを確認しながら進めないと、無駄な報酬を払ってしまうことも発生しかねません。 そのためIT企業では、仕様変更が少ないと予想できるものには請負契約を採用することが多くなっています。 各契約形態にはそれぞれのメリットとデメリットがあります。業務ごとに必要な契約形態を採用するようにしましょう。

 

よくあるトラブルの事例と予防

よくあるトラブルは、請負契約と準委任契約の両方を合わせて使うときに起こります。その場合、契約書は非常に複雑になります。 契約書上では、完了を義務としている請負契約の範囲や、業務遂行を義務としている準委任契約の範囲は明確化されていたとしても、委任者と受任者の見解に相違が現れることがあります。 請負契約なのか準委任契約なのか、業務の責任の範囲を明確にしたうえで、契約書の文面だけではなく話し合いも併用して決めていく必要があります。

ポイントを抑えてトラブルを予防する

契約を締結する際には以下のポイントを抑えておく必要があります。

業務内容

業務内容と範囲を明確化しないことで、「依頼した作業が行われていない」「まだ未完成なのに契約が終わってしまった」などのトラブルが発生してしまいます。

報酬

報酬は、何に対していくらの報酬が発生するのかを明確に定める必要があります。 諸費用には、委託された業務を行うにあたり必要となる費用は誰が負担するかを記載します。

諸経費

交通費や通信費など、細かい費用であっても明確にしておくことが大切です。 費用の請求の方法についても事前に決めておくべきでしょう。

知的財産権

知的財産権の記載も大切です。業務の成果物などに、知的財産権が発生する場合があります。知的財産権は制作を担当した受任者側の権利なのか、製品をリリースする委任者側の権利なのかは非常に重要な問題です。必ず発生するものではありませんが、知的財産権は、その後の製品の取り扱いにおいて大きな意味をもたらします。

損害賠償

損害賠償に関しても重要です。準委任契約では完成品に責任を負わないため、製品が誤作動をした際などにおいても受任者が損害賠償を負う契約はできません。ただし、善管注意義務は発生します。善管注意義務とは常識の範囲内で善意をもって業務を遂行する義務のことです。つまり、業務遂行中において損害賠償が発生した場合についての請求方法や限度額などを記載しておく必要があるのです。

 

まとめ

準委任契約について解説してきました。近頃、フリーランス人口は急増しており、業務委託契約は今後ますます増えていくことでしょう。スキルが高く、給与も高い人材を社内で抱えておくことはコスト増につながります。また、スキルの高い人材こそフリーランスとして挑戦したいと考える時代です。 自社で業務を外注する際には、上記で説明した契約形態の違いをしっかり認識したうえで、慎重に契約書をかわしましょう。

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