労働生産性を向上させるには?計算方法や見直しのポイントを解説

働き方改革の実施に伴い、労働生産性の向上への注目も集まっています。労働生産性の向上には多くのメリットがありますが、業種ごとの特徴や国際比較に関して正しく理解することが大切です。この記事では、計算方法や見直しのポイントを交えて、労働生産性について徹底解説します。
- 01.労働生産性とは
- 02.労働生産性の種類と計算方法
- 03.労働生産性の国際比較
- 04.業種別|労働生産性の特徴
- 05.労働生産性を向上させるメリット
- 06.労働生産性改善の手順
- 07.労働生産性を上げるために企業ができること
- 08.労働生産性の向上|Schoo for Business
- 09.まとめ
01労働生産性とは
労働生産性とは、労働の成果を労働量で割って、数値化したものです。労働量は、労働者1人当たり、または労働者1時間あたりで計算します。数値が大きければ労働生産性が高いことになります。 労働者のスキルの高さや業務効率が、労働生産性に大きな影響を与えます。労働生産性は、労働成果が労働量や投資額に見合っているかを確認するための指標となり、経営判断の基準などに用いられます。
労働生産性の定義
労働生産性とは、「労働の成果を労働量で割ったもの」です。具体的には、成果(生産量や付加価値)÷労働量(人数または時間)で算出され、数値が高いほど、同じ労働でより多くの価値を生み出せている状態を示します。ここで重要なのは、「忙しさ」や「労働時間の長さ」ではなく、どれだけの成果を生み出したかが基準になる点です。残業が多くても成果が小さければ生産性は低く、短時間でも大きな付加価値を生み出していれば生産性は高いと評価されます。労働生産性は、現場改善だけでなく、経営判断や人材投資の方向性を考えるうえでも重要な指標です。
労働生産性が注目される背景
近年、労働生産性が強く注目されている背景には、構造的な人手不足と賃上げ圧力の高まりがあります。少子高齢化により労働人口が減少する一方、物価上昇や人材確保の観点から賃上げは避けられません。その結果、「人を増やさず、コストも抑えながら成果を伸ばす」経営が求められています。また、日本生産性本部の国際比較データによると、日本の労働生産性はOECD加盟国の中でも低い水準にとどまっており、主要先進国と比べて改善の余地が大きいとされています。こうした環境の中で、業務のやり方や人材育成を見直し、労働生産性を高めることは、持続的な成長の前提条件となっています。
参考:
公益財団法人 日本生産性本部|労働生産性の国際比較(2025年版)
参考:
公益財団法人 日本生産性本部|労働生産性の国際比較 報告書(PDF)
参考:OECD|GDP per hour worked(時間当たり労働生産性)
参考:OECD|Productivity Indicators Dashboard
労働生産性でよくある誤解
労働生産性について、よくある誤解の一つが「残業を減らせば、生産性は自動的に上がる」という考え方です。確かに労働時間を減らせば分母は小さくなりますが、同時に成果まで減ってしまえば、生産性は向上したとは言えません。本来の労働生産性向上とは、成果を維持・拡大しながら、投入する労働量を最適化することです。単なる業務量の圧縮や精神論による時短は、現場の負担を増やし、かえって成果を下げるリスクもあります。生産性を議論する際は、「何を成果とするのか」「その成果は本当に増えているのか」を常にセットで考える必要があります。
業務効率化との違いは「成果」の有無
生産性向上と併せて頻繁に使われる言葉に「業務効率化」があります。この2つは厳密には意味が異なります。生産性向上と業務効率化の違いは「成果」の有無です。生産性向上は、現状よりもさらに労働成果を上げることを目標としています。 これに対して、業務効率化は、作業を行う早さやコスト削減を目標にしています。このことから、業務効率化は手段で、生産性向上は成果を上げるための取り組みと考えることができます。しかし、業務効率化そのものが成果につながるとは限りません。
02労働生産性の種類と計算方法
労働生産性は一つの考え方だけで測れる指標ではなく、「何を成果とするか」によって複数の種類があります。企業や業務の特性に応じて適切な指標を選ばなければ、実態と異なる評価につながる恐れもあります。本章では、代表的な2つの労働生産性の考え方と計算方法を整理したうえで、具体的な計算例や、人数あたり・時間あたりの使い分けについて解説します。
物的労働生産性
付加価値労働生産性は、企業が生み出した付加価値を成果として捉える指標で以下の計算式で算出されます。
- 物的労働生産性=生産量/労働量
ここでいう付加価値額とは、一般的に売上高から外部購入費用(原材料費、外注費など)を差し引いた額を指し、粗利に近い概念です。この指標は、「どれだけ価値の高い仕事ができているか」を測るのに適しており、業種を問わず広く用いられています。人材育成や業務改善の成果を評価しやすい一方で、算出方法や対象範囲を統一しないと、部門間比較が難しくなる点には注意が必要です。
労働生産性の計算例
実際の数値で考えると、労働生産性の違いが理解しやすくなります。例えば、ある工場で1日100個の商品を5人で生産した場合、物的労働生産性の計算式は以下となります。
- 100個 ÷ 5人=20個/人
これにより、人員配置や作業改善の効果を確認できます。一方、売上が1,000万円、外部購入費用が600万円の場合、付加価値額は400万円です。これを従業員10人で割ると、付加価値労働生産性は「40万円/人」となります。このように、どの指標を使うかで見える課題が変わるため、目的に応じた使い分けが欠かせません。
人数あたり/時間あたりの使い分け
労働生産性を算出する際は、「人数あたり」と「時間あたり」のどちらを使うかも重要な判断ポイントです。人数あたりの指標は、企業規模や部門間の比較に向いており、人員構成の妥当性を確認するのに適しています。一方、時間あたりの労働生産性は、残業削減や業務プロセス改善の効果を測る際に有効です。働き方改革や業務効率化の成果を確認したい場合には、時間あたりでの把握が欠かせません。評価目的に応じて指標を選び、混在させないことが、正しい生産性管理につながります。
03労働生産性の国際比較
労働生産性は、企業や個人だけでなく、国全体の経済力を測る指標としても用いられます。特に日本は、国際比較の文脈で「労働生産性が低い」と語られることが多く、その背景や実態を正しく理解することが重要です。本章では、日本の労働生産性が国際的にどのような位置づけにあるのかを最新データをもとに確認したうえで、国際比較を読む際の注意点や、日本の数値が低く見える理由について整理します。
日本の労働生産性の国際的な位置づけ
最新の国際比較データを見ると、日本の労働生産性は主要先進国の中で相対的に低い水準にあります。たとえば、公益財団法人日本生産性本部の報告によると、2024年の時間当たり労働生産性は60.1ドル(約5,720円)で、OECD加盟38カ国中28位でした。また、就業者1人当たりの生産性は98,344ドル(約935万円)で29位に位置しています。これらの数値は、GDPを労働時間や労働者1人で割った指標を用いており、米国や欧州主要国と比べると低い傾向が続いています。ただし、国ごとの統計方法や産業構造の違いも影響するため、順位をそのまま単純比較するのではなく、背景や構造的な要因を合わせて読み解く必要があります。
参考:
公益財団法人 日本生産性本部|労働生産性の国際比較(2025年版)
参考:
公益財団法人 日本生産性本部|労働生産性の国際比較 報告書(PDF)
参考:OECD|GDP per hour worked(時間当たり労働生産性)
国際比較の労働生産性の読み方と注意点
国際比較で用いられる労働生産性は、一般的に「就業者1人当たりGDP」や「時間当たりGDP」で算出されます。しかし、この指標は為替レートや物価水準、就業者の定義などの影響を受けやすく、数値をそのまま鵜呑みにするのは危険です。また、国レベルの労働生産性はマクロ経済指標であり、企業が日常的に管理する労働生産性とは目的も性質も異なります。国際比較は、日本全体の傾向や構造的課題を把握するための参考情報と位置づけ、企業の生産性を直接評価する材料として使わないことが大切です。
日本の労働生産性が低く見える理由
日本の労働生産性が国際的に低く見える背景には、産業構造の特徴があります。日本はサービス業の比率が高く、対人サービスや現場対応など、付加価値を数値化しにくい業務が多い傾向にあります。また、中小企業の割合が高いことも、生産性の平均値を押し下げる一因です。さらに、長時間労働が常態化してきた歴史的背景により、時間当たりで見た生産性が低く算出されやすい点も影響しています。これらを踏まえると、日本の課題は「働き方」や「業務の付加価値設計」にあり、単なる労働時間削減ではなく、構造的な改善が求められていることが分かります。
04業種別|労働生産性の特徴
労働生産性を評価する際には、業種ごとの特性を無視することはできません。業務内容やビジネスモデルが異なれば、生み出される付加価値や必要な労働量も大きく変わるためです。数値だけを見て業種間で単純比較すると、実態とは異なる判断につながる恐れがあります。本章では、労働生産性が高くなりやすい業種・低くなりやすい業種の傾向を整理したうえで、業界や企業規模を踏まえた適切な比較の考え方を解説します。
労働生産性が高くなりやすい業種
労働生産性が高くなりやすい業種として挙げられるのが、金融業、保険業、電気・ガス、不動産業などの資本集約型産業です。これらの業種は、設備やシステム、資本投下によって大きな売上や付加価値を生み出しやすく、従業員1人当たりで見た生産性が高く算出される傾向があります。特にITシステムやインフラを活用する業態では、少人数でも大きな取引量を処理できるため、労働生産性の数値が上がりやすくなります。ただし、必ずしも「働き方が優れている」ことを意味するわけではなく、業種構造の違いとして理解することが重要です。
労働生産性が低くなりやすい業種
一方で、飲食業、宿泊業、小売業、医療・福祉、娯楽業などの労働集約型産業では、労働生産性が低く見えやすい傾向があります。これらの業種は、人によるサービス提供が価値の中心であり、業務の自動化や効率化に限界があるケースも少なくありません。また、パート・アルバイトなど短時間労働者の比率が高い場合、人数ベースで算出すると分母が大きくなり、生産性が低く算出されやすくなります。数値の低さを単純に問題視するのではなく、「人手をかけること自体が価値になっている業務かどうか」を見極める必要があります。
同業・同規模で比較する際の注意点
労働生産性を正しく評価するためには、同じ業界・同じ企業規模の中で比較することが基本です。資本集約型産業と労働集約型産業を横並びで比較しても、意味のある示唆は得られません。また、企業規模による違いも重要です。製造業では、大企業の方が設備投資により生産性が高くなりやすい一方、非製造業では中小企業が業務改善やIT活用によって高い生産性を実現するケースもあります。業界特性と規模の両方を踏まえた比較が、実効性のある改善につながります。
業種内で見るべき分解指標
業種ごとの特性を踏まえたうえで有効なのが、労働生産性を分解して見る視点です。例えば、工程別の工数、付加価値を生む業務とそうでない業務の比率、手戻りや待ち時間の多さなどを可視化することで、改善余地が明確になります。同じ業種内であっても、業務設計や人材配置の違いによって生産性には差が生まれます。全体数値だけで判断するのではなく、「どの業務が付加価値を生んでいるのか」を細かく捉えることが、現場に根付く生産性向上の第一歩です。
05労働生産性を向上させるメリット
労働生産性の向上は、「効率よく働く」という現場改善にとどまらず、企業経営や人材戦略にも大きな影響を与えます。生産性が高まることで、限られた人材・時間・コストを有効に活用でき、持続的な成長や働き方改革の実現につながります。本章では、企業が労働生産性を高めることで得られる代表的なメリットを、経営・従業員・組織の視点から整理します。
企業の競争力向上につながる
労働生産性が向上すると、同じ人数・時間でもより多くの付加価値を生み出せるようになり、企業全体の競争力が高まります。無駄な業務やコストが削減されることで、利益率が改善し、価格競争に巻き込まれにくい体質をつくることが可能です。また、生み出された余力を研究開発や新規事業に再投資することで、商品・サービスの差別化が進み、中長期的な成長につながります。労働生産性の向上は、短期的な効率化ではなく、企業価値を高めるための重要な経営基盤といえます。
従業員のワークライフバランス向上
生産性が高まることで、成果を維持したまま労働時間を短縮しやすくなり、従業員のワークライフバランス改善につながります。長時間労働に依存しない働き方が実現すれば、心身の負担が軽減され、離職防止やエンゲージメント向上にも効果があります。また、時間に余裕が生まれることで、自己研鑽やスキルアップに取り組む余地も広がります。結果として、個人の成長が組織全体の生産性向上に還元される好循環を生み出すことができます。
人手不足への対応力が高まる
少子高齢化が進む中、多くの企業が人手不足という課題に直面しています。労働生産性を高めることは、単に人を増やすのではなく、「今いる人材でより大きな成果を出す」ための有効な手段です。業務プロセスの見直しやIT活用により、1人当たりの生産性が向上すれば、採用難の影響を受けにくくなります。また、限られた人員でも事業を維持・拡大できる体制は、環境変化への柔軟な対応力を高めることにもつながります。
顧客満足度の向上
労働生産性の向上は、結果として顧客満足度の向上にも寄与します。無駄な業務が減り、従業員が本来注力すべき業務に集中できるようになることで、対応の質やスピードが向上するためです。営業やカスタマーサポートでは、顧客一人ひとりに向き合う時間が増え、より適切な提案や迅速な対応が可能になります。製造やバックオフィスにおいても、品質向上やコスト削減を通じて、より価値の高い商品・サービスを提供できるようになります。
06労働生産性改善の手順
労働生産性の向上を実現するには、単発の業務改善や現場任せの取り組みでは不十分です。重要なのは、現状把握から課題特定、KPI設定、実行・検証までを一連のプロセスとして設計し、継続的に改善を回していくことです。本章では、人事・管理部門が主導して進めやすいよう、労働生産性改善の基本的な4ステップを、具体的なKPI例とともに解説します。
現状の労働生産性を測定する
労働生産性改善の第一歩は、現状を正しく把握することです。まずは自社全体の労働生産性を算出し、過去の推移や業界平均と比較して、立ち位置を確認します。その際、付加価値労働生産性なのか、時間当たり労働生産性なのか、目的に合った指標を選ぶことが重要です。また、全社平均だけでなく、部門別・業務別に分解して把握することで、改善余地の大きい領域が見えやすくなります。数値を出すこと自体が目的にならないよう、「どの判断に使う指標なのか」を明確にしたうえで測定を行いましょう。
労働生産性の課題を洗い出す
現状の数値を把握したら、次に行うのが生産性を下げている要因の特定です。この段階では、「人が足りない」「忙しい」といった感覚的な議論ではなく、業務プロセスに着目することが重要です。具体的には、付加価値を生む業務とそうでない業務の比率、手戻り率・修正率、業務の待ち時間や滞留時間などを可視化します。あわせて、工数が集中している業務や、特定の人に依存している業務を洗い出すことで、改善の優先順位が明確になります。定量データと現場ヒアリングを組み合わせることが、実効性のある課題抽出につながります。
労働生産性のKPIを設定する
課題が明確になったら、改善状況を測るためのKPIを設定します。KPIは、労働生産性の向上と因果関係がある指標を選ぶことが重要です。例えば、時間当たり付加価値の前年差、標準工数に対する工数乖離率、業務自動化率、付加価値業務比率などが代表的なKPIです。全社共通のKPIに加え、部門ごとに適した指標を設定することで、現場が自分ごととして改善に取り組みやすくなります。また、KPIは「なぜこの指標を見るのか」を必ず共有し、数値管理が目的化しないよう注意が必要です。
KPI達成に向けたアクションを決めて実行する
KPIを設定したら、次は具体的なアクションに落とし込み、実行に移します。業務の標準化、ITツールの導入、役割分担の見直し、人材育成など、施策は課題に応じて選定しますが、重要なのは「誰が・いつまでに・何を行うか」を明確にすることです。実行後は、定期的にKPIを確認し、想定した効果が出ているかを検証します。成果が見られない場合は、施策やKPIそのものを見直す柔軟さも必要です。改善を一度で終わらせず、検証と修正を繰り返すことで、労働生産性向上を組織に定着させることができます。
07労働生産性を上げるために企業ができること
労働生産性を高めるためには、測定やKPI設定だけでなく、具体的な施策に落とし込むことが不可欠です。重要なのは、場当たり的に施策を実施するのではなく、「どのKPIを改善するための取り組みなのか」を明確にしたうえで進めることです。本章では、企業が取り組みやすく、かつ労働生産性向上に直結しやすい代表的な施策を取り上げ、前の章で整理したKPIとの関係性を踏まえて解説します。
業務の標準化
業務の標準化は、労働生産性向上の土台となる取り組みです。業務手順や判断基準が個人に依存している状態では、成果や工数にばらつきが生じ、標準工数との差(工数乖離)が拡大しやすくなります。マニュアル整備や業務フローの可視化を進めることで、標準工数乖離率や手戻り率の改善が期待できます。また、誰が担当しても一定の品質を保てる状態になることで、業務の引き継ぎや人員配置の柔軟性も高まります。標準化は短期的な効率化だけでなく、継続的な生産性向上を支える基盤です。
IT・デジタル技術の活用
ITツールやデジタル技術の活用は、労働生産性を大きく引き上げる手段の一つです。RPAや業務システムを導入することで、定型業務や入力作業を自動化でき、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。この取り組みは、時間当たり付加価値や業務自動化率といったKPIの改善に直結します。ただし、ツール導入自体が目的化すると効果は限定的です。どの業務を減らし、どの業務に時間を使いたいのかを明確にしたうえで、IT活用を進めることが重要です。
人事評価制度の見直し
人事評価制度は、従業員の行動を左右する重要な仕組みです。労働生産性向上を目指すのであれば、労働時間やプロセスではなく、成果や付加価値への貢献を評価軸に取り入れる必要があります。例えば、業務改善への貢献度や、付加価値業務の比率向上などを評価項目に加えることで、従業員の行動がKPIと連動しやすくなります。評価制度を見直すことで、改善活動が一部の担当者に偏らず、組織全体として生産性向上に取り組む土壌をつくることができます。
柔軟なワークスタイルの導入
テレワークやフレックスタイム制など、柔軟なワークスタイルの導入は、必ずしも生産性を直接高める施策ではありませんが、生産性低下を防ぐ効果があります。通勤時間の削減や働き方の選択肢が増えることで、集中力やモチベーションの維持につながります。この施策は、離職率や欠勤率といった間接指標を通じて、結果的に時間当たり成果や付加価値労働生産性の安定化に寄与します。制度導入時は、成果基準やコミュニケーションルールを明確にし、KPIと併せて運用することが重要です。
人材育成への投資
労働生産性向上を持続させるためには、人材育成への投資が欠かせません。業務スキルやデジタルスキル、マネジメント力を高めることで、同じ業務でもより高い付加価値を生み出せるようになります。人材育成は短期的なKPI改善には直結しにくいものの、付加価値労働生産性の中長期的な向上に大きく寄与します。前の章で設定したKPIの変化を確認しながら、育成施策がどのように成果につながっているかを検証することで、投資効果を可視化することが可能です。
施策を進める際に起こりやすい現場摩擦と対処
労働生産性向上の施策を進める際、現場では「業務が増えるのではないか」「管理や監視が強化されるのではないか」といった不安や反発が生じやすくなります。特に、KPI管理や業務標準化、IT導入は、目的が十分に共有されていないと、現場の負担感や抵抗感につながります。こうした摩擦を防ぐためには、「何のための施策か」「どのKPIを改善するのか」「現場にとってどんなメリットがあるのか」を事前に丁寧に説明することが重要です。また、最初から完璧を求めるのではなく、試行期間を設けて改善を重ねる姿勢を示すことで、現場の納得感は高まります。施策は押し付けるものではなく、現場とともに育てていくものだという姿勢が、生産性向上を定着させる鍵となります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
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08労働生産性の向上|Schoo for Business
Schoo for Businessは、国内最大級9,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
大企業から中小企業まで4,000社以上が導入
Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級9,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
労働生産性向上に役立つSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、9,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、アサーティブコミュニケーションに関する授業を紹介いたします。
「チームのタスク管理」の“見える化”で生産性が上がる
チームの労働生産性が伸び悩む背景には、タスクの属人化や全体像が見えない業務構造が潜んでいることが少なくありません。本授業では、チームのタスクを「見える化」することで、無駄な作業や停滞を減らし、成果につながる業務に集中できる状態をつくる方法を学びます。タスク管理の基本から、実務に落とし込める具体的な進め方までを体系的に解説しており、業務プロセス改善や生産性向上を担うマネージャーにとって、すぐに実践できるヒントが得られる内容です。
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株式会社スーツ 代表取締役社長CEO
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、東証スタンダード上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に当社の前身となる株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。2020年10月に大手YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。月次黒字化を実現し、2022年1月に上場会社の子会社化を実現。2022年12月に、株式会社スーツを新設分割し、当社設立と同時に代表取締役社長CEOに就任。
「チームのタスク管理」の“見える化”で生産性が上がるを無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
デジタル時代の業務プロセス改善
労働人口の減少やDX推進が求められる中、労働生産性を高めるためには、デジタルツール導入以前に「業務プロセスそのもの」を見直す視点が欠かせません。本授業では、業務改善の基本的な考え方から、デジタル時代に即した改善の進め方までを体系的に学びます。生成AIやIT活用を手段として正しく位置づけ、現場で実行可能な改善につなげるアプローチを理解することで、KPIに基づく生産性向上を着実に進めたい担当者にとって有益な内容です。
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株式会社エル・ティー・エス 常務執行役員 CSO
立命館大学政策科学部卒業後、アクセンチュアにてビジネスプロセスコンサルティングに従事。フリーコンサルタントを経てLTSに入社。 システム開発案件におけるプロセス設計や現場展開、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の導入など、ビジネスプロセス変革案件を中心に手掛け、現在はビジネスプロセスマネジメント及びビジネスアナリシスの手法や人材育成に関する啓発を中心に活動している。またビジネスアジリティの研究者として、組織の変化適応の在り方についても発信している。 経済産業省 デジタル人材のスキル・学習の在り方ワーキンググループ 委員 ビジネス・ブレークスルーチャンネル ビジネスプロセスマネジメント講師 公益社団法人企業情報化協会(旧BPM協会)/ IIBA日本支部 BPM研修講師 著書に『ビジネスプロセスの教科書 第2版』 『Process Visionary』(共著) 『Business Agility』 『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』(共著)
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
脱・なんとなくプロンプト
生成AIを業務に活用しようとしても、思うような成果が得られず、かえって時間がかかってしまうケースは少なくありません。本授業では、ChatGPTなどの生成AIから「欲しい答え」を引き出すためのプロンプト設計の基本と実践を学びます。企画書作成やデータ整理、資料作成といった日常業務を題材に、実務で再現できる具体的な活用方法を解説。生成AIを“使えるツール”として定着させ、時間当たりの成果を高めたい企業・担当者にとって、生産性向上に直結する内容です。
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Experience Designer
大学ではサービスデザインの産学共同研究に関わり、イノベーション手法を開発・実践した。2012年から大手グローバルIT企業でUXデザイナーを務め、100万人以上のユーザーを持つ複数サービスのUX改善と進化に携わる。戦略・ビジネス・マーケティングへの理解を活かし、異分野を横断するデザインと高再現性モデルの創出を得意とする。2023年より大手自動車IT関連会社で全社AI戦略の策定・推進をリードし、同時にフリーランスとして講演・研修・新規事業アドバイザリーを提供。人とAIが共創するこれからの体験を追究している。これまでに500名超の子どもへ生成AIワークショップを実施するなど次世代育成にも注力。
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09まとめ
「長時間労働を是正するためには労働生産性を向上させる必要がある」と言われていますが、労働生産性に関する正しい理解にもとづく必要があります。業種や企業規模に合わせて適切な方法で取り組むなら、労働生産性の向上を達成し、働き方改革の推進にもつなげることができます。