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定年延長とは?検討された背景や企業にもたらす効果・課題について解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/05/31
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定年延長とは?検討された背景や企業にもたらす効果・課題について解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

本記事では定年延長の概要やその背景、現在定年延長を導入している各社の対応について紹介します。今後、定年延長制度を取り入れようと考えている企業の担当者は、参考にしてください。

 

定年延長制度とは

定年制度では、従業員が一定の年齢に達したときに、自動的に雇用契約が終了になります。 定年延長制度とは、定年となる年齢を60歳から65歳に引き延ばす制度です。2013年4月の法改正では雇用を確保するため、「65歳までの定年延長」「定年廃止」「65歳までの再雇用」のいずれかの実施を企業に義務づけました。 さらに、2020年3月には、「改正高齢者雇用安定法」(いわゆる「70歳定年法」)が参議院議員本会議で可決し成立しました。2021年の4月から、企業は70歳までの働く機会の確保の努力義務が要求されます。したがって、このタイミングで65歳までの雇用は義務となり、70歳までの雇用は努力義務になりました。
参照:「改正高齢者雇用安定法」

 

定年延長が検討され始めた背景とは

従業員が年齢にかかわりなく働き続けることができる生涯現役社会の実現に向け、定年延長が実施されています。ここからは、定年延長が検討され始めた背景について解説します。

労働力不足を補うため

急速に進行する少子高齢化の影響により、労働力人口の不足が大きな社会問題となっています。今後も日本の労働力人口は減少し続けることが推計されており、その対策としてシニア層の雇用継続に力を入れる動きが強まっています。

優秀な高齢社員に引き続き働いてもらうため

少子高齢化社会において、優秀な働き手の確保が難しくながちです。こうした課題への対応として定年延長を行い、優秀な高齢社員に引き続き働いてもらう狙いがあります。定年が延長されることで、経験豊富なシニア層は、引き続きやりがいをもって働けるようになります。

高齢社員に安心して働いてもらうため

定年延長を制度化することで、従業員の安定感や公平性を確保でき、高齢社員も安心して働ける環境が整います。

年金支給開始年齢が引き上げられるため

2013年度の年金制度改正で、年金支給開始年齢の引き上げが決定しました。そのため、社会全体で、定年延長を推進するための動きが強まっており、今後もさらに加速すると考えられています。

 

定年延長の効果とは

ここまでは、定年延長制度の概要や、実施の背景についてご紹介してきました。では実際に定年延長をすることで効果があるのでしょうか。ここからは、定年延長の効果を企業側が得られるメリットについてフォーカスしながら解説します。

人材の確保につながる

高齢・障害・求職者雇用支援機構が行ったアンケートによると、現在、定年延長を導入している企業の内87.6%の企業が、高齢社員の人材を確保できたと回答しています。人材不足が叫ばれている現代において、シニア層の活躍というのは企業にとってもメリットが大きいことがわかります。

戦力として働いてもらえる

定年延長を制度化することで、高齢社員に遠慮せず戦力として働いてもらえます。また、長年働いてきたノウハウを活かし、指導役・育成役として活躍する機会を得ることができ、その結果、生産性の向上や、若手の人材育成といった相乗効果が期待できます。

優秀な社員に引き続き働いてもらえる

これまで時間をかけて磨き上げてきた優秀な人材に、引き続き働いてもらうことは、企業にとって大きなメリットといえます。実際に現在、定年延長制度を導入している企業の多くは、定年延長によるメリットとして、優秀な高齢社員に引き続き自社で働いてもらうことができた、という理由をあげています。

顧客と良好な関係を継続できる

企業で長く勤めてきた人材は、業務に関する一定のスキルや顧客ネットワークを有しています。担当する顧客と良好な関係を継続できることで、担当者変更にともなう顧客満足度の低下や契約終了のリスクを低減することができます。

 

定年延長の課題とは

法改正により定年が延長となることで、起こりうる問題やそれに対し企業が行うべき対応はどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、定年延長の課題として現在挙げられている事象を深堀していきます。

人件費がかさむ

まずあげられるのは、人件費がかさむ問題です。日本では年功序列型賃金を採用している企業が多く、シニア世代は貢献度に対して賃金が高くなるため、そのまま定年を延長すると、人件費の負担が重くのしかかります。

組織内の若返りが鈍化する

定年延長が広がりをみせ、組織の高齢化が起こると、組織全体の機動力が落ち、組織の若返りが滞ります。そのため、高齢社員の割合が増えた分、対象層だけではなく次世代を担う若手の育成にも力を入れるといった施策の検討が重要です。

人事制度全体を見直す必要がでてくる

定年延長制度化にともない、役職や仕事内容、賃金が下がることが考えられます。その結果、人事制度全体を見直す必要が出てくるため、担当者の負担が増加するおそれがあります。

健康管理に関する問題

社員の健康管理は会社の義務です。健康寿命が伸び元気な高齢者がいる一方で、「若い頃より体調を崩しやすくなった」「体力や集中力が下がった」という高齢者も少なくありません。 健康状態が良くない状態で働くと、ミスが増えたり、労災に発展する事故が起きたりするおそれがあります。そのため、業務の内容や作業量、スケジュールの定期的な見直しなど高齢者の健康管理に努める必要があります。

 

既に定年延長制度を導入している企業は

大手企業を中心に、既に定年延長制度を導入している企業があります。ここからは、既に定年延長制度を採用している各社の対応を紹介します。自社にとって最適な定年延長制度を考える際の参考にしてください。

サントリーグループ

サントリーグループでは、定年の65歳を迎えた社員が非常勤の嘱託社員として最長で70歳まで働ける再雇用制度を導入しています。健康で働く意欲の高いシニア社員の活躍を後押しする目的があり、多様な人材、価値観を受け入れて経営に活かす、いわゆる「ダイバーシティ経営」の一環として、高齢者の雇用継続を促しています。
参照元:「65歳以降再雇用制度を導入」ニュースリリース|サントリー

太陽生命保険株式会社

太陽生命保険株式会社では、大手保険業界初となる、全内務員の65歳定年制度、希望者の最長70歳までの継続雇用を導入しています。60歳から賃金をカットした上で雇用延長を認める企業とは異なり、同一賃金で65歳まで雇用し、65歳から70歳までは嘱託社員として再雇用する制度を導入しており、シニア層が自身の能力を発揮し、意欲的に働けるようになっています。
参照元:太陽生命最長70歳まで働ける雇用制度を導入

YKKグループ

YKKグループは2021年4月から定年を廃止しています。大手企業で定年を廃止する例は非常に珍しいといえます。YKKグループは2012年とかなり早い時期から段階的に定年延長を進めてきており、真に公正な人事制度を構築し、社員の意識改革を目的に、社員が求める働き方を支援できる体制を構築しています。
参照元:YKKグループ、2021年から定年制を廃止|日本経済新聞

エフコープ生活協同組合

エフコープ生活協同組合は、社員からの65歳以降も働きたいという思いに応え、2016年に65歳定年制を導入し、その半年後にはさらに引き上げて70歳定年制を導入しました。同社では、50歳以上のフルタイムスタッフを対象に、意識改革を目的とした生涯エキスパート研修を実施しています。そのほか社員が意欲的にかつ健康的に働き続けるために必要な能力を把握できるよう、仕事生活チェックリストの活用もしています。
参照元:エルダー2018年10月号

 

まとめ

現在の日本は、65歳以上の高齢者の人口割合が全体の21%以上を占める超高齢化社会です。2025年には高齢者の人口割合が30%を達すると予測され、労働力不足は今後も多くの企業が抱える課題になると考えられます。 定年延長は、現在の日本がかかえる社会的な問題である少子高齢化が影響しています。企業にとって能力のある社員を長く雇用できるというメリットがある反面、人件費が余計にかかり経営に負担がかかるデメリットもあわせもっています。 担当者は、きたる65歳定年制に向け、スムーズに運用できるように、自社制度の見直しを行い、高齢者が安心して働ける環境作りを整えることが求められます。また、今回の改正では、70歳までの就業確保措置は努力義務とされていますが、いずれ年金受給開始年齢の引き上げとともに、完全義務化されることも予想されます。 高年齢退職者にどのような業務に従事してもらい、責任の程度や待遇の基準をどのようにするかなど、再度見直しを行い、70歳まで働き続けられる環境整備を整えてください。

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