公開日:2021/04/21
更新日:2024/04/11

中途採用に研修を実施すべき理由とは|ポイントや手法を徹底解説

中途採用に研修を実施すべき理由とは|ポイントや手法を徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

中途採用で入社してくる社員の場合、新入社員とは異なり社会人経験があるうえに、社員によっては業務に必要なスキルを持ち合わせている即戦力であることから、研修の必要性を感じない人事担当者も少なくないと思われます。 しかし、中途採用者であっても、新しい環境に置かれることになるため、スムーズに業務をこなせるとは限りません。企業の文化や業務の進め方に戸惑ってしまったり、事業の全体感をうまくつかめないことで、思うように力を発揮できないということになると、早期離職となってしまうリスクもあります。 この記事では中途採用者に研修を実施した方がよいと言える理由を解説し、研修の実施ポイントや具体的な内容について詳しく解説します。

 

01中途採用者に研修が必要な理由

“転職後不安に感じていたこと”

中途採用者は、様々な不安を感じながら入社してきます。特に、「人間関係がうまくいくか」・「仕事についていけるか」・「職場(社風)に馴染めるか」といった不安を感じている人が多いです。

▶︎参考:doda|転職1ヶ月、「新しい職場に馴染む」ためにしたい5つのこと

多くの中途採用者は、即戦力人材として活躍することを期待されています。しかし、新天地で成果を出すためには、職場の人間関係の構築や、企業独自のルールや文化の把握が欠かせません。この立ち上がりを支援するために、中途採用者への研修は必要と言えるでしょう。

 

02中途採用者への研修実施状況

“転職者に対して教育訓練を実施している企業の割合”

厚生労働省の調査によると、転職者に対して教育訓練を実施している企業の割合は74.5%、実施していない企業は22.8%という結果となっています。

“実施した教育訓練の種類”

また、実施した教育訓練の種類に関しては、OJTが最も多く80.1%。次いでOff-JT、入職時のガイダンス、職務遂行に必要な能力・知識を付与する教育訓練となっています。

多くの企業が中途採用者に対して実務に早く入ってほしいと希望していることが伺える一方で、入職時のガイダンス(オンボーディング)はまだまだ浸透しておらず、現場任せになっている企業は一定数いそうです。

▶︎参考:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況

 

03中途採用者に研修を実施する目的

中途採用者はある程度の社会人経験を積んでいるため、基礎的なビジネススキルを指導する研修は基本的に不要となります。しかし、新しい環境で働くことになるため、会社の文化やルールを知ってもらい、職場環境に馴染むための取り組みは必要です。

また、最初はどのような業務を任せて、将来的にどのような活躍を期待しているのかなども擦り合わせておく必要があります。

この章では、中途採用者に研修を実施する目的を詳しく紹介します。

企業の経営理念を理解してもらう

中途採用者は社会人経験や必要なビジネススキルはある程度備えているとしても、入社する企業に関する情報は新入社員と同じくらいと考えられます。 今まで異なる経営理念を持つ企業の下で働いてきた社員に、自社で力を発揮して成果を出してもらうために、企業側としては経営理念を十分に理解してもらう必要があります。 そのため、改めて経営理の説明を行う機会を設けるために研修を行うことが望ましいと言えるのです。

社内の業務や役割を理解してもらう

業務への取り組み方や社内ルールは企業によって異なるため、中途採用者に対してしっかりと説明する必要があります。他業界から入社した社員はもちろんのこと、同じ業界から入社した場合でも求められるスキルは若干異なることも少なくないでしょう。 そのため、企業全体に加えて部署単位でのルールや必要なスキルなどの理解をしてもらう必要があるのです。 また、配属される部署が社内においてどのような立ち位置にあるのか、その業務内容やどれくらい重要な事業として見られていているのかなど、業務に入る前に組織の全体像などといった大前提を認識してもらうことも研修を行う理由の一つです。

新しい職場環境に馴染んでもらう

中途採用者は新入社員とは異なり、同時に入社する人数は少なくなるため、社員間の繋がりがどうしても生まれづらくなります。 新しい環境で、異なる社員と業務を進めていかなければならないこともあり、ストレスを感じてしまう人も少なくないと思われます。 業務に取り組む中で自然と馴染めるようになるだろうと放置してしまうと、本来の力を発揮するまでに時間がかかってしまうこともあります。 中途採用者が孤独を感じてしまうことがないよう、既存社員との交流ができる機会を設けることが重要となります。

 

04中途採用研修のカリキュラム例

中途採用研修について、どのようなカリキュラムを盛り込めばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここではカリキュラム例をいくつか紹介します。

企業理念の浸透

中途採用研修のカリキュラムには、企業の理念や文化を新入社員に浸透させるトレーニングが含まれます。この研修では、企業のビジョンやミッション、価値観を明確に伝え、社内の文化や期待される行動について理解を深めます。参加者は企業の方針や理念に共感し、組織に適応するための基盤を築くことができます。企業理念の浸透は、社員の意識統一やチームワークの向上に寄与し、組織全体の一体感を醸成します。

仕事の進め方

中途社員がスムーズに業務を進めるためのトレーニングが重要です。この研修では、会社の業務プロセスやルール、コミュニケーションの取り方など、仕事の基本的な進め方を学びます。具体的な業務フローの説明や実践的な演習を通じて、効率的かつ円滑に業務を遂行するためのスキルを身につけます。

キャリアデザイン研修

中途採用社員向けのキャリアデザイン研修は、個々のキャリアプランニングや成長戦略を支援するためのプログラムです。参加者は自己分析やキャリア目標の設定、スキルセットの評価などを通じて、自身のキャリアを見つめ直し、将来の職務に向けたロードマップを作成します。

セキュリティ研修

セキュリティ研修は、中途採用社員が情報セキュリティに関する基本的な知識を習得するためのトレーニングです。参加者は情報漏洩のリスクやセキュリティ対策の重要性について学び、安全な業務遂行のための具体的な手法を身につけます。組織のデータセキュリティ意識を高め、情報セキュリティの重要性を徹底することで、企業のリスクマネジメント能力を強化します。

 

05中途採用者を研修するときのポイント

中途採用者に研修を実施する時には、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。 ここでは、最低限押さえておきたいポイントについて解説します。

教育担当者とは別のバディをつける

一定期間の集中的なオリエンテーションを経た後は、OJTとして教育担当者が実務での指導に当たります。 その教育担当者とは別で一緒に作業を行ったり、アドバイスをしたりと教育担当者よりもより綿密にコミュニケーションを取れるバディをつけると、新しい環境に馴染みやすくなります。 中途採用者は業務以外の悩みや不安を話せる存在がいないと、孤独を感じてしまいがちです。そのため、そういった役割として、バディをつけることを制度として導入している企業は少なくありません。

社内のナレッジを共有する

入社後はわからないことも多くなるため、人事担当者やOJTの教育担当者に質問することがどうしても多くなり、負担が大きくなります。 より効率的に教育していくにあたり、社内のナレッジをまとめた資料を作成して共有することもおすすめです。 社員個人が持っているナレッジは、言わば会社の財産です。指導する側と指導される側の双方で欲しい情報が簡単に手に入ることで、研修の効率が格段に向上します。 ナレッジの共有には、共有用のツールを導入したり、自社に合わせた運用ルールを設けて実施するとよいでしょう。

定期的な面談やフォローアップを実施する

入社して1年間など、期間を設けて四半期ごとに面談やフォローアップを行いましょう。 会社の文化に馴染めているかどうか、業務に関する不安などをヒアリングし、それに対してアドバイスや職場環境を改善できます。 面談は中途採用者が配属されている部署の上司が行うこともありますが、部署内では言えないこともあるため、人事担当者などの他部署の社員が担当することが望ましいでしょう。

 

06中途採用研修の手法

中途採用研修の手法は他の対象者と同様に、集合研修・OJT研修・オンライン研修(eラーニング)の3つが挙げられます。それぞれメリット・デメリットがあるのでここで解説します。

集合研修

中途採用研修を実施する手法の1つに、集合研修があります。中途採用を同時期に大量に実施した場合、経営理念やパーパス、社内独自の規則などを集合研修で一斉に教育するというケースで使用されることが多いです。

OJT研修

中途採用研修の手法として、多くの会社で採用されているのがOJT研修です。配属部署にて実務を通しながら、必要な知識やスキルを習得する手法で、すでに能力を保有している中途採用者であれば、その部署独自のルールやイントラの説明などで済むでしょう。ただし、中途採用者が業務に慣れるまでには時間がかかるため、一般的には3ヵ月ほどオンボーディングも兼ねたOJT研修を実施している企業が多いようです。

オンライン研修(eラーニング)

中途採用研修にオンライン研修を活用している企業もあります。オンライン研修と言っても、zoomを使用したリアルタイムのオンライン研修ではなく、eラーニングでアーカイブされた動画を視聴してもらうタイプのものです。 中途採用者が毎月必ずいるような企業は、中途採用研修も毎月実施しなければなりません。しかし、集合研修を毎度実施していると工数が毎月発生してしまいます。そのため、eラーニング型のオンライン研修で、経営理念やパーパス、社内独自の規則などの研修を動画化して、好きなタイミングで見てもらうという方法を取っている企業も少なくないのです。

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【関連記事】eラーニングとは?

 

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07中途採用研修ならSchoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約8,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


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大企業から中小企業まで3,500社以上が導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで3,500社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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自社の動画をアップロードして研修利用できる

Schooにはナレッジポケットという機能があり、貴社専用の動画やPDFをSchoo上にアップロードして、研修設定することが可能です。この機能を用いることで、中途採用研修のオンボーディングなどを効率化することもできます。

管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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08中途採用研修以外に必要なフォロー

中途採用研修を実施する目的は、中途採用者がスムーズに業務に入れるようにすることです。そのため、研修以外も必要に応じて適切なサポートをしていくことが大切です。

関係部署との連携強化

所属部署との交流は積極的に行う企業は多いですが、関係部署との連携までサポートしてあげると、さらにスムーズに業務に入れるでしょう。頻繁にやり取りをする部署は特に関係者と1on1の時間を設けるなどして、人柄やコミュニケーションの癖などを早期に相互理解しておくと、不要なコミュニケーションエラーを回避できるはずです。

定期的なフォローアップ面談

定期的にフォローアップ面談を行い、困っていることはないかを確認するのも重要です。あらかじめ面談の時間を設定しておき、些細なことでも相談ができる環境を事前に作っておきましょう。部署の上長と行う1on1だけではなく、採用担当者や人事などとも面談の機会を作っておくことで、上長には言いにくいことを吸い上げることができます。

キャリアプランの策定

キャリアプランの策定も、中途採用者のフォローとして実施すると良いでしょう。特に中途採用者の場合は、上昇志向が強くキャリアプランを自身で持っていることが多いです。中途採用者のキャリアプランを会社・上長として確認しておき、どのようなサポートをしてあげることができるのか、どのような業務に挑戦すると、キャリアプランの実現に寄与するのかを一緒に考えるというプロセスが大事です。

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【関連記事】キャリアプランニングとは?キャリア形成に必要な要素や実施方法について解説する
 

09中途採用者に「オンボーディング」は必要不可欠

中途採用者が早期に新しい環境に馴染み、成果を出してもらうための施策として「オンボーディング」が注目されています。 オンボーディングとは、新入社員の「受け入れ~定着・戦力化」を早期に実現するための施策です。「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から派生した言葉です。 ここでは、なぜ「オンボーディング」が注目されているのか、そしてどのように研修を実施していけばいいのかについて解説します。

「オンボーディング」が注目されている背景

「オンボーディング」が注目されるようになった背景として、採用した人材の定着・早期戦力化が重要な課題となっていることが挙げられます。 新しい環境に馴染めず、早期離職となってしまうのには、入社後の短期間しか研修・フォローがないことが要因の一つとして挙げられる。そのため、継続的なサポートが必要と考えられるようになりました。 また、即戦力として入社したにも関わらず、新しい企業文化に馴染めず、期待された成果を上げるまでに時間がかかってしまうことが多くの企業で課題とされています。 こうした背景から、既存社員も巻き込んで職場全体で中途採用者を受け入れるというアプローチをとるプログラムである「オンボーディング」が注目されるようになったのです。

「オンボーディング」に基づいた内容例

入社の初期では前述した通り、経営理念や社内ルールや役割の説明がメインとなります。また、既存社員との交流機会を設け、社風や既存社員の価値観を実際にコミュニケーションを取ることで把握してもらいます。 そして、入社のタイミングで研修を実施して終わりではありません。OJTでの教育に加えて、業務上や人間関係の悩みを相談するメンター制度の導入により、中途採用者の心理的サポートを行っていきます。 他にも、OJTの段階で上司の負担を軽減しつつも充実したフォローを行うために、業務や社内ルールについてわからない点を相談できるナビゲーターのような存在のスタッフを配置することも方法の一つとして挙げられます。 「オンボーディング」では、こうしたプログラムを1か月以上、導入している企業では1年以上の期間を設けて実施しているケースもあります。

「オンボーディング」を導入している企業の事例

中途採用者の研修プログラムとして注目されている「オンボーディング」ですが、実際に導入している企業がどのような施策を実施しているのか気になると思われます。 そこで、実際に導入している2社について紹介します。

日本オラクル株式会社

日本オラクル株式会社では、入社した社員のオンボーディングを全社員の仕事として位置づけて取り組んでいます。 当社では、入社した社員が会社の印象を決めるのは、最初の1か月程度だと考え、5週間の研修を実施しているそうです。 内容としては、初めに社内におけるルールなどの基本的な内容を学び、その後OJTで実務を学びます。 そして、OJTの教育担当者だけでなく、業務の細かな部分をサポートするナビゲーターや、毎週1時間の面談時間を設定してエンゲージメントを測るサクセスマネージャーがおり、多方面からサポートを行っています。

GMOペパボ株式会社

インターネット関連サービスを提供するGMOペパボ株式会社では、「ペパボカクテル」や「ランチワゴン」といった独特な名称のオンボーディングプログラムが設けられています。 中途入社した社員は、チャットツールで社内チャンネルである「カクテルチャンネル」に参加し、新しく参加した社員に対してご飯に誘ったり、自己紹介にコメントしたりと、新しく入社した社員を歓迎する文化を構築しているそうです。 こうした中途採用者を歓迎する雰囲気があると、当事者は馴染みやすくなります。

 

10まとめ

中途採用者はある程度社会人経験があるため、研修は必要ないと考えられがちですが、スキル面ではなく自社に馴染めるかといった心理的側面からのサポートが非常に重要となります。 この記事で解説したオンボーディングの例を参考にしていただき、中途採用者が自社に定着し、力を発揮できる環境を整備していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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