自己啓発の種類とは|具体的な方法、メリット・デメリットについて解説

人事担当者の中には、「企業はどのように自己啓発をおこなうべき?」という悩みをもっている方も多いのではないでしょうか。昨今では、従業員のパフォーマンスを高めるために自己啓発を取り入れる企業が増加しています。そして、この記事では、そんな自己啓発の種類をわかりやすく解説していきます。うまく社内に取り入れることで、大きなメリットを手にできるでしょう。
- 01.自己啓発とは
- 02.自己啓発におけるテーマの種類
- 03.自己啓発の具体的な方法
- 04.企業が自己啓発のために実施する3種類の支援
- 05.自己啓発のメリット・デメリット
- 06.法人向けオンライン学習サービス|Schoo
- 07.まとめ
01自己啓発とは
自己啓発とは、自らの意志で自身の能力・スキルの向上を行うことです。自己啓発は、英語で「Self Development」と表現され、頭文字をとってSDとも呼ばれます。
自己啓発の具体的な方法としては、読書やセミナーへの参加、eラーニングの受講などがあります。特に新型コロナによる自宅待機の期間を経て、オンラインでの自己啓発を選択する人が増えているようです。
また、社員の自己啓発を支援する企業も増えてきています。金銭的な補助や休暇取得制度の刷新などを行い、社員が自らの意志で学びたいことを学べる環境づくりを推進しているようです。
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・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

02自己啓発におけるテーマの種類
自己啓発は自らの意思でおこない、学ぶ内容や手段も自分で決めて取り組むべきものです。一般的には以下のようなテーマの種類があります。
- ・マネジメント能力
- ・リーダーシップ
- ・課題解決スキル
- ・ITスキル
- ・語学
- ・コミュニケーション
- ・アンガーマネジメント
- ・コーチング
- ・成功哲学
- ・成功哲学
- ・ポータブルスキル
- ・思考法
この章では、上記のような自己啓発のテーマの種類について詳しく紹介します。
マネジメント能力
管理職を担っている人は、自己啓発のテーマとしてマネジメントを選択する人が多いです。マネジメント能力は目標管理からピープルマネジメント、メンタルヘルスなど多岐に渡るので、全てを完璧にこなせる人は少なく、何かしら課題に感じている人が多いのかもしれません。
リーダーシップ
自己啓発に採用されることが多いテーマが、リーダーシップです。リーダーシップも非常に幅広い定義をもつ言葉ですが、指導力や統率力と言い換えることができます。 また、リーダーシップのある人材には、ビジョンを明確にできる、チームにモチベーションを与えられるといった特徴があるとされています。自己啓発に取り入れることで、従業員にチーム全体を俯瞰して見る視点を与えられます。
課題解決スキル
分析や思考力などの課題解決スキルを、自己啓発のテーマに選ぶ人も多いです。昨今はビッグデータを活用したビジネスも増えてきており、大量のデータを分析して、顧客の課題を発見・解決するスキルを保有している人の市場価値は上がり続けています。
ITスキル
ExcelやPowerPointなどの、基本的なMicrosoft Officeのスキルを自己啓発のテーマに選ぶ人もいます。若年層に選ばれるテーマで、プレゼンテーションをする機会が増えたり、正社員雇用を希望したりする人が、このテーマを選択する傾向にあります。
語学
英語や中国語などの語学を自己啓発のテーマにする人も多いです。海外旅行で現地の人と交流したいといった目的もあれば、外資系企業への転職を検討しているといった目的もあり、それぞれ目的によって自己啓発の方法が異なるようです。
コミュニケーション
自己啓発に採用されることが多いテーマが、コミュニケーションです。コミュニケーションもさまざまな理解がなされる言葉ですが、言語や表情、身振り手振りといた手段を用いて、相手との意思疎通をおこなうことといい換えることができます。 企業が自己啓発の場でコミュニケーションをテーマにする場合は、その定義を話し合う機会を設けてみてもよいでしょう。コミュニケーションの本来の目的を再確認することで、業務の円滑な進行を促進できるはずです。
アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、その名の通り怒りに関するテーマです。1970年代にアメリカで誕生し、自分の怒りをコントロールする心理トレーニングとして親しまれ、日本でも多くのビジネスパーソンが学びはじめています。 まずは、これまでの価値観やイメージが裏切られた時に怒りを感じるというメカニズムを学び、そのあとに具体的なコントロールの方法を身につけていきます。すぐに業績が向上するといった成果につながるわけではありませんが、従業員はパフォーマンスを発揮できる心理状態を作りやすくなる能力を身につけられます。
コーチング
自己啓発に取り入れられることが多いテーマがコーチングです。コーチングは、相手の話に耳を傾けつつ、観察や質問を投げかけ続け、相手の内面にある最適解を導き出す手法を指します。ここ数年間で、企業や人事が自己啓発のテーマに採用されるようになり、主に管理者層が取り扱いたい要素が含まれています。 ビジネスにおけるコーチングでは、答えを与えるのではなく、内面にある答えを導き出すことが重要です。すでに答えをもっているという気づきを与えることで、対象者の自発性を促進し、さらなる成長につなげることを目的にしています。
成功哲学
成功哲学も、自己啓発のテーマに取り入れられることが多い題材の1つです。成功哲学とは、ナポレオン・ヒルによって提唱された考え方であり、成功を手にしている人物に共通する思考を法則化した学問です。従業員に方法論を提示するというよりも、物事の捉え方そのものを変えるために実施されるテーマの1つです。
成功哲学
成功哲学も、自己啓発のテーマに取り入れられることが多い題材の1つです。成功哲学とは、ナポレオン・ヒルによって提唱された考え方であり、成功を手にしている人物に共通する思考を法則化した学問です。従業員に方法論を提示するというよりも、物事の捉え方そのものを変えるために実施されるテーマの1つです。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、業種や職種に関係なく、どこに行っても役立つ汎用性の高い能力を指します。代表的なものには、コミュニケーション力、問題解決力、リーダーシップ、論理的思考力などがあり、転職やキャリアアップにおいて重要視されます。自己啓発においてポータブルスキルを磨くことは、変化の激しい現代社会において自身の市場価値を高め、さまざまな環境で成果を上げるための土台となります。特定の専門知識だけに依存せず、柔軟に活躍できる人材を目指すうえで、意識的な習得と継続的なブラッシュアップが求められます。
思考法
思考法は、物事を整理し、判断し、行動するための頭の使い方や考え方の型を指します。論理的思考(ロジカルシンキング)、クリティカルシンキング(批判的思考)、デザイン思考などが代表例です。自己啓発において思考法を学ぶ意義は、情報過多な時代に正確な判断を下す力を養うことにあります。思考の枠組みを身につけることで、問題発見・解決力が高まり、より本質的な成果に結びつきやすくなります。学びを日常的に活用し、思考の質を高め続けることが成長への近道です。
03自己啓発の具体的な方法
自己啓発の代表的な方法は、書籍やeラーニングです。どのような方法を選択するかは人それぞれですが、始めやすさ、継続しやすさなどを優先する人が多いです。
読書
読書は、始めやすく、継続もしやすい自己啓発の方法です。図書館や会社の書籍購入制度を活用すれば費用は一切かからないので、継続しやすいというのは大きな利点です。
また、どのような学習テーマであっても書籍であれば全て網羅されているので、学びたい内容を必ず学べるというのも読書の良いところです。
Youtube
Youtubeを活用した自己啓発は、読書と同様に、始めやすく、継続もしやすいです。費用はインターネット通信料くらいで、自身で契約しているWi-Fiがあれば追加の費用負担はなく、始められます。
動画は、書籍よりも情報取得の効率が高いとされており、短時間で効率よくインプットをしたい人にはYoutubeがおすすめです。一方で読書と異なり。学びたいものが無いということも珍しくありません。そのため、学ぶ内容が見つけられた場合、もしくは学習内容を特に限定しておらず、学ぶのが好きという方はYoutubeを活用してみても良いでしょう。
eラーニング
自己啓発の方法として、eラーニングを活用する人も多いです。月額1,000円程度の費用負担がかかりますが、お金を払っているから頑張れる、継続できるという側面もあります。
読書のように、学びたい内容が初級から上級まで全て揃っていることはあまり無いですが、ポータブルスキルに関しては大半が網羅されている場合が多いです。
セミナー・勉強会
セミナー・勉強会も自己啓発の方法として、効果的です。誰かと一緒に参加することで、継続できるという人は、この方法を選択すると良いでしょう。
最近では、オンラインで視聴できるウェビナーが主流になってきており、こちらであれば始めやすく、継続もしやすいです。しかし、学びたい内容がピンポイントであるかどうかは定かではなく、主催企業の宣伝が混ざるという点は注意が必要です。
コーチング
コーチングは、対話を通じて自分の目標や課題を明確にし、自発的な行動を引き出す手法です。自己啓発においては、コーチと呼ばれる支援者とのセッションを通じて、自身の考えを深堀りし、目標達成に向けた具体的な行動計画を立てることができます。コーチングの魅力は、押しつけではなく、自分の内側にある答えを引き出す点にあります。自ら気づき、行動することで、成長への意欲や主体性が高まり、成果にもつながりやすくなります。プロのコーチに依頼するだけでなく、セルフコーチングを取り入れることも効果的です。
資格取得
資格取得は、特定のスキルや知識を客観的に証明する手段であり、自己啓発の一つの王道です。資格を取る過程では、体系的な学習を通じて理解を深められ、学んだ内容が実務に直結する場合も多くあります。資格取得を目指すこと自体が、明確な目標設定と計画的な行動を促すため、自己管理能力の向上にもつながります。さらに、合格という成功体験は自己効力感を高め、次なるチャレンジへのモチベーションとなります。キャリアアップや転職を視野に入れたスキル強化にも有効な方法です。
04企業が自己啓発のために実施する3種類の支援
最後に、企業が自己啓発のために実施する支援策を紹介していきます。多くの企業が、金銭的支援、時間的支援、場所・情報の提供という方法で、従業員に学ぶ機会を提供しています。
金銭的支援
企業や人事が主体となり実践したい自己啓発ですが、一定のコストが生じてしまうというデメリットが存在します。そのため、多くの企業が金銭的支援という形で、従業員に自己啓発の機会を提供しています。企業で本やセミナーを開催するのではなく、自己啓発にかかる費用の全部あるいは一部を会社が援助する、というです。
時間的支援
金銭的支援の代わりに、時間的支援をおこなっている企業も少なくありません。車内でセミナーなどを開催するわけではありませんが、公的資格の試験日を有給扱いとするといった方法で、社員に自己啓発の場を提供しています。
場所・情報の提供
自己啓発に場所や情報の提供をしている、という企業も少なくありません。場所や情報の提供をおこなうことで、「仕事を効率化できる資格を取りたい」、「仕事に関する資格を取得したいが、どこに申込んでいいかわからない」といった従業員の疑問に柔軟に対応しています。
05自己啓発のメリット・デメリット
自己啓発には、成長意欲の向上やスキル習得などのメリットがある一方で、目標が不明確だと成果が出にくく、時間や費用が無駄になるデメリットもあります。目的意識が重要です。ここでは、メリット・デメリットのそれぞれについて解説します。
自己啓発のメリット
自己啓発のメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 1. 成長意欲が高まる
- 2. スキルや知識が向上する
- 3. キャリアの選択肢が広がる
ここではそれぞれについて解説していきます。
1. 成長意欲が高まる
自己啓発に取り組むことで、自分の可能性や目標に意識が向き、自然と成長意欲が高まります。知識を得たり、できることが増えたりすることで、「もっとできるようになりたい」「さらに高みを目指したい」という前向きな気持ちが育まれます。また、自己啓発の過程で成功体験を重ねると、自信がつき、チャレンジに対する抵抗感も小さくなります。このように、努力する楽しさを知ることで、自発的に学び続ける姿勢が身につき、長期的な成長につながる好循環を生み出すことができるのです。
2. スキルや知識が向上する
自己啓発は、意識的に学びの機会を設けるため、スキルや知識を着実に向上させる効果があります。日常業務だけでは得られない最新の知見や、体系立てられたノウハウを身につけることができるため、専門性を高めたり、汎用的なビジネススキルを強化したりすることが可能です。スキルや知識が増えると、より高度な業務に挑戦できるようになり、周囲からの信頼や評価も高まります。結果として、自分の市場価値を上げ、変化の激しい社会においても安定してキャリアを築く力が養われます。
3. キャリアの選択肢が広がる
自己啓発によりスキルや知識を高めることで、将来のキャリアの選択肢を大きく広げることができます。たとえば、今の職種に留まらず、異業種転職や起業、専門職へのキャリアチェンジといった多様な道が開けます。また、社内で新たな役割を担ったり、グローバルな舞台で活躍したりするチャンスも広がります。自己啓発によって得た新たな視点やスキルは、自分自身に「選ばれる側」ではなく「自ら選べる側」に立つ力を与えてくれます。未来を主体的に切り拓くためにも、自己啓発は大きな武器となるのです。
自己啓発のデメリット
自己啓発のデメリットには、次のようなものが挙げられます。
- 1. 過剰な期待で現実とのギャップに悩む
- 2. 自己責任の意識が過剰になる
- 3. 金銭的・時間的コストがかかる
- 4. 成果が見えづらい場合がある
ここではそれぞれについて解説していきます。
1. 過剰な期待で現実とのギャップに悩む
自己啓発に取り組むことで「理想の自分」に強く意識が向かいすぎると、現実とのギャップに苦しむことがあります。特に、自己啓発書やセミナーでは成功体験が強調されがちで、「やればできる」と信じすぎると、思うように成果が出ないときに自信を失い、モチベーションの低下につながることも。努力は確かに重要ですが、全てがすぐに報われるわけではないため、地に足のついた姿勢や適切な目標設定が欠かせません。理想と現実のバランスを意識しながら進めることが大切です。
2. 自己責任の意識が過剰になる
自己啓発は「自分を高める」という前向きな姿勢を育てますが、一方で「すべては自分の責任」と過度に思い込みすぎる危険もあります。失敗や停滞をすべて自分の未熟さと捉えてしまうと、過剰な自己否定に陥る可能性があります。社会には環境要因や他者との関係性も影響しており、自分一人で解決できない課題も存在します。自己成長を目指す一方で、時には他人や周囲の支援を受け入れる柔軟さや、「できないことはある」と認める健全な視点も必要です。
3. 金銭的・時間的コストがかかる
自己啓発は学習や実践を伴うため、書籍、資格講座、セミナー、コーチングなどにかかる費用が無視できません。さらに、日常業務の合間に時間を捻出する必要があり、特に働きながらの場合はスケジュール調整が大きな負担となることもあります。成果がすぐに出るわけではないため、「こんなに投資したのに効果が感じられない」と感じることも。取り組む際には、自分にとって本当に必要な内容かを見極め、費用対効果や時間管理も意識した計画が重要です。
4. 成果が見えづらい場合がある
自己啓発の効果は一朝一夕では現れにくく、努力しても成果がはっきり見えない時期が続くことがあります。特に思考法やマインドセットといった内面的な変化は、数値で測れず、他者からの評価にもつながりにくいため、自己肯定感が下がる原因になることも。成果が見えづらいことで「自分には向いていないのでは」と諦めてしまうケースも少なくありません。こうした悩みを避けるには、小さな成長を記録する習慣を持ち、プロセスを肯定する視点を持つことが大切です。
05法人向けオンライン学習サービス|Schoo

Schooでは約9,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
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06まとめ
自己啓発は、英語では「Self Development」を略したSDとも呼ばれる概念であり、自分の意思で新たなスキルや考え方の習得を目指す学びを指します。約8割の企業が自己啓啓発の場を提供しており、従業員のパフォーマンスアップやエンゲージメントの向上といったメリットを手にしています。企業によって自己啓発の捉え方や必要性は異なりますが、自ら学ぶ社風を作り出すためには最適の方法といえます。これから自己啓発の場を提供することを考えている場合には、自己啓発プログラムと評価制度を連携させる、適切な人材でモデルケースをつくるといった方法で、注意喚起からはじめてみることをおすすめします。