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自宅待機命令の適切な出し方とは?違法にならないケースや給与の扱い方について解説する

公開日:2021/05/28
更新日:2021/06/02
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自宅待機命令の適切な出し方とは?違法にならないケースや給与の扱い方について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業において従業員に対して自宅待機命令を出す場合があります。自宅待機とは、どのような処置であり、どう指示することが適切なのでしょうか。本記事では、自宅待機について指示の出し方や違法となるケースについて解説していきます。今後、自宅待機における判例は増える可能性があるため、理解を深めあらかじめ対応策を講じておきましょう。

 

自宅待機命令とは

会社が従業員に下す自宅待機命令には、どのような意味があるのでしょうか。自宅待機命令の定義や自宅待機を行うシーン別の意味について解説していきます。昨年度からの新型コロナウイルス感染予防の観点で、自宅待機命令を下す会社も増えていますので、自宅待機命令の意味を正しく理解しておきましょう。

自宅待機命令を受けた社員は期間中の出社や業務が禁止される

自宅待機命令とは、文字と通り「自宅に待機する命令を下すこと」を示しています。自宅待機命令は「従業員に対して出勤を禁止し、自宅にて待機し業務を行わないことを命じる業務命令」と定義できます。何かしらの理由により対象となる従業員に対し自宅待機命令を出すことで、命令を受けた者は会社への出勤や業務に携わることを禁止されます。

業務命令による自宅待機命令とは

会社と労働者の間で雇用契約を締結することにより、会社は労働者に対し業務上で必要な命令を下すことができます。これを「業務命令権」と呼びます。業務命令権により自宅待機を命令する場合には、業務上の必要性が問われます。昨年からの新型コロナ観戦予防での自宅待機命令は、この業務命令権に該当し、その他にも洪水などにより社屋が利用できない場合や、インフルエンザなどの感染症の予防、場合により債務整理などを行う場合に命令されます。

懲戒処分時の自宅待機命令とは

懲戒解雇や諭旨解雇などの思い懲戒処分に該当する可能性があり、その調査や準備が必要な時にも命令されます。懲戒処分での自宅待機命令については、「自宅待機」と呼ばれることも多く、就業規則に明文化されています。業務命令での自宅待機命令とはことなり、懲戒処分に該当する可能性がある場合には、以下の点について命令を下す必要があります。

  • ・合理的な理由があること
  • ・社会通念上の相当性があること

尚、懲戒処分として自宅待機命令を下した後に、同じ理由では再度懲戒処分をすることはできない点にも注意が必要です。

 

自宅待機命令が違法となるケース

次に、自宅待機命令が違法となるケースについて解説していきます。自宅待機命令が持つ意味を理解した上で、違法となるケースを理解する必要があります。自宅待機命令が違法と判断される判例もあり裁量権の濫用は違法となる場合もありため注意しておきましょう。

正当な理由と根拠がない場合

業務命令権による自宅待機命令については、会社はある程度の裁量権を持っています。業務において、出勤できない事情や出勤を停止する事業は会社側の判断に任されていると考えます。しかし、正当な理由がない自宅待機命令に関しては、裁量権の濫用とされた判例もあり、酷使できるわけではありません。また、懲戒処分に伴う自宅待機命令についても同様に考える必要があります。懲戒処分についての調査を行うには、正当な理由がなければなりません。自宅待機命令を出す場合には、正当な理由があり根拠がない場合には、違法とされるため注意が必要です。

7ヶ月の自宅待機を違法としたケース

  • ・平成5年9月24日判決 千葉地方裁判所

航空会社に雇用された社員は勤務中にシャンパンを飲んだことを理由に解雇。しかし、解雇前に自宅待機を命じられたが、自宅待機期間は約7ヶ月間にもわたって継続されたことで、正当な理由がないとし自宅待機命令を違法とする判決を下す。

これは、自宅待機命令を下した際には正当な理由があったが、約7カ月間続いた自宅待機命令については、正当な理由がないとし無効とし、裁量権の逸脱としている判例です。

 

自宅待機命令の正当な理由とは

自宅待機命令を下す際の正当な理由とはどんな理由なのでしょうか。自宅待機命令には正当な理由が必要であることを繰り返しご紹介していますが、理解を深めるために事例を交えてご紹介していきましょう。

懲戒処分のための調査による自宅待機

懲戒処分に該当する可能性がある場合には、事実確認を行うことは自宅待機命令に関する正当な理由となります。服務規程違反やパワーハラスメントなど社内の規定に違反行為に該当する可能性がある場合には、事実確認を行う期間が必要です。関連する部署を始めパワーハラスメントを受けた本人へのヒヤリングやPCをはじめとする利用機器の調査を行う場合には慎重かつ丁寧な調査が必要です。この期間において業務を行うことは、業務環境を乱す可能性あがります。この様に懲戒処分を決定する上で必要となる調査期間中に業務への影響を考えた場合の自宅待機命令は正当な理由があると判断されます。

証拠隠滅の可能性がある場合の自宅待機

不正行為を行っている可能性がある場合などに自宅待機命令を下す場合には、証拠隠滅などを防ぐために正当な理由があると判断されます。会計上の不正や賄賂などの疑いが出た場合には、会計処理の内容や銀行口座の確認などを行います。調査は簡単ではなく、様々な角度から調査を行うことにより、一定期間の調査期間を有することになります。この調査期間中に出勤をしていると、会計情報の改ざんなどが行われ正しい情報を収集することができなくなります。このような場合には、自宅待機命令を下し証拠隠滅を防止することが必要となるため、正当な理由として認められています。

 

自宅待機中の給与支払い義務はあるのか

自宅待機命令を受けている従業員に対しての給与支払いについては、どのように扱えばいいのでしょうか。自宅待機命令中であっても従業員の生活は維持されなければなりません。次に、自宅待機命令中における給与支払い義務について解説していきましょう。

自宅待機は欠勤ではない

自宅待機命令により自宅待機をする従業員については、どのような理由であっても会社都合による待機期間となるため欠勤として扱うことはできません。懲戒処分についての調査を行っている場合には、欠勤として扱うことが正しいと考えがちですが処分が確定するまでの間については、あくまで可能性があるという状態です。つまり、調査の後、懲戒処分対象にならない可能性もあるため、欠勤として扱うことはできません。ただし、就業規則上にあらかじめ懲戒処分等の調査を行う場合の自宅待機中は欠勤として扱うと記載されている場合には、欠勤として扱うことが可能です。しかし、この判断を行うことには企業側のリスクがあります。欠勤として扱った後に懲戒処分対象ではないと判明した場合には、欠勤扱いを取り消す必要があり、濡れ衣を着せられ欠勤として扱われたことでの違法性について訴えを起こされる可能性が高くなるためです。一般的には、懲戒処分が確定し自宅待機となった場合を除き欠勤扱いとはせず通常出勤として取り扱いをします。あくまで、調査期間であり欠勤扱いをする理由とはならないとする考え方と従業員の生活保護の観点から欠勤として扱わないようにするべきです。

給与の支払い義務はある

自宅待機命令を行っている期間が、欠勤扱いでないため給与の支払い義務は発生します。自宅待機命令中には、業務を行ってはいません。しかし、会社命令により業務に従事はしていないため、会社都合と判断します。新型コロナ感染予防の観点での自宅待機命令の場合には、休業補償制度を活用し賃金の60%を支給するなどの対応があります。この様に、自宅待機命令中については、処罰の対象としての待機期間でなければ賃金の支払い義務は生じると考えておきましょう。

賃金を支払わなくていい自宅待機命令とは

賃金の支払い義務がない自宅待機命令もあります。懲戒処分など、あらかじめ会社で決めている処罰による自宅待機命令期間については、欠勤扱いとし、その間の給与を支払う必要はありません。適用する場合には、賞罰規程などに盛り込み会社内で周知をしておく必要があります。また、賞罰委員会などで処分を確定した際に、対象者への処罰通告とその内容を説明する義務が生じます。これは、経済的制裁ともよばれ処罰の一環として行われるものです。ただし、経済的制裁を行う期間も就業規則上に記載し、その範囲内でのみ適用することになります。処罰を下す際に就業規則への記載、周知が行われていない場合には、経済的処罰を行うことはできません。この様に処罰として自宅待機命令を下す、経済的制裁を行うことは、あらかじめ定めておくことが必要であることを理解しておきましょう。

その他の待遇の扱いについて

自宅待機中におけるその他の待遇の取り扱いについて解説します。処罰としての待機命令期間中以外の場合には、交通費をはじめとする手当の支給を行う必要があり、有給休暇を算定するなどの期間にも含める必要があります。あくまで、会社命令で出勤していないというだけと判断であり、勤務をしている間の待遇と同じ扱いをする必要があります。これに対して、懲戒処分のように処罰としての自宅待機命令期間中は、各種手当の支給や勤務通算日数に含める必要はありません。

 

まとめ

本記事は、自宅待機をテーマに自宅待機命令の意味や待機中における処遇の扱い方について解説しています。自宅待機となる事象が起きないことが望ましいですが、万が一起きた場合には、違法性を問われない対応を行う必要があります。自宅待機の取り扱いについては、多くの判例も出ており自宅待機命令を下す前には参考にすることで違法性ではない対策を取ることが可能です。新型コロナ感染予防などを行うことも求められている今だからこそ、自宅待機についての対応について協議し対応に向けた準備を行っておきましょう。

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