公開日:2021/07/13
更新日:2022/09/21

ハッカソンとは?定義から企業が開催するメリットまで詳しく解説

ハッカソンとは?定義から企業が開催するメリットまで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

IT技術の進歩とともにエンジニアにはさまざまなスキルや経験が求められますが、それらは一朝一夕には身に付きません。しかし、一定期間でより技術的に進化できるイベントがハッカソンです。この記事ではハッカソンの定義から企業が開催するメリットまで詳しく解説します。

 

01ハッカソンとは?

ハッカソンとは、技術を駆使してシステムを操るという意味のある「ハック(Hack)」と、42.195キロという長距離を走る「マラソン(Marathon)」を合わせた造語です。 エンジニアやデザイナーなどが集まってチームを結成し、意見やアイデアを出し合いながら決められたテーマで一定期間集中的に開発を行い、アプリやシステムを最終日に発表して成果を競い合うイベントのことを指します。 2000年前後のアメリカ・シリコンバレーで発祥したとされ、GoogleやAppleが開催したことで有名になりましたが、2010年ごろから日本でも行われるようになり、2011年にあるITコミュニティが東日本大震災の復興を支援するハッカソンを行ったことから、広く認知されるようになりました。

多様化するハッカソン

ハッカソンとは、元々IT業界におけるイベントという位置づけでしたが、その後、音楽・金融・地方自治体・学校などさまざまな業界で行われるようになっていきました。 これは、ハッカソンには、自社の技術だけを用いるのではなく、他社の持つスキルやアイデアを吸収してよりよいコンテンツを開発するという、オープンイノベーションができるメリットがあったためです。 これは1つの企業や組織だけでは、抱える問題を解決することが少しずつ難しくなってきていることを意味します。 現在は、社会問題の解決を目的とした「ソーシャルイノベーション」としてのハッカソンも行われるようになり、多様化が進んでいます。

ハッカソンとアイデアソンの違い

ハッカソンとよく比較されるのがアイデアソン(Ideathon)ですが、発想や思いつきという意味のある「アイデア(Idea)」と「マラソン(Marathon)」が組み合わさった造語です。 アイデアソンでは、チームを結成して商品やサービス、ビジネスモデルなどのプランニングを一定期間集中して行い、最終日にその内容をプレゼンテーションして成果を競い合いますが、元々はハッカソンの事前準備としての位置づけでした。 ハッカソンとアイデアソンで共通しているのは、「チームを結成して行う」「制限時間がある」「成果を競い合う」「非IT領域でも開催されている」ということです。 しかしアイデアソンでは、プランニングが実現可能かどうかは重要視されず、技術者以外も参加可能なことや、制限時間がハッカソンでは数日間なのに対し1日以内であることが異なります。

 

02ハッカソンを行う目的

ハッカソンを行う目的を4つご紹介します。

新規事業や商品の創出

ハッカソンを開催することで異なる経験やスキルを持つ人が集まるため、今までにない新しい発想が生まれ、そのアイデアを新規事業や商品、サービスの創出に繋げやすくなります。 商品やサービスの流行のサイクルが短くなってきているため、各企業はハッカソンで起こりうるオープンイノベーションに期待しているということです。

コミュニティの創造や交流

ハッカソンを行うことで自然と社内交流、社外交流ができるのでコミュニティの創造に繋がっていきます。 ただ親睦を深めるというだけではなく、情報収集や技術の向上、仕事上の人間関係を良くする効果も生まれるでしょう。

知名度の向上

社外の人も含めて行うハッカソンでは、自社の商品やサービスを参加者に広く知ってもらうきっかけとなります。 また自社の魅力を知ってもらうことで直接より良い人材の獲得を目指す、ダイレクトリクルーティングの手段として用いられることもあるでしょう。

IT人材の育成

2020年にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「IT人材白書2020」によると、IT人材の「質」に対する不足感を感じている企業は1,001名以上のユーザー企業で48.3%となり、前年度より10.2%も上昇しています。 これは、IT業界全体がIT人材の育成が急務だと感じていることの現れだと言えるでしょう。 ハッカソンに参加することで従業員が新技術やフレームワークに触れる機会が多くなるため、研修目的で定期的に開催する企業もあるようです。 参考:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「IT人材白書2020」

 

03ハッカソンの種類

ハッカソンはオープンイノベーションができるメリットがあるため多様化が進んでいますが、よく行われるのは次の3種類です。

一般ハッカソン

企業や団体が外部に向けて行うハッカソンを指します。 開催する企業も大企業からベンチャー企業まで多岐にわたり、テーマもIT関連についてはもちろんですが、身近なテーマが指定されることもあるのです。 外部に向けて広く参加者を募るため、大規模な開催となりやすいのが特徴的と言えるでしょう。

社内ハッカソン

社内のエンジニアやデザイナーを対象としたハッカソンで、Google・IBM・Yahoo!・日立など、国内外を問わず多くの企業で行われています。 Facebookのいいね!機能やタイムライン機能は、社内ハッカソンから生まれた成功例の1つです。

産学連携ハッカソン

大学を中心とした教育機関と民間企業が連携して新技術の開発や学生の育成、社会問題の解決などを目指して行うハッカソンです。 2013年に、東京工科大学と日本ベンチャーキャピタル株式会社が連携して「大学ハッカソン」を行ったのがその始まりと言われており、現在では多くの大学や企業で開催されるようになりました。

 

04ハッカソンを行う流れ

ハッカソンはそれぞれ目的やテーマが異なるため細かい違いはありますが、おおまかに次のような流れで行われます。

  • 1.主催者によるテーマ発表とルール説明
  • 2.チーム編成とアイスブレイク(初対面の人同士が緊張感を和らげるための手法)
  • 3.アイデア出しなどのグループワークと開発
  • 4.発表と評価

どのプロセスにどのくらい時間を割くのかは、時間割を決めて進めますが、開発に多く時間を割けるよう、参加者同士でコミュニケーションを図り配慮し合う姿勢が重要です。

 

05エンジニアがハッカソンに参加するメリット

エンジニアがハッカソンに参加するメリットを3つご紹介します。

最新の技術に触れることができる

ハッカソンによってはAI(人工知能)やIoT、フィンテック(金融( Finance )と技術( Technology )を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きのこと)といった最新の技術をテーマとして開催されるため、エンジニアにとっては、それに触れる機会を持つことができるというメリットがあります。 このようなハッカソンでは、外部講師として専門家が参加したり、その分野の知識が豊富なエンジニアが参加したりするため、技術や知識の向上が見込めるでしょう。

0からプロダクトを作るので全ての開発工程を経験できる

ハッカソンでは0から開発を行うため、企画から要件定義、設計、開発、テストまでをひととおり行うことになり、普段自分が行わない作業工程に触れることができます。 これにより別の工程を行う人の視点や物の考え方を理解できたり、自分の得意・不得意なども把握できたりするでしょう。

業務の幅を広げられる

ハッカソンにおいてはプログラミングだけではなく、企画やプレゼンテーションなど普段はエンジニアが行わない業務まですることになるため、異なるポジションの業務とはどのようなものか学ぶ良い機会となります。 周囲の人の考えや物の見方を理解するきっかけとなるので、業務におけるコミュニケーションがスムーズになるでしょう。

 

06企業がハッカソンを行うメリット

ここまでは、ハッカソンに参加するエンジニアのメリットについて解説してきましたが、企業にとってハッカソンを行うメリットとはどのようなものなのでしょうか。 3つご紹介します。

組織力や帰属意識の向上が期待できる

ハッカソンでは必ずチームを組んで1つのテーマに取り組むため、コミュニケーションが活発化しやすくなります。 また、普段交流のない人ともチームを組む可能性があり、当事者意識を持って参加する必要もあるため、人間関係が円滑になり、組織力や帰属意識の向上へと繋がるでしょう。

人材育成につながる

どのようなハッカソンにおいても、最終日にはチームの成果物を提出しなければなりません。 このためにはチームメンバーが今までの経験やスキルを持ち寄り、互いにコミュニケーションを取りながら作業を進める必要があります。 お互いの経験やスキルを駆使し、話し合いながら開発に取り組む中では、自然に技術やコミュニケーション能力、リーダーシップなどが磨かれていくでしょう。 このことからハッカソンは、従業員に成長を促す良い機会ともなるのです。

オープンイノベーションにつながりやすい

ハッカソンには異なる専門性を持つさまざまな人が参加するため、問題解決のために多岐に渡るアイデアが提案されます。 お互いに今まで気づかなかった観点や物の考え方に触れることで柔軟性が高まり、オープンイノベーションにも繋がりやすくなるでしょう。


 

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07まとめ

ハッカソンとは、エンジニアやデザイナーなどが集まってチームを結成し、意見やアイデアを出し合いながら決められたテーマで一定期間開発を行い、システムを最終日に発表して成果を競い合うイベントのことを指します。 参加者にとっては知識や技術だけではなく、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのヒューマンスキルも高められる良い機会となるでしょう。 また企業にとってはオープンイノベーションを期待できるだけではなく、組織力や帰属意識の向上も見込めます。 今後もIT業界だけではなく、さまざまな分野における問題解決をするためにハッカソンが開催されていくことでしょう。 ぜひハッカソンの意義をしっかりと捉えて、安定した企業の成長を目指していってください。

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    法政大学大学院政策創造研究科 教授

    NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事等。主な著書:『越境学習入門』(共著)、『日本企業のタレントマネジメント』、『地域とゆるくつながろう!』(編著)、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)等

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