公開日:2022/10/06
更新日:2023/01/30

データドリブンとは?成功させるポイントと導入手順を解説

データドリブンとは?成功させるポイントと導入手順を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

データドリブンとは、売上データやWeb解析データ、マーケティングデータといったデータにもとづき、さまざまな判断を下したり、アクションを起こしたりする経営手法です。当記事では、データドリブンで企業経営を成功に導くポイントや導入手順について詳しく解説します。

 

01データドリブンとは

データドリブンのDrivenには、「突き動かされた」「目標に向かって突き進む」といった意味があります。つまり、データドリブンとはデータによって意思決定や判断を下す経営手法、マーケティング手法を指します。ここでは、データドブリン経営とデータドリブンマーケティングの詳しい内容について見ていきましょう。

データドリブン経営

過去の経験や勘に頼った判断では、たとえ成功したとしても再現性は低いままです。一方、データドリブン経営では、データにもとづいた精度の高い意思決定が実現できるため、顧客ニーズの把握や売上・収益率の改善を再現性高く行うことができます。消費者行動は多様化、複雑化しており、今後もデータドリブン経営の重要性はますます高まっていくと考えられています。

データドリブンマーケティング

データドリブンマーケティングは、収集したデータを検証し、マーケティング施策の計画から改善までを行なっていく手法です。

新規施策の実行時に加え、実行したマーケティング施策に対してもデータを用いて効果検証と改善を繰り返していきます。この「PDCAサイクル」を高速回転していくことで、マーケティング施策の成功率を高めることが可能になるのです。

 

02データドリブンが注目される背景

日本においては2017年頃からデータドリブン経営の手法が注目されはじめ、「最高データ責任者(CDC)」というポジションを積極的に導入する企業も増え始めています。CDCは、データやアナリティクス、データ科学、倫理などデジタル変革のトップとして、その影響力は企業内でますます高まっています。

顧客行動の多様化・複雑化

顧客行動はかつてないほど多様化かつ複雑化しています。

消費者は、SNSや口コミサイトなどから多くの情報を得て、その中から自分のニーズに最適な商品を選ぶことが簡単にできるようになりました。そのため、過去の事例をもとにマーケティング活動を行ったとしても、消費者行動を正しく予測することは非常に難しくなってきています。顧客ニーズに迅速に対応するためにも、データを最大限活用することが必要不可欠なのです。

ビジネスモデルの変化

データドリブン経営に関心が寄せられる背景には、多くの産業においてビジネス変化のスピードが加速していることも挙げられます。競争が激化するなかで、競合他社に打ち勝ち、企業として存続し続けていく必要があるのです。

そのためには、社会情勢をはじめ業界の動向を素早くつかむ必要があります。具体的には、自社商品やサービスに対するユーザーの声などのデータをタイムリーに収集し、課題解決につなげていく取り組みが求められています。

デジタル技術の発達

データドリブンが注目される背景には、デジタル技術の発達により、膨大な量のデータを蓄積し、分析できるようになったことも挙げられます。

IoTやAI、顧客管理システム、人工知能といったデータドリブン経営を行うために活用できるツールがとても充実してきているのです。

AIの活用

欧米では、AIを活用したデータドリブン経営への移行が進んでいます。データ収集をはじめ、意思決定に向けた提案や適切な商品の提示などをAIがサポートします。例えば、アメリカのスーパーマーケットチェーン、ウォルマートでは質の高いビックデータを収集し、商品欠品時にユーザーに対して適切なレコメンドを行う施策をAIを用いて実施しています。その結果、売上を大幅に伸ばすことに成功しました。AIを活用することで、不確実性を排除することができるうえに、最新データの分析で次に起こりうることもある程度予測でき、変化する状況に対しても柔軟に対応できるようになります。

新たな価値創出

膨大なデータから、自社の強みだけではなく、課題や弱点を可視化できるデータドリブン。これまで経営者や従業員の感覚で判断していた内容を、客観的に把握できる点が何よりのメリットです。その結果、自社理解を深め、さらに成長できる機会につながっていくはずです。さらに、データからの気づきによって、新たな価値創出やサービス展開などの新規ビジネスにつながる可能性も生まれてくるのです。

 

03データドリブンを成功させるポイント

データドリブンを成功させるには以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 1.経営層の巻き込みと組織間の連携
  • 2.人材の育成と人材確保
  • 3.データドリブンを行う5つのステップ

詳しい内容を解説していきます。

1.経営層の巻き込みと組織間の連携

データドリブンを成功させるためには、まず経営トップがデータドリブン経営の重要性、目指すビジョンを社員に強くコミットし、共有をはかることが必要不可欠です。また、経営層は、データ収集するための整備や社員のデータリテラシー向上にあたり、システム投資、教育コストがかかることを理解しておく必要があります。

ただし、「勘と経験と度胸(KKD)」に頼っている部署がまだ多い場合、いきなり連携をはかるのは難しいものです。そこで、実施できる部署からスタートし、個別の成功例を作り出した後に、全社の横断的なプロジェクトにしていくといった、スモールステップから始めるのもひとつの手段です。

2.人材の育成と人材確保

データドリブンを成功させるためには、データの蓄積・分析が欠かせません。そのため、「データアナリスト」や主にビッグデータの抽出を行う「データサイエンティスト」などデータ分析できる人材確保が急務です。

人材確保の方法としては、新卒社員や中途入社社員の採用、ヘッドハンティングが挙げられますが、慢性的な人材不足であるため、社内での人材育成が早急に求められています。アナリストは、プログラミングスキルはもちろん、データ分析基盤の構築スキル、数学、統計学、機械学習用フレームワークなど幅広い知識と高いスキルが必要とされます。社内で人材育成する場合、こうした資格取得のための援助や研修を積極的に行うことが重要です。

 

04データドリブンを行う5つのステップ

データドリブンを効果的に進めていくためには、次の6つのステップを踏んで行く必要があります。

  • 1. 目的の設定
  • 2. データ収集、蓄積
  • 3. データの可視化
  • 4. データの分析
  • 5. 意思決定
  • 6. 実行

1. 目的の設定

まず、データドリブンを行うには、マーケティング施策に活用したい、保有したデータを用いて新たな分野に活用したいなど、その目的をはっきりさせることです。

2. データ収集、蓄積

目的が定まったら、次に行うべきはデータ収集および蓄積する仕組みの構築です。データが不足している場合には、顧客管理システム(CRM)やPOSシステムの導入からスタートします。データが散在してしまっている場合には、データドリブンの目的や優先度に従って、データを一元管理できるDWH(データウェアハウス)などの導入を検討しましょう。

3. データの可視化

次にデータの可視化を行います。データの検索・集計など分析業務を手助けしてくれる仕組みには、Web解析ツールやBIツール、DMPなどが挙げられます。

4. データの分析

1から3のステップまでで、データ分析およびアクションプランを検討する準備が整ったことになります。ただし、収集したデータには、不要な情報も多く含まれています。そのため、分析をしやすいようにデータを加工する必要があります。これを、データクレンジングと言い、不正確なデータや破損したデータなどを特定していきます。データ分析には、データアナリストやデータサイエンティストといった高い分析スキルを持つ人材が必要不可欠です。

5. 意思決定

分析結果をもとに意思決定を行い、具体的なアクションプランに落とし込んでいきます。

6. 実行

最後にアクションプランを実行しますが、実行後にもPDCAを回して、さらに精度を上げていく必要があります。

 

05データドリブンで利用するツール

データドリブンで利用するツールを簡単に紹介します。

  • 1.DWH(Data Ware House)
  • →データを時系列で保存し、過去のデータ履歴などデータを一元管理
  • 2.BI(Business intelligence)ツール
  • →ボリュームも種類も多いデータを一元化して活用
  • 3.DMP(Data Management Platform)
  • →データ収集や管理に使用されるソフトウェアプラットフォーム
  • 4.Web解析ツール
  • →特定のWebサイトや検索キーワードなどに対し、アクセス状況を解析するツール
  • 5.MA(Marketing Automation)
  • →マーケティング活動を自動化・効率化する技術
  • 6.SFA(Sales Force Automation)
  • →営業活動支援、業務効率化といった営業担当者をサポートするツール
  • 7.CRM(Customer Relationship Management)
  • →顧客関係管理のことで、売上拡大や収益性の向上を目指す経営手法
 

06データ活用ならSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

Schooビジネスプランの資料をもらう

Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

データ活用に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、データ活用に関する授業を紹介いたします。

データ分析学習ロードマップ―「データサイエンス」のはじめ方―

「データサイエンティスト」や「データアナリスト」と呼ばれる専門家がビジネスの世界で活躍し、ビジネスでもデータ分析の重要性が浸透しています。 また、スクールやオンラインセミナー、書籍でもデータ分析に関するコンテンツが普及してきました。 しかし、「何から学べばいいのかわからない」「専門家になるにはどうしたらいいのか」などデータ分析を学習する上での悩みが多くあると思います。 そこで、この授業では、データ分析学習への迷いが生じているすべての学習者の方向けに、アナリティクススキルを身につけるための「学習ロードマップ」をテーマに授業を行います。 講師は、参加者約200人のデータ分析人材の互助組織「データラーニングギルド」の代表の、村上智之さんです。 データ分析学習の「地図」を持ち帰り、休日や仕事終わりの空いた時間に計画的に実施していきましょう。

 
  • 株式会社データラーニング 取締役CAO

    株式会社ALBERTにてデータサイエンティストとしてキャリアをスタートし、機械学習やデータエンジニアリングに関する基礎を習得。株式会社イノーバでマーケティングオートメーションツールの開発やサービス企画の経験を積んだ後、澪標アナリティクス株式会社にて、大手自動車メーカーの分析チーム立ち上げに従事。その後2018年5月にデータラーニングを設立。初学者に向けたデータ分析の教育事業とデータ分析の受託事業、データ分析人材向け有料職業紹介事業を展開。社員数数万人規模、売上数千億円以上の規模企業からスタートアップまで幅広い領域での分析コンサルティングを手がける。

データ分析学習ロードマップ―「データサイエンス」のはじめ方―を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

データ活用超入門 必要性と使いどころ

これまで職場であまりデータに触れてなかった方や、これからデータ分析を学ぼうとする方向けに、そもそも、なぜビジネスシーンでデータが必要なのかといった必要性から、ビジネスでの使いどころについて解説します。 様々なビジネスシーンで扱われるアンケート分析を例に、データ分析の具体的な手順についても紹介します。 テクノロジーで社会課題を解決するシビックテックを牽引し、省庁や自治体など行政のデジタル化も支援する「Code for Japan」のプログラムディレクターを講師に招き、わかりやすく解説します。

 
  • 一般社団法人Code for Japan

    Civictech Accelerator Program プログラムディレクター。 北海道常呂郡置戸町出身。1995年に北海道工業大学(現:北海道科学大学)大学入学後、普及期直前のインターネットに魅了され中退。Webエンジニアとして株式会社イエローページに入社。同社がDocomoのiモード開始時に、日本初公式コンテンツプロバイダの一社としてコンテンツ提供し、開発を担当。以降モバイルコンテンツ業界を中心にエンジニア・企画営業として、KLab株式会社、株式会社コロプラと東京で約15年勤務。2012年に帰札しフリーランスエンジニアとして様々なプロジェクトに参画。2018年、北海道のスタートアップシーンを支援する、Open Network Lab HOKKAIDO 立ち上げに参画。2021年4月より一般社団法人Code for Japan スタッフに。Civictech Accelerator Program / NPTech領域を担当。

データ活用超入門 必要性と使いどころを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

データ分析力を磨く‐ 仮説の構築と検証

この授業では、データ分析のプロセスを「仮説構築」と「仮説検証」の大きく2つにわけて、それぞれのプロセスでのポイントを学んでいきます。

 
  • マーケター

    1984年生まれ。龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で"学び直し"。 その後、株式会社デコムなどでデジタルマーケティング、消費者インサイト等の業務に携わり、現在は「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーにてマーケティング全般を担当している。 政治、経済、文化など、さまざまなデータをデジタル化し、分析・予測することを得意とし、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌にも登場している。 ◇主な著書 「なぜ「つい買ってしまう」のか?~「人を動かす隠れた心理」の見つけ方~」(光文社)2019 「誤解だらけの人工知能」(光文社)2018 「データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい」(毎日新聞出版)2018

データ分析力を磨く‐ 仮説の構築と検証を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

07まとめ

企業は多くのデータを収集できるようになりましたが、データをうまく活用できなくては意味がありません。めまぐるしく変化する社会情勢のなか、直感に頼ることなく、データにもとづいた意思決定ができる手法のデータドリブン経営の重要性はますます高まっていくはずです。本記事を参考に、データドリブン手法を早速取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ