公開日:2022/10/24
更新日:2023/02/02

AIを人事業務に活用するには?導入するメリット・デメリットやポイントを解説

AIを人事業務に活用するには?導入するメリット・デメリットやポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事評価に時間がかかりすぎてしまったり、評価基準が定まらなかったりして困っている人事部の方もいるのではないでしょうか。人事業務を効率化させる方法の1つにAI導入があります。本記事では、AIを人事業務に活用するメリット・デメリット、ポイント、導入事例について解説していきます。

 

01AIとは?

AIとは人工知能のことであり、人間のふるまいや考え方を模倣できるようにしたコンピューターのことを指します。AIはすでに私達の生活の至るところで活用されています。例えば、自動運転を行ったりユーザーの動向を分析してWebサイトにレコメンドを表示させたりしています。

AIの代表的な作り方が機械学習です。機械学習とはコンピューターに大量のデータを読み込ませ、学習させていく手法のことです。AI人事ソフトの多くにもこの手法が使われています。AI人事ソフトでは、評価が高い社員の特徴などのデータを読み込ませ、それらを元に自分で評価を下せるようになっているのです。

人事分野においてAIの活用が注目されている理由

人事分野においてAIの活用は注目されており、有名企業を始めAI人事ソフトなどのツールを導入する事例が増えています。AI活用が広がっている理由の1つに、労働人口の減少が挙げられます。現在日本では少子高齢化が進んでおり、人手不足に困っている企業が多くあり、人事作業に人員を割けない場合もあります。人事作業にAIを導入することで、人事部の作業コストを減らし、少ない人員でも仕事を回せるようにすることが可能です。

 

02人事業務にAIを活用するメリット

AIはすでに多くの企業で活用されています。AIを人事業務に活用するメリットは次の5つに分けられます。検討・導入前にその利点について整理しておきましょう。

  • 1.評価の公正性が高まる
  • 2.優れた社員の共通点を分析できる
  • 3.結果が出ない社員の問題点を分析できる
  • 4.社員のモチベーション管理がしやすくなる
  • 5.人事部の業務効率化につながる

1.評価の公正性が高まる

AIを導入することで社員評価の公平性を高められ、昇給・昇格などの納得感を上げることができます。AIは多くのデータを短時間で分析することができるため、人間よりも正しい結論を導き出せることもあるためです。また、人間が評価するとどうしても評価する側の主観や感情が入ってしまうこともありますが、AIならそういったバイアスがかかることも抑制できるでしょう。

2.優れた社員の共通点を分析できる

AIが搭載されたソフトを導入することで、結果を出す優れた社員の共通点を分析することが可能です。例えば、営業成績の高い社員の行動パターンやスキル状況のデータを集めることができれば、研修で活用することができ、他社員の成績アップにもつなげることができます。AIの効果を最大化するには、学習データが多い方が有効であるため、過去の社員データを活用すれば、それだけ正確な結果を得られるでしょう。

3.結果が出ない社員の問題点を分析できる

優れた社員の特徴だけでなく、結果が出ない社員の問題点も分析することが可能です。AI人事ソフトでは社員の健康状態や、業務の勤怠情報などを記録することができます。業務のやり方に問題があると判明したら、個別にアドバイスすることが可能です。

4.社員のモチベーション管理がしやすくなる

AIを導入することで、社員のモチベーション管理もしやすくなります。例えば、退職しやすい社員の特徴を分析することで、退職しそうな社員のメンタルケアを行うことが可能です。また、出勤時の様子を顔認証機能で観察し、表情によって社員のモチベーション状況を推測できるAIツールもあります。

5.人事部の業務効率化につながる

AIを導入することで、人事部の業務効率化にもつなげることが可能です。評価シートの記入や回収などを自動化することができます。人事部の方はAI導入によって空いた時間を、他の業務に使うことが可能です。また、企業側は人事部の人員を減らすこともできるでしょう。

 

03人事業務にAIを活用するデメリット

AIの活用によって業務効率化などが期待される反面、AIは正しく使わないとかえって非効率になってしまったり、社員からの評価を下げる原因になったりするため注意が必要です。次に挙げる主なデメリット3つについて確認していきましょう。

  • 1.社員の理解を得られるか分からない
  • 2.社員とのコミュニケーション不足に陥ることも
  • 3.評価基準がブラックボックス化してしまう恐れがある

1.社員の理解を得られるか分からない

人事業務にAIを活用することに対して抵抗がある社員もいるかもしれません。AI自体に良い印象を得ていなかったり、人間ではなく機械によって判断される方がむしろ不公平だと感じたりする社員もいる場合、慌ててAIを導入しない方が良いでしょう。まずは社員の理解を得られてから導入を進めていくことが、お互いの信頼関係を損なわないために大切です。

2.社員とのコミュニケーション不足に陥ることも

AIの導入によって社員とのコミュニケーション不足に陥ってしまう可能性もあります。AIに頼りすぎてしまい、実際に社員と会話して業務の課題などをヒアリングすることを怠ってしまうと、人事部と社員との距離が離れていってしまいます。距離が離れてしまうと人事評価に対する不信感に繋がってしまうでしょう。

3.評価基準がブラックボックス化してしまう恐れがある

AI導入によって評価基準がブラックボックス化してしまう恐れもあります。AIを導入する場合「AIはなぜこの判断を下したのか?」をきちんと言語化できないと、分析結果から改善点を導き出すことができません。AIは物事を分析することはできるものの、その結果になった理由を教えてくれないので注意が必要です。

 

04人事業務にAIを活用した企業の例

人事業務でのAI活用は特に大手企業が積極的に行っています。大手企業は社員数が多いため、当然人事作業は膨大であり、AIの導入による作業効率化の必要性が強いと言えます。実際に人事業務でAIが活用されている3つの企業事例について確認していきましょう。

  • 1.退職しやすい社員の傾向を分析する
  • 2.面接の合否判定をAIで行う
  • 3.自動botによる社員からの問い合わせ対応を行う

1.退職しやすい社員の傾向を分析する

株式会社セプテーニは独自の退職予測モデルを開発し、社員の早期退職を未然に防げる仕組みを作る取り組みを行っています。退職予測モデルでは過去の退職者の傾向を分析し、1年以内に退職する可能性のある社員をリストアップします。退職リスクが高いことが早い段階で分かれば、個別に面談を行いキャリアや業務内容の見直しを行うなどの対処ができます。

▶︎参考:Retention Program|DHRP

2.面接の合否判定をAIで行う

ソフトバンク株式会社は他の会社と共同でAIシステムを開発し、面接の合否判定をAIで行うようにしています。ソフトバンクでは以前から動画面接を導入しており、動画面接の評価精度をより高めるためにAIを導入しました。共同会社が開発した動画解析モデルによって、動画面接の評価を自動で算出することを可能にしています。

▶︎参考:SoftBank「新卒採用選考における動画面接の評価にAIシステムを導入」

3.自動botによる社員からの問い合わせ対応を行う

ホクト株式会社は自動botによる社員からの問い合わせ対応を行っています。AIは24時間働き続けられるため、社員からの質問にいつでも答えることができます。自動botを導入することでホクト株式会社は、人事部の業務負担の軽減やリモートワーク環境の構築などを目指しているようです。

▶︎参考:ホクト株式会社 人事部が、最新のHR Tech 「AIチャットボット hitTO(ヒット)」を導入し、“強い人事チーム作り”を推進

 

05人事業務にAIを導入するポイント

ここまで解説した通り、AIには良い面・悪い面とあります。AIを使いこなし社員満足度向上や業務効率化を実現するには、次の3つのポイントを意識することが重要です。

  • 1.社員への説明をしっかり行う
  • 2.まずは特定部署で導入・検証をおこなう
  • 3.AIの判断だけでなく担当の見解を加えて利用する

1.社員への説明をしっかり行う

まずは、AI導入に関して社員へ説明をしっかり行い理解を得ることが大切です。人事評価にAIを導入することは、人事部だけでなく社員にもメリットがあることを説明します。特に、AIの評価基準がブラックボックスにならないように詳しく解説し、評価の不透明性をなくすことも重要です。

2.まずは特定部署で導入・検証をおこなう

AIを導入するなら、まずは特定部署限定で行ってみましょう。いきなり会社全体で試すと失敗したときのリスクが高いですし、時間的コストもかかります。1つの部署で試して問題なければ、徐々に他の部署でも導入していくのが良いでしょう。

3.AIの判断だけでなく担当の見解を加えて利用する

AIはあくまで、意思決定の補助ツールであることを忘れないようにしましょう。AIの判断がすべて正しいとは限りません。例えば、AIに偏ったデータを読み込ませてしまい、評価基準が正当ではないものになってしまう可能性もあります。AIの判断だけでなく担当の見解を加えて利用することが大切です。


 

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06まとめ

AI人事を導入することで、評価の透明性に繋がり社員のモチベーションがアップするなどのメリットがあります。一方で、AIの判断をすべて鵜呑みにしてしまうと社員との距離が離れてしまうなどのデメリットもあるため、AI導入は慎重に行うべきでしょう。まずは1つの部署や役職者限定でAI評価を導入してみて、PDCAサイクルを回しながらAI活用方法を改善していき、それから全社員への導入を始めるのが良い方法と言えます。

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