公開日:2021/09/09
更新日:2023/03/26

社会人基礎力とは?その必要性や能力を高める方法について解説する

社会人基礎力とは?その必要性や能力を高める方法について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人生100年時代と言われている昨今、ビジネスにおいては社会人基礎力を高める必要があると言われています。では、社会人基礎力とはどのような能力なのでしょうか。本記事では、社会人基礎力の意味や能力を高める方法について解説しています。

 

01社会人基礎力とは

「社会人基礎力」とは社会人であれば必ず身につけておくべき基礎的な能力です。この「社会人基礎力」における概念については、2006年に経済産業省が提唱しました。「社会人基礎力」には大きく分けて3つの能力があり、それらに伴った12の能力的要素で構成しています。より一層、長い間、働き続けることが予測されている中で働き続けることができる人材となるために必要なのが、社会人基礎力です。

社会人基礎力が必要な理由

社会人基礎力とは、自分自身がもつ能力を最大限に発揮するために求められる社会人に必須な基礎スキルを指します。社会人基礎力がベースとして身についていることは、専門的なスキルを発揮する上でも必要です。このように、社会人基礎力を保有することで経験や知識、技術を最大限に発揮できる基盤が構築されると考えることができます。

 

02経済産業省が定める3つの能力と12の能力要素

前項でも紹介したように経済産業省による社会人基礎力の定義には、3つの能力と12の能力要素が定義されています。3つの能力としては主に次が挙げられます。

  • 能力1:前に踏み出す力(アクション)
  • 能力2:考え抜く力(シンキング)
  • 能力3:チームで働く力(チームワーク)

ここでは上記の3つの能力とそれぞれに紐づく12の能力要素について解説します。これらの内容を理解することは、社会人基礎力とは何かを理解する上で必要です。

参考:経済産業省「社会人基礎力」

能力1:前に踏み出す力(アクション)

「前に踏み出す力」とは、今いる場所から一歩踏み出し、失敗しても諦めない粘り強さで取り組むことです。「前に踏み出す力」には、3つの能力要素があります。

(1)主体性

物事に自ら進んで取り組む力 常に当事者としての意識を持ち、誰かからの指示を待つのではなく自らやるべくことを見つけ行動することを示しています。主体は、自分であるということです。

(2)働きかけ力

働きかけ力とは周囲を巻き込んでいくこと、協力してもらうことで自分自身に足りない部分を自覚したり、補ったりしていくことです。仕事をする上で周囲と協力し合うことは不可欠であり、協力なくしては仕事を成功させることはできません。

(3)実行力

目的を設定し確実に実行する力 何かを成功させるためには、やる気やモチベーション、技能や技術以外にも明確な目的意識が必要です。目的意識をもちゴールを目指すことで実行力を養っていくことを意味しています。

能力2:考え抜く力(シンキング)

「考え抜く力」とは、疑問をもち、自分自身で深く考え抜く力のことを意味しています。 「考え抜く力」には、3つの能力要素があります。

(1)課題発見力

現状を分析し、目的や課題を明らかにする力のことです。何も考えず与えられた仕事をこなすのではなく、常に疑問をもち続け、その結果、隠れた問題点を発見することができます。

(2)計画力

課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備する力 問題が起こったときの対処を考えておくことや、必要に応じて方向転換を速やかにできるように準備することも必要です。

(3)創造力

新しい価値を生み出す力 固定概念にとらわれず、新しい視点や新しい感覚でものごとを捉えること。新しいことを生み出す力をもつことで、発想の転換、問題解決の近道になる可能性を高めます。

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クリティカルシンキングとは、物事の本質を見極める思考法です。このコースでは、これからクリティカルシンキングを取り入れようと思っている人を対象に、どんな考え方をすればよいか、そのプロセスやフレームワークを学びます。

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  • 外資系コンサルタント

    外資系コンサルティングファーム勤務。専門領域における日本支社の実務責任者を務め、IT部門に対するコンサルティングを手がける。「クラウド」×「インフラ」×「サービス管理」を専門分野とし、ファシリテーションやコーチングにも造詣が深い。著書に『図解作成の基本』(すばる舎)『資料作成の基本』『フレームワーク使いこなしブック』(以上、日本能率協会マネジメントセンター)、『外資系コンサルのビジネス文書作成術』(東洋経済新報社)、『外資系コンサルの仕事を片づける技術』(ダイヤモンド社)など多数がある。

能力3:チームで働く力(チームワーク)

「チームで働く力」には、多様な人々と一緒に、目標達成に向けて協力する力を意味しています。「チームで働く力」には、6つの能力要素があります。

(1)発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力

発信力とは、自分の意見を相手に対して分かりやすく伝える力のことです。仕事をする上で、自分の意見を正確に伝えることができる能力は必要不可欠であり、現代社会では口頭だけでなくチャットコミュニケーションでも発信力が求められます。

(2)傾聴力:相手の意見を丁寧に聞く力

傾聴力とは、相手の意見を丁寧に聞くことのできる力のことです。他者の意見に耳を貸すことができるだけでなく、質問をしながら相手が本当は何を伝えたいのかを探る能力も含まれます。

(3)柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力

柔軟性とは、意見の違いや立場の違いを理解する力のことです。相手の立場になって考えることのできる力ともいえます。多様な意見に耳を貸し、意見や立場の違いを理解しながら仕事として最善の方向性や答えを導き出す力は、多様性が重要視される時代に必要不可欠な能力と言えるでしょう。

(4)状況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する能力

状況把握力とは、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力のことです。因果関係を読み解く能力ともいえます。いま起きている事象の背景を、人間関係や立場の違いなど多角的な視点から読み解くことができれば、人を尊重しながら仕事を前進させることができます。

(5)規律性:社会のルールや人との約束を守る力

規律性とは、社会のルールや人との約束を守る力のことです。時間を守る。納期を守る。社会人として当然といえば当然の能力ですが、意外とできていない人が多いのも事実です。また、コンプライアンスが厳しくなる時代において、社会のルールを正しく把握し遵守する能力はリスクマネジメントの観点からも重要と言えるでしょう。

(6)ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力

ストレスコントロール力とは、ストレスの発生源に対応する力のことです。仕事をする上で適度なストレスは成長に繋がりますが、過度なストレスがかかる時もあるでしょう。そのような時に、ストレスを無くすのではなく上手に向き合えるかが重要です。この力はレジリエンスとも言われ、昨今注目を集めています。

<チームワークについてのSchooおすすめ授業>

この授業では、チームワークの向上を図る各アプローチ方法ついて学びます。
変化の激しい今、多様な価値観が社会にあふれ、企業活動においても各社員のさまざまな価値観を尊重して動いていくようになりました。
また、コロナ禍となり、急速に働き方も変化し、コミュニケーションのあり方もガラッと変わりました。
そうした中で、円滑にビジネスを進めていくために”チームワーク”が、より重要になってきているかと思います。そこで、チームワークを図るためのさまざまなアプローチ方法をピックアップし、オムニバス形式で各アプローチ方法について、それぞれの先生たちから教えてもらいます。

「チームワークの教科書【2023年版】」

チームワークの教科書【2023年版】

  • Unipos株式会社 代表取締役社長CEO

    1999年にソフトバンク株式会社のインターネット部門採用第一期生としてインターネット産業に関わる。ブロードキャスト・コム(現 Yahoo!動画)の立ち上げに参加。その後ネットイヤーグループ創業に参画。 2001年経営コンサルティング会社コーポレイトディレクションに入社。 2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。2017年8月に東証マザーズへ上場。2017年に発⾒⼤賞という社内⼈事制度から着想を得たUniposのサービスを開始。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。2022年10月に著書「心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100(ダイヤモンド社刊)」を刊行。
  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
  • 株式会社エンパブリック代表

    エンパブリック代表取締役、ソーシャル・プロジェクト・プロデューサー 東京大学大学院薬学系修士課程修了。シンクタンク、NPO法人ETIC.を経て、2008年株式会社エンパブリックを創業。「思いのある誰もが動き出せ、新しい仕事を生み出せる社会」を目指し、地域・企業・行政など多様な主体の協働による社会課題解決型事業、サステナビリティ・ビジネスの企画・立ち上げ・担い手育成・実行支援に多数携わる。近著に「SDGs人材からソーシャル・プロジェクトの担い手へ ~ 持続可能な世界に向けて好循環を生み出す人のあり方・学び方・働き方」。慶應義塾大学総合政策学部、立教大学経営学部などの非常勤講師も務める。https://empublic.jp
 

03新たに加わる3つの視点「新・社会人基礎力」とは

経済産業省は2018年の働き方改革が提唱された際、「人生100年時代の社会人基礎力」として新たに「3つの視点」を追加しました。次に追加された3つの視点についてご紹介します。今後も時代の変化により能力が追加されることも予測できます。このことから、常に細心の能力を確認しておくことが必要だと心がけておきましょう。

「何を学ぶか」(学び)

何かを学んでいくということではなく、自己成長を続けるために、学び続ける力を意味です。まず最初に、何を学ぶかを自分自身で決めていきます。苦手なものを学んで克服する、得意なことをより伸ばすなど、自分が何を学びどうしていきたいたいかを決めることが必要です。

「どのように学ぶか」(統合)

今までの経験をはじめ能力、キャリアを組み合わせて統合する力の意味です。過去の経験や能力を統合していくことで、何を叶えていきたいかを考えます。その結果を踏まえ、より成長していくためには何を学び、改めて統合することを視野に入れた活動を行うことが含まれており、多様な価値観の中で成長し続けるための方法を見つけていく必要があります。

「どう活躍するか」(目的)

「どう活躍するか」とは、自己の実現や社会貢献に向けて行動する力のことです。自己実現や社会貢献という目的に向かい行動するためには、具体的に何をすべきかを考えた上で、自ら行動を起こします。明確な目的意識をもつで周囲に働きかけ協力しあうことも含まれていると理解しましょう。

参考:人生100年時代の社会人基礎力について

 

04社会人基礎力を高める方法

次に社会人基礎力を高める方法について解説していきます。社会人基礎力を高める方法は、1つではありません。複数の観点を組み合わせることで、社会人基礎力を高めることができます。同時に、社会基礎力とは何か、自分はどうなりたいかを常に意識しておくことも重要です。

自分を客観的に見直しする

まず行うべきなのは、自分自身を客観的に見直しすることです。社会人基礎力には3つの能力と12つの能力要素が存在します。最初に、これらについて、得意・不得意を分類し自分を見つめ直すことから始める必要があります。いきなり全てを行うとするよりも、3つの能力と12つの能力の項目を使い自分自身の棚卸をすることが最適です。その中で、自分の苦手な部分を伸ばすことを視野に入れることが必要となります。経済産業省の発表をもとにした社会人基礎力テストを展開している企業もあるので、こうしたテストを利用する方法もあります。まずは、今の自分を知ることからはじめていきましょう。
参考:ひらく社会人基礎力診断テスト

日常の業務において基礎力(能力)を意識する

日常の業務や生活において、「3つの能力」「12の能力要素」「新たな社会人基礎力」を意識することを心掛けましょう。意識していると、その意味を考え行動に移しやすくなります。また、社会人基礎力診断テストなどを活用し明らかにした自分の不得意分野を日常で意識的に改善する工夫も必要です。社会人基礎力のアップは短期間で完了するものではありません。日々の積み重ねや意識付けにより大きく変ってくることを理解することや、不得意な部分を伸ばすことだけを考えるのではなく、得意、不得意の両方について伸ばす意識を持つことが大事だと理解しておきましょう。


 

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05社会人基礎力スキルチェックを行う方法

社会人基礎力のスキルをチェックする方法には、具体的にどのような方法があるのでしょうか。経済産業省 ひらく社会人基礎力診断テストを始め、様々なサイトでスキルチェックを実施しています。こうしたスキルチェックを活用し自分自身を客観的に見つめることも大事です。スキルチェックを行うことで、新たな気付きを得ることも多々あります。それ以外にも、一般財団法人社会人基礎力検定協会が主宰している「社会人基礎力検定」で自己スキルの評価を行うことも有効です。定期的に検定やスキルチェックを行うことで自分自身を振り返り、新たな発見を行っていきましょう。

社会人基礎力検定

一般財団法人 社会人基礎力検定協会が主宰している「社会人基礎力検定」は、「2級」「準2級」「3級」を受験することが可能です。試験問題は統一で合格点により級の認定が行われます。認定講習も実施しており、現在の社会人基礎力をためす方法として受験を検討するのも良い方法です。試験問題は、「3つの能力」「12の能力要素」「新たな社会人基礎力」についての知識やスキルについて問われます。試験時間は60分、90問の問題です。

参考:一般社団法人 社会人基礎力検定協会

ひらく社会人基礎力診断テスト120

株式会社ひらくでは、経済産業省の社会人基礎力を元にしたWeb版のセルフチェックシートを提供しています。「3つの能力」「12の能力要素」「新たな社会人基礎力」について、120問の問いに対して選択肢(4つ)で回答することで、自分の強味と弱みを判断できるグラフが自動作成されます。無料で展開されているため、定期的にセルフチェックをすることが可能です。また、PDFのダウンロードなども可能になっています。

参考:株式会社ひらく | 個人向けサービス

マイナビ「社会人基礎力診断」

新卒採用エージェントの最大手であるマイナビも社会人基礎力診断のサービスを展開しています。エージェントであるため、採用担当者向けにグラフ化されたスコアの表示、特性の分析レポートが提供されます。同時に、受講者への個人レポートも同時に提供されることで、受講者自身も自分のスコアを知り成長に向けた課題認識を行うことが可能です。マイナビの特徴は、「3つの能力」「12の能力要素」「新たな社会人基礎力」のスコアだけではなくMBSAスタイル、PDCAサイクルで見る能力も分析し自社の特性の把握にも役立つ点です。
参考:マイナビ 社会人基礎力診断


 

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06社会人基礎力を身につけるならSchoo for Business

Schoo for Businessでは、6,500本を超える数の幅広いジャンルの授業があります。その中には社会人基礎力を身につけることのできる授業も多くあり、多くの企業の新入社員研修・若手社員研修にご利用いただいています。以下で、社会人基礎力を学ぶことのできる研修カリキュラム例を紹介いたします。

  • 「ロジカルシンキングとは何か」や「ロジカルシンキングの基礎となる技術」などについて学ぶことができるパッケージです。
  • チームビルディングについて基礎を身につけたいという方向けの研修パッケージです。成果を出すチームビルディングに必要なコミュニケーション方法や、チームで成果を出すための基本スキルについて学びます。
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  • 若手社員を対象として、仕事の主体性向上を目的とした研修パッケージです。段取りや時間管理といった自律型人材になるために必要なスキルから、組織の中で自分が担うべき役割を認識する必要性などを3つの授業を通じて学びます。

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07まとめ

本記事は、社会人基礎力をテーマに基礎力を構成する項目や学習方法について解説しています。人生100年時代となり、ますます働き続ける時代となっている昨今、社会人としての基礎力の有無は、その後の社会人人生を大きく左右する要素です。本記事を参考に社会人基礎力の重要性を理解して頂き、社会人基礎力の向上を図ってください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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