公開日:2021/07/07
更新日:2023/12/22

課題発見力とは?課題発見力を高める教育について解説

課題発見力とは?課題発見力を高める教育について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

課題発見力とは、「現状に満足せず、今よりもっと良くできないか」と課題を見つけ出す能力とされ、多くの有能なビジネスマンがもつスキルといわれています。当記事では課題発見力が求められる背景と、高めるために必要な教育について、さらに課題発見力が活かされる組織風土について解説します。

 

01課題発見力とは

課題発見力は「現状を分析し目的や課題を明らかにする力」と定義されます。これをビジネスや仕事に置き換えると、日常の業務が滞りない状態であっても「現状よりさらに改善できることはないか」と新たな課題を見つけ出す力が課題発見力であるといえます。 例えば、「月間のノルマは問題なくクリアする実績を上げているが、この実績を今より1.5倍に延ばす方法はないか」と思考するようなことです。

課題解決力との違い

よく似た言葉に「課題解決力」というものがあります。課題解決力は要求される水準に満たない現状の「ギャップ=課題」を解消しようと働きかける力です。 これに対し課題発見力は、要求される水準を十分に満たしているが、「この現状をさらに良くすることはできないか」と新たに課題を探し設定する能力のことです。

平常時にこそ課題発見力が必要

滞りなく日常業務が回っている平常時においてこそ、課題発見力が発揮されるべきです。大きなトラブルに発展する前に、見落としている課題が放置されていないか気づく必要があります。 また企業が継続的に発展していくには、現状に満足せず「未来に向けた次の一手」を考え、実践しなくてはなりません。発展のための課題を抽出し施策を存分に実施できるのも平常時であるといえます。

 

02課題発見力が求められる背景

次に課題発見力が求められる背景について見ていきます。変化が激しく人々の価値観やニーズが多様化した現代において、従来の画一的な製品やサービスでは顧客満足を獲得できない状況があります。 このような環境において企業が継続的に発展していくためには、課題発見力を従業員一人ひとりがもつ必要があります。現状に満足せず「より良い未来に向けて何をすべきか」という問いかけを常に忘れないことです。

変化が激しいビジネス環境

変化が激しいビジネス環境において、昨日まで「正解」とされていたものが、今日も「正解」であるとは限りません。価値観の多様化により、人それぞれが自分なりの「正解」をもっているのが現代社会であるといえます。 こうした不確実な要素が多い現代において、企業が継続して発展していくには、一つの「正解」ではなく、多くの人に受け入れられる「最適解」が求められます。その「最適解」を求めるスキルが課題発見力であるといえます。

価値観の多様化で見えない課題が増えている

価値観が多様化し見えない課題が増えている現代において、企業は従来の考え方に固執せず柔軟な発想で未来を考える必要があります。これまでの前提を疑い、仮説を立て未来に発生するであろう課題を検証するのです。不確実な未来において企業が発展していくために課題発見力は不可欠であるといえます。

イノベーションが求められる

企業が世の中に価値を認められるためには、これまでに存在していないサービスや製品を世の中に提供し、社会に変革をもたらすイノベーションが求められます。イノベーションを起こすために必要な力が課題発見力であるといえます。 現状に満足せず、もっと良くしたいという思考や行動が新たな課題を設定し、イノベーションを起こすのではないでしょうか。

人生100年時代の社会人基礎力の一つになっている

政府も必要な社会人基礎力に課題発見力を挙げています。経済産業省が平成30年に公表した「人生100年時代の社会人基礎力について」という資料を公表しました。資料の中では、今後はこれまで以上に社会・企業・組織との関わりが長期化することから、各ライフステージで活躍し続ける能力の一つとして、課題発見力を挙げています。このことから課題発見力は、企業成長に貢献する側面だけでなく、個人が長く活躍するために必要な能力であると考えられます。

▶︎参考:人生100年時代の社会人基礎力について|経済産業省

 

03課題発見力を高めるための考え方

企業が継続的に発展していくために、課題発見力が求められる背景について見てきました。 ここからは、課題発見力を高めるために必要な思考や心構えについて解説していきます。

現状に満足しない

現状に満足することは思考が停止する危険をはらんでいます。このような状態は未来へ向けた危機感が欠如している状態であるといえます。 現状はうまくいっているが、「もっと良くなる方法はないか」「何か間違っていることはないか」と思考することが重要です。何事も「このままで良いのか」と問いかけをする思考パターンは、課題発見力を高めるために必須のものです。

ゼロベース思考

既存の枠組みに固執していたのでは、新たな課題の発見は困難なものとなります。常識となっている前提を一度、疑ってみることです。 例えば、「現状の売上を維持している既存客がすべていなくなったらどうするか」というように、今あるものをないものとして捉え、現状を好転させる方法を考えます。この思考法を身につけることにより、今まで考えつかなかった課題が発見され、新たなアイデアを思いつくきっかけとなります。

評論家にならない

トラブルが発生してから「自分はその危険性を予想していた」と批評する評論家タイプは、課題発見力を発揮できません。トラブルに発展することを予想していたのであれば、周囲にその指摘をして、トラブルを未然に防ぐべきです。 些細な違和感を課題として捉え、将来大きなトラブルの原因になるのではないかとさまざまな可能性を考慮する習慣が、課題発見力を高めることにつながります。

 

04課題発見力を高めるために身に着けたいスキル

ここまでで課題発見力を高める思考法や心構えについて見てきました。ここからは課題発見力を高めるために身につけると良いスキルについて確認していきます。課題発見力を高めるには、以下に挙げるようなスキルを身につけてもらう教育が必要となります。

ヒアリング力

ヒアリング力は課題発見力を高めるために必要なスキルです。ビジネスで関わるさまざまな人とのコミュニケーションにおいて、相手が自分でもはっきりと気づいていないような潜在的な課題を、会話により引き出すスキルがヒアリング力です。このヒアリング力を駆使することで、さまざまな人との関わりから、新たな課題についてのヒントを得ることができます。

クリティカルシンキング

前提や思い込みを一旦ゼロにして考えるゼロベース思考を実践するには、クリティカルシンキングを身につけることも有益です。クリティカルシンキングは批判的思考という意味で、自分の主観や先入観にとらわれず物事を考える力のことです。一度、自分の主観や先入観を疑うことでゼロベース思考を実践できます。

仮説思考

課題発見力は不確実な未来を自分なりの仮説のもと、予測する習慣により高められます。現状が永遠に続くとは考えず、今手元にある情報を駆使して近い未来の仮説を立て、そこから課題を導く習慣を身につけることで高められます。


 

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05課題発見力を最大限に活かし企業が発展するには

課題発見力は現状に満足せず、さらに良い未来を目指して改善すべき課題を見つけ出す力です。この課題発見力を最大限に活かして企業が発展していくためには、課題の発見から解決に至るプロセスがスムーズに進む必要があります。 さまざまな考えをもつ人々で構成されている企業においては、現状に満足せず課題発見力を発揮し改善を図ろうとする人もいれば、それを良く思わない人もいます。両者の軋轢を生むことなく課題発見力を最大限に活かしていくためには、次に挙げるような組織風土を育む必要があるのではないでしょうか。

コミュニケーションが活発な組織

コミュニケーションが活発で風通しの良い組織においては、課題発見力と課題解決力が十分に発揮されます。上司と部下、異なる部門間のコミュニケーションが活発であれば率直な意見交換が活発に行われるでしょう。こうした環境では、未来における課題の発見と解決に向けた取り組みが積極的、かつスムーズに行われます。このような組織は一体感があり、さまざまな課題をしなやかに解決し発展を続けるのではないでしょうか。

セクショナリズムが無い組織

セクショナリズムとは企業全体の利益や効率を考えず、自部門の利益や権利にこだわることです。場合によっては他部門に対して非協力的で排他的な態度をとるようなネガティブな状態に陥ることもあります。セクショナリズムが根強く残る組織においては、課題発見力と課題解決力は発揮できないでしょう。 本質的な課題が発見されてもそれを解決することが自部門にとって不利益になる場合、改善を阻害しようとするかもしれません。そのようなときに、セクショナリズムは大きな弊害となります。こうした状況は早い段階で解消する必要があります。

若手人材が発言しやすい組織

キャリアが浅く社会人経験の乏しい若手人材であっても自由に発言できる環境であれば、課題発見力は十分に発揮できるでしょう。若手人材は、組織の中枢を担う幹部クラスが思いもよらないようなアイデアをもっている可能性があります。日常業務における上司や幹部との対話から、若手人材の考えを引き出すことも重要です。 またワークショップなどを開催し、未来の課題について若手人材に積極的に議論してもらうような仕組みづくりも効果を発揮するでしょう。

 

06課題発見力を研修で習得|Schoo for Business

Schoo for Business

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座を保有しており、課題発見力を向上させるコンテンツも揃っております。

導入企業数は3,500社以上、新入社員研修からDX研修まで幅広く活用いただくだけでなく、自律学習の支援ツールとしてもご利用いただいております。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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大企業から中小企業まで3,500社以上が導入

Schoo導入企業ロゴ

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで3,500社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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課題発見力に関する研修カリキュラム例

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、課題発見力の習得に役立つ授業を紹介いたします。

課題設定力の磨き方~本質的な課題を導き出す方法~

課題設定力の磨き方~本質的な課題を導き出す方法~

第1回 ロジカルに課題の精度を上げる方法
時間 60分
研修内容
  • ・課題と問題
  • ・視点の偏り
  • ・空/雨/傘の仮説思考
  • ・原因分析ロジックツリー
第2回 ラテラルに課題の精度を上げる方法
時間 60分
研修内容
  • ・視点移動
  • ・ゼロベース観察
  • ・様々なアイデアを出す
 

本授業では、生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学ぶことができます。

 
  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。

論点思考[入門]

論点思考[入門]

第1回 良いイシューで業務成果を高める
時間 40分
研修内容
  • ・論点の定義
  • ・論点設定の必要性
  • ・良い論点の要素
  • ・論点の一般的な立て方
 

本授業は、イシューがなぜ重要であるか、適切な論点の原則はなにか、といった業務業界に関わらず使える論点思考の入門レベル授業です。

  • 職場のコミュニケーション研究家

    株式会社メイクセンス 代表取締役。筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了(経営学修士)。IT企業で情報通信システムの開発や提案業務に携わったのち、コンサルタントに転身。NTTデータ経営研究所や日本アイ・ビー・エムで民間企業に対する情報戦略や組織戦略領域のコンサルティング、中央省庁や地方公共団体、業界団体からの委託による調査・研究を行う。その後、総合人材サービスグループ傘下のシンクタンクの上席主任研究員として、働き方改革、第4次産業革命による雇用への影響、個人の生産性やクリエイティビティ向上を目的としたマネジメントのあり方などの研究に携わる。現在は、組織人事コンサルタントとして、人材教育や制度改革のコンサルティングなど、組織人事領域から企業の支援に取り組む。2019年3月にCCCメディアハウスより『「A4一枚」から始める最速の資料作成術』を出版。高所は苦手だがバンジージャンプは好き。

マッキンゼー流 仮説思考の一枚フレームワーク

マッキンゼー流 仮説思考の一枚フレームワーク

第1回 トップコンサルタントの仮説の持ち方
時間 45分
研修内容
  • ・仮説思考とは
  • ・仮説立ての一枚フレームワーク
  • ・仮説思考を使った問題解決
  • ・仮説を立てるときの問い
 

本授業は、少ない情報、少ない時間の中でベストの仮説を作るために、どのように情報を組み立てたら良いのかを学ぶことができます。紙一枚に書き出すことで仮説立てができるようになるフレームワークを紹介しています。

  • 人材戦略コンサルタント・ライフデザインコーチ

    科学的データをもとに、人と組織が幸せに成果を出す人材開発・組織作りをサポート。マッキンゼーなどの外資系コンサル会社などで、経営戦略、組織開発、リーダー育成プログラム開発などのコンサルティングやに従事。2001年に独立。経営幹部への戦略コーチング、チームビルディング、リーダーシップ開発を実施。一部上場企業を中心に経営者、役員、幹部に対し100名以上へのコーチング実績を持っている。 様々な研修や組織開発プログラムを通じて40,000名を超えるエグゼクティブを指導。

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07まとめ

課題発見力を発揮し企業が発展していくためには、個人の課題発見スキルを磨くことが重要です。しかしそれ以上に課題発見力が存分に発揮できる企業風土を醸成することが求められます。課題発見力に優れた人材は企業にとって貴重な存在です。大事に育成しその力を存分に発揮できる環境を整える必要があるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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