公開日:2021/12/02
更新日:2022/06/21

監査とは?企業における役割や実施の注意点について解説する

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企業が健全な運営をしているかを確認する監査には、どのような種類があるのでしょうか。本記事では、企業における監査の役割や実施の手順について解説します。企業の経営状態を確認し健全な運営の証明をする監査について、理解を深め適切な運営を行えるように準備していきましょう。

 

01監査とは

監査とは、会計処理や業務プロセスが正しく行われているかを確認することです。その監査には、内部監査、外部監査、監査役監査の3つの種類があります。企業は、ステークホルダーに対して適切な運営をしていることを証明する責任があり、この証明に監査を用います。監査には、企業の運営が問題なく行われているかを見極め証明する責任がある点で、その役割は重要です。監査を適切に受け、時には是正処置を行うことで、より健全な運営を行える企業体質を構築していきます。このように、監査とは重要な責任を伴う役割を担います。そのため、監査役となる人材の選出は慎重に行うと同時に、十分な知識を保有していることが必要です。

監査を受ける必要性

上場企業を始め、ステークホルダーに大きな影響を与えるなど一定の要件を満たす企業は、「会社監査」を受けることが義務付けられています。ただし、それ以外の企業においても株主やユーザーへ提示する証拠として監査を受ける必要がある場合があります。監査の役割は、企業経営が健全であることを証明するためです。企業として、社会的責任を果たしていること、信頼できる企業であることを証明するためには、監査をうける必要性があると判断できます。

監査を受けるメリット

監査を受けるメリットは、ステークホルダーに対して健全な経営であることを証明できることです。ステークホルダーは、自分が関わっている企業が健全な運営をしているかを知りたいものです。ステークホルダーに安心してもらうためには監査での証明を行うことが得策といえます。それ以外に、内部監査などを通じて業務プロセスの見直しや是正の必要性について判断できることも企業メリットの一つです。日常で行っている業務プロセスが、第三者の視点で見て問題ないかを確認し、盲点となっている気付きを得られる機会にもなるため活用していくべき仕組みだと理解しておきましょう。

 

02監査の種類

次に監査の種類について解説します。監査には、主に3つの種類があります。内部監査、外部監査、監査役監査となり、それぞれに内容が異なりますので、その違いについて理解していきましょう。各監査には特徴がある点を含め解説していきます。役割の違いなどを理解し、適切な監査を計画して実施していきましょう。

内部監査

内部監査とは、監査を受ける企業の内部の者(選抜された社員)が会計監査と業務監査を行う監査のことです。通常、企業内部では独立した部署や、独立した立場で法令を意識し、社内規定や業務プロセスを監査します。特に法令の遵守については、会社の運営に大きな影響を与える事柄であるため、知識を保有している人材の選抜を慎重に行う必要があります。現在では、内部監査役の役割は、監査のみではなく各部門の相談役や経営戦略の見極めなど第三者の立場でより広い範囲で業務を担当する傾向がります。

外部監査

外部監査は内部監査とは異なり、社外の人材が監査役として会計監査を行うことを示しています。社外の人材とは、一般的に監査法人、会計士が行い、ステークホルダーの保護のために監査を行います。会計監査とは、企業の会計(決算)つまり、財務諸表が正しいかを監査することです。会計監査については、会社法や金融商品取引法により受けなければいけない企業が定義されており、明朗な会計であることを証明するための監査であると理解しておきましょう。

監査役監査

監査役監査とは、法令に設置が義務付けられた監査役により行われる会計監査と業務監査でのことです。「監査役」とは、株式会社において取締役や会計参与など役員の業務を監査や監督する役割を担う人材です。対象者は株主総会で選出され、監査役会を組織します。取締役や社長などの役員の業務を監査し、適切な企業運営を行っているかを見極めることになります。

 

03内部監査の役割

次に内部監査の役割をより具体的に解説していきます。内部監査の実施には法的な義務はありません。そのため、自社をより良い組織にしたいと考える場合に実施していくと理解しておきましょう。ここでは、その役割と仕組みの特徴について解説していきますので、他の監査と比較してその違いなども理解していきましょう。

会社の不正を未然に防ぐための防波堤

義務化されていない内部監査であっても、企業内の会計処理や業務処理が適切に行えているかについて監査を行うことで、不正を未然に防ぐ役割を担います。企業における自己防衛団として、外部監査などを実施する前に行うことが一般的で、予め是正するべき箇所の発見や改善を促します。会社の運営が健全に行われるため、不正を未然に防ぐための防波堤の役割を担う部隊として活躍します。一般的に内部監査を行う部門は、企業内で選別され、裁量を持った活動を行える組織です。そのため、知りえた情報を漏えいしないことやリスク管理に関する知識を持ち合わせ、日々、法令知識の理解などを行うことが必要です。

会社の信用を維持するために自主的に行う監査

内部監査の実施や組織の構築は、法令で義務化されている訳ではありません。しかし、企業の多くが内部監査の組織作りを実施し、定期的なサイクルで内部監査を実施しています。その理由は、企業内の業務プロセスなどを適切にし業務の安定運用を実現することによる会社の信頼性強化のためです。日々の業務においては、思い込みや慣れなどにより業務の不具合には気が付きにくい傾向があります。そうした事象を、第三者の部門や視点で確認していくとが内部監査の役割です。発見された不具合については、是正通知を発行し対象部門で速やかな改善を図って行くことを繰り返していきます。その結果、今まで以上の作業効率化や精度向上、盲点の発見を行うことが可能です。内部監査役を担う組織は、法令などに精通しているメンバーばかりではありません。選抜されたメンバーは、徐々に法令の知識などを高めていきますが、誠実に業務を把握し盲点を見つける注意深さを必要としていると理解しておきましょう。

 

04外部監査の役割

次に外部監査について解説していきます。外部監査が義務付けられているのは「金融商品取引法においては上場企業および会社法第2条6号に規定される大会社」を対象に行います。外部監査の実施については株主総会によって選ばれた監査法人または公認会計士が行い、財務諸表の重要な数字について細かく確認をしていきます。監査の役割には予防と発見があります。特に、不正が行われていない企業経営に向けた予防の観点は重要です。

出典:「法律条文解説」

第三者視点で企業の誤りを予防する

外部監査は、第三者視点で企業が誤りを起こさないための予防を行います。誤りやすい所や法令改正による解釈の変更などの情報ををもとに企業内の会計処理がミスなく不正なく行われるよう指導していきます。同時に、不正が行われない仕組み作りについての助言も与え、企業経営が健全な形で運営されていく支援を行います。外部監査役には、監査法人または公認会計士でしか行えません。専門的な知識を有しているからこそ、適切なアドバイスによる予防を実現することが可能になるのです。また、第三者の視点で見る脆弱性に対してのアドバイスも適確である必要があります。常に最新の法令や規則への理解があるからこそ行える監査ともいえます。

客観的視点で企業の誤りを発見する監査

外部監査には、会計監査を第三者、つまり客観的な視点で確認し誤りを発見していきます。監査において発見された誤りは、修正を行うことができ正しい会計処理に軌道修正することが可能です。監査で発見された誤りが、全て違法とはならないためです。外部監査における会計監査においては、伝票の処理の整合性や保有資産の情報などをランダムにチェックしその正しさなどを監査していきます。チェック項目は内部監査と比べても細かく、財務諸表に不正がないかを第三者(外部)として証明するため厳格なチェックを行っていく監査です。

 

05監査役監査の役割

最後に監査役監査について解説していきます。監査役は、株主総会で選出されるため、内部監査、外部監査よりもその責任は重く、厳格な組織として監査を行う組織です。また、役員が業務を正しく不正なく行っているかを見極めるため、敵対する部署とも呼ばれることがあります。このように、最も責任を持った監査役監査には、2つの側面を持っていることを理解していきましょう。

一定期間のまとまった財務諸表の会計監査

会計監査として一定期間のまとまった財務諸表を比較し整合性や不正の有無を見極めていきます。外部監査のように日々の伝票確認などは行いませんが、各月、各年度の数字比較、一般的な財務情報との比較などを行い特別な会計処理が実施されていないかを見極める役割を担います。監査役監査では、その経営判断が正しく不正がないこと、健全な会計処理が行われていることの証明には気を配り、責任をもって対応しなければいけません。それは、監査役監査が行われる企業は、上場企業や影響が大きな企業であることだけでけではありません。不正が行われたことが発覚し、倒産などによる被害が膨大になることを防ぐ責任を保有しているためです。監査結果は、世間に大きな影響を与えることを勘案しても、その責任の重さは予測できるのではないでしょうか。

役員の監査を行う業務監査

役員の監査を行う業務監査も監査役監査の業務となります。役員つまり経営層が正しい判断をしており、不正や私腹を肥やしていないかを監査する役割は非常にデリケートな監査でもあります。決裁プロセスにおける不正、業務指示や取引に関する着服がないかなど、日常の業務遂行に問題がないかを確認し経営層が正しい判断をしているかを見極めていきます。この結果、経営が健全であること、経営層が健全な判断をしているかを評価していきます。


 

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06まとめ

本記事では、監査をテーマに内部監査、外部監査、監査役監査について解説しています。企業規模が大きくなればなるほど、監査に求められる責任は大きくなります。そのため、監査役の責務は大きく、会計をはじめとする法令の知識も求められていきます。健全な経営を行っている証明のための監査、より強固な運営を行うための監査と監査に求められるものも異なりますが、企業運営には必要な仕組みです。今回ご紹介している記事を参考に、適切な監査の仕組みを作り、企業発展に役立てていきましょう。

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