公開日:2022/01/21
更新日:2022/06/30

ハンズオンとは?M&Aや投資を行う際に必要な概念について解説する

ハンズオンとは?M&Aや投資を行う際に必要な概念について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

M&Aや投資を行う際に用いられる用語に「ハンズオン」があります。では、ハンズオンとはどういう意味を持ち特徴を持つのでしょうか。本記事では、ビジネスに用いられるハンズオンの意味やメリット、その特徴について解説していきます。ビジネスシーンで利用される用語についての理解を深め、適切な活用を行っていきましょう。

 

01ハンズオンとは

ハンズオンとは、M&Aや投資を行う際、その後のマネジメントにどの程度関与するかを示すことを指します。社外取締役などのように経営に深く関与する役割を「ハンズオン」とよび、投資先の経営陣に一任されるものを「ハンズオフ」と呼び区別を行います。ハンズオンを用いることは、企業変革がスピード感をもって実施できる特徴があるメリットを生みますが、対立が早期に顕著化するデメリットを持っている点に注意が必要です。こうしたデメリットを避けるためには、人材の入替などを行う抜本的な対策を検討する必要があるとも言われています。

企業経営に深く関わるハンズオン

ハンズオンは、経営に深く関わることは既にご紹介しています。具体的には、投資ファンドなどの出資者が投資先の企業の経営に直接関わることを意味しています。投資先企業の経営に直接意見を出したり、採決を行う権限を持つことで、経営に関わるため企業経営においては大きな役割を担うことになります。特に、企業経営の立て直しを行う場合などにおいては大きな発言力を保有する点も特徴の1つになります。

 

02ハンズオンを用いるメリットとは

次にハンズオンを用いるメリットについて解説していきます。ハンズオンを実施することで、どのようなメリットを得れるのでしょうか。ハンズオンの特徴を意識しながら、そのメリットについて解説していきます。今後、ハンズオンを実施する際には、どのようなメリットを得れるかの点について理解をしていきましょう。

スピーディな変革

ハンズオンは、出資した企業が企業経営の判断に大きな発言力を保有します。こうした発言力は、決定権にも作用し企業の変革を加速させる効果があります。企業が大きく変化をしていく際には、その決定のスピード感は重要な要素になるでしょう。素早く変革を行うためには、決断力と大きな決定権が必要です。ハンズオンでは、投資企業がこうした力を保有することで、早期な判断を実現します。企業の変革には、スピードある決断だけではなく大きな影響力も必要です。その影響力についても期待できるのがハンズオンであるといえるでしょう。

職場の監視監督

直接、経営やマネジメントに指示を出せるハンズオンでは、現場の業務管理、監視監督も行うことができます。経営が悪化している事業においては、専門的なスキルを保有した人材を投入することで、業務プロセスを変化させ効果的な業務運営に変化させます。また、不要な業務の整理や非効率な業務の見直しについても発言力を保有するため、企業全体の変化を促すことも可能です。投資企業による最適な人材の投入は、ハンズオンを有効に進め、既存業務の改善に大きな成果を促すことが可能だと理解しておきましょう。こうした動きにより、職場の監視監督力を向上させ、現在の課題を解決すると同時に継続的に効率的な業務を行える変革をもたらします。

業務サポート

投資企業の保有するスキルをもって、既存業務改善の業務サポートを実施します。業務サポートの実施により業務の見直しによる、無駄を省き生産性、精度の向上を図ります。特に、投資先の企業からスキルを持った人材が派遣されることで、高度なスキルを保有した人材による業務サポート、業務改善が期待できるでしょう。投資企業内に蓄積された業務スキルを習得できることは、自社の抱える課題を早期解決するきっかけになります。

人材の育成

新たな人材育成カリキュラムが取り入れられることは、人材育成のメリットになります。人材育成によるスキルの向上は企業経営、企業成長に欠かせない要素です。こうした人材育成については、そのノウハウが無ければ実施できません。ハンズオンを行うことで、人材育成の方法についても改善がなされ、今までにないカリキュラムでの育成が実現されます。こうした人材育成は、新たなサービスの創出や業務改善に役立つメリットになります。

 

03ハンズオンを成功させるためのポイント

次にハンズオンを成功させるためのポイントについて解説していきます。ハンズオンについて、ステップ別の実施項目を理解していきましょう。ただし、時にはステップが前後する場合もあります。こうした際には、何が優先的であるかを見極めて実施していくことにしましょう。ハンズオンを通して、企業が成長することが最大の目的となる点を忘れず実施していくことで、結果的には良策となる点を理解しておくことが必要です。

ゴール設定は明確に行う

最初に行うのは、ゴールの設定です。このゴールは、できるだけ細かく明確な内容で定める必要があります。アバウトすぎるゴール設定であれば、何を最終的な目標としているのか、その到達点が不明瞭になってしまいます。こうした目標の不明瞭を起こさないためには、指標を適確に評価できる定量的、定性的な基準で明確な判断ができるように設定します。ただし、目標が細分化されすぎないように、あくまで適切に達成、管理できるように設定しなくてはいけません。実施中にゴールが不明確にならないように注意しましょう。

事業に参画する

ハンズオンを行うためには、事業に参画し実態を知る必要があります。実施にあたって調査や計画の策定のためには、実態を知らなければ計画に沿って遂行することができず、実務に沿った判断ができない場合が出てきます。こうしたことが起きないようにするには、実務を理解し実現性を担保したハンズオンを行うことが必要です。ただし、業務の把握には時間が掛かる場合も多々あります。あくまで判断ができるために十分な現状把握をすることを理解しておきましょう。

円滑なコミュニケーションを発揮する

ハンズオンのデメリットに、意見の衝突が起きやすいことです。しかし、必ず起きるわけではありません。外部から来た人材が、意見を出すことは時には受け入れにくい提案があることを理解しておく必要があります。そして、そういた意見の衝突を未然に防ぐためには、円滑なコミュニケーションを発揮していくことが有効です。コミュニケーション力が高ければ、意見の交換も活発に行われ相互間での理解を深めることができます。こうした理解が相互間で行われると意見の衝突を防ぐことができ、より関係性を深めることにつながっていくと理解しておきましょう。

組織改革の計画を立案し実施する

組織改革は、即決してで決めれる訳ではありません。組織改革についても計画を立てて実施していくことが必要です。組織改革の目的を明確にし、その目的を達成するために必要な組織の定義を行います。その組織を実装するために必要な人材の定義、選出は至難の技です。しかし、こうしたプロセスには時間をかけ慎重に行う必要があります。こうした計画の立案後、実際に組織改革を実施していきます。組織改革の実施には、強い引率力が必要です。新しい組織を引率する人材の選定は特に慎重に行っていきましょう。引率力、マネジメント力を保有した人材を配置することができれば、目的を達成する組織作りの成功確立は格段に上がっていきます。

施内容について検証する

ハンズオンは、実際に行っただけで終了とはなりません。実際に行った内容を見直し、検証をしていく必要があります。検証を行うこと、見直しを行い軌道修正を行うことを繰り返し実施することで、より成功に近づいていきます。ハンズオンは、一度行えば全てが完了、完成にはなりません。細かい点を含めて、不具合が起きていきます。こうした不具合を調整することが必要であることを理解して、実施内容についての検証を行いましょう。

 

04ハンズオンの主な特徴とは

ハンズオンには、主な特徴が2つあります。その特徴により、実施する内容が異なる点に着目し自社におけるハンズオンをどう進めるかについて検討していきます。ハンズオンについては、企業の存続に関わる大きなテーマになるため、慎重に進める必要があります。こうした点を踏まえて、その特徴について理解していきましょう。

新事業展開型

ハンズオンには、新規事業を展開するために実施する方法があります。これが、新規事業展開型です。自社が未参入の市場や新商品の展開を優位に進めるために行うハンズオンは、自社の力だけでは簡単に進めれない場合も多々あります。こうした際に、自社の力だけではなく、買収などで取り入れる企業の力を借り目的を達成していきます。自社だけでは、市場開拓が難しい、新商品開発の技術不足などの問題点を解決することが容易になるため、大きなメリットを生んでいきます。

経営基盤型

次に経営基盤型です。これは、自社の業績や業務における課題を解決するために行う方法になります。例えば、配送業務の負荷が高く課題を抱えている場合には、その分野に強い企業との間でハンズオンを行い自社の課題解決につなげるなどです。こうした経営基盤の改善においても、自社の力だけでは不十分な場合があります。自社にはないスキルや仕組みを取り入れることで、課題解決につなげていきます。


 

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05まとめ

本記事は、ハンズオンについて解説しています。ハンズオンが持つ特徴やメリット、そして実施する方法に関するポイントを通して、自社のハンズオンについて考えてみましょう。こうした内容を予め理解しておくことで、ハンズオンを行うことに関する課題などをあらかじめ見極めることで、よりトラブルのない実装が可能になります。ハンズオンは、企業においても大きな影響を与える案件です。ぜひ、参考にして頂きハンズオンを成功させていきましょう。

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