公開日:2022/01/24
更新日:2022/09/22

evpとは?企業が重要視すべき理由を詳しく解説

evpとは?企業が重要視すべき理由を詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

evpとは、企業において従業員に提供すべき価値として近年注目を集めています。 労働に対する対価が金銭だけでよかった過去とは違い、現代では働き方改革など、企業にとって金銭以外での働く意味などを求める方が増えてきています。 本記事ではevpについて詳しく解説するとともに、なぜevpが必要なのか、具体的にevpを公開している企業の紹介など含め詳しく解説していきます。

 

01evpとはF

evpとはEmployee Value Propositionの略になり、企業が従業員へ提案、提供できる価値といった意味で用いられています。 企業を取り巻く働き方改革などにより労働者の多様な働き方が浸透し始めてきています。 転職市場の活発化など、以前の終身雇用制度などの考え方も大きく変容し、企業がevpの価値観を持たなければ優秀な人材の流出や人手不足などのリスクは年々高まってきています。 人材の確保などにおいて企業が従業員にどのような価値を提案できるのかといった点が非常に重要になっていると言えるでしょう。

 

02evpが注目される理由

evpは近年の企業の取り組みとして重要視されています。これまでは終身雇用といった慣習が一般的でしたが、近年は不確実性の時代と言われるように、人材の流動性が高くなり、優秀な人材の確保、またその定着が容易ではなくなっています。 また、以前は従業員はコストでしかありませんでしたが近年では従業員は会社を成長させてくれる資源といった考え方も理由になります。会社が従業員を選ぶ時代は終わりを迎えつつあり、現在では従業員が会社を選ぶという側面が強くなっている時代ともいえます。従業員に選んでもらうためにも、evpを高めるための考え方は必須と言えるでしょう。

働き方の意識の変化

現代の従業員のモチベーションは、以前と異なり高い給与だけでは満たされなくなってきています。 ワークライフバランスや、資格補助など従業員が会社に求める価値は年々多様化しており、金銭面以外の労働対価をどれだけ従業員に与えられるかといった、ライバル企業との差別化に注力する企業が増えています。 evpを高めるということは、従業員のモチベーションを維持することに繋がり、ひいては自社の強みとなりライバル企業との差をつけることにも繋がります。

 

03evpの具体的な設定項目例

evpを高めるということは、企業においてとても大切な行動となります。 本項目では、企業が従業員への価値の提案を行うためにいくつかの具体例を紹介します。 自社においてどのようなものを取り入れることでevpの向上に繋がるかを確認していきましょう。

キャリア形成

従業員が今後組織のなかでどのように成長、出世などが出来るのかのキャリアパスの明確化や、キャリア支援をすることも従業員や求職者にとっての大きな訴求ポイントになります。 将来性といった点は、離職理由の上位になり離職防止にも繋がります。 また、キャリアパスの明確化や支援により、自分がこの会社で働くということが将来への不安などの払拭や、未来のための働く理由に繋がっていきます。

表彰などの評価制度

従業員に対し、評者や適切な評価を行うこともevpを高める取り組みに含まれます。 公平であるということは勿論ですが、職種によって適切な評価軸を設けて実施することが大切です。例えば、定量目標を追う部署だけでなく、総務や事務などの定性目標を追う職種の従業員に対しても適切な目標を設定して評価すべきでしょう。 組織の一員としての連帯感が生まれるだけではなく、メンバー全員の承認欲求などを満たす事が可能になります。また、表彰対象になる行動や人材などを明確化することにより採用時などにも役立つでしょう。

福利厚生などの充実

給与だけではなく、福利厚生などの制度の充実も従業員にとっては重要であり、evp向上に役立ちます。 給与の向上が一番直接的な手法ではありますが、福利厚生費は非課税対象となるため節税対策にもなるため充実をさせることが推奨されます。 主な福利厚生としては、通勤手当や社宅、単身赴任の手当てや慶弔金などですが、確定拠出年金や残業時のお弁当代支給などもあります。

企業文化や風土

企業文化にそった特徴などの明文化もevp向上の取り組みに繋げることが可能です。 グローバルに事業を展開したいと考えている企業であれば、グローバル人材の募集であったり、英語などを学ぶための制度があったりするなどより具体的にイメージできます。 企業の文化や取り組みを明文化することにより、従業員だけではなく求職者などが働くイメージを想像しやすくするなど、採用面におけるメリットもあります。

 

04evpを明確化するメリット

evpを明確化する、evpを高める動きを行うことで企業から従業員へ明確に意思表示することができ、得られるメリットは多数あります。 基本的に従業員へ訴求する効果になりますが、従業員への取り組みはひいては企業の成長につながっていきます。 本項目では、期待できるメリットを3つ紹介していきます。

従業員満足度の向上

evpが明確化されている企業は、比較的従業員満足度が高い傾向にあります。 従業員満足度と、顧客満足度には正の相関関係があるということがいくつもの事例や調査などから判明しています。 理由として、現状に満足しているためモチベーション高く仕事を行ってくれるという点などが挙げられます。高いモチベーションは生産性などにつながり、より良いサービスに繋がります。従業員満足度を向上することは、結果的に顧客満足度に還元されていくのです。

採用ブランディングの効果がある

evpが魅力的な企業は、採用ブランディング効果を高め、より優秀な人材の確保を行う事が可能です。 企業の採用サイトなどに掲載を行ったり、自社でのSNS発信などを行っている場合は発信を行うことでより多くの求職者の目に止まる機会が増え、アピールを行うことができます。 また、求職者だけでもなく従業員にとっても魅力的な企業で働いているといった満足感を与えることが可能です。

社員の退職抑止

evpが明確化されている事により、従業員満足度が向上するという点に少し触れていますが、従業員の退職理由は満足度が低いことによる職場への不満などが多いと言われています。 従業員満足度が高いと社員の退職抑止に繋がります。結果的に、新規採用などの採用コストの低減だけではなく、優秀な人材に長く勤めていただくことで、より企業として成長していくことが出来ると言えます。

 

05evpを設定するための主な手順

evpはやみくもに設定をしても効果がありません。適切に効果を出すためにも、evpを設定するにあたり重要な点がいくつかありますので、本項目では4つ紹介を行います。 どれも重要な項目なので、是非確認しevpの設定に役立てていきましょう。

自社の価値の分析

evpを設定するにあたり、初めに行うことは、現状の自社でのevpに対しての現状把握になります。本件で大切な内容として、経営層や人事目線で提供しているといった点だけで終わらないように注意してください。素晴らしい制度があったとしても、従業員が認知していなければ効果がありません。 提供しているevpの確認と、従業員の認知度合をヒアリングなどを行いながら改めて整理することが必要です。

従業員のニーズの深堀

自社の価値の分析が終わり、続いて行うことは、従業員のニーズの深堀です。 従業員が自社のどのような点に魅力を感じているのか、またどのようなことを求めているのかなどを具体的にアンケートやヒアリングなどで聴取すると良いでしょう。 また、アンケートなどを行う際は忖度した意見にならないように匿名制度で行うなどの配慮を行うことで、より率直な意見が伺えます。

関連企業のevpの調査

自社での調査が終わったら次に検討すべきは関連企業がどのようなevpに取り組んでいるかの確認になります。 同じ業態の競合他社の調査を行うことで、自社との違いを再確認でき、ライバル企業との差別化を図ることが可能です。 また、業態が全く違う企業などがどのような取り組みを行っているかを調べることも、目線の多角化といった点で非常に有益ですので、企業分析の一環として行うと良いでしょう。

evpの効果測定

社内と社外の調査が終わった後は、経営層やマネジメント層、人事を含めディスカッションを行いevpを設定します。しかし、evpは設定するだけではなく、その後の効果測定が重要となります。 一度設定したevpは、従業員満足度調査(サーベイ)などを定期的に実施することで効果測定を行いましょう。設定したevpのどの項目が良かったのか、改善の余地があるのかを定期的に洗い出し、中長期的にevpを向上させる運用をしていかなくてはなりません。

 

06evpを公開している企業

evpを設定、活用されている企業は複数ありますが、環境や人材などのテーマーが企業ごとに異なっており、それらの企業の殆どはHPなどに掲載されています。 本項目では代表的な企業の公開されているevpを抜粋して一部ご紹介を行います。

マクドナルドのevp

マクドナルドは、世界中どの街でも、ベストな雇用主となるといった世界共通のビジョンの共有などを行っています。 企業の成長を支えるのは「人」といった理念のもとに、誰もが働きやすい環境を作ることに注力し、幅広い雇用やキャリア開発などに積極的に取り組んでいます。

ソニーのevp

ソニーでは人材を群ではなく個としてとらえています。 会社と社員が対等な関係を前提に、「都度、お互いに選び合い、応え合う」企業文化を大切にしており、近年ではオンラインにシフトした人材研修、従業員エンゲージメント調査などを行っており、従業員が働きやすい職場環境構築を行っています。

ファーストリテイリングのevp

ファーストリテイリングでは、「個の尊重、会社と個人の成長」を掲げています。 機会均等と多様性の推進、従業員教育と育成、従業員の健康と安心・安全な職場環境 これらを掲げつつ、社内ホットラインを設け従業員の安全性を担保したり、従業員満足度調査などを定期的に行うことで、働きやすい環境構築を行っています。


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

07まとめ

本記事では、evpの概要から近年注目されている理由からそのメリット、 また設定方法などについて解説を行いました。 近年の働き方改革などにより、企業と従業員の関係性は変化し続けています。 従業員に選ばれ続ける企業であるためにも、優れたevpの設定、そして実行は必要不可欠となります。 是非この記事を参考に、evpに取り組んでみてください。

【無料】“働きがい”の追求で実現する人的資本経営|ウェビナー見逃し配信中

“働きがい”の追求で実現する人的資本経営
 

従業員エンゲージメントを高める組織作りついてのウェビナーアーカイブです。なぜ、自律的な組織を作る上で働きがいのある環境が必要なのか。どういうプロセスを経れば働きがいのある会社を作れるのか。人的資本時代のスタンダードとなり得る働きがいのある会社と組織づくりの方法を深掘りします。

  • 登壇者:荒川 陽子 様
    Great Place to Work® Institute Japan 代表

    2003年HRR株式会社(現 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)入社。営業職として中小~大手企業までを幅広く担当。顧客企業が抱える人・組織課題に対するソリューション提案を担う。2012年から管理職として営業組織をマネジメントしつつ、2015年には同社の組織行動研究所を兼務し、女性活躍推進テーマの研究を行う。2020年より現職。

アーカイブを無料視聴する

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ