公開日:2022/01/26
更新日:2022/05/23

職務とは何か?似ている用語との違いや、職務が自身の仕事に与える影響とは?

職務とは何か?似ている用語との違いや、職務が自身の仕事に与える影響とは? | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

職務という言葉を、みなさんは何気なく利用していませんか。今回は職務とは具体的に何を指すのかということから、似ている用語との違いや、職務が自身の仕事に与える影響について解説します。

 

01職務とは?

職務とは、組織を構成する人員一人ひとりが担うべき仕事を指します。各自が与えられた仕事をこなすうえで、果たすべき「務め」と呼ぶほうが分かりやすいかもしれません。 下記では「業務」についても解説していますが、業務との対比で考えると理解しやすいかもしれません。 実作業や作業内容に言及されることが多い「業務」に比べて、「職務」はより概念的な「その仕事」や「その仕事を任務として担うこと」を指しています。 例えば人事部であれば、「採用面接」「採用要件の決定」「リクルーティング記事の依頼と確認」といった、実働内容に関わるのが「業務」です。 一方で、「人材面から会社を支える」「より良い人事活動で自社に活力をもたらし、それによって業績貢献する」といった概念的な務めが「職務」に当たるといえます。

業務との違い

それぞれの言葉との違いを見ていきましょう。まず、先程も少し触れましたが、もっとも混同しやすい「業務」との違いをご紹介します。 業務とは、給与に直結するような仕事を指します。会社で働くにあたり、役割として割り当てられたもののなかで実働する仕事を業務と呼びます。 私たちが日頃仕事をする上で、実働している内容は業務です。配属された部署や与えられた役割に基づき、それぞれが必要な業務を担当することで会社の仕事は成り立っています。単日で終わるのではなく、毎日継続的に繰り返し実施していくことが一般的です。 もちろん季節性が高い業務もありますが、仕事をしていく、もしくは会社を存続させていく上で必要な内容となっています。

職能との違い

職能とは、ある業務を全うする能力を指します。業務が日々取り組む内容だとすると、職能は業務を行う上で、その人自身がもっており、業務を遂行する上で活用している能力を指します。 日本は従来、職能給によって多くの仕事が支えられてきました。職能給は仕事内容に基づくのではなく、年次が高くなるほどに実施できる業務範囲が広くなることを前提に、年齢と共に高くなっていく給与を指します。いわゆる生涯雇用の考え方のなかでは、一般的な昇給の仕組みでした。 一方海外では職能給の考え方はないに等しく、あくまでも業務内容に基づいて適切な賃金を支払うという考え方が一般的です。 近年日本国内でも、ジョブ型用と呼ばれる職務に基づいた賃金の考え方が浸透してきています。今後、職務に基づいた職務給の考え方が普及していくことで、職能という言葉を耳にしなくなる日も近いかもしれません。

職種との違い

職務と同じく「職」が付く言葉として、職種があります。「職」が付く言葉の中では、広く多くの方が利用している言葉ではないでしょうか。 職種は、読んで字の如く職の種類を指します。職の種類とは、営業職や人事職、スタッフ職など、職の種類を分けた際に用いられます。 業務は職種によって変化する一方、職務は職種の影響を受けません。どのような職種であっても、誰もが「職務を全うしようとする努力」には取り組むことができます。 職務を全うできない理由を職種のせいにしている方がいる場合、それは誤りです。誰でもできるという職務の特徴を活かし、取り組むべきだという指導を行うのが建設的と言えます。

職責との違い

職責は、業務を行う上で生じる責任を指します。業務を行う以上、業務の大きさに関わらず責任が生じます。業務におけるやるべきことや求められている内容に対し、果たすべき責任として職責という言葉が利用されます。 業務上あらゆる内容に責任が生じますが、職責は比較的大きな責任を問う際に利用されることが多い言葉です。企業においては社長などの役職者、国会議員など、業務における責任が広く社会へ影響を与える場合、積極的に活用される言葉のため、日常業務のなかではあまり登場しない言葉かもしれません。 もちろんあらゆる場面で利用できますが、大きな責任を伴う際に利用するべき言葉として認識しておくのが適切でしょう。

任務との違い

任務とは、自己の責任を持って果たすべき務めを指します。説明だけ見ると、職務や業務と大きな差を感じにくいかもしれません。しかし任務の場合、何か業務を任命する人がいることが必須条件となります。 職務は誰に指示されることもなく、やるべきことだとすると、業務は職種に基づきある程度行うべき内容が固定されています。その点任務は、誰かが「この業務を行うことをあなたに任命します」となった際に利用される言葉のため、いち個人が自身の業務を任務として照会するのは誤りとなります。

 

02職務経歴とは

ここまで職務とそれぞれの言葉の違いを見てきました。ここからは職務を利用した言葉について、改めて確認していきます。まずご紹介するのが、職務経歴です。 従来職務経歴書は、名前の通り職務の経歴を記載していました。しかし、現在職務という言葉は「業務内容」から離れた意味で使われていいます。 職務経歴は、これまで自分が取り組んできたこと全般を指すため、転じて「業務経歴」を書くものとして現在は認知されています。職務経歴における職務は、業務と職務を融合させて記入するのが望ましいと言えます。 これまでの経験を羅列するのではなく、業務を通してどのようなスキルを養ってきたのか、さらにはどのような内容であれば能力として発揮できるのかを記載します。したがって、履歴書のような形ではなく、業務経験を通じて得たものが合わせて記載されるような内容となります。

業務内容とは異なる

業務の内容を羅列するだけでは、それは業務内容の一覧になります。あくまでも自分がどのような役割を認識し、全うしてきたのかという点までを踏まえて書くのが職務経歴です。 履歴書のようになっていないか、もしくは業務内容の羅列になっていないかを自身で確認しながら、職務経歴を記載しましょう。

 

03職務と組織の関係性

職務と組織にはどのような関係性があるのでしょうか。職務を全うすることで、組織は多くの従業員にとって働きやすい環境となっていきます。目に見えない小さな障壁は、多くの従業員が職務を全うすることで次第に解消されていくため、働きやすい環境が整っていきます。 組織を活性化したいと考える際は、業務内容や人員配置に目を向けることも大切ですが、職務を従業員それぞれが全うできる環境づくりや行動変化を促してみることが、案外効果的かもしれません。

職務が業務に与える影響

前述した「職務経歴書」のように、職務と業務は密接に関係しています。 会社に属する組織人であるならば、自らが果たすべき職務を意識しながら、一歩一歩着実に日々の業務に取り組んでいく必要があります。 小さな業務が集まることが、ひいては、より大きな職務を果たしていくことにつながっているのです。

 

04職務を大切にすることで得られるもの

では最後に、職務を大切にすることでどのようなものを手に入れることができるのか、詳しく見ていきましょう。

周囲からの評価や信頼

職務は言ってしまえば、心がけに近いものなので、やってもやらなくてもいいことだと感じている人もいるでしょう。そのような人がいるなかで、職務を全うするという姿勢は周囲からの評価や信頼獲得に繋がります。 たしかに、業務だけをこなしていても、結果は同じかもしれません。ですが、より大局的な見地に立って仕事を俯瞰するためには、ただ「業務を行っている」と考えるだけでは不十分でしょう。 それよりは、「この業務によってこの職務を果たしている」「この業務はこの職務につながっている」と認識したほうが、結果的に方向性を誤る可能性が減り、効果的な試行錯誤ができるのではないでしょうか。

周囲からの支援

信頼に足る人だという認識を得ることができれば、周囲からの支援を受けやすくなるかもしれません。周囲の人の協力があって、自身の仕事が成り立っていることを理解していない人は、周囲からの協力を得るのは難しいでしょう。 大きな仕事に取り組むためには、一人の力ではどうすることもできません。そのために周囲の協力が必要であることを十分に理解し、まずは自身が周囲の人に役立つこととして、職務を全うすることが大切です。

新たな仕事につながる可能性も

信頼を得て、周囲からの支援を得やすい人は、新しい仕事を獲得できるかもしれません。 これまでとは全く異なるような新しいジャンルに取り組む際には、この人ならやってくれるだろうという下地が無ければ依頼されないでしょう。そのための下地として、職務を全うしておくことは非常に重要なのです。


 

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05まとめ

職務という言葉は、日頃意味を意識せずに利用していた方もいるかもしれません。しかし意味を正しく理解することで、適切なシーンで言葉を利用できるだけでなく、日頃の仕事にも職務を意識した行いをすることができるでしょう。 職務に取り組むという意識で仕事をしても、すぐに大きな結果は出ないかもしれません。ですが、自発的に取り組むことができる「職務」を継続することが、自分にとっての損失になることは決してありません。 ぜひこの機会に、自身の職務との向き合い方を見直してみてはいかがでしょうか。

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