公開日:2022/01/26
更新日:2024/03/24

コンティンジェンシー理論とは?リーダーのあり方や手にできるメリットを紹介

コンティンジェンシー理論とは?リーダーのあり方や手にできるメリットを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事担当者のなかには、「コンティンジェンシー理論ってなに?」「コンティンジェンシー理論の具体的な使い方は?」といった疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、コンティンジェンシー理論の内容をわかりやすく解説していきます。ほかの理論との違いや、企業で用いる際の注意点にも触れていきます。

 

01コンティンジェンシー理論とは

コンティンジェンシー理論とは、「どのような状況にも対応しうるリーダーシップは存在しない」という考え方です。「状況適合理論」とも呼ばれ、リーダーがもつ能力に帰属するのではなく、環境の変化に応じて組織の管理方針を適切に変化させる方針をコンティンジェンシー理論といいます。

1964年にフィドラーによって提唱された

コンティンジェンシー理論は、1964年にフィドラーによって提唱された概念です。提唱された時代背景については後述しますが、リーダーシップのスタイルが組織などの状況にとって変化することが、コンティンジェンシー理論によって提唱されました。 ちなみに、フィドラーは「リーダーが組織のメンバーに支持されているかどうか」「仕事やの内容や課題が明確なものであるかどうか」「部下をコントロールする権限がどの程度あるか」の3つの状況の変化を観察し、リーダーシップの発揮しやすい環境であるかを把握できると説いています。

条件適合理論との違い

ビジネスシーンにおいて、コンティンジェンシー理論に似た意味として用いられる言葉が条件適合理論です。コンティンジェンシー理論は、状況適合理論とも呼ばれ、字面が似通っていることもあり、混同されることも少なくありません。 ただし次のような、まったく異なる定義づけがなされていることを把握しておきましょう。 コンティンジェンシー理論組織などの置かれている状況に応じて、リーダーシップのあり方を変えるという考え方 条件適合理論行動理論が示唆する内容が常に効果を発揮するわけではなく、そのうちの環境条件に適したもののみがリーダーシップのあり方として有効であるという考え方 混同されがちですが、コンティンジェンシー理論を有効活用することで、組織に合わせたリーダーシップのあり方を模索することが可能になります。

 

02コンティンジェンシー理論が誕生した背景

ここからは、コンティンジェンシー理論が誕生した背景を紹介していきます。時代の変化に対応するように、リーダーシップの考え方も変化し続けています。

従来はリーダーには共通した資質があると考えられていた

コンティンジェンシー理論の前に提唱されていた理論が、リーダーシップ資質論です。リーダーシップの資質論では、「リーダーには生まれながらに決まった資質があり、その特性は生まれながらに決まっている」と説かれていました。 ただし、身長や体格などの身体的特性や精神的特性、性格的特性や知能などにカテゴライズし、リーダーにふさわしい条件を列挙したものの、根拠のある資質の発見には至っていませんでした。

ニーズの多様化に伴いリーダーシップ論が変化した

そして、組織のあり方が変化し、組織内のリーダーへのニーズが多様化した1960年代にコンティンジェンシー理論が提唱されています。1960年代は産業が高度化した時代であり、生産技術が高まり、それによってプロセスも複雑化されていきました。 このような時代背景があり、フィドラーによって提唱されたコンティンジェンシー理論が受け入れられました。1940年代のリーダーシップ資質論では、無数にある組織の形やニーズに対応できず、3つの状況変数から状況変数を算出することで、環境のあり方を把握する考え方が必要とされたのです。

 

03コンティンジェンシー理論を人材育成に活用するメリット

コンティンジェンシー理論が提唱された時代背景を理解できたところで、人事がこの理論を人材育成に活用するメリットに触れていきます。ご紹介する内容のほかにも利点はありますが、「組織ごとに適応したリーダーを育成できる」、「組織ごとに適応したリーダーを育成できる」という2つのメリットを紹介します。

組織ごとに適応したリーダーを育成できる

コンティンジェンシー理論を人材育成に活用する1つ目のメリットは、組織ごとに適応したリーダー育成をおこなえることです。人事が育成する人材を正しく選出できることはもちろん、選出されたリーダーも好ましいリーダー像をイメージしやすくなります。 人事の目線ではリーダーの努力や取り組みだけでなく、環境に配慮したフォローをおこなえるようになることが、コンティンジェンシー理論を人材育成に活用する大きなメリットです。

 

04コンティンジェンシー理論を企業で活用する問題点

ここからは、コンティンジェンシー理論を企業で活用する際の問題点を解説していきます。コンティンジェンシー理論は、ある決まった環境でのリーダーシップを説いた理論です。そのため、変化に適応することが難しいという問題点も存在しています。

状況ごとに変化を続ける組織の管理が必要

コンティンジェンシー理論は、状況によってリーダーシップの発揮されやすいさが変化するという考え方です。そのため、状況が目まぐるしく変化する組織では、適正な管理が必要不可欠です。 客観的に把握しておきたい指標は後述しますが、まずは状況を適切に把握する必要があり、定着させるにはそれなりの時間を要することも珍しくありません。

組織にノウハウが蓄積されにくい

組織にノウハウが蓄積されにくいことも、コンティンジェンシー理論の問題点の1つです。リーダーシップのあり方を環境に帰属して模索するため、仮にうまくいかなった場合に反省点が本質からズレてしまうことも珍しくありません。そのため、コンティンジェンシー理論への理解度が、組織のノウハウのレベルに直結する点には注意が必要です。

 

05コンティンジェンシー理論を人材育成に活用する具体的な方法

コンティンジェンシー理論を人材育成に活用するためには、どのような方法があるのでしょうか?「組織全体を俯瞰する」、「多様な人材採用を実施する」という2つの方法について解説します。

組織全体を俯瞰する

1つ目の方法が、組織全体を俯瞰するというものです。リーダーシップ理論にもさまざまな種類がありますが、環境によってリーダーシップのあり方を模索するコンティンジェンシー理論では、特に組織全体を俯瞰するという方法が重要です。

多様な人材採用を実施する

 

06コンティンジェンシー理論を上手に活用する3つ指標

最後にコンティンジェンシー理論を、上手に活用するための3つの指標を解説していきます。今回紹介する「業務の難易度」「変化率の大きさ」「組織の構造」の3つの指標を用いて、適切なリーダーシップのあり方を模索していきましょう

業務の難易度

コンティンジェンシー理論を上手に活用するための、1つ目の指標が業務の難易度です。業務の難易度と聞くと、従業員のスペックやパフォーマンスに帰属すると思われがちです。しかし、単純な作業を繰り返す業務とその場での判断が必要な複雑な業務では、担当者にある程度の権限を用意しておくべきとされています。 コンティンジェンシー理論を用いてみると、単純または複雑な業務では「自由な雰囲気と作り出せるリーダーシップの適切である」という結論を導き出せます。リーダーシップには先陣を切るイメージがありますが、仕事の難易度によってあり方も変化するのです。

コンティンジェンシー理論を上手に活用するための、1つ目の指標が業務の難易度です。業務の難易度と聞くと、従業員のスペックやパフォーマンスに帰属すると思われがちです。しかし、単純な作業を繰り返す業務とその場での判断が必要な複雑な業務では、担当者にある程度の権限を用意しておくべきとされています。 コンティンジェンシー理論を用いてみると、単純または複雑な業務では「自由な雰囲気と作り出せるリーダーシップの適切である」という結論を導き出せます。リーダーシップには先陣を切るイメージがありますが、仕事の難易度によってあり方も変化するのです。

変化率の大きさ

変化率の大きさも、コンティンジェンシー理論を上手に活用するための指標の1つです。繰り返しとなりますが、リーダーシップのあり方も状況によって変化すると考えるのがコンティンジェンシー理論です。そのため、環境が目まぐるしく変わるよう状況は、その状況に対応するためのリーダー像が求められます。 そして、変化率の大きい組織では、参加型のリーダーシップが求められるとされています。報告を受け、組織の方針や意見をまとめるようなリーダーではなく、業務に参加しつつ組織を牽引していくような人材が求めれるのです。

組織の構造

コンティンジェンシー理論を上手に活用するための、3つ目の指標が組織の構造です。業務の難易度が関係する領域でもありますが、輸送部門といった組織では権限を権限を集中させるべきとされています。 そして、そのような構造をもっている組織では、リーダーの役割を明確にしておく必要があります。安定的な業務をおこなうなかで生じる問題点をリーダーが汲み取り、決断をおこなうようなフローが望ましいのです。


 

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07まとめ

リーダーシップ論にも多様な考え方が存在しますが、そんな中でも環境によってリーダーのあり方や役割が異なることを説いた理論がコンティンジェンシー理論です。コンティンジェンシー理論が提唱される前までは、役割を担う人材は生まれながらにしてその才覚をもっているとされてきました。しかし、組織のあり方の多様化に伴い、環境に適したリーダーシップ論を追及する必要が生まれたのです。組織の多様化に対応するためにも、人事担当者はコンティンジェンシー理論を参考に、自社のリーダーシップのあり方を模索してみることをおすすめします。

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