公開日:2023/10/25
更新日:2023/10/27

経営戦略とは|経営戦略の概要や作成方法・企業事例を解説

経営戦略とは|経営戦略の概要や作成方法・企業事例を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

不確実性を増す現代のビジネス環境において、企業は生き残りをかけて独自の経営戦略を策定しています。企業が持続的に発展するには、自社のビジョンや経営資源を踏まえた経営戦略を練りあげる必要があるからです。 この記事では経営戦略が重視される背景や、策定方法とフレームワーク、優れた経営戦略の企業事例を紹介します

 

01経営戦略とは

経営戦略とは、企業が目指すビジョンや経営目的を達成するための、大局的な方針のことです。将来にわたる競争優位性を確保し、成長・存続していくために企業が進むべき方向性を示すものです。 目指すべきビジョンや経営目的を実現するために、企業は経営戦略をもとに具体的な施策を講じていきます。その過程において、経営戦略が十分に従業員に浸透し実行されることで競争優位性が確保され、安定した経営につながっていくのです。

 

02経営戦略が重視される背景

変化の激しい現代のビジネス環境においては、経営戦略そのものに懐疑的な見解があることも事実です。経営戦略を策定している間に環境変化が生じ、戦略自体が意味を持たなくなってしまうと考えられるからです。 しかし、明確な戦略がなければ最適な資源配分ができず、効率的な経営はできません。変化の激しい時代だからこそ、ブレない経営をするためには確固とした経営戦略が必要です。ただ、環境変化に対応し、早いサイクルで戦略を軌道修正することが必要になっていることだけは認識しておく必要があります。

 

03経営戦略の3つのレベル

経営戦略は、その対象と単位の違いから3つのレベルに分類されます。「全社」「事業」「機能」と、それぞれの視点から3つのレベルで策定していくものです。

  • ・全社戦略
  • ・事業戦略
  • ・機能別戦略

まず全社戦略がすべての基盤であり、それをもとに事業戦略が策定されます。さらに、それぞれの事業において、個別の機能戦略が練られるという関係性です。 それぞれ詳しく見ていきましょう。

全社戦略

全社戦略とは、企業全体の方向性を示す中長期的な戦略です。基幹事業としてどの事業に注力していくか、その事業で競争優位性を獲得するための方策などが決められます。具体的には経営理念の策定や浸透、多角化が進む企業では事業ポートフォリオの策定、経営資源の再配分方針の策定などが挙げられます。

事業戦略

事業戦略とは、全社戦略を実現するために各事業部門に落とし込まれた戦略のことです。多角化を進め事業部制をとっている企業では、それぞれの事業において経営戦略を明確にすることが必要になっています。事業ごとにターゲットや、提供する商品・サービスに関する戦略を定め、資源の配分をおこない利益を最大化することを目的にしています。

機能別戦略

機能別戦略とは、各事業部門の事業戦略を実現するための施策を、機能別に定めたものを指します。機能戦略の具体例としては、マーケティング戦略や営業戦略が挙げられます。これらは、売上や利益に直結する機能戦略です。また、人事戦略や財務戦略、物流戦略など、営業活動に直結しないものも事業活動の最適化にかかわるため機能別戦略として扱われます。
 

04経営戦略の種類

経営戦略はその切り口により、さまざまです。ここでは代表的な4つの種類を紹介します。

経営戦略の種類 内容・特徴
多角化 既存事業以外に別の新規事業を展開する経営戦略。売上・利益の向上や経営資源の有効活用、リスク分散を目的におこなわれる。
差別化 競合他社との明確な優位性を打ち出す経営戦略。優位性が見込まれる市場で高いシェア獲得を目指す。
グローバル 新たな市場を求め、世界規模での事業展開・事業開発をおこなう戦略。生産拠点を人件費の低い海外に移転するなど。
コストリーダーシップ 他社が真似できない低価格を強みにシェアの拡大を図る経営戦略。企業努力によりコストを圧縮することで実現できる。
 

05経営戦略の策定方法とフレームワーク

ここでは経営戦略の策定方法と、フレームワークについて解説します。経営戦略の策定は5つのステップを踏みますが、これは一つの方向にだけ進むわけではありません。仮説と検証を繰り返し、場合によっては前のステップに戻り練り直すこともあります。 経営戦略の策定ステップは以下の5つです。

  • 1経営理念・ビジョンの策定
  • 2:外部分析
  • 3:内部環境分析
  • 4:自社の強みを導き出す
  • 5:戦略オプションの立案と資源の再配分
  • 6:戦略の実行と評価

1. 経営理念・ビジョンの策定

まずはじめに、全社戦略の基盤となる経営理念とビジョンを策定します。経営理念とは企業の目的や存在意義、価値観や哲学を普遍的な形で明文化したものです。すべてのステークホルダーに対し、企業としての姿勢や方向性を示すために明示されます。 ビジョンとは経営理念に基づいた、近い将来のあるべき姿といえ、中期的な到達点を示したものです。経営理念とビジョンが、事業戦略や機能戦略の土台となっていきます。

2. 外部分析

次のステップでは、外部要因の分析をおこなっていきます。具体的には、業界全体の市場環境や、競合他社の状況分析です。外部環境は、自社が直接コントロールできないものではあります。しかし、トレンドや市場の変化を知ることで、市場ニーズや今後の動向を把握でき、ビジネスチャンスとリスクの発見につながります。事業の成功要因を導き出すために必要なプロセスといえるでしょう。

3. 内部環境分析

次に自社の内部環境を分析します。自社の強みや弱みを整理し、事業を成功させるためのチャンスは何かを見つけ出します。自社でコントロール可能な経営資源が分析の対象です。SWOT分析などのフレームワークを用いると、自社の「強」みと「弱み」、外部要因である「脅威」と「機会」の関連性を明確化できます。事業活動を成功に導く道筋が見えてくるでしょう。

4. 戦略オプションの立案と資源の再配分

戦略オプションとは、戦略を実現するための方法のことです。経営戦略を実現するためには、あらゆる事態を想定し、それぞれに応じた課題解決の方法を定めなくてはなりません。そのため戦略オプションは、複数立案することが求められます。 同時に戦略オプションごとに、実現に必要とされる原資を再配分することもおこないます。

5. 戦略の実行と評価

経営戦略を実行に移すプロセスです。どれほど素晴らしい戦略を立てたとしても実行に移さなければ意味はありません。経営戦略の実行に不可欠なものは、従業員への浸透と実現までの計画の立案、各計画への目標の設定です。確実に実行できる体制づくりも同時におこないます。 それぞれの目標に対して必ず進捗確認をおこない、目標の達成度と成果を評価することも忘れてはいけません。

 

06経営戦略の企業事例

多くの日本企業は労働人口の減少やIT技術の発展など、急激な環境変化にさらされています。こうしたなか、外部要因と内部環境の分析を高い精度でおこない、自社の強みを活かした経営戦略を立案することは容易ではありません。 しかし、こうした環境でも、優れた経営戦略を立案・実現し、発展を続けている企業もあります。ここでは優れた事例とされる企業の経営戦略を紹介します。

  • ・株式会社小松製作所(コマツ)
  • ・富士フイルム株式会社
  • ・ファーストリテイリング(ユニクロ)

株式会社小松製作所(コマツ)

株式会社コマツ製作所は、国内でもいち早くグローバル化の経営戦略を打ち出した企業であり、現在では建機メーカーとして世界2位のシェアを誇っています。日本の建機市場が飽和状態となって、国内市場での事業成長が望めなくなり、海外への進出を決断します。海外への展開を成功に導いた要因は、ICT(情報通信技術)を自社の強みとした事業戦略の転換です。 建設機械に「KOMTRAX(コムトラックス)」という、稼働管理システムを搭載します。このシステムから得られた情報をもとに、メンテナンスのタイミングや無駄な稼働時間の有無など、ユーザーに業務改善情報を提供しています。また、「KOMTRAX」には、GPS機能も付加されており、海外で深刻化していた盗難被害の問題も解決しました。

▶︎参考:コマツHP「コムトラックス」

富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、カメラやフィルムなどの写真関連事業を中心に成長を続けていましたが、デジタルカメラの普及を機に、経営戦略の大転換を迫られます。事業基盤であったフィルム事業の売上が激減し、一時は経営難に陥りました。この難局を乗り切るために、同社はコア・コンピダンスを再定義し、新たな事業展開に向け経営資源を集中的に投下します。 同社の強みであった高度な写真フィルム技術を応用し、特殊な液晶保護フィルムを開発。この分野で独占的なシェアを占めています。また、写真フィルムの乾燥を防ぐコラーゲンの技術を応用し、化粧品をはじめとしたヘルスケア事業においてもヒット商品を生みだしています。苦境に対しゼロからではなく、すでにある自社の強みを応用し再構築、優位性を獲得しているのです。環境変化にあわせ、鮮やかな戦略変更を実践した事例といえるでしょう。

▶︎参考:長崎経済「富士フイルムの経営改革『第二の創業』」

ファーストリテイリング(ユニクロ)

ファストファッションを世に広めたといっても過言ではない「ユニクロ」は、徹底したコストリーダーシップ戦略と差別化戦略により現在のシェアを獲得しました。コスト削減の手法として、自社で企画から生産・流通・販売まで一貫して手がける「製造小売業」というビジネスモデルを採用しています。 差別化という点では、ファッションにさほどこだわりのない顧客をターゲットに「これでいい」と思わせる服を提供していることが特筆されます。流行は取り入れつつも、シンプルで割り切ったデザインの服を提供することで、大きな支持を得ているのです。

▶︎参考:ファーストリテイリングHP「ユニクロのビジネスモデル」


 

研修をしてもその場限り」「社員が受け身で学ばない」を解決!
研修と自己啓発で学び続ける組織を作るスクーの資料をダウンロードする


■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


Schoo_banner
 

07まとめ

変化の激しい社会情勢やビジネス環境のなか、企業が生き残り成長を続けるためには、時代の変化に応じ経営戦略を柔軟かつスピーディーに変革することが欠かせません。 優れた経営戦略の特徴は、今ある強みを活かしつつ新たな技術をかけ合わせることや、自社の強みを理解し徹底して追求している点にあるようです。 そして、その戦略が多くの従業員に深く浸透し、確実に実行されていることで、事業が成長し発展を続けていけるのでしょう。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
執筆した記事一覧へ

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ