公開日:2022/01/26
更新日:2023/01/18

オズボーンのチェックリストとは?使い方や上手に進めるコツを解説|活用事例も

オズボーンのチェックリストとは?使い方や上手に進めるコツを解説|活用事例も | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新たなアイデアを得る際に、できるだけ短時間に効率良く、アイデアを出したいと考えることがあるでしょう。自由に発想を広げていくほど、まとまらないということもあります。そこで、ご紹介したいのがオズボーンのチェックリストです。本記事では、オズボーンのチェックリストとは何か、使い方や進める際のコツ、改良版のSCAMPER法について解説します。また、商品開発に用いられた活用事例もご紹介します。

 

01オズボーンのチェックリストとは?

アイデアの発散技法における強制連想法に属する手法で、アイデアの内容に関する判断の前に、アイデアの質より量を求めるときに活用されます。商品開発をはじめ、企画、問題解決、改善など汎用性の高いフレームワークです。 アイデアを発想するために有効と考えられる9つの枠組みに沿って、強制的にアイデアを絞り出すためのフレームワークです。創造力の父ともいわれるアレックス・オズボーンによって考案されました。

 

02オズボーンのチェックリストの9項目

オズボーンのチェックリストには、アイデアを出すための9項目があり、テーマやキーワードに対して、9つの質問に答えることで、アイデアにつながると考えられています。ここでは、この9項目について分かりやすく解説します。

転用:他の使い道はないか?

対象そのものの形を変えずに、他のものに使えないか、あるいは何かを修正、改良することで、別の用途で使えないかを検討するための問いです。あくまでも「別の使い方」に焦点を当てて考えていきます。

応用:他からアイデアを借用できないか?

対象に類似したものがないか、過去に扱ったものや他社のアイデアを取り入れ、どのように応用できるかを検討するための問いです。似たような形状や利用法から発想を広げていきます。

変更:変えてみるとどうなる?

対象の色や形、性能などを変更できるかを、検討するための問いです。同じ対象であっても、一部を変更することでどのように印象が変わるか、あるいは新たな価値が見出せるかを考えていきましょう。

拡大:大きくしたらどうなる?

対象の大きさや長さを拡大できるかを、検討するための問いです。拡大させるのは、面積や体積、重量、強度、時間、性能に対して考えていきます。

縮小:小さくしたらどうなる?

対象を小さく、あるいは少なくできるかを、検討するための問いです。縮小させるのは、拡大にも示した、面積や体積、重量、強度、時間、性能に対して考えていきます。

代用:他に代用できるものはないか?

対象を別の素材や成分、工程などで、代用できないかを検討するための問いです。臨機応変に代用する方向で考えていきます。また、対象をそのままにして、ターゲット層を別の層に代用するのも、1つの考えです。

置換:入れ替えてみたらどうなる?

置換は、再編成、再配列とも呼ばれ、対象の要素や他のパターンに入れ替えることができるかを、検討するための問いです。置換は、レイアウトや部品、順番、用途などを考えていきます。

逆転:逆さにしてみたらどうなる?

対象の向きや順番、時間、役割を逆転できるかを、検討するための問いです。逆転の発想は、固定観念を覆すことであり、それまでとは反対の観点から考え出していきます。

結合:組み合わせてみたらどうなる?

対象に別の何かを組み合わせて、新しいものを生み出せるかを、検討するための問いです。結合は、用途や原材料について考え、もしくはサービスを結合させることで付加価値を生み出すことも含まれます。 テーマや問題を9つの質問に沿って考えるためには、これまでの常識、固定観念、習慣などを取り除く必要があります。自由な発想をするためにも、オズボーンのチェックリストを使ってみることをおすすめします。

 

03【オズボーンのチェックリスト】テンプレート使い方のコツ

ここでは、オズボーンのチェックリストを実際に使う際のコツと注意点について解説します。まず、テンプレートを入手しましょう。WordやExcel、PowerPointなどを使うと簡単に作成することができます。また、インターネット上にも無料ダウンロードやアプリがあり、いつでも入手可能です。作成の際には、以下のテンプレートを参考にしてみてください。図

対象の設定を明確に

まず、アイデアを出したい対象についてのテーマやキーワードを明確にしましょう。漠然としたイメージを対象とすると、何についてのアイデアを出せばよいのか分からなくなるためです。自社商品の改良であれば、対象とする商品サービスの概要を整理しておきましょう。そうすることで、製品との比較が容易になります。

質問項目は始めから順に答える

オズボーンのチェックリストの使い方は、設定された9項目に対して、アイデアを出したい対象のテーマやキーワードを、①転用から順に⑨結合に当てはめて、アイデアを出すというものです。そのため、各項目を分類しながら埋めるのではなく、アイデアが出なくなるまで、次の質問には進まないことを、念頭に置いてください。

ひねり出すことが大事

各項目に対して、考え込まず、強引にでも、テンポよく、アイデアをひねり出すことが大事です。その際には、質は考慮すべきではありません。どのようなアイデアであっても、ヒントになる可能性はあるためです。また、アイデアを出す時間と判断して統合する時間を、分けておくことも必要です。早い段階で判断してしまうと、斬新なアイデアに結びつかない可能性もあります。

 

04オズボーンのチェックリストを改良した「SCAMPER」とは

SCAMPER(スキャンパー)は、創造性開発研究家のボブ・エバールがオズボーンのチェックリストを改良したフレームワークです。使い方は、オズボーンのチェックリストと同じように進めます。ここでは、SCAMPERの特徴と7つの質問項目をご紹介します。

SCAMPERの特徴と具体例

オズボーンのチェックリストを7項目に整理したフレームワークです。各項目の頭文字を並べて、CAMPERと呼ばれています。なお、使い方はオズボーンのチェックリストと同様に、設定された7項目に当てはめて、アイデアを出すというものです。 独自に追加された「Eliminate」は、商品やサービスの機能や仕組みなどから、何をどの程度取り除けるかなどを検討する質問です。なお、使い方はオズボーンのチェックリストと同様に、設定された7項目に当てはめてアイデアを出すというものです。

  • ・Substitute 入れ替えたら?
  • ・Combine 結合したら?
  • ・Adapt 応用したら?
  • ・Modify 修正したら?
  • ・Put to other uses 転用したら?
  • ・Eliminate 除去したら?
  • ・Rearrange/Reverse 再編成、逆転したら?

Substitute

Substitute「入れ替えたら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・代わりに他の方法でできないか?
  • ・代わりに他のものに置き換えられないか?
  • ・代わりに他の手順でできないか?

具体的には、コストを抑えるために何か代用できるものを探す行為を指します。例えば、これまでは会員向けの案内などを冊子やチラシで配布していたものを、メルマガに代用することなどが挙げられます。また、火の代わりに熱を「代用」する加熱式タバコもSubstituteに該当します。加熱式タバコは、タバコ葉に直接火を付けずに、熱することでニコチンを発生させます。グリセリンが含まれているタバコ葉を高熱によって加熱し、ニコチンを含んだ蒸気を発生させる仕組みです。

Combine

Combine「結合したら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・〇〇と▲▲を組み合わせると?
  • ・〇〇と▲▲を統合させると?
  • ・〇〇と▲▲を混ぜ合わせると?

Combineの代表例として挙げられるのが、スマートフォンです。スマートフォンは携帯電話とパソコンが組み合わさってできたものです。最近では、電子決済など、スマートフォン×財布といったように新しいCombineも散見されるようになりましたね。

Adapt

Adapt「応用したら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・他業種、他業界のアイデアを応用できないか?
  • ・別事業のビジネスモデルを応用できないか?

Adaptの例として挙げられるのが、フィルムメーカーの化粧品です。富士フイルムはフイルムの原料を応用して、化粧品を開発し、化粧品事業に参入。結果として、事業を多角化させ、生き残りが難しいとされていたフイルム業界において、売上を拡大していくことができました。また、レインコートもAdaptの事例と言えます。ハスの葉が水をはじく撥水構造(ロータス効果)を「応用」して、レインコートが誕生したのは、広く知られています。最近では、ヨーグルトの蓋にヨーグルトが付着しない加工に応用されています。さらに、LED信号機にも応用され、雪が積もらないことで見えにくくなったり、凍りついたりすることを防いでいます。

Modify

Modify「修正したら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・形を変更することはできないか?
  • ・重さや色を変えることはできないか?
  • ・機能を変更することはできないか?

Modifyの例として挙げられるのが、安価で24時間利用することができるジムchocozap (ちょこざっぷ)です。これまでジムというとお金がかかったり、行くこと自体のハードルが高いものでしたが、SCAMPER法をのModifyを用いて、利用金額や利用方法のハードルを「修正した」コンビニジムという新しいジムの形態を確立しました。

Put to other uses

Put to other uses「転用したら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・他の用途で使えるか?
  • ・別のマーケットで活かすことはできるのか?

Put to other usesの例として挙げられるのが、蓄音機です。エジソンが発明した蓄音機は、もともと言語学習や遺言を残す機器として発売されましたが、売上が伸びず、「音楽を録音する」という用途に転用したことで広く普及しました。また、電子レンジの誕生は、「転用」の考え方に該当します。アメリカでの軍事用レーダーの研究で、マイクロ波の原理を発見し、「偶然溶けたチョコレート」から、その原理と技術を転用して、電子レンジが発明されました。

Eliminate

Eliminate「除去したら?」は次のように考えていきましょう。

  • •プロセスの一部を削除できないか?簡略化できないか?
  • ・不要なものを取り除くことはできないか?

Eliminateの例として挙げられるのが、家具メーカーのIKEAです。組み立てたり、配送することで家具の購入費用は高騰しますが、これらのプロセスを「除去」し、顧客に任せることで家具の費用を下げ、安価で商品を売ることに成功しました。

Rearrange/Reverse

Rearrange/Reverse「再編成、逆転したら?」は次のように考えていきましょう。

  • ・原因と結果を逆にすると何か生まれないか?
  • •パターンや順序を並び替えられないか?
  • ・裏返したり、逆さにすることはできないか?

Rearrangeの例として挙げられるのが、アプリ上でのタクシー料金の先払いです。これまで乗った区間の運賃を降車時に支払うのが一般的でしたが、乗り先から降り先を事前にアプリで予約し、決済まで済ませるタクシーアプリは「順序を並び替えた」Rearrangeの例と言えます。また、これまでの常識を覆すようなReverseの具体例として、インクが消えるポールペンが挙げられます。このインクには、メタモインキが使用され、ラバーで擦った際に摩擦熱が生じることで、インクが無色に変化し、消えたように見えるという仕組みです。また、マイナス10℃を下回ることで色が復活します。まさに逆転の発想です。

SCAMPER独自の「Eliminate」活用事例

既存の商品や機能や仕組みを「Eliminate」によって、絞りこむことで生み出された新しい商品やサービスをご紹介します。

特定のメニューしかない飲食店

1つの店舗で様々なメニューを提供する飲食店が多い中で、基本的に1つといったメニューが限定されている飲食店が該当します。

文字数を少なくしたTwitter

Twitterでの短文投稿は、140文字(半角の場合は280文字)以内としています。SMSの文字数制限(半角英数字)の160文字をさらに短くしたものです。

素泊まり宿泊プラン

食事のつかない宿泊プランのことで、朝・夕方の食事を削減して、宿泊代を安くしています。

SCAMPERの活用メリット

SCAMPER法を活用すれば、既存のアイデアを様々な角度から検討することができます。0の状態から考える必要がなくなるので、新しいアイデアを思いつきやすく、アイデアを量産できることがメリットです。そのため、アイデアが思い浮かばない際には効果的な手段と言えるでしょう。


 

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05まとめ

本記事では、オズボーンのチェックリストとは何か、使い方や進める際のコツ、改良版のSCAMPER法について解説しました。アイデアを考える上で、ゼロから考えるよりも、一定の制約(ルール)がある方が考えやすいものです。アイデアが浮かばないということがあれば、1人でも取り組めるオズボーンのチェックリストを試してみてはいかがでしょうか。

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