公開日:2022/03/11
更新日:2022/09/20

バックオフィスDXとは?デジタル化のメリットとポイントを解説

バックオフィスDXとは?デジタル化のメリットとポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

バックオフィスは、会社機能を維持するうえで欠かせないセクションです。業務内容は多岐にわたり、なかには煩雑で手間のかかる作業も多く存在します。 しかし、バックオフィス業務は定型化できるものも多く、デジタル技術を導入することで大幅な効率化を図る余地があるようです。 本記事では、バックオフィス業務のDX化のメリットと、推進のポイントについて解説します。

 

01バックオフィス業務とは

社内業務は「フロントオフィス業務」と「バックオフィス業務」の2種類に大別されます。フロントオフィス業務は、営業やコールセンターなど顧客と直接的なやり取りが発生する業務です。 これに対し、バックオフィス業務とは、人事・総務・経理・システム管理など、直接顧客との接点がない業務を指します。フロントオフィス業務をサポートする立場と、会社の根幹である管理を担う立場の2つの側面があります。

 

02DXとは

そもそもDXとは、デジタルトランスフォーメーションの略称で、デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容させていくことを意味します。

DXが推進される理由

DXの意義は、デジタルの力によってビジネスモデルなり、製品・サービスなりを変革することで、市場において優位性に立つことができる点にあります。また、経済産業省が2018年に発表した調査によると、企業がDXを推進できていないと、2025年以降の5年間で年間最大12兆円もの経済損失が起こると発表しています。これは「2025年の壁」と呼ばれています。世界の企業と戦っていくためにもDXの推進が必要不可欠なのです。

DXの現状と課題

企業は積極的にDXを推進しているものの、IT人材の不足などにより、テクノロジーを扱うことができるスタッフがいないことや既存システムの老朽化がDX推進の足かせとなってしまっています。また、これまで多くの企業が導入してきたSAP、Windows7といったアプリケーションのサポートが切れてしまっていたり、そのほかのシステムやアプリケーションも今後サポートを終了することが見込まれているため、システムの入れ替えが必要不可欠です。それには大きな費用が発生するので、企業は見送りを続けてしまっている状況です。以上のことから、DXは想定よりも進んでいないのが現状です。

 

03バックオフィスDXとは

バックオフィスDXとは、総務や経理、人事、法務といった企業のバックオフィス業務におけるこれまでの業務をデジタル技術を活用して変革し、企業の競争力を強化することを指します。

 

04バックオフィス業務にDX化が欠かせない理由

バックオフィス業務は、それ自体直接的に売上や利益を生み出すことはありません。 そのため、効率化を推進し、コスト削減を追求されることの多いセクションでもあります。 バックオフィス業務にDX化が欠かせないのは、こうした点に理由があるようです。

企業の中枢を担う業務であるから

人事・総務・経理をはじめとした間接部門は、会社の管理機能の中枢を担う重要なセクションです。直接的に売上や利益に貢献することはありませんが、企業としての信用を維持する責任があります。会社の屋台骨を支える存在といえるでしょう。 営業をはじめとしたフロントオフィス業務が円滑に進むためには、バックオフィスの支援が欠かせません。 こうしたことからも、バックオフィス業務のDX化を推進し、体制を強化する必要があるのです。

ミスが会社の信用問題に関わるから

バックオフィス業務の多くは、緻密さと正確さが求められます。 取引先への支払いや、従業員の給与計算などは、1円のミスも起きてはならないものです。もし、支払いが遅延することがあれば、企業としての社会的な信用を問われるでしょう。 緻密さと正確性が求められますが、作業が煩雑になりがちなのもバックオフィス業務の特徴です。正確性を担保するためには、業務のDX化は有効な施策となるでしょう。

常に効率化を求められるから

バックオフィスが、会社の信用を守る重要なセクションであることは、間違いのないことです。しかし、売上や利益に直結しないため、多くのリソースを割けない事情もあります。 そのため、常に効率化を求められるのは避けられません。 少ないリソースで、業務の正確性とスピードを追求するには、DXによる効率化が欠かせないでしょう。

 

05バックオフィスをDX化するメリット

バックオフィス業務をDX化することは、スピードと正確さの担保以外にもさまざまなメリットをもたらします。DX推進によるバックオフィスの業務効率化は、企業全体の生産性にも大きな影響を及ぼすでしょう。 以下に5つのメリットを挙げます。

業務効率化を実現できる

バックオフィス業務の内容は多岐にわたります。また、煩雑な作業も多いためデジタル化による効率化が望まれます。定型的なルーチン業務もかなりのボリュームを占めるため、自動化しやすい側面もあるでしょう。 こうした取り組みにより業務効率化が実現すれば、これまで作業に費やしていたマンパワーを、より価値を生む業務に割くことが可能になるでしょう。

コスト削減が期待できる

バックオフィス業務のDXが実現すれば、大幅なコスト削減が期待できます。 業務の自動化が進むことにより、携わる人員の数を少なくでき、人件費によるコスト削減効果が見込まれるでしょう。 しかし重要なのは人件費の削減ではなく、人的リソースをさらに有効活用できないかといった視点です。効率化により空いたマンパワーを、利益や新たな価値を生む業務に投入することも忘れてはいけません。

正確性を担保できる

バックオフィス業務は、煩雑な作業が多くミスが発生しやすい点は先にも述べました。人の手による作業では、ミスを防ぐにも限界があります。 DX化を推進し作業を自動化することで、ミスを撲滅する効果が期待できます。 会社の信用度を高めるためには、バックオフィス業務の正確性を担保することは、欠かせない要素となるでしょう。

業務の属人化が防げる

バックオフィス業務の多くは、専門性を求められることもあり、ときに属人化しやすい側面もあります。しかし、業務の属人化は、企業運営において大きなリスクとなります。 バックオフィス業務のDX化を進め、業務フローを定型化しておけば、マニュアルの整備により、担当者以外の人員でもある程度の対応が可能になるでしょう。 担当者の不在で業務が止まる恐れはなくなります。

働き方改革が推進できる

バックオフィス業務のDX化は、企業全体の働き方改革推進にも良い影響をもたらします。 業務効率化により、フロントオフィス業務へのサポートが充実すれば、営業現場の負担も軽減されるでしょう。それによりバックオフィスだけでなく、企業全体の効率化が進み、働き方改革が推進されるのです。 ワークライフバランスが充実することで、英気を養った従業員はますます良い仕事をするようになるでしょう。

 

06バックオフィスのDXに向け取り組むべき施策

バックオフィスのDX推進に向け取り組むべき施策には、どのようなものがあるでしょうか。 DX推進は現場の意見を尊重しながら、段階を追って進めるのが望ましいとされています。 まずは、従業員がメリットを実感しやすい施策から取り組むと良いでしょう。

ペーパーレス化の推進

ペーパーレス化の推進はメリットを実感しやすく、取り組みやすい施策です。 まずオフィスから紙がなくなることで、保管スペースの問題が解消します。 また、資料がデータ化されることで一元管理が可能になります。検索性が向上し、個人が所持するデバイスから「必要な資料を必要なときに、どこでも取り出せる」という理想的な状態となるでしょう。

クラウド利用を拡大

クラウド化も利便性とメリットを感じやすい施策です。 ネット環境さえあれば、時間や場所を問わず、情報の閲覧・入力・共有ができます。 例えば、クラウド上の資料を複数の従業員で同時に閲覧・編集するといった共同作業も可能になるでしょう。 ペーパーレス化と並行して取り組むことで、サインや押印のための出社がなくなるなど、リモートワークの推進にも欠かせない施策です。

RPAの活用

ペーパーレス・クラウド化の取り組みにより効果を発揮してきたら、さらに高度なDX化に踏み込むと良いでしょう。 バックオフィス業務に親和性が高い技術に「RPA」があります。 RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」のことで、定型業務をパソコン上でロボットが代行してくれる技術です。 多くの定形業が自動化されることにより、ミス防止やマンパワーの削減に大きく期待できます。

 

07バックオフィスのDX化を推進するポイント

ここでは、バックオフィス業務のDX化推進のポイントを解説します。 DX推進には実務に携わる従業員の理解と協力が欠かせません。十分に意見を尊重しつつ進めることが必要ですが、次に挙げる視点も忘れてはいけません。 DX化が的外れなものにならないために重要なポイントです。

業務課題の洗い出し

担当者へのヒアリングや、勤務状況を確認して業務課題の洗い出しをする必要があります。 まず、時間外労働が常態化していないか確認します。もしそのような状況があれば、人員数に業務量が見合わず業務負荷が高くなっているかもしれません。 また、進め方が複雑であったり、細部にまで神経を集中させなければならない業務は、ヒューマンエラーが起きるリスクがあります。 多くの人員を費やして、こなしている単純作業があれば改善の余地があるかもしれません。 こうした視点で確認やヒアリングを行い、業務課題を見つけだしていきます。

効率化する業務を選定する

業務課題の洗い出しが終了したら、どの業務を対象とするかの選定に移ります。広範囲に一斉にDX化を進めることは、費用面からも現実的ではありません。優先度の高いものからDX化を進めていきます。 優先度を決めるポイントは、重要度と発生頻度です。 ミスの発生で重大なトラブルに発展する業務は、重要度が高い業務といえます。 また工数が多くて煩雑であっても、1年に1回しか発生しない業務は優先度が低いといえます。 それよりも単純作業ではあるが毎日発生し、その都度手を取られる業務のほうを優先すべきでしょう。

ツールやサービスの導入を検討する

バックオフィスのDX化は、独自のシステムを構築すると莫大な費用がかかります。 既成のツールやサービスを導入すれば、比較的費用を抑えた導入が可能になるでしょう。 昨今では月額の定額制で利用できるサービスも充実しており、手軽に導入できる環境です。 しかし、手軽に導入できるからといって、各部署が独自にツールやサービスを導入することは避けなくてはなりません。 部門最適化にとどまり、全社的な効率化にはつながらないためです。 全社的な視点で、各部門の連携まで考慮したサービスの導入が望ましいといえます。

 

08バックオフィスDXの導入事例

バックオフィスDXのメリットや施策について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。ここでは具体的にバックオフィスDXを実現した企業について解説していきます。自社でのDX化を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

三菱地所株式会社

東京・丸の内を発信地として、オフィスや商業施設の開発・運営などを手がける総合不動産会社の三菱地所では、クラウドサインを導入し、秘密保持契約、業務委託契約など、取引先企業との契約や従業員の雇用契約書などにおける押印業務を電子化しました。押印業務は、これまでハンコを使用して実施していたことから、活用を推進していくために、社内説明会やチャットでのサポートなどを実施。これにより、業務効率化、印紙代や郵送費などのコスト削減も実現しています。また、オンラインで完結することから契約締結までのリードタイムが削減され、締結日の遅延が減っているなどの効果も出ています。

【参考記事】導入1年で数千件の契約を電子化。三菱地所が電子契約をスムーズに社内普及させた理由とは。

株式会社Gunosy

情報キュレーションアプリ「グノシー」を展開する一部上場企業の株式会社Gunosyでは、バックオフィス業務において「会計情報の視認性・速報性」「チーム内の工数削減」「会計エビデンスの検索性・保守性」などの点で課題がありました。このことから、会計ソフトのfreee会計を導入し、経理業務のDX化を実施。これにより、経理業務が大幅に効率化され、経営サイドも会計情報をリアルタイムで見ることができたり、コスト分析なども自由に行えるようになりました。

【参考記事】月250件の支払い申請業務をほぼ自動化 企業規模の拡大に伴い噴出した課題をfreeeで解消

 

09バックオフィスのDX推進が企業力を高める

企業が収益を最大化するには、営業力強化による利益拡大と、間接部門のコスト削減の両面から考える必要があります。 バックオフィスには、営業サポート機能を充実させながらも、コスト削減が求められます。そのためには、バックオフィス業務のDX化は必ず取り組むべき施策といえるでしょう。 バックオフィス業務の効率化は、企業力を高めるうえで重要な意味をもつのです。


 

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11まとめ

バックオフィス業務のDX化は、業務の効率化やミスの防止、属人化の解消など、さまざまなメリットが期待されます。企業力強化のためには、必須の取り組みといえるでしょう。 しかし、バックオフィス業務の効率化では、忘れてはならない視点があります。 効率化により捻出されたリソースを、どのように有効活用するかという点です。 バックオフィス業務のDX化を、単なる事務作業の省力化で終わらせないためには、全社的な視点で取り組むことがポイントとなるでしょう。

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  • 登壇者:金杉 祥平様
    経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)

    2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。

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