公開日:2022/03/11
更新日:2024/03/24

ラーニングエコシステムとは?機能や社内に取り込む方法を解説

ラーニングエコシステムとは?機能や社内に取り込む方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

既存の教育コンテンツを活用する仕組みである「ラーニングエコシステム」が注目を集めています。本記事ではラーニングエコシステムの意味からその機能の種類、構築方法などを解説します。

 

01ラーニングエコシステムとは

ラーニングエコシステムは、既にある社員教育のコンテンツを推進する取り組み、仕組みです。社員教育のためのコンテンツは世の中に様々ありますが、それをいかに効率的に学ばせるかが重要です。そのため、社員に向けたガイドの作成が欠かせません。また学習コンテンツは既存のものだけでなく、学習した人がさらにコンテンツを作成し、他のメンバーに共有することで新たな教材を作れます。学習から生まれるナレッジを社内で共有できるのもラーニングエコシステムの特徴です。

 

02ラーニングエコシステムが注目されている理由

ラーニングエコシステムが学習方法として近年注目されています。主な理由としては、次のようなものが挙げられます。

  • ・トレンドをリアルタイムで学べる
  • ・ITの発展により学習効果を確認できるようになった
  • ・自律学習の強化につながるため

ここでは、なぜラーニングエコシステムが注目されているのか、その背景を理解し社内で構築を検討する際に参考にしてみてください。

トレンドをリアルタイムで学べる

近年のラーニングエコシステムは、ITを活用した学習が一般的になっています。以前のようなどこかに足を運んでセミナー・講座を受ける文化はほとんどなくなり、今はPC上でコンテンツを学べます。そのため、コンテンツとして最新の情報がアップされれば、ジャストインタイムでの学びが可能になりました。業界にもよりますが現代の時代の動きは速く、一年前の情報ですら古いものとなっています。時代の流れに遅れずリアルタイムで学べるラーニングエコシステムは、社内の人材育成の手段として特性上注目されています。

ITの発展により学習効果を確認できるようになった

これまでの学習方法では、学んだことが業務に活かされたか判断するのが困難でした。インプットしたものがしっかりとアウトプットされなければ、学習に費やした時間やお金が無駄になってしまいます。その点、ラーニングエコシステムでは効果測定が可能になり、従来よりも学習効果の高い学びとアウトプットが期待できるようになりました。成果が目に見えるようになったため、社員のモチベーションにも繋がります。

自律学習の強化につながるため

ラーニングエコシステムは、学習者が自律的に学習を進めることを支援します。学習者は自分のペースで学習を進めることができるため、個々の学習スタイルや能力に合わせたカスタマイズされた学習が可能です。また、ラーニングエコシステムは学習者にフィードバックや推奨事項を提供することができるため、学習者は自らの学習目標に向かって効果的に進化することができます。

 

03社内での自律学習強化が必要な理由

ラーニングエコシステムは、社員の自律学習の推進に効果的です。今後自律学習を車内に浸透させていきたいと考えている方も多いのではないでしょうか?近年は社内での自律学習推進の動きが強まっており、その背景にはいくつか理由があります。それぞれ確認していきましょう。

組織の垣根を超えたプロジェクトの増加

一つの部署で完結する業務ではなく、他部署や他企業と共同で作りあげるプロジェクトが増えています。既に形として出来上がっているビジネスを遂行するのではなく、プロジェクトによって柔軟な対応が求められるようになりました。それに伴い、効率よく業務を進められる自律型の人材のニーズが高まっています。自律型学習の強化はこの側面から必要とされています。

多動的な業務の普及

組織を超えたプロジェクトが増えることで、異なる専門家が一つのチームに集まり、業務の遂行、目標達成が求められるようになります。そのため、個々人が自身の長所を発揮した業務遂行が一つの評価軸になりました。従来は決められたことをミスなくこなすことが評価されてきましたが、今後はより自身のスキルや能力を生かした業務が求められるため、自律学習での仕事に活用できる学びの需要が高まっています。

プロフェッショナル人材のニーズの高まり

これまでは企業理念や風土に合った人材の採用が行われていましたが、この要素に加えて事業・プロジェクトの遂行に必要な専門性を持ったプロフェッショナル人材の採用が加速しています。当然既に業務を行っている社員にも業務で生かせる専門性を持ってもらう必要があるため、効率的な学習手段としてラーニングエコシステムの構築が進んでいます。

▼自律学習について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】自律学習とは?自律型人材を育成するメリットや方法を解説

 

04ラーニングエコシステムの機能

ラーニングエコシステムは5つの機能を持ちます。これらの機能を構築することで、ラーニングエコシステムの実行が可能になります。それぞれの機能について詳しく確認していきましょう。

学習環境

コンテンツを学習できる環境の構築をまず行いましょう。学習環境の構築には、コミュニティの構築も含まれます。学んだ情報をコミュニティメンバーと共有することで、相乗効果が生まれて質の高いインプットとアウトプットが可能になります。

自律学習を推進するガイド機能

ラーニングエコシステムは自律学習の側面を持つため、学習をサポートしてくれるガイド機能が必要です。各社員によって学ぶべきコンテンツは異なるため、どのように学べばよいか悩む人が多いと思います。

業務に活用できるコンテンツ

コンテンツの質も勿論重要です。ラーニングエコシステムは、学んだことをすぐに業務に活かすことを趣旨としています。コンテンツの質が低ければ、ラーニングエコシステムを構築してもあまり意味がありません。社員にとって必要な学ぶべきコンテンツを準備しましょう。

スキルをアウトプットする環境

インプットした情報をアウトプットできる環境を事前に用意しておくと、新しいスキルや情報を身につけやすくなります。例えば、チーム内のメンバー同士でアウトプットし合える環境を作っておくと、学習の意欲・質も変わってくるはずです。学んで終わりにせず、学習効果を高められる環境を構築しておき、ラーニングエコシステムをより意味のあるものにしましょう。

継続的な学習サポート

社員の立場になり、学びやすい学習環境を提供できるようサポートするのも大切な機能です。常に必要なコンテンツが用意されている環境を作り、学びたい情報をすぐに学べるように環境構築を整えましょう。

 

05ラーニングエコシステムは自律学習の推進に効果的

自発的な学習を促せるコンテンツや仕組みのあるラーニングエコシステムは、自律学習に適していると言えます。また、ただ環境を用意するだけでなく人事部のサポートも必要不可欠です。コンテンツが用意されていても、社員の自律的な学習を促さなければ、ラーニングエコシステムの目的を果たせません。社員が求めている多様なコンテンツを用意し、常に最新の情報を学べるような環境づくりを意識しましょう。

 

06ラーニングエコシステム・自律学習の構築方法

ラーニングエコシステムや自律学習を社員に促すための構築方法について解説します。最初の仕組みづくりが肝心なので、これから環境づくりを始めようとされている方はぜひ参考にしてみてください。

①ニーズの特定

ラーニングエコシステムの構築で重要になるのが、社員の成長サイクルです。学習を始めるにあたって、まずは自分の長所は何で、何を学習すべきか知る必要があります。会社から期待されている部分を知るためにも、ニーズの特定が必要不可欠です。ニーズの特定とは、学習者が何を学びたいのか、なぜ学びたいのかを理解するプロセスです。これには、学習者の興味関心や目標、現在のスキルレベルなどを把握することが含まれます。アンケート調査や面談、インタビューなどの手法を使用して、学習者が直面している課題や関心事を明らかにすることが可能です。

②学習目標の設定

学習目標の設定は、学習者が達成したい具体的な成果や目標を定めるプロセスです。これには、短期的な目標から長期的な目標までを設定します。目標はSMART原則(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)に基づいて設定され、明確で実現可能なものにする必要があります。

③コンテンツの選定

コンテンツの選定は、学習者のニーズや目標に沿った適切な学習資源を選ぶプロセスです。これには、教科書、オンラインコース、動画、ウェブ記事、実践プロジェクトなどが含まれます。学習者の学習スタイルや好み、能力に合わせて多様なコンテンツを提供し、学習の柔軟性と効果を高めていきましょう。また、コンテンツの提供は、ラーニングマネジメントシステム(LMS)の活用が良いでしょう。LMSは、学習状況の管理や分析、他の社員との交流などが可能です。一からシステムを構築するのは時間と費用がかかるため、既にあるシステム・技術を活用した学習を行いましょう。 この成長サイクルを回していくことで、社員は新しいスキルを磨いていきます。成長サイクルを止めずに常に回っている状態を維持するのが担当者の役割です。

④アクセス手段の整備

アクセス手段の整備は、学習者がコンテンツにアクセスしやすい環境を整えるプロセスです。これには、オンラインプラットフォーム、学習管理システム、モバイルアプリなどの提供が含まれます。アクセス手段を整備することで、学習者は自宅や移動中など、自分に最適な時間と場所で学習を行うことが可能です。

⑤継続的な学習のサポート

継続的な学習のサポートは、学習者が学習を継続するための支援を提供するプロセスです。これには、定期的なフィードバックや進捗報告、学習コミュニティの活性化、メンターやコーチの支援などが含まれます。学習者がモチベーションを維持し、困難に直面した際に支援を受けられるようにすることが重要です。また、学習コンテンツの提供後は、インプットした情報・スキルをアウトプットできる環境を整えましょう。ただアウトプットさせるだけで終わらず、反省を含めて次に具体的にどのような行動をとっていくかまで落とし込むのが理想です。

⑥改善とアップデート

改善とアップデートは、ラーニングエコシステムや学習コンテンツを継続的に改善し、最新の情報やベストプラクティスに合わせて更新するプロセスです。学習者のフィードバックやデータ分析を活用し、システムやコンテンツの改善点を特定し、適切な改善策を導入します。


 

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07ラーニングエコシステムの構築ならSchoo for Business

Schoo for Businessでは約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自律学習にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自律学習の両方に対応することができるシステムになっています。

研修と自律学習を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学ぶ習慣を身につけ、自走しながら成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自律学習を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自律学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自律学習に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、自らの業務に直結した学びを社員自ら選択することが可能です。

2.Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,500本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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08まとめ

ラーニングエコシステムを社内に導入することで、社員の自律的な学習を促進でき、近年求められているプロフェッショナル人材の教育にも効果的です。 人事担当の役割は、学習コンテンツの提供だけに留まらず、社員がモチベーション高く常に新しい情報・スキルを学べる環境を構築することにあります。ラーニングエコシステムの効果を最大限高めるために、インプットしたものをチームメンバーに共有し、相乗効果を上げられる仕組みづくりを意識しましょう。

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働き方に関する制度改善を多数行ってこられた株式会社クロスリバー 代表取締役 越川慎司氏をお招きし、「残業削減ではない方法で働き方改革を行い、社員の自発性と意欲を著しく向上させ、離職率を低下させるための自律学習の制度設計」について語っていただいたウェビナーのアーカイブです。同社の調査・分析内容と自律学習の制度設計を深堀ります。

  • 登壇者:越川 慎司様
    株式会社クロスリバー 代表取締役

    ITベンチャーの起業などを経て2005年に米マイクロソフト本社に入社。業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。全メンバーが週休3日・リモートワーク・複業の株式会社クロスリバーを2017年に創業し、815社17万人の働き方と成果を調査・分析。各社の人事評価上位5%の行動をまとめた書籍『トップ5%社員の習慣』は国内外で出版されベストセラーに。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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