更新日:2026/02/13

デジタル化とは|具体例や進め方を併せて紹介

デジタル化とは|具体例や進め方を併せて紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが余儀なくされ、業務プロセスのデジタル化が一気に進みました。この記事では、デジタル化の定義・デジタル化の具体例・具体的な社内での進め方を解説します。

 

01デジタル化とは

デジタル化とは、紙の書類や音声・画像などのアナログ情報・物理データをデジタルデータとして扱えるようにすることです。これにより、情報の検索・共有・集計・分析がしやすくなり、業務の効率化や品質向上につながります。

また、より広義に「デジタル化したデータを前提として、個別の業務プロセスそのものをデジタル化していくこと」を指す場合もあります。具体例としては、請求や契約に関わるやりとりをペーパーレス化したり、商談をオンライン会議ツールで実施することなどが挙げられます。なお、経産省のDXレポート2内では、DXの段階的なステップとして前者は「デジタイゼーション」、後者は「デジタライゼーション」と呼ばれています。

加えて、日本初のDX専門研究機関の創設者である荒瀬光宏先生は、Schoo for Businessの授業『なんでうちの会社はDXしたいの?』において、DXにおけるデジタルの定義を「データを利活用できる状態」と話しています。

利活用できる状態とは、

  1. ・データを取り出せる
  2. ・パソコンやスマホで読み込める汎用フォーマットになっている
  3. ・データに価値や意味のある情報が含まれている

のすべてに合致しているものを指します。よって、単にコンピュータやシステムを導入すれば達成できるものではありません。

 

 

DXとIT化との違い

DX(デジタルトランスフォーメーション)化やIT化はデジタル化と混同されがちですが、異なります。3つの違いは次の通りです。

項目 内容
デジタル化 意味:アナログな業務やデータをデジタルに変えること
目的:生産性向上
DX 意味:ビジネスモデルをデータやデジタル技術で変革させること
目的:企業競争力向上・顧客に対しての価値向上
IT化 意味:情報技術を活用して業務効率化すること
目的:手段の置き換え(AIツールの導入・ネットワークの構築など)

DXやIT化は、デジタル化が基盤になっています。よって、DXやIT化を考えている人はデジタル化が必須です。

 

 

02デジタル化の具体例

デジタル化の具体例は、次の通りです。

  • ・経費精算
  • ・契約申請・締結
  • ・営業活動
  • ・プロモーション
  • ・会議・コミュニケーション
  • ・勤怠管理

内容ごとに見てみましょう。

経費精算

経費精算のデジタル化は、多くの企業で取り組まれています。例えば、次のような事例が挙げられます。

  • ・領収書の手打ち入力を、スキャンによる自動取り込みに変えてミスを減らす
  • ・会計ソフトに規定違反のアラート機能を設けて、不備を減らす
  • ・アプリ内で経費の申請を完結できるようにして、出張先からの申請を可能にする

経費の事前申請や現金精算などの事務作業が効率化できれば、社員・経理部門の双方で無駄を削減できます。経費精算や労務管理が全てまとまったサービスを使えば、1つのサービスで複数業務のデジタル化が可能です。

契約申請・締結

電子契約サービスを導入すると、契約書の申請や締結などをオンライン上で完結できます。印刷にかかるインク代や紙の費用・申請書類の記載・郵送書類の準備などの工数や無駄な時間を削減できるだけでなく、契約書の保管コストも削減可能です。

営業活動

営業活動のデジタル化で代表的なのが、商談におけるオンライン会議ツールの活用です。相手先に訪問する必要がなくなるため、交通費・移動時間を削減できるだけでなく、1日あたりの商談件数や行動量を増やすことも可能です。また、顧客情報をデジタルデータとして一元管理できれば、顧客のニーズや過去のやり取りの把握が容易になり、提案の質が向上します。営業活動の精度を高めたい場合におすすめです。

プロモーション

検索連動型広告やSNS広告を活用して、自社のホームページに集客する企業が増えました。BtoBでもWeb広告の活用が進んでおり、YoutubeやTiktokのような動画配信サービスを用いた広告を配信する企業も出てきています。

また生成AIの普及に伴い、AIを活用して自社のロゴを学習させたAIによる画像生成キャンペーンを展開したり、AIで生成したキャラクターがPRする施策を行ったりする企業もあります。デジタル化は社員の労力を抑えながら、プロモーションしたい場合にも向いています。

会議・コミュニケーション

新型コロナウイルスを契機に、オンライン会議ツールが普及し、会議のデジタル化が急激に進みました。さらに近年では、生成AIの発展により会議の内容を自動で議事録にまとめてくれる機能なども付与され、議事録の作成業務も同時にデジタル化されています。

また社内のコミュニケーションにおける基盤として、ビジネスチャットツールを導入している企業が増えています。スタンプで返答できたり、AIが返信文を提案してくれたりするツールもあるため、返信文の作成時間を減らせます。また、ビジネスチャットツールであれば、どのような会話をしているか社員が閲覧できるので、情報の透明化にも役立つでしょう。

 

勤怠管理

かつて勤怠管理は、タイムカードや紙への手書き記入など、アナログな方法が主流でした。一方近年は、勤怠管理システムへのPC・スマートフォン打刻やICカードによる打刻が普及し、必要に応じて入退室データなども照合しながら、勤務状況を記録・集計する企業が増えています。このデジタル化は、労務管理にかかるコストの削減に大きく役立っています。また、有給の取得日数や残業時間などをツールで簡単に管理できるため、法令に準じた運用が行いやすくなりました。


 

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03デジタル化のメリット

デジタル化のメリットは、次の通りです。

  • ・ハイブリッドワークの推進
  • ・情報管理の効率化
  • ・業務の自動化
  • ・新規サービスの創出
  • ・BCP(事業継続計画)の強化

それぞれ見てみましょう。

ハイブリッドワークの推進

近年は、少子高齢化を背景とした人手不足への備えなどから、柔軟な働き方ができる組織作りが注目されています。そこで効果的なのが、リモートワークなどを取り入れ、個々の事情に合わせた働き方の選択肢を用意することです。さまざまな選択肢があれば、例えば育児や介護などの事情で働き方に制約が生まれても、退職せずに働き続けられる可能性が高まります。

しかしリモートワークやハイブリッドワークの制度を成立させるには、クラウドストレージの構築や電子署名ツールによる契約のオンライン化といった、業務フローのデジタル化が不可欠です。また、チャットツールやオンライン会議の活用など、コミュニケーションのデジタル化も重要です。このように、デジタル化は柔軟な労働環境の整備と密接な関係がある取り組みに位置づけられます。

情報管理の効率化

アナログからデジタルへの移行を進めることは、情報管理の効率化に直結します。前提として、情報管理には「情報を探す・共有する・保管する」の3つの役割があります。アナログ情報をデジタル化することは、このそれぞれに役立つのです。

例えば、紙の資料をスキャンしてOCRで取り込めば、サーバー上で検索できるため「探す」手間を削減できるでしょう。加えてクラウドストレージで情報を一元化すれば、リアルタイムでの情報共有が可能です。さらに、紙の資料と比べて保管スペースもコンパクトになるため、場所をとらずに済むというメリットもあります。

業務の自動化

デジタル化による業務の自動化は、人が行う必要のない業務をテクノロジーに委ね、創造的な仕事に集中できる環境を作ります。具体的には、様々な活用シーンが想定できます。

例えば、有人対応をチャットボットによる自動応答に切り替えれば、24時間365日の自動カスタマーサポートが可能です。加えて、商談の調整を予約システムと連携させ、顧客がカレンダーから直接予約できる状態にすれば、商談日程の調整に関するメールは不要です。その他、これまで上司が行っていた定期面談をパルスサーベイで実施すれば、面談時間の削減になるだけでなく、定量的な人事データを蓄積することにもつながります。

新規サービスの創出

デジタル化は、ただ便利になるだけでなく、従来のビジネスモデルを変革し、新しいサービスや価値提供方法の創出を可能にします。

例えば、Netflixなどの動画配信サービスやSpotifyなどの音楽配信サービスは、映像データや音声データのデジタル化によって成立しています。また、医療機関のオンライン診療といったビジネスモデルも、予約や診察といった業務のデジタル化がなければ成立しません。

加えて業務オペレーションやサービスがデジタル化されると、アナログ時代と比べて多くのデータを収集することができるようになります。膨大なデータの解析によって示唆を得ると、サービスの品質改善にも役立てられます。

BCP(事業継続計画)の強化

デジタル化は、企業のBCPの強化にも寄与します。従来の物理的な業務プロセスや文書管理から、デジタルプラットフォームへの移行により、業務の柔軟性と効率性が向上します。例えば、クラウドを活用するとリモートワークや分散型の作業が可能となり、自然災害やその他の予期せぬ事象による業務の中断を軽減できます。データやシステムがオンライン上に保管されるため、データのバックアップや復旧も効率良く行えるでしょう。

さらに、デジタル化によってデータの可視化やリアルタイムの監視が可能となり、業務プロセスの進捗状況やリスク要因を把握できます。結果、問題が発生した際に早急な対応が可能となり、事業を継続させやすくなるでしょう。

▼BCP(事業継続計画)について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】BCPとは?現在の実施状況や策定のステップを解説|業種ごとの取り組みも紹介

 

04デジタル化の導入前に確認したいポイント・注意点

アナログ文化だった社内で、デジタル化を推進するにはハードルがあります。導入前に確認したいポイントや注意点は次の通りです。

  • ・業務を洗い出してリストアップする
  • ・現場の課題を把握してからツールを決める
  • ・ビジョンを策定する

業務を洗い出してリストアップする

デジタル化は幅の広い概念であるため、やみくもに進めても高い効果を得られない可能性があります。そのためまず取り組むべきは、社内業務を洗い出してリストアップすることです。ここでの目的は、「デジタル技術との親和性が高い作業」を抽出することです。

リストアップする際は、デジタル化の難易度とインパクトを整理することも重要です。これにより、取り組む時の優先度が明確になり、投資判断がしやすくなります。

現場の課題を把握してからツールを決める

デジタル化の推進にあたってツールを導入することはよくありますが、それ自体が目的となってしまうと、現場で使われずコストが無駄になってしまうこともあります。これを防ぐには、現場における課題や困りごとを正確に把握し、「どの業務を改善すれば一番コストに見合う効果が出るか」を見極めた上で、ツールを選ぶことが大切です。

業務オペレーションの変更は少なからず、現場に負担のかかるものです。現場の課題解決に役立つツールを導入すれば、積極的に活用され、移行もスムーズに進む可能性が高まります。

ビジョンを策定する

デジタル化を成功させる鍵は「ビジョン」を明確にすることです。ここで言うビジョンとは「デジタル化によって、自社の働き方や事業をどう変えていくか」という指針を指します。

近年、多くの企業がDX推進やデジタル化を課題に掲げています。そしてこれらの目的は、経営戦略の実現や企業の成長促進です。そのため、これら経営としての方針を土台にデジタル化を進めなければ、例えば領収書のスキャンやOCR取り込みなどの局所的な対応に留まり、大きな生産性の向上は達成できない可能性があります。

一方、明確なビジョンがあれば、そこから逆算して「本当に必要なもの」を見極めることが可能です。加えて、導入後の想定しておくべき例外についても、現場の意見が尊重されている状態であれば、柔軟に対応できます。

導入に慎重な社員の意見を汲み取る

デジタル化には、業務オペレーションの変更などさまざまな変化が伴います。そのため導入に慎重な意見が出ることもあるでしょう。この時重要なのが、反対意見を無下にせず、よく話を聞くことです。

反対意見の中から、システム設計者が気づかない実務上の欠陥や想定しておくべき例外などを発見できることもあるでしょう。懸念を要件定義に反映させれば、運用後のトラブルを減らせる可能性があります。

また全て要望に答えられずとも、丁寧なヒアリングをすることで、相手に「自分の声が尊重されている」と前向きな感情を与えられるかもしれません。デジタル化は利用者の活用があってこそ最終的な目的が果たせるので、関係者の納得を得ながら進めることが大切です。

 

05社内でのデジタル化の進め方

社内でデジタル化を進めるステップについて、工程別に紹介します。

  • 1.現状の課題分析
  • 2.使用するシステム・ツールの検討
  • 3.研修やチューニングの実施
  • 4.デジタル化導入による効果測定

1.現状の課題分析

デジタル化に着手する前に、まずは自社の課題を分析する必要があります。分析は、次の4つの視点から業務の中身をチェックすると良いでしょう。

  • ・業務プロセス:「誰が・いつ・何を」しているかを分解し、プロセスの全体像を正確に把握できているかをチェックする。
  • ・リソースの浪費(ムリ・ムラ・ムダ):特定の人に負荷が集中していないか、時期によって作業量に極端な偏りがないか、慣習化した不要な工程が残っていないかをチェックする。
  • ・コストの可視化:その作業に「何時間」の工数を費やしているかを定量的に計測する。
  • ・ミスや不備の発生率と対応コスト:ヒューマンエラーによるミスの発生割合を特定し、その修正にかかっているコストを算出する。

課題を分析したら、それらに対して優先度を設定していきます。優先度は、デジタル化したときの改善インパクトの大きさと、実施コストのバランスを見て決定します。

2.使用するシステム・ツールの検討

取り組む課題が明確になったら、その課題を解決できるシステムやツールを選定します。選定ポイントは「社員が使いやすいものか」「課題の解決に繋がるか」です。費用対効果が高く、自社に合うツール選定ができるでしょう。

また、セキュリティの視点も重要です。デジタル化は業務効率化を促進しますが、不正アクセスなどによって情報が外部に漏れてしまうリスクもゼロではありません。新しい業務プロセスで起こり得るリスクを検証し、あらかじめ対策をしておくことが求められます。

3.社員のデジタルリテラシー向上

新しいシステムやツールを導入する際は、社員への研修やトレーニングも重要です。正しい使い方を身に付けさせることでデジタル化の効果が高くなったり、リテラシーの向上に繋がるためです。

また、運用を通じてシステムのチューニングや改善を行い、最適な状態に調整することも大切です。加えて社員のセキュリティに対するリテラシーの向上を目的とした教育も必要となるでしょう。

4.デジタル化導入による効果測定

ITツールやクラウドサービスの導入後は、効果測定も大切です。デジタル化は一度で終わりではありません。デジタル化の浸透までに時間がかかる企業もあります。「定量的指標・定性的指標・業務プロセスの改善率」などの指標を活用すると、効果測定しやすくなるでしょう。

 

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07まとめ

業務の効率化・簡略化・自動化において、デジタル化は現代の企業において必要不可欠の対策です。デジタル化推進におけるポイント・注意点を確認した上で、正しいステップでITツールやクラウドサービスを導入し、費用対効果の高いデジタル化を実現しましょう。

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    経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課 課長補佐(企画)

    2006年に経済産業省に入省。過去には、再生可能エネルギーの推進、家電製品の安全基準の整備、電気事業制度のルール整備、福島第一原子力発電所の廃炉推進に従事し、2021年5月から現職。情報技術利用促進課では、地域企業・産業のDXの実現に向けて、デジタル人材の育成を推進するため、デジタル知識・能力を身につけるための実践的な学びの場を提供する「デジタル人材育成プラットフォーム」の制度設計を担当。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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