公開日:2023/09/20
更新日:2023/10/13

完遂力とは|組織を強くする完遂力の高い人材の特徴を解説

完遂力とは|組織を強くする完遂力の高い人材の特徴を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「完遂力」とは、「物事を最後までやりきる力」「最後まで諦めずに成し遂げる力」のことです。完遂力の高い人材が多く所属する組織は、目標達成に向け最後まで諦めず、粘り強く取り組むため、目覚ましい成果を上げることが期待できます。 この記事では、組織を強くする「完遂力の高い人材」がもつ特徴や、完遂力を高める方法を解説します。

 

01完遂力とは

完遂力(かんすいりょく)とは、物事を責任をもって最後までやり抜く力のことで、ビジネスパーソンにおいて必須のスキルといえます。与えられた仕事を投げ出さず最後までやりきることが責任と役割を果たすことであり、この積み重ねが信用につながるためです。 数値目標がある仕事において、完遂力の高い人材は99.9%の達成を「良し」とはしません。100%の達成以外は「未達」でしかなく、目標必達を目指し最後まで全力で取り組みます。こうした人材が多く所属する組織は、成果を上げやすい体質となり、業績の向上が見込めるのです。

 

02完遂力の類語や言い換え

完遂力には、よく似たニュアンスをもつ類語や言い換え表現があります。ここで整理しておきましょう。

  • ・行動力
  • ・実行力
  • ・職務遂行能力

などが挙げられます。

完遂力は、目標達成に向けた「強い気持ち」「執着」というように、心構え(気合い)のニュアンスが強く表れます。そのほかの類語・言い換え表現は、微妙にニュアンスが異なるのでそれぞれ解説していきます。

行動力

行動力とは、「自らの考えを実行に移せる力」のことです。「目標達成を強い気持ちで目指す・やりきる」ではなく、目の前で起きている現象に対し、すばやく行動を起こせるといったニュアンスが強くなります。「フットワークの軽い人」といった印象でしょうか。 アイデアが思い浮かぶと、その実現のために「すぐに行動を起こす」ことが行動力です。

実行力

「実行力」は、行動力と比べると「目標達成に向けた行動」のニュアンスが強く、完遂力に近い言葉です。完遂力が執着や気合いなど「気持ち」に焦点が当たるのに対し、実行力は「計画に基づいた取り組み」を進めていくといったニュアンスが強くなります。 目標達成に向け、計画を順調にこなしていく力といったところでしょうか。

職務遂行能力

「職務遂行能力」は、仕事を進めていく上で必要な「能力」のニュアンスが強くなります。 資格などの限定的なスキルもそうですが、もう少し広い意味でも用いられます。どのような仕事にも共通して必要な、普遍的な能力ともいえるでしょう。 たとえば、チームを率いるリーダーシップをはじめとしたマネジメント力、周囲と円滑に仕事を進めるコミュニケーション力なども職務遂行能力と考えられます。

 

03完遂力が高い人の特徴

責任をもって担当する仕事を「やりきる」完遂力の高い人材が揃えば、組織としての高い成果が見込め、業績も向上し続けます。完遂力の高い人材を採用・育成するためには、その特徴を理解しておかなくてはなりません。

  • ・責任感が強い
  • ・当事者意識が高い
  • ・ストレス耐性が高い
  • ・目標に対してコミットする意識が高い

完遂力が高い人材は、おおむねこうした特徴を兼ね備えているようです。以下で詳しく見ていきましょう。

責任感が強い

どのような仕事でも最後までやり遂げる人物には、強い「責任感」があります。自分の仕事の結果は自分自身に全責任があると常に考えているため、中途半端な状態で終わらせることはまずありません。 責任感が強い人物には、安心して仕事を任せられます。しかし、責任感が強すぎる場合は、すべてを自分で背負いこんでしまうこともあるため注意が必要です。適宜、報告を求めるなどすると、仕事を任せる側・任される側、双方が安心して仕事を進められるでしょう。

当事者意識が高い

完遂力の高さは、当事者意識の表れでもあります。当事者意識とは物事に対して「自分の責任」と捉え、主体的に働きかけをする意識のことです。 当事者意識の高い人は、任された仕事はもちろん、仕事で生じるさまざまな出来事に対して「他人任せ」にすることはありません。「自分のこと」として捉え、最後まで責任をもってやり遂げるのです。

ストレス耐性が高い

完遂力の高い人は、ストレス耐性が高い傾向にあるようです。物事を最後までやり遂げるには、さまざまな困難がつきまといます。困難は、ときに大きなストレスとなるでしょう。 完遂力の高い人は、こうしたストレスに打ち勝って困難を乗り越える経験を多くしています。結果としてストレス耐性が高くなり、困難な仕事にも果敢にチャレンジし、最後までやり遂げることができるのです。

目標に対してコミットする意識が高い

目標に対してコミットする意識が高いのも、完遂力が高い人の特徴です。コミットとは「積極的に関わる」「責任をともなう約束をする」という意味でつかわれる言葉です。 完遂力の高い人は、目標達成に対する意識が高いため、達成に向けた努力を惜しみません。途中で諦めることなく、期限の最後まで手を抜かず達成に執着します。その結果、高い頻度で目標を達成し、組織に貢献してくれる人物となるのです。

 

04やり抜く力「グリット」と完遂力

近年、日本のビジネスシーンでもよく聞かれるようになった、「グリット」という言葉があります。完遂力と類似した概念で、「やり抜く力」「粘る力」と定義されています。困難にもめげない「闘志」「気概」「気骨」といったニュアンスもあり、社会的な成功者が共通してもつ心理特性として注目を集めているようです。

グリットを構成する4要素

グリットは生まれもった才能や知能とは関係なく、臆せずチャレンジすることや、粘り強い努力により身に着けられるものとされています。 その構成要素として挙げられるのは、以下の4点です。

「ガッツ」は困難に立ち向かう気概、「レジリエンス」は失敗にもめげない粘り強さやしなやかさです。「イニシアチブ」は目標を自ら定め取り組む力、「テナシティ」は目標を何が何でも達成するといった強い気持ちを指します。 この4つの要素が、成功者がもつ共通した特徴として注目を集めているのです。

  • ・Guts(度胸)
  •     
  • ・Resilience(復元力)
  • ・Initiative(自発性)
  • ・Tenacity(執念)
 

05社員の完遂力を高める方法6つ

完遂力の高い人材は、困難な仕事にも果敢にチャレンジし、目標達成に向け執着をもって取り組みます。こうした人材を多く育成した企業は、組織としての強靭さを手に入れ、大きな発展が見込まれるでしょう。 ここでは、社員の完遂力を高める6つの方法を解説します。

  • ・ストレッチ目標の設定を習慣化する
  • ・目標管理制度(OKR)を取り入れる
  • ・チャレンジが称賛される風土を醸成する
  • ・メンター制度を導入する
  • ・中長期の経営計画やビジョンを周知する
  • ・レジリエンス強化研修を実施する

詳しくみていきましょう。

ストレッチ目標の設定を習慣化する

「ストレッチ目標」とは、「もう少し頑張れば実現できる程度の難易度で設定した目標」のことです。今の背丈では届かないが、精一杯背伸びすれば「なんとか届く」といったイメージです。 達成には相応の努力が必要なため、努力のプロセスで成長が見込めます。ストレッチ目標の設定と達成を繰り返すことが成功体験となり、自信を深めることで最後までやり抜く姿勢が定着するのです。

目標管理制度(OKR)を取り入れる

OKRをはじめとした目標管理制度を導入することも効果的です。OKRでは「ムーンショット」と呼ばれる、「60%~70%の達成で成功」とするような高い目標を設定します。容易には達成できない高い目標を共有し、社員が連携して達成を目指すのです。 個人の成果が組織の成果に直結するため、OKRが機能し始めると社員一人ひとりに責任感や当事者意識が自然と芽生えてきます。こうした意識の変化が、個々の人材の完遂力を高めることにつながるのです。

チャレンジが称賛される風土を醸成する

チャレンジのない組織は、大きな成長が見込めません。積極的なチャレンジが称賛される組織風土であれば、多くの社員は自発的にアイデアを出し、新たな取り組みが活発化していくでしょう。 自発的なチャレンジには、責任がともないます。自分の意思で取り組んだことは、何が何でも成功させたいと考えるものです。粘り強く取り組む姿勢につながり、完遂力を高めるでしょう。

メンター制度を導入する

メンター制度の導入も有効な手法です。メンターに据えるのは、完遂力・グリットの高い人材であることはいうまでもありません。グリットの高い人材がメンターとして、多くの社員と関わりをもつことで、周囲を感化できるでしょう。 時間はかかるかもしれませんが、メンターに感化された人材が、また周囲を感化していくといったよい循環が生まれる手法でもあります。

中長期の経営計画やビジョンを周知する

組織としての経営計画やビジョンを、経営層が積極的に発信し浸透を図ることも有効です。そのプロセスで、組織目標の達成のために、個人も高い目標を掲げる必要性を理解してもらいましょう。そして、その目標を達成した先にある展望も、具体的にイメージしてもらいます。 意義を感じる目標があり、達成した先の「より良い未来」に展望が開けていれば、モチベーションを継続できます。目の前の目標に対する意識も違ってくるでしょう。

レジリエンス強化研修を実施する

仕事をするなかで「心が折れる」経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。そのような状態から立ち上がり、また力をふり絞るために必要なのが「レジリエンス」です。「回復力」や「しなやかさ」を意味する言葉で、レジリエンスの高い人はミスや失敗、困難にめげずやるべきことをやり抜きます。 レジリエンス力を高める社内研修を実施し、社員が困難に負けない強いメンタルを育むことができれば、組織としての完遂力を高められるでしょう。


 

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06まとめ

完遂力の高い社員を育成することは、業績の向上につながるだけでなく、組織そのものを強靭に鍛え上げることにつながります。個々の社員は強いメンタルをもち、困難に打ち勝つなかで成長し、成功体験を積み重ねていきます。まさに組織として理想的な状態といえるでしょう。 完遂力をキーワードに、人材育成に取り組むことは、長期的な視点で有効な施策です。ぜひ取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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