更新日:2025/07/29

新入社員のオリエンテーションはどう行うべき?手順と研修方法を紹介

新入社員のオリエンテーションはどう行うべき?手順と研修方法を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新入社員のオリエンテーションでは、会社の理念や制度、業務の流れ、職場での立ち振る舞い、ビジネスマナー、コミュニケーションの基本など、社会人としての第一歩を踏み出すための重要な知識やスキルを学びます。研修は実施するタイミングも成果に直結し、単にビジネスマナーを伝えるだけでは不十分です。これから新入社員研修を実施したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

01オリエンテーションとは

オリエンテーション(orientation)とは、英語で「物事の進路や方針を決める」という意味の言葉です。また転じて、入学や入社等新たに何かを始める人々に対して提供される基礎トレーニングという意味もあります。日本でよく使われるオリエンテーションとは、「新入生や新入社員が新しい環境に適応できるように教育、指導すること」を差すケースが多いです。

 

02新入社員にオリエンテーションを行う目的

新入社員にオリエンテーションを行う目的は、以下の通りです。

  • 自社に対する理解促進
  • 同期・先輩社員との人間関係の構築
  • 配属までの流れを周知

オリエンテーションは、新入社員が会社や業務への理解を深め、人間関係を築きながら職場に円滑に適応するための重要な機会です。また、配属までのスケジュールや流れを事前に把握することで、不安の軽減と行動の明確化につながります。結果として、入社後の早期活躍や定着率の向上にも寄与します。

自社に対する理解促進

新入社員はまず、自社の歴史・理念・事業内容・組織構造などの全体像を理解する必要があります。オリエンテーションを通じて、会社が何を目指し、どのような価値を社会に提供しているのかを明確に把握できます。これにより、自分の業務が組織全体のどこに位置し、どのように貢献できるのかが見えやすくなります。早い段階で企業文化や価値観に共感し、行動指針を共有できることは、長期的な定着とモチベーション維持に大きく影響します。

同期・先輩社員との人間関係の構築

入社初期は職場環境や業務内容以上に、人間関係の形成が適応度を左右します。同期との交流は、同じ立場で支え合い、悩みを共有できる心強い関係を築くきっかけになります。また、先輩社員との接点を通じて職場の雰囲気や暗黙知を学びやすくなります。オリエンテーションでの交流は、その後の職場コミュニケーションの基盤を作り、チームワークや協働意識の醸成に大きく貢献します。

配属までの流れを周知

新入社員にとって、配属までの具体的なスケジュールや研修内容が不明確だと、不安や戸惑いが生じやすくなります。オリエンテーションでは、入社後の全体スケジュールや評価基準、研修の段階的内容を事前に説明することで、安心して準備を進められます。これにより、各研修で何を習得すべきかが明確になり、自己学習や行動計画も立てやすくなります。結果として、配属後の業務適応がスムーズに進み、早期の戦力化につながります。

 

03新入社員オリエンテーションで教える内容

新入社員オリエンテーションで教える内容は以下の通りです。

  • ・ビジネスマナー
  • ・報連相
  • ・企業理念
  • ・組織編成・制度・規則
  • ・事業内容
  • ・コンプライアンス

新入社員オリエンテーションでは、社会人としての基本姿勢から企業理解まで幅広い内容を扱います。ビジネスマナーや報連相など日常業務に直結するスキルに加え、企業理念や事業内容、組織制度や規則、コンプライアンスまでを体系的に学ぶことで、新人が早期に職場に適応し、組織の一員として主体的に行動できる基盤を築きます。

ビジネスマナー

ビジネスマナーは、社会人としての信頼を築くための基礎です。新入社員には、身だしなみやあいさつ、敬語、名刺交換、電話・来客対応など、日常業務で必須となるマナーを指導します。また、時間厳守や約束の遵守、職場での立ち居振る舞いといった基本的な行動規範も合わせて教えることで、社内外からの信頼を得られる社会人としての土台を築きます。マナー研修は、単なる礼儀作法の習得ではなく、仕事に対する姿勢や責任感を醸成する場でもあります。

報連相

「報告・連絡・相談(報連相)」は、組織で円滑に仕事を進めるための必須スキルです。新入社員には、適切なタイミングと方法で情報共有を行う重要性を理解させます。報告では事実を正確かつ簡潔に伝える力、連絡では関係者全員への周知徹底、相談では適切な判断を仰ぐ姿勢を身につけることが目的です。報連相を習慣化することで、トラブルの未然防止や業務効率化につながり、信頼関係の構築にも大きく寄与します。

企業理念

企業理念は、会社の存在意義や価値観を示すものであり、社員の行動や判断の指針となります。新入社員には、自社の理念やビジョン、行動指針を理解してもらい、日常業務に落とし込む意識を持たせます。理念を共有することで、社員一人ひとりが同じ方向を向き、組織全体の一体感を高められます。単に覚えるだけでなく、自らの役割や行動が理念とどう結びつくかを考えさせることが重要です。

組織編成・制度・規則

会社の組織図や部署の役割分担、報告系統などを明確に伝えることで、新入社員が自分の立ち位置を理解しやすくなります。また、就業規則や福利厚生制度、評価制度、安全衛生規定なども周知し、職場での行動ルールや権利・義務を明確化します。これにより、不安や誤解を防ぎ、組織の一員として適切に振る舞えるようになります。

事業内容

自社の事業領域や提供する製品・サービス、取引先、業界内でのポジションを理解することは、新入社員が業務に主体的に取り組むための前提条件です。市場環境や競合状況、今後の事業方針についても説明することで、業務の背景や目的を理解しやすくなります。これにより、日々の仕事と会社の成長戦略とのつながりを意識できるようになります。

コンプライアンス

コンプライアンスは、法令遵守や企業倫理の確立を意味します。新入社員には、労働法や個人情報保護法など業務に関連する法令、ハラスメント防止や公正取引といった倫理面のルールを教えます。違反が企業の信用失墜や法的リスクにつながることを理解させ、日常業務で常に遵守する意識を持たせることが重要です。コンプライアンス意識を早期に植え付けることで、健全な組織文化の形成につながります。

 

04新入社員オリエンテーションを実施するタイミング

新入社員オリエンテーションを実施するタイミングは、一般的に以下の2つが想定されます。

  • ・内定式後
  • ・入社式当日

内定式後に実施する場合は、入社前から会社の方針や業務内容を理解でき、配属前の不安軽減やモチベーション向上につながります。ただし、早い段階で参加者や関係者の日程調整が必要になり、準備負担が増える点は注意が必要です。一方、入社式当日に実施する場合は、式典と連続して進められるためスケジュール管理が容易で効率的です。しかし、新入社員研修や他の行事と重なることで過密な一日になる恐れがあり、情報過多や集中力の低下を招かないよう進行計画に配慮する必要があります。

 

05新入社員オリエンテーションの代表的な手法

新入社員オリエンテーションの代表的な手法は、以下の通りです。

  • ケーススタディ
  • ゲーム形式
  • グループワーク
  • 集合研修
  • eラーニング
  • 懇親会

新入社員オリエンテーションは、座学だけでなく体験的な学びや交流を通じて理解を深めることが重要です。ケーススタディやゲーム形式は実践力を養い、グループワークは協働性やコミュニケーション力を高めます。集合研修やeラーニングは基礎知識の習得に有効で、懇親会は心理的距離を縮める場として機能します。これらを適切に組み合わせることで、短期間での組織理解と戦力化を促す効果が期待できます。

ケーススタディ

実際の業務や過去事例を題材に、課題解決のプロセスを体験する手法です。新入社員は具体的な状況をもとに考えることで、抽象的な理念やルールを現場レベルに落とし込みやすくなります。ディスカッションを通じて論理的思考や判断力も養われ、現場配属後の即戦力化につながります。適切な難易度設定と、講師や先輩社員からのフィードバックが効果を高めるポイントです。

ゲーム形式

クイズやシミュレーションなど、遊びの要素を取り入れた形式で進める方法です。参加者の緊張を和らげながら、知識定着やチームワーク向上を図れます。特に知識や制度の習得が目的の場合、ゲーム化することで記憶に残りやすくなります。また、競争や協力を伴うゲームは自然な交流の場を生み出し、初対面同士の距離感を縮める効果があります。ただし、目的や学習内容と乖離しないよう設計が必要です。

グループワーク

複数人のチームで課題に取り組む形式です。課題解決の過程で役割分担や意見交換が行われ、コミュニケーション力や協調性が自然に養われます。新入社員同士の関係構築にも効果的で、部署をまたいだ交流のきっかけにもなります。課題は業務に直結するものから抽象的テーマまで幅広く設定でき、進行役のファシリテーターが学びの質を左右します。

集合研修

全員を一か所に集めて座学や講義を行う伝統的な形式です。企業理念や社内ルール、安全衛生など、全社員に共通する基礎知識の伝達に適しています。講師と受講者が直接やり取りできるため、質問や意見交換も活発に行えます。一方で一方通行になりやすいため、グループディスカッションや演習を組み合わせると学習効果が高まります。

eラーニング

オンライン教材を活用し、自分のペースで学べる研修形式です。時間や場所に縛られず受講でき、反復学習にも向いています。動画やクイズなど多様なコンテンツを組み合わせることで、理解度に応じた学習が可能です。特に基礎知識や事前学習に活用すれば、集合研修の時間を実践的な演習やディスカッションに充てられます。

懇親会

食事やカジュアルな交流を通じて、新入社員同士や先輩社員との関係を築く場です。仕事以外の会話がしやすく、相互理解や心理的安全性の向上につながります。職場の雰囲気を早期に体感できるため、配属後の適応スピードも上がります。ただし、飲酒の有無や時間配分、参加者の負担感などに配慮し、全員がリラックスして交流できる場づくりが重要です。

 

06新入社員オリエンテーションの設計手順

新入社員オリエンテーションを考えるときは、以下の手順で行います。

  • 1:オリエンテーションの目的を決める
  • 2:実施日時を決める
  • 3:実施方法を決める
  • 4:プログラムを策定する

新入社員オリエンテーションの設計は、目的の明確化から始まり、実施時期や方法の選定、プログラム内容の策定へと進めます。この流れを押さえることで、研修の方向性がぶれず、受講者の満足度や習得効果を高められます。

1:オリエンテーションの目的を決める

オリエンテーションは単なる説明会ではなく、新入社員が組織にスムーズに適応し、業務を遂行できる土台を築くための重要な機会です。まずは「何を達成したいのか」を明確にしましょう。たとえば、企業理念やビジョンの理解、業務基礎知識の習得、職場の人間関係構築など、目的を具体化することで研修内容の優先順位が決まり、無駄のないプログラム設計が可能になります。

2:実施日時を決める

新入社員オリエンテーションは、入社日直後に行うのが一般的です。業務開始前に必要な知識や心構えを身につけてもらうため、早期実施が望ましいでしょう。ただし、複数日程に分けて段階的に実施する方法もあります。たとえば、初日に基礎的な内容を行い、その後1か月後にフォローアップ研修を行うなど、定着度を高める日程設計も効果的です。

3:実施方法を決める

オリエンテーションは、社内人事・教育担当者が講師を務める「内製型」と、研修会社や外部講師に依頼する「外注型」に分かれます。内製型は自社文化や業務内容に即したカスタマイズがしやすく、費用も抑えられます。

一方、外注型は専門的ノウハウや最新事例を取り入れられるメリットがあります。目的や予算、人材リソースを踏まえ、最適な方法を選びましょう。

4:プログラムを策定する

目的・日程・方法が決まったら、具体的なプログラムを作成します。内容は企業理念・方針説明、就業規則やコンプライアンス教育、業務スキル研修、職場見学や先輩社員との交流など多岐にわたります。時間配分を意識し、講義だけでなくワークショップやグループディスカッションを取り入れると理解度が高まります。また、終了後のアンケートで改善点を把握し、次回以降の質向上につなげます。

 

07新入社員オリエンテーションのスケジュール例

新入社員オリエンテーションは、企業文化や業務ルールを理解し、配属後の業務にスムーズに適応できるようにするための重要な機会です。スケジュール設計では、会社概要や就業規則などの基本事項から始まり、業務に必要なスキル研修やチームビルディングをバランスよく組み込むことがポイントです。以下は、1日のスケジュール例です。研修時間や内容は、業種や企業規模、配属部署の特性に応じて柔軟にアレンジ可能です。

時間 研修内容
09:00〜09:30 開会挨拶・オリエンテーション概要説明
09:30〜10:30 会社概要・企業理念・沿革の説明
10:30〜11:30 就業規則・社内ルール・福利厚生制度
11:30〜12:30 コンプライアンス研修(情報セキュリティ・ハラスメント防止など)
12:30〜13:30 昼食・休憩(先輩社員との交流)
13:30〜14:30 業務概要説明(配属予定部署の業務フロー・役割)
14:30〜15:30 ビジネスマナー研修(挨拶・名刺交換・電話応対など)
15:30〜16:30 チームビルディングワーク(グループディスカッションや簡易演習)
16:30〜17:00 質疑応答・1日の振り返り・閉会挨拶

 

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08新入社員研修|Schoo for Business

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契約形態 年間契約のみ
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Schooの新入社員研修の特長は、ビジネスマナーからマインドセット、ロジカルシンキングやExcelまで、新入社員に求められるスキルに関する幅広いコンテンツが充実しているという点にあります。また、営業基礎やマーケティング基礎のような授業も揃っており、現場に配属されてからの研修や自律学習という側面でも活用できるという点も特長です。

また、Schooはeラーニングによる研修受講となるので、社員1人ひとりが好きな時間や場所、タイミングで研修を受講することができるので、リモートワークを導入している企業や多拠点展開している企業におすすめです。

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

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新入社員研修に関するコンテンツ一覧

スキルタイプ 講座 時間
社会人としての心構え 仕事の基本-新入社員のうちに学んでおきたいこと- 3時間
ビジネスマナー 令和版みなおしビジネスマナー 1時間
仕事がデキると思われるビジネスマナーの基本 5時間
報連相 デキる若手の報連相 1時間50分
「途中までできたら見せて」は何割で見せるべき? 1時間
コミュニケーション 論理的なコミュニケーションの基礎 1時間40分
言葉の温度を届けるテキストコミュニケーション 1時間
シンプルに伝わる ロジカルメール文章術 1時間
会話・メール・プレゼンが「伝わる技術」 3時間
ビジネスコミュニケーションの教科書 7時間30分
仕事の段取り 10分で学ぶデキる若手の仕事術 1時間
タスク管理が苦手な人の紙一枚仕事術 30分
タスク管理の悩み ー 傾向と対策 1時間
仕事がたまってしまう人のタスク管理術 40分
コンプライアンス 組織で働く人のためのコンプライアンス 1時間40分
経費のコンプライアンス 1時間30分
働くあなたを守る労働法 2時間10分
他人事では済まされない情報セキュリティ 1時間
反社会的勢力に関わらないための注意点 1時間
ハラスメントを正しく知る 1時間20分
PCスキル デキる社員になるための PCスキル 1時間
Windows操作の無駄をカットする 45分
パソコン仕事を時短化する「ショートカットキー」テクニック 1時間
Excel入門 1時間40分
Word基礎 3時間20分
PowerPoint基礎 1時間20分

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09まとめ

新入社員は、これから多くの知識や経験を吸収し、会社の成長を支える大切な存在です。そのため、新入社員オリエンテーションは、単なる入社初期の行事ではなく、将来の活躍を見据えた人材育成の第一歩となります。今回ご紹介したフローや実施方法、注意点を踏まえ、事前に緻密な設計を行うことが成功の鍵です。オリエンテーションを通じて新入社員が安心して組織に溶け込み、早期に成果を発揮できるよう、より有意義で効果的な研修を実現していきましょう。

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  • 登壇者:高木 一史 様
    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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