コンサルタントに必要なスキルとは?一覧や求められる3つの要素をわかりやすく解説
コンサルタントは企業の現状や取り巻く環境から経営課題を抽出し、解決を図るプロフェッショナルです。企業が持続して発展するためには、さまざまな変化により生じる課題を、スピードをもって解決しなければなりません。 また、企業内においてコンサルタントの役割を果たすような、課題解決力の高い人材を育成することも必要になってくるでしょう。この記事では、コンサルタントに求められるスキルや要素について解説します。
- 01.コンサルタントに必要なスキル・能力
- 02.コンサルタントに求められる3つの要素
- 03.コンサルタントスキルの鍛え方
- 04.まとめ
01コンサルタントに必要なスキル・能力
コンサルタントは企業の経営課題解決のプロフェッショナルです。企業を取り巻くさまざまな事象(ファクト)を正確に調査して論理的に分析し、説得力のある解決策を提示しなくてはなりません。そのために必要なスキル・能力は、以下の7つが挙げられます。
- ・論理的思考力
- ・問題解決能力
- ・進捗管理能力
- ・コミュニケーションスキル
- ・質問力・傾聴力
- ・プレゼンテーションスキル
- ・精神的なタフさ
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)はコンサルタントにとって、もっとも重要なスキルの一つです。コンサルタントの仕事は、企業の課題を抽出し解決を図ることです。企業によって内情や外部環境は異なり、解決への道筋も決まった方法があるわけではありません。 常に客観的なデータを集め、複雑に絡み合った要素から必要なものを抽出・整理・分析して因果関係を導く必要があります。このプロセスに必須なのが論理的思考力です。
問題解決能力
企業の課題解決を図るコンサルタントは、プロジェクトを進めるにあたって数多くの困難に直面します。決まった解決方法があるわけではありません。いつも正解のない問題に対し、答えを求めていくようなものです。 問題の本質を見極め、最善の解決策を模索する問題解決力が求められるのです。昨今ではコンサルタントの役割は戦略策定だけではなく、解決のための実行支援にまで広がっています。問題解決力はこれまで以上に求められるでしょう。
進捗管理能力
プロジェクトにおいては必ずスケジュールが設定されます。決められた期間内に、クライアントが納得する成果を出さなくてはなりません。実現可能でクライアントも納得するスケジュールを提示し、その予定通りにプロジェクトを進めていく進捗管理能力が必要です。 もちろん、自分一人ではなくプロジェクトメンバーに割り振ったスケジュールにも責任が生じます。遅れている場合は対策を講じ、変更が必要な場合はクライアントと折衝しなくてはなりません。そうしたイレギュラーが発生しないように、計画・管理するのがコンサルタントの重要なミッションなのです。
コミュニケーションスキル
コンサルタントのミッションは、クライアントが納得する解決策を導き出すことです。そのためにはまず、クライアントと信頼関係を築くことが求められます。密なコミュニケーションにより、相互理解を深めなくてはならないのです。 プロジェクトによっては、クライアント企業に常駐することも考えられます。現場の社員や経営層とも接する機会があるでしょう。うまくコミュニケーションをとることが、プロジェクトのスムーズな進行に役立つのです。
質問力・傾聴力
コンサルタントにとって「聴く力」は生命線ともいえるものです。高度な質問スキルにより、クライアントの抱える課題を聞き出さなくてはならないからです。場合によっては、クライアント自身もうまく言語化できない課題があるかもしれません。 そうしたときは傾聴力を駆使し、クライアントの話を掘り下げ質問を重ねていくことが必要です。もちろん、クライアントに的確な質問をするためには、クライアント企業の状況や業界の知識を深めておく必要があります。
プレゼンテーションスキル
わかりやすく伝える力、プレゼンテーションスキルもコンサルタントに必要な能力です。コンサルタントとしての提案をわかりやすく発信するためには、ポイントを押さえたプレゼンテーションをしなくてはなりません 伝える順番を考える「構成力」、わかりやすく伝える「表現力」、相手の納得を引き出す「説得力」といった3つのスキルを駆使して内容を組み立てます。もちろん、自信をもって堂々と伝える胆力も必要になります。
精神的なタフさ
企業がコンサルタントに費やすコストは、決して低いものではありません。そのため、クライアントの要望が厳しいものになることは否めないでしょう。こうした要望にこたえていくためには、ある程度の精神的なタフさが必要になってきます。 また、コンサルタントは基本的に、クライアントのスケジュールに合わせて動くことが求められます。場合によっては長時間の労働を強いられることもあるでしょう。心身の健康を保つタフさは、コンサルタントとして活躍するうえで必須のものです。
02コンサルタントに求められる3つの要素
ここでは、コンサルタントに求められる3つの要素を解説します。クライアントの信頼を得て成果を上げるために、常にコンサルタントが心がけておく必要がある、重要な要素といえるでしょう。
- ・プロ意識
- ・柔軟な思考
- ・相手に寄り添う力
詳しく見ていきましょう。
プロ意識
コンサルタントは、企業の経営課題解決のプロフェッショナルです。プロフェッショナルとしての自覚がクライアントに伝わらなければ、信頼を勝ち取ることはできません。その自覚を示すために必要なのは、成長する意欲と勉強する姿勢です。 クライアントに質問され、こたえられないことがないように、業界の専門知識や技術は情報として頭に入れておかなくてはなりません。常に勉強を重ね、専門家とも対等に話し合える準備をするプロ意識が欠かせないのです。
柔軟な思考
コンサルタントがクライアントとして接するのは、多くの場合企業の経営層です。想定していなかった要望や、思いがけない角度からの質問が投げかけられることもあるでしょう。こうした、想定していない事態にも柔軟に対応することが求められます。 相手の話をよく聞き、譲歩できる部分とそうでない部分を見極め、クライアントが納得する代替案を示さなくてはなりません。自身のプランや考えを柔軟に変えることに抵抗がある人は、コンサルタントとしての活躍は難しいでしょう。
相手に寄り添う力
コンサルタントとしてクライアントと信頼関係を築くために必要なことは、相手の気持ちに寄り添うことです。どれだけ親身になり、当事者意識をもって関与できるかが重要になってきます。こうした姿勢がなければ、信頼を勝ち取ることはできません。 プロジェクトを進行するうえで、クライアントと良好な関係を保つことは欠かせません。細かな業務上のやり取りをはじめ、進捗の情報共有など、相手の気持ちに寄り添うことでお互いに気持ちよく仕事を進めていけるでしょう。
03コンサルタントスキルの鍛え方
自社内でコンサルタントに準じるような、課題解決力の高い社員を育成することも考えていく必要があります。そのためには、日々の業務や研修でコンサルタントスキルを身につけてもらい、鍛えていく取り組みが求められるでしょう。 ここでは、コンサルタントスキルを鍛える方法について、以下の4つを解説します。
- ・ロジカルシンキングなど思考法を学ぶ
- ・コミュニケーショントレーニングをおこなう
- ・目標に対する意識を高める
- ・ジョブローテーションをおこなう
ロジカルシンキングなど思考法を学ぶ
ロジカルシンキングなどの思考法を学び、日常的に使えるようなトレーニングをおこなうとよいでしょう。ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、そのつながりを捉えながら理解する思考法です。原因の特定や解決策の立案に有効なスキルです。 しかしロジカルシンキングだけでは解決できないこともあります。さまざまな思考法を学ぶことにより、違う視点で物事を捉えることもできるのです。
ラテラルシンキング
ラテラルシンキングは、水平思考とも呼ばれ、新たなアイデアを出すことやイノベーションに必要な思考法といわれています。そもそもの前提にとらわれず、自由な発想が可能になる思考法です。ロジカルシンキングと併用することで、より深く広い発想ができるようになります。
クリティカルシンキング
クリティカルシンキングとは、目の前の事象をまずは疑ってかかる思考法です。常識という思い込みを鵜呑みにせず、別の可能性はないのか考え続けます。これまでの当たり前や常識を、一度疑ってみることで、物事の違う側面に目を向けられ、新たな発想が生まれるのです。
コミュニケーショントレーニングをおこなう
コンサルタントに必要なコミュニケーションスキルを身につけるために、企業として施策を講じることも必要です。1on1の制度としての導入や、質問力・傾聴力を養う社内研修を実施するなどの取り組みが考えられます。 コンサルタントがコミュニケーションスキルを鍛えるためのフレームワークとして活用している、以下の2つを実践するのもよい方法かもしれません。
エレベータートーク
エレベータートークとはエレベーターに乗っているくらいの短い時間で、話の要点を的確に伝える手法です。30秒から1分の間に的確に伝えたいことを伝えるトレーニングになります。日常的な報告連絡相談に意識して取り入れることで、必要なことを手短に伝えるスキルが身につきます。
パラフレーズ
パラフレーズとは「いい換え表現」のことで、難しい専門用語やビジネス用語を使わずに、相手にわかりやすく伝えることに役立ちます。話の意味は変えずに、使う単語や表現を変えるテクニックです。相手や状況に合わせた言葉選びができるようになり、伝える力が格段にアップする手法です。
目標に対する意識を高める
目標に対する意識を高める取り組みをすることで、コンサルタントに必要な進捗管理能力の向上が見込めます。具体的な施策としては、人事評価に目標管理制度を導入するといったことが考えられるでしょう。 目標の達成が自身の評価に直結するようになれば、目標から逆算した行動が習慣づいていきます。こうした習慣が身につくことにより、目標達成の可能性が高まり、精度の高い仕事ができるようになるでしょう。
ジョブローテーションをおこなう
定期的なジョブローテーションをおこなうことで、社員の視野を広げることも、課題解決力の強化には必要なことです。定期的な人事異動や業務替えをおこなうことは、仕事に飽きがこないように刺激を与えることにもつながります。 新たな業務に取り組むときは、それなりの負荷がかかるものです。こうした負荷に慣れることで、精神的なタフさにつながっていくでしょう。もちろん、ジョブローテーションは長期的な育成を視野に入れたものでなければなりません。
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04まとめ
変化の激しいビジネス環境において、企業はさまざまな経営課題を解決し続けなくてはなりません。課題解決のプロフェッショナルである、コンサルタントに依頼することも必要ですが、社員の課題解決力を高める取り組みも同時におこなう必要があるでしょう。 課題解決力の高い社員を多く育成した企業こそが、変化に柔軟に対応し盤石な経営基盤を築くことができるのです。