更新日:2025/07/15

課題解決力とは|問題解決力との違いや高める方法を紹介

課題解決力とは|問題解決力との違いや高める方法を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「課題解決力」とは、理想と現状のギャップを見極め、適切な行動を選び、実行する能力のことです。本記事では、課題解決力の定義から、類似用語との違い、重要性、具体的な4ステップ、鍛え方までを体系的に解説します。ビジネスの現場で求められるスキルとして、自分や組織の課題を捉え、的確に解決へと導くために必要な知識を紹介します。

 

01課題解決力とは

課題解決力とは、ビジネスの現場で直面する課題を特定し、解決へと導く能力を指します。

この能力が高い人は、物事の本質を見抜き、論理的に解決への道筋を描くことができます。また、解決策を実行するうえで求められる関係者の巻き込みや、プロジェクトマネジメントのスキルも兼ね備えている点が特徴です。

そもそも課題とは

問題と課題の違いの図

課題とは、現状の延長線上にある未来において、目標とのギャップが発生すると予測される状態を指します。現時点で感じている違和感やモヤモヤとした問題を放置すると、将来的に目標達成を阻害するズレが生じる可能性があります。そのギャップを明らかにし、解消すべきと判断されたとき、初めて「課題」として認識されます。

つまり、課題は将来に向けた目標達成の障壁であり、目の前の問題を一歩引いて構造的に捉えることで、真の課題が見えてくるのです。

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課題解決力が高い人の特徴

課題解決力が高い人には、主に以下のような特徴があります。

  • ・論理的思考力を備えている
  • ・仮説を立てて考える習慣がある
  • ・解決までやり切る実行力がある

論理的に物事を整理する力は、解決すべき本質的な課題を見極めるうえで欠かせません。しかし、情報が不足している場面では、仮説思考によって問題の構造を読み解く必要があります。さらに、見つけた課題を解決へと進めるためには、計画を実行に移す力が求められます。

 

02課題解決力と問題解決力の違い

課題解決力と問題解決力は似た言葉ですが、意味には明確な違いがあります。問題解決力は、目の前で起きている不具合や障害など、明確に表面化した問題に対処する能力を指します。一方で、課題解決力は将来的な目標と現状のギャップを捉え、起こりうる問題を予測して対応する力です。

つまり、問題解決力は「今起きていることへの対応力」、課題解決力は「先を見据えて行動する力」と整理できます。両者は補完し合う関係にあり、いずれもビジネスシーンで重要な能力です。

 

03課題解決力はなぜ必要か

課題解決力が必要な理由は、企業の成長に必要不可欠なスキルだからです。

仕事は、課題解決の連続と言われています。理想の状態に近づけるために、課題を特定し、その課題を解決する。この繰り返しが仕事の基本です。つまり、課題解決力が高い人は仕事のできる人と言えます。

また、課題解決力の需要が高まっている要因に、コモディティ化があります。少し前までは技術力の違いが競合優位性に直結していた時代でした。しかし、技術開発が発達して、商品開発で差別化するのが難しくなっています。そのため、顧客自身も気づいていない課題を発見し、その課題を解決するサービスを提供しなければならず、解題解決力が必要とされているのです。

 

04課題解決の4ステップ

課題解決の4ステップ

課題解決には、論理だけでなく感情も意識した思考プロセスが求められます。一般的に、課題解決は「現状把握→解釈→介入→感情を保留」という4つのステップで進められます。現場の状況や事実を観察・整理し、本質的な課題を解釈・深掘りしたうえで、実行計画を立てて現場に介入します。そして、個人の好き嫌いや先入観に流されず、感情を一時的に保留することで、冷静な判断が可能になります。

▶︎参考授業:課題解決のOSを装着しよう

1:現状把握

現状把握

現状把握では、起きている事象をできるだけ具体的かつ客観的に捉えることが重要です。「売上が上がらない」といった漠然とした表現ではなく、要素を分解して「どの顧客層で売上が落ちているか」「量か単価か」などを整理します。問題を要素ごとに分解し、具体的で実行可能な単位に整理することが、次のステップである解釈の質を高めるうえで重要です。

2:解釈

解釈

解釈のステップでは、現状から浮かび上がった事実に対して「本当の課題は何か」を見極めます。重要なのは、解釈を絞り込み、深く掘り下げることです。顧客の声やデータをもとに仮説を立て、優先度の高いニーズに焦点を当てて検討します。すべての声に反応するのではなく、真にインパクトのある要因を特定することが課題の明確化につながります。

3:介入

介入

介入とは、特定された課題に対して具体的な行動を起こすフェーズです。現場の人々がすでに日常業務をこなしている中で、新たな施策を導入することは負荷や反発を伴う可能性があります。だからこそ、現実的で実行可能な方法を設計し、関係者の納得と協力を得る必要があります。介入は単なる指示ではなく、周囲との合意形成を重視した働きかけが求められます。

4:感情を保留

感情を保留

感情を保留するとは、人間関係や先入観に引っ張られず、事実を冷静に受け止める姿勢を指します。相手に対する好意や不信感があると、同じ内容でも受け取り方が変わり、誤った判断を導く要因になります。感情を消すのではなく、「今の自分はこう感じている」と自覚したうえで、それを一時的に脇に置くことが大切です。公正な判断力を保つための基礎となります。

 

05課題解決力の鍛え方

課題解決力を高めるためには、日々の仕事や学びの中で思考の質を意識的に鍛える必要があります。以下の4つの視点を習慣化することで、課題に対する気づきや対応力が大きく変わってきます。

  • ・疑問を持つ習慣をつける
  • ・論理的思考力を鍛える
  • ・クリティカルシンキングを習得する
  • ・打ち手の引き出しを増やす

これらは相互に関連し合いながら、課題を見つけ、本質を捉え、的確な解決策を導くための土台になります。意識的に取り組むことで、ビジネスシーンでの判断力や行動力を大きく向上させることができます。

1:疑問を持つ習慣をつける

課題解決力を高める第一歩は、「なぜそうなっているのか」「このやり方でよいのか」といった疑問を持つ習慣を身につけることです。現状を鵜呑みにせず、違和感や改善の余地に気づける人は、変化の兆しをいち早く捉えることができます。疑問を起点に情報を集め、検討し、行動につなげる姿勢は、課題の発見と解決の両方に欠かせません。

2:論理的思考力を鍛える

課題の構造を把握し、解決の方向性を導くためには、論理的に物事を考える力が必要です。物事を因果関係で整理し、「なぜこの課題が発生したのか」「どうすれば解決できるのか」を筋道立てて考える習慣を持つことで、対処すべきポイントが明確になります。ロジックツリーやピラミッドストラクチャーなどのフレームワークを使い、日常業務で思考訓練を積むことが効果的です。

3:クリティカルシンキングを習得する

クリティカルシンキングとは、思い込みやバイアスにとらわれず、物事を多面的かつ客観的に検討する思考法です。上司や前例の意見を無条件に受け入れるのではなく、「本当にそうなのか?」「他の選択肢はないか?」と自問しながら考えることで、より適切な判断に近づきます。反対意見にも耳を傾ける柔軟性を持つことで、視野を広げ、精度の高い課題解決が可能になります。

4:打ち手の引き出しを増やす

課題を正しく認識しても、解決策の選択肢が乏しければ前進はできません。解決手段の「引き出し」を増やすことは、多様な状況に対応する柔軟性を養ううえで重要です。成功事例や業界知識を学ぶことで、似た課題に対する有効な手法を蓄積できます。

また、他社事例や異分野のアプローチを知ることで、新たな打ち手を発想する力が養われ、再現性の高い課題解決が可能になります。

 

06社員の課題解決力を高める方法

社員の課題解決力を高める方法は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 1.研修の実施
  • 2.社内勉強会の開催
  • 3.自律学習の環境整備

以下で詳しく紹介します。

1.研修の実施

課題解決力を高める方法として、研修は多くの企業で利用されています。正しい知識や理論をまずはインプットしなければ、質の高いアウトプットができないからです。昨今では、eラーニングを活用したオンライン研修も普及しており、質の高いインプットを短時間で効率よく行う企業も増えています。

2.社内勉強会の開催

社内で課題解決力を学ぶ勉強会を開催するという方法もあります。研修のように強制的にインプットができるわけではないですが、勉強会を社員が主体的に実施するような文化を創ることができれば、学び続ける組織形成につながります。

3.自律学習の環境整備

社員が自発的に学ぶことのできる環境を整えることも、社員の課題解決力を高めることに繋がります。書籍の購入制度を整えたり、オンライン学習サービスを導入したりすることで、意欲の高い社員に学習環境を提供しましょう。


 

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07課題解決力向上ならSchooのオンライン研修

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Schoo for Businessは、国内最大級9,000本以上の講座を保有しており、社員研修や自律学習の支援を通じて、学び続ける人材の育成、学び続ける組織づくりを支援しています。

導入企業数は4,000社以上。課題解決力に関する研修はもちろん、階層別研修からDX研修まで幅広い研修、自己啓発の支援ツールとしてもご利用いただいております。

受講形式 オンライン
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大企業から中小企業まで4,000社以上が導入

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Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。

導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。

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課題解決力向上に役立つSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、9,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、課題解決力向上に役立つ授業を紹介いたします。

課題設定力の磨き方~本質的な課題を導き出す方法~

本授業では、生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学んでいきます。

 
  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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AI分析でわかった「トップ5%社員」に共通する時間術

「仕事を任されるようになったけど、タスクややることが溜まって残業せざるを得ない」という状況の方、「残業をできるだけゼロに近づけたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。 このコースでは、そうした「マイナスをゼロにしたいビジネスパーソン」の方に向けて、効率や生産性をテーマにしつつも、1を5,10にするのではなく、マイナスを0にする時間術を、AI分析でわかった「トップ5%社員のノウハウ」を活かす方法を解説します。

 
  • 株式会社クロスリバー 社長 株式会社キャスター 執行役員

    国内および外資系通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。 業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。 2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・リモートワーク・複業。国内外の700社以上にコンサル提供。 ムダな時間を削減し社員の働きがいを上げながら利益を上げていく「稼ぎ方改革」の実行を支援。

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こんな時どうすればいい? 逆引きビジネスフレームワーク大全

このコースでは毎回1つのテーマ(悩みのシーン)をもとに、目的を達成・課題を解決するためのビジネスフレームワークを学ぶ1時間です。

  • ・こんな時にはこのフレームワークが活用できる
  • ・そもそもこのフレームワークとはどういうものなのか?
  • ・実際に使う際のポイント

といった基本的な情報や活用事例・ポイントを講師の方々に教えていただきます。

 
  • 株式会社朝日広告社 プランニングディレクター

    株式会社朝日広告社ストラテジックプランニング部プランニングディレクター。産業能率大学院経営情報学研究科修了(MBA)。日本マーケティング協会マーケティングマスターコース修了。外資系コンサルティングファームなどを経て現職。「外資系コンサルティングファームで培ったロジック」と「広告代理店で培った発想力」のハイブリッド思考を武器に、メーカー・金融・小売り等、幅広い業種のクライアントを支援。マーケティングやブランディング・ビジネス思考をテーマにしたブログ「Mission Driven Brand」を運営。ハンドルネームはk_bird。著書に『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)がある。■Mission Driven Brand:https://www.missiondrivenbrand.jp/
  • 株式会社朝日広告社ストラテジックプランナー

    株式会社朝日広告社ストラテジックプランナー。リサーチ・データ分析・戦略立案業務に従事。食品・エンタメ・アパレル・小売り企業・不動産・教育系など幅広くクライアント事業を支援。ウェブ解析士協会認定ウェブ解析士。『ブランディングの教科書: ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる』(kindle direct publishing)共著。

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08まとめ

今回の内容は如何でしたか?「課題解決力」というテーマで、そのスキルの解説と企業が求めるスキルまでご紹介してきました。実際に、「課題解決力がある」と言うことは簡単です。しかし、その定義や意味を正しく理解しておくことは重要です。理解をした上で、よりスキルのアップをして頂く参考にしてください。そして今回ご紹介した内容が、自分自身のスキルアップだけではなく部下や組織の強化の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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