公開日:2023/10/25
更新日:2023/10/26

研修のグループワークは意味がない?理由やメリット、効果的な研修のポイントを解説

研修のグループワークは意味がない?理由やメリット、効果的な研修のポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業の研修にはグループワークが取り入れられますが、残念ながら参加者からは「無意味」であるという評価を受けることもあります。しかし、講師や運営スタッフの努力や工夫により、こうした厳しい評価を覆すことも可能です。 この記事では、グループワーク型研修が無意味といわれてしまう理由を分析し、効果的な研修にするためのポイントを解説します。

 

01グループワーク研修とは

グループワーク研修とは、参加者を少人数のグループに分け、テーマに沿って話し合いや作業をおこない、グループとしての結論を導いてもらう研修です。講義形式の研修と違い、自身の意見を発言する必要があるため、参加者に積極性を求めなくてはなりません。 望むような研修効果を引き出すには、参加者に向けたグループワーク特有の働きかけが必要になってきます。

グループワークの目的は受講者に考えさせること

グループワーク形式の研修は、インプット中心の講義型研修では得られない効果が期待できます。グループワークの目的は、参加者に自分の頭で考えてもらうことです。 テーマに沿って自分の意見をまとめることや、グループのメンバーの発言を聞いて考えることを繰り返します。さまざまな意見が出るなか、最終的にグループの意見にまとめるプロセスが考えるトレーニングになるのです。

 

02グループワーク研修が無意味になる理由

適切に実施すれば高い効果を得られるグループワーク研修ですが、なぜ無意味といわれてしまうのでしょうか。それは、運営側に以下に挙げる意識が欠落していることが原因です。

  • ・グループワークの目的が明確になっていない
  • ・話し合える環境ができていない
  • ・講師のスキルが不足している

詳しく見ていきましょう。

グループワークの目的が明確になっていない

グループワークが無意味とされてしまうのには、グループワークの目的が参加者に伝わっていない、あるいは目的そのものが曖昧な場合が多いようです。ゴールを明確にしないまま走りださせるようなもので、グループワークを始めても参加者は何をしてよいか分からず、会話も弾まない状態になってしまいます。 テーマ説明の段階でグループワーク終了後、参加者やグループがどのような状態になってもらいたいのかを伝えます。参加者はそのゴールが分かっていれば、ワークでどのように振る舞えばよいのか、役割分担はどのようにしたらよいのか、自然に考えて動けるようになるでしょう。

話し合える環境ができていない

話し合いができる環境ができていないまま、グループワークをおこなうことも原因の一つです。たとえば、研修開始の冒頭に参加者どうしが打ち解けていないなか、いきなり始めてしまうような状態です。 グループワークを研修冒頭に入れるのであれば、アイスブレイクの要素を含んだものを最初に入れ、そのあと本題に入るなどの工夫があるとよいでしょう。

講師のスキルが不足している

グループワークの進行には、講義型の研修とは違ったスキルが必要となります。グループワークに必要なのは、ファシリテーションスキルです。ファシリテーションスキルとは、参加者の意見を引き出し、議論を活性化させ、合意形成を促す、場を誘導するスキルを指します。 ワークを始めたときにすぐに話し合いが始まらず、固まってしまったグループがあれば、ファシリテーターがサポートすることで、会話を促さなくてはなりません。

 

03グループワーク研修のメリット

グループワークでは発言を求められるため、苦手意識のある参加者には敬遠されることもあるでしょう。しかし、講義型研修のインプットばかりが続くと、研修にメリハリがなくなってしまいます。グループワークでアウトプットの機会を設けることで、バランスのよいカリキュラムとなり研修効果が高まるのです。 具体的なメリットは以下の3つです。

  • ・コミュニケーションが深まる
  • ・受講者の主体性・協調性を引き出す
  • ・問題解決力が高まる

コミュニケーションが深まる

強制的にコミュニケーションが必要な環境を作り出せることが、グループワークのメリットです。グループワークでは発言や作業が必ず発生するため、嫌でもコミュニケーションをとらなければなりません。自身の意見を発言することもそうですが、ほかの参加者の話をじっくりと聞く機会にもなります。 相手の話を聞くことにより、その人の考え方や人となりを知ることができ相互理解が深まるでしょう。

受講者の主体性・協調性を引き出す

グループワークは少人数でおこなうため、メンバー一人あたりの役割は重くなります。積極的に参加する姿勢のない人が目につくため、ほとんどの参加者が主体的に参加するようになります。 グループとしてよい結論を導くには、意見を発することも聞くことも重要です。異なる意見であっても尊重し、グループとしての意見をまとめる過程で、協調性が発揮されるでしょう。

問題解決力が高まる

グループワーク形式の研修では、講師が答えを教えてくれることはありません。グループとしての答えを導く方法は、グループのメンバーで考える必要があるのです。自分たちの行動を自分たちで決めて、動かなければなりません。 グループワークを重ねることで、自分たちの頭で考え工夫する習慣が身につきます。個人ではなく、グループ(組織)としての問題解決力を高めるトレーニングになるのです。

 

04グループワーク研修を効果的にするポイント

グループワーク研修を効果的に実施するには、目的を示し交流を促すファシリテーションスキルを発揮する必要があります。また、手持ち無沙汰な時間をつくらない工夫も大切です。どのグループもまんべんなく話し合いが盛り上がるよう促すことも、ファシリテーターの大切な役割です。 グループワーク研修を効果的にするポイントとして、以下の4つを解説します。

参加者が興味が持てるテーマ設定にする

テーマ選びは大切です。参加者の年代や立場を考慮して、分かりやすく馴染みの深いテーマにするとよいでしょう。参加者の理解度が低く、興味が持てないテーマを設定してしまうと、薄い議論に終始してしまい、研修効果が低くなります。 話し合いを活性化させ、研修効果を高めるには、年代や時代背景にマッチした興味を持てるテーマ設定が欠かせない要素です。

全員が参加できる工夫をする

人前で発言することが苦手な参加者もいます。グループ内で発言が少ない参加者がいた場合は、さりげなくファシリテーターが介入しサポートするとよいでしょう。グループの輪のなかに入り「〇〇さんはどうなの?」というように声かけをします。 こうした介入により、ほかのグループのメンバーが気が付いて、発言を促すようになっていきます。

メンバー構成を慎重におこなう

参加者のグループ分けは、バランスよくおこなう必要があります。研修への意欲が高い人と低い人を、バランスよく組み合わせるとよいでしょう。意欲が低い人ばかりを集めてしまうと、そのグループの研修効果は低くなってしまいます。 反対に突出して意欲がある人を一人だけ、意欲の低いグループに入れても効果が薄まってしまいます。意欲の高い人、低い人をちょうど半数ずつ組み合わせ、低い人を引き上げるようなグループ編成が理想的です。

フィードバックを必ずおこなう

グループワークの終了後は、ファシリテーターがフィードバックをおこない、参加者に気付きを与えることが大切です。各グループの議論の流れや、発言のメモをとるなどして、よかった点、改善するとよい点をフィードバックします。 納得できる気付きを与えられた参加者は、今おこなったグループワークを意味のあるものと感じてくれるでしょう。もっともよくないのは、フィードバックがないことにより「今のワークは何のためにやったの?」と思われてしまうことです。

 

05グループワーク研修で参加者の意欲を高める方法3選

参加者にグループワークを意味のあるものと感じてもらうには、まずは参加意欲を高める必要があります。狙う研修効果によって、グループワークの形式を工夫すると効果的です。 具体的に以下の3つが挙げられます。

  • ・自由討論ができる内容にする
  • ・テーマを与え課題を解決する形式にする
  • ・チームビルディングを目的にする場合は作業を取り入れる

自由討論ができる内容にする

「個人の考え」を引き出したいときに適しているのが、自由討論形式です。テーマに対して自由に発言し、結論を取りまとめていくグループワークです。テーマに沿った内容であれば、自由な発言が許され、否定はされません。 この形式のグループワークにおいては、論理的に結論をまとめることも大事ですが「どれだけ多くの意見が出たか」を重視します。

テーマを与え課題を解決する形式にする

課題解決形式のグループワークは、結論を組み立てていくプロセスを重視したい場合に適した手法です。日常業務でよくある課題に対して、どうすれば解決できるのか、意見を出し合いグループとして一つの結論を導き出します。 個人の発信力や、グループとしての展開力を高めるトレーニングとして有効です。

チームビルディングを目的にする場合は作業を取り入れる

チームビルディングを目的とする場合は、作業形式を取り入れると効果的です。与えられた材料からアイデアを出し合い、一つの制作物を完成させるといったグループワークです。一つの目的に向かってチームが協力するため、コミュニケーションが促進され、協調性や行動力も養われます。 自然と役割分担ができてくるなど、チームとして機能し始めれば成功です。研修冒頭にアイスブレイク的に実施するのもよいでしょう。


 

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06まとめ

時間とコストをかけ研修を実施する以上、参加者には「ためになる研修だった」「明日からの業務に役立てたい」といった状態になって欲しいものです。グループワークや研修そのものに「意味がない」という感想を持たれたのであれば、それは運営側や講師に改善の余地があるということかもしれません。 グループワークを意味のあるものにするためには、参加者一人ひとりへの密度の高い関りが必要なのではないでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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