公開日:2021/05/28
更新日:2022/07/21

メラビアンの法則とは?定義からビジネスでの活用法まで詳しく解説

メラビアンの法則とは?定義からビジネスでの活用法まで詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ビジネスにおけるコミュニケーションの場で、よく利用されるのが心理学です。心理学の法則を用いると、ヒューマンスキルを効率よく上げていけるためです。この記事では、印象を良くするコミュニケーションとは何かを考える上で重要な、メラビアンの法則について詳しく解説します。

 

01メラビアンの法則とは?

メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて言語・聴覚・視覚から受け取る情報がそれぞれ異なった際、言語情報(Verbal)が7%、聴覚情報(Vocal)が38%、視覚情報(Visual)が55%の影響があるとした心理法則です。

メラビアンの法則図

具体的に言語情報とは言葉の内容や意味、聴覚情報とは声質・声量・口調・テンポ、視覚情報とは見た目、しぐさ、表情、視線などを指します。 またVerbal、Vocal、Visualの頭文字を取って「3Vの法則」、数字の割合を取って「7-38-55ルール」とも呼ばれます。 メラビアンの法則は、1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏の著書「Silent messages(非言語コミュニケーション)」によって提唱されました。 「Silent messages(非言語コミュニケーション)」では、感情を伝えるコミュニケーションにおいて、言語・聴覚・視覚から受け取る情報が異なる際は、聴覚・視覚からの情報の影響が強くなることから、非言語コミュニケーションが大切であると結論づけられています。

言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション

アルバート・メラビアン氏の著書に出てきた非言語コミュニケーションとは、どのようなものなのでしょうか。 まず、コミュニケーションとは 言語(Verbal)コミュニケーション、非言語(non-verbal )コミュニケーションの2種類に分類されます。このうち非言語コミュニケーションには、視覚情報・聴覚情報だけではなく、嗅覚情報・触覚情報も含まれます。 これをメラビアンの法則に当てはめて考えると、非言語コミュニケーションである視覚情報と聴覚情報の与える影響が93%となるため、アルバート・メラビアン氏は非言語コミュニケーションが重要であると結論づけたのです。

メラビアンが行った実験の内容

アルバート・メラビアン氏がメラビアンの法則を発見するに至った実験内容とはどのような物かをご紹介します。

  • 1.「好意」「嫌悪」「中立」をイメージする言葉を3つずつ設定する。
  • 2.設定した9つの言葉を、「好意」「嫌悪」「中立」の3つの口調・トーンでそれぞれを録音する。
  • 3.「好意」「嫌悪」「中立」を表した表情の顔写真を1枚ずつ用意する。
  • 4.録音と写真をさまざまな組み合わせで被験者に示し、それぞれについて被験者が最終的に「好意」「嫌悪」「中立」のうちのどの印象を持ったかを質問する。

アルバート・メラビアン氏がこの実験で確かめたかったのは、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」に矛盾があった場合、どれを一番重要視するかということでした。 言葉の内容や意味と、話すテンポやしぐさが一致しない場合、被験者は見聞きした情報を優先的に信用するということが実験で証明されました。

メラビアンの法則によくある誤解

メラビアンの法則は拡大解釈されやすく、よく営業セミナーや自己啓発のビジネス書などで、次のようなことの根拠として用いられています。

  • ・人は、見た目が9割である
  • ・話の内容は、わずか7%しか相手に伝わらない
  • ・第一印象が大切である ・話す内容よりも、ボディランゲージが重要である
  • ・プレゼンでは、図式化などの視覚情報を優先した方がよい

しかし、アルバート・メラビアン氏は、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」に矛盾があった場合、という条件下で実験を行っているので、これらの情報は誤解であることがわかるでしょう。 メラビアンの法則は、どのような状況でも適用できるものではなく、適用できない状況もあるのを理解して使用することが大切です。

 

02メラビアンの法則の具体例

「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」に矛盾がある状況の具体例をご紹介します。

1.納得のいかない表情で褒める

納得のいかない表情で褒めるという状況を、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」のそれぞれに当てはめて分析してみましょう。

  • ・言語情報(7%) 褒める=ポジティブ
  • ・聴覚情報(38%) 明るいトーンや軽快なテンポ=ポジティブ
  • ・視覚情報(55%) 不満そうで暗い表情=ネガティブ

 

この場合、ポジティブな印象が45%、ネガティブな印象が55%となるので、どれだけ褒められたとしてもそれは本音ではないという印象になるでしょう。

 

2.笑いながら叱る

笑いながら叱るという状況ではどうでしょう。

この場合は、ポジティブな印象が55%、ネガティブな印象が45%となるので、あまり本気で怒っていないという印象となるでしょう。

43.不機嫌そうにありがとうと言う

不機嫌そうにありがとうと伝えたらどのような印象となるでしょうか。

  • ・言語情報(7%) 叱る=ネガティブ
  • ・聴覚情報(38%) 暗いトーンや怒った声=ネガティブ
  • ・視覚情報(55%) 笑っていて明るい表情=ポジティブ

    この場合には、ポジティブな印象が7%、ネガティブな印象が93%となるので、どれだけ丁寧にお礼を伝えたとしても、何らかの不満があるという印象になるでしょう。

    • ・言語情報(7%) ありがとうと感謝する=ポジティブ
    • ・聴覚情報(38%)低いトーンや暗い声=ネガティブ
    • ・視覚情報(55%) 不機嫌そうな表情=ネガティブ
 

03ビジネスでメラビアンの法則を活用する方法

ビジネスの場においてメラビアンの法則を活用する方法を3つご紹介します。

1.営業やプレゼンテーションで活用する

顧客への営業やプレゼンテーションの場では、言葉で伝える情報だけを意識するのではなく、身振り手振りや声のトーン、表情などを話の内容に即して変化させることで、より相手とのコミュニケーションがスムーズになるでしょう。 余裕があれば、相手の年齢や性別、キャラクターなどにも合わせて調整すると、さらにメラビアンの法則が有効となります。

電話を使用する場合

同じ顧客とのコミュニケーションでも、電話の場合は視覚情報が欠けていることを意識しましょう。 聴覚情報と言語情報で45%を占めるため、ある程度のコミュニケーションは可能ですが、言葉と声のトーンには面談して話す場合よりも、さらに矛盾がないよう注意を払わなければなりません。 また「笑声」といった言葉があるように、視覚情報が欠けていても相手は声のトーンや話し方から、表情を想像することができるのも忘れないようにしましょう。

メールを使用する場合

メールは言語情報のみであるため、感情を丁寧に説明するのはなかなか難しい場合もありますが、状況に応じて電話や、面談しての対応と組み合わせて用いるのが望ましいと言えます。 メールでの印象と、電話・面談での印象にギャップが生じないよう工夫することが重要です。

2.コミュニケーションで活用する

社内でのコミュニケーションにおいては、相手の話にただ相槌を打つのではなく、表情やしぐさでも、相手の話に興味を持っていることを示すようにしましょう。 例えば部下は、上司に相談する際に少し緊張することが多いですが、上司が部下の話のペースに合わせて穏やかな表情で相槌を打つことにより、信頼関係が構築され話がスムーズに進みます。 より周囲の人と円滑な関係を築くためにも、メラビアンの法則を意識することが大切です。

3.面接で活用する

志望者の立場であれば、社風や職種に合わせた人物像に沿って話の内容と振る舞いを工夫するのが望ましいでしょう。 また面接官の立場であれば、短い時間で志望者が自社に適した人材であるかどうかを見抜く必要があるため、信頼関係構築のためにも安心感を持ってもらえる話し方や表情を心掛けることが重要です。

 

04メラビアンの法則を活用する時の注意点

メラビアンの法則を活用する時に注意したいことを3つご紹介します。

1.3Vを一致させるようにする

3つのV(Verbal・Vocal・Visual)を一致させることで、伝えたいメッセージをより正確に、自分の意図した形で伝えることが可能になります。 「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」に矛盾がなく、互いに補完しあった時に一番メッセージが伝わりやすくなるためです。 「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」のうちどれか1つでも矛盾があれば、聴き手は混乱したり、言葉に疑いを持ったりします。 相手との信頼関係を構築し、スムーズなコミュニケーションをするためにも、3つのVを一致させるよう心がけましょう。

2.相手に伝わりやすい言葉で表現する

メラビアンの法則では、言語情報の与える影響は7%なので、話の内容や言葉にはあまり気を使わなくても良いと誤解されがちですが、相手にとって理解しにくい表現を用いたり、メッセージ自体が弱いものだったりすれば、当然コミュニケーションはうまくいきません。 「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」は、互いに補完しあう関係のため、どれかが欠けたり、矛盾したりしていれば相手にメッセージがうまく伝わらないのです。 特にビジネスの上では、プレゼンテーションの場などにおいて言語情報は重要です。 相手にとってわかりやすい言葉選びや、話す内容の質に気を配ることは、コミュニケーションをする上でとても大切だということを覚えておきましょう。

3.言葉に合ったジェスチャーを取り入れる

自分の意図するメッセージを伝えるために、手の動きや声のトーンに気を配るのはとても重要なことです。 例えば、一番伝えたいポイントは話すテンポを落とし、相手の目を見ながら身振り手振りも交えて一語一句、丁寧に発するなどの工夫を凝らすと、より相手にスムーズに内容が伝わるでしょう。 闇雲に身振り手振りを多くするのではなく、相手の印象に残るかどうかという目線でジェスチャーを取り入れていくことが大切です。


 

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05まとめ

メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて言語・聴覚・視覚から受け取る情報に矛盾があった際、影響を与える割合を数値で示した心理法則で、3Vの法則や7-38-55ルールとも呼ばれ、ビジネスにおけるコミュニケーションをスムーズにするためさまざまに活用できるとわかりました。 メラビアンの法則を積極的に取り入れて、周囲の人とのコミュニケーションをよりスムーズなものにしてみてください。

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