リスクヘッジの意味や利用事例と能力アップポイントを解説する
ビジネスにおいて「リスクヘッジする」ということがあります。ビジネスにおけるリスクヘッジとはどんな意味を持つのでしょうか。本記事では、リスクヘッジの意味と使い方の事例を解説していきます。また、リスクヘッジを行う能力アップの方法についてもご紹介していきます。
- 01.リスクヘッジとは
- 02.リスクヘッジと類似している用語との比較
- 03.用語の使い方や意味
- 04.ビジネスシーンでの利用事例
- 05.リスクヘッジ能力をアップさせる方法とは
- 06.業務上のリスクに備えるならSchooのオンライン研修
- 07.まとめ
01リスクヘッジとは
「リスクヘッジ」という単語は、どんな意味を持つのでしょうか。ビジネスシーンにおいて多用されるリスクヘッジについて、その定義やルーツについて解説していきます。聞きなれているリスクヘッジについて今一度、その意味を確認していきましょう。
もともとは金融用語として使われていた
もともと「リスクヘッジ」という単語は、金融取引で利用されていました。例えば株式投資を行う場合に、株価の下落を受けるダメージを回避するためには、いくつかの会社に分散を行います。こうすることで、1つの会社が下落しても他の会社で利益が出ていれば結果的には、問題がないという判断を行います。リスクヘッジとは、このように投資先の分散などを行う金融取引のことを示していました。しかし現在では、金融取引だけで利用される用語ではなく、日常のビジネスシーンにおいて多用される用語となっています。
リスクヘッジの定義
現在では、「リスクヘッジ」という用語は金融取引だけに利用される訳ではありません。ビジネスにおけるリスクヘッジとは「危険を予測し、その危険を避けるための対策をはかる」と定義することができます。ビジネスにおけるリスクとは「予想通りにはいかない可能性」「予測不可能な課題」と言う意味を持ち、リスクを回避する対策を取ることをリスクヘッジと総称します。予測不可能な課題については、何が起きるか不明であるため、あらかじめ対策を講じることはできない場合があり、その場合には、できるだけ影響を少なくする方法を講じることも含んでいると覚えておきましょう。リスクに対して「ヘッジ」とは、「防止策」という意味を理解しておくとリスクヘッジの意味が理解しやすくなります。どのようなビジネスにもリスクはあり、業種業態に関わらずリスクヘッジを行う場面があることを念頭においておきましょう。
02リスクヘッジと類似している用語との比較
次にリスクヘッジと類似している用語について解説していきます。用語を正しく使い分けることは大事です。ここでは、ビジネスシーンにおいて利用される類似用語を2つご紹介します。用語の意味を理解し使い分けを行っていきましょう。
リスクマネジメント
「リスクマネジメント」もビジネスシーンで利用する用語です。リスクマネジメントとは、「将来、発生することが予測されるリスクに対して適切な対策や対応できる体制を整える」という意味を持ちます。リスクマネジメントとは、企業における危機管理のことを示す用語です。
リスクテイク
リスクテイクとは、「リスクを承知で行うことやリスクに立ち向かうこと」を意味しています。金融の場面では、ハイリスクハイリターンの投資を行う場合に利用されます。このように、なにかを行う場面で相反する結果を生む可能性が高い場合にリスクテイクを用います。競合がいる業態にチャレンジする場合には、リスクテイクするというなど日常のビジネスシーンでも利用されています。
03用語の使い方や意味
次に実際にビジネスシーンにおいて、リスクヘッジを使う場面を想定し、その利用方法について解説していきます。日常の業務において、利用されている使い方になりますので、その使い方と意味について再確認していきます。
リスクヘッジする
「リスクヘッジする」という使い方は、ビジネスシーンで多く見られます。具体的には、「この件にはリスクヘッジが必要」「リスクヘッジすることで大きな利益を見込む」などの使い方です。案件を進める中で、トラブルを回避してビジネス案件を進めるということは多々あります。こうした際に、リスクヘッジつまりトラブル回避する手段を講じて進めていく場合などに利用していきます。
リスクヘッジのために
「リスクヘッジのために」という使い方もビジネスシーンでは利用されます。具体的には、「リスクヘッジのために繰り返しシュミレーションした」「リスクヘッジのために処理を分散させる」などです。課題や危険を回避するための対策を講じる場合に利用していきます。予め想定できる複数のリスクに対して、それぞれに対策を講じるサービスの成功に努める場合にも利用されます。
リスクヘッジが不十分
「リスクヘッジが不十分」という使い方も耳にすることがあります。これは、想定できた課題解決の対策が足りなかった場合などに利用します。「リスクヘッジが不十分で失敗した」などと用いられ、対策が不十分なために期待していた利益や効果を得られなかった場合の反省として利用されることもあります。
04ビジネスシーンでの利用事例
リスクヘッジはさまざまなビジネスシーンで利用されます。次に、リスクヘッジを使うビジネスシーンの事例をご紹介していきます。ビジネスシーンのどんな場面でリスクヘッジを行うかについての理解を深めていきます。
アクシデントに備える場合
ビジネスにおけるアクシデントに備える場合にリスクヘッジを用います。リスクには、「予想通りにはいかない可能性」「予測不可能な課題」と言う意味以外に、「突発的な」というニュアンスも含まれます。大きなプレゼンを行う準備をしていたにも関わらず、プレゼン当日に主観となるメンバーの体調が悪くなったなど、想定している以外の突発的な課題に対して準備をしておく場合などに利用されます。このように、課題を想定していたとしても何かしらの突発事項が起きた場合に対応できる施策を取っておくこともリスクヘッジの大きな役割の1つです。
懸念事項や危険予測に備える場合
リスクヘッジにおけるリスクとは「予想通りにはいかない可能性」「予測不可能な課題」だけではなく「危険予測」「不安材料」「懸念事項」などにも対応する意味合いで利用する場合もあります。プロジェクト遂行における不安材料、懸念事項があれば、具体的な施策をこうじる必要があります。予め「危険予測」「不安材料」「懸念事項」を洗い出しておくとリスクヘッジを行うことも可能です。時には、「危険予測」「不安材料」「懸念事項」が絡み合い複雑化している場合もありますが、1つ1つを分解していくことでリスクヘッジすることができます。根本の解決が出来ない場合においても、影響を最小限に行う対策を講じることが可能になります。
ミス・トラブルに備える場合
仕事のミス・トラブルに備える場合にも、リスクヘッジは利用されます。例えば、メールの送信前に添付書類が間違っていないか確認する・天候の状況や自然災害を想定して、商談の前日に現地に入っておくなどが、ミス・トラブルへのリスクヘッジの例として挙げられます。リスクは考えれば考えるほど出てきますが、可能性のあるものから対応していくと良いでしょう。
情報漏洩に備える場合
ビジネスにおけるリスクヘッジとして、情報漏洩の備えは全社的に必要な対策です。例えば、情報漏洩が起きないようにパソコンの持ち出しを禁じたり、契約書などの書類は鍵のついた棚で保管したりといったことが情報漏洩に関する対策として挙げられます。また、リモートワークが定常化してきている昨今では、公共Wi-Fiの取り扱いに関する研修などもリスクヘッジとして必要でしょう。
05リスクヘッジ能力をアップさせる方法とは
次に、リスクヘッジを行う能力アップの方法について解説していきます。実際に、リスクヘッジを行う能力が大切であることは、ビジネスシーンでも理解されています。では、この能力を高めるにはどうしたらいいかについて、具体的な方法について解説していきます。
論理的思考能力のアップ
ロジカルシンキングと呼ばれる理論的思考能力のアップを行うことでリスクヘッジを行う能力がアップします。ロジカルシンキングとは「物事を結論と根拠に分解し、両者の論理的なつながりを捉え、理解する」思考方法です。論理的思考能力があれば、複雑な課題を合理的に差分化し事象の整理や因果関係を明らかにすることができます。論定的思考能力を使うことで、大きなトラブルを引き起こした複数の要因や、その関係性を整理することができるため課題解決における糸口を見出しやすくなります。論理的思考能力については、日常のビジネスシーンにおいて「なぜそうなるのか?」「どうしてこうなるのか?」という視点で見ることで培われていきます。
ロジカルシンキング入門
この授業では、ロジカルシンキングを1から学ぶことができる授業です。論理的に考えるとは、どのようなことかを練習問題を交えながら習得することができます。
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ビジネス本著者
1976年大阪府生まれ。灘高校、東京大学経済学部を卒業後、日系メーカーで17年間勤務。経理、営業、業務改革、Web企画、マーケティング、経営企画と多様な部門を経験し、半年間のイギリス留学後に現職に転職。2016年から3年半書きためたブログを元に、2020年より電子書籍の執筆を開始。著作『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』、『4時間のエクセル仕事は20秒で終わる』がある
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PDCAの習慣化
課題が生じた場合には、都度、解決策を講じ適用していきます。しかしながら、その時その時に講じた対策では不十分な場合も多々あります。リスクヘッジを行う場合においても、過去の課題を整理し今回同様の事象がおきる可能性がないかを検討する必要があります。同様の事象が起きないと判断するためには、課題が生じた際の対策と対策後の再発防止に向けたPDCAサイクルを習慣化し実施しておく必要があります。正しくPDCAサイクルが回り同様の課題を生じさせる可能性がない場合には、リスクに該当しない場合もあります。逆に、PDCAサイクルが正しく行えていない場合には、同様の課題を生じさせる可能性を持っていることになります。こうした事象がおきないためには、PDCAサイクルの習慣化を行い課題発生と解決、解決後の見直しを行える訓練を行う必要があります。
成果が上がる「鬼速PDCA」のススメ
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株式会社ZUU 執行役員/グロースプラットフォーム・カンパニー長
中堅・中小企業の戦略・組織マネジメントを専門とするコンサルティング会社で、三指に入るコンサルタントとして活動。 70社の戦略設計・推進、120社以上の経営分析と数百社の幹部コーチを務め、コンサルティング先に対する20本の事業起案と3事業の実現を果たす。 超大手企業のインキュベーションリーダーとしてヘッドハントを受け、2年で売上3億円になる事業をゼロベースで構築。その後事業開発の部門長として、複数の新事業アイデアの推進マネジメントの伴走を行い、推進責任者を務める。 ZUUにジョインしてからは、CEO officeにて事業開発を行うとともに、メディア事業を管掌。その後、鬼速エンジニアリング事業管掌を経て、2022年4月より現職に就任。
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多面的思考能力の習得
リスクヘッジを行うためには、リスクを洗い出す必要があります。リスクを洗い出す場合には、物事の片方からの視点では不十分です。多面的、可能性がある側面全ての視点に立ち物事を見る必要があります。多面的思考能力とは、物事を複数の視点で見ることができる能力です。この能力をアップするためには、思い込みや習慣から離れ0ベースで物事を見る(0ベース思考)習慣付けが必要です。決められた視点だけでは、リスクヘッジの目的である将来起きうる課題に対応する視点が少なくなり、結果的にリスクヘッジが不十分という結論に至ります。このようなことが起きないためにも、多面的思考能力を習得しスキルアップしておくことが必要です。
課題設定力の磨き方~本質的な課題を導き出す方法~
この授業では、生産性やアウトプットの質を高める上で重要な「課題設定力」をどのように磨いていくか、そのノウハウについて学んでいきます。
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株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長
大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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06業務上のリスクに備えるならSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級8,500本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級8,500本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
リスクヘッジに関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,500本以上の講座を取り揃えております。この章では、リスクヘッジに関する授業を紹介いたします。
仕事のミスを減らす頭の使い方
この授業では、脳の仕組み、とりわけ「情報処理の中枢」とも言われる「ワーキングメモリ」と、われわれの認識や判断を左右している「潜在記憶」について、その仕組みとその活用法を解説します。
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トレスペクト教育研究所 代表エグゼクティブコーチ・学習コンサルタント
1967年、京都府生まれ。東京大学経済学部卒業。経済出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学スターンスクール留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。高確率セールストレーナー、CTIジャパンリーダーを務めた。現在は信頼(トラスト)と尊敬(リスペクト)をベースにした組織・社会の実現を目指すトレスペクト教育研究所代表。30年にわたり、心理学や記憶術、速読を実践研究し、脳科学、認知科学の知見も取り入れた独自のコミュニケーション法、学習法を確立。企業研修や個人向けの講座、個別指導を行う。主な著書:『絶妙な聞き方』(PHP文庫)、『スピード読書術』(東洋経済新報社)、『合格(ウカ)る技術』『合格(ウカ)る思考』(すばる舎)、『「1分スピード記憶』勉強法』(知的生き方文庫)、『英語楽読法』(日本実業出版社)、『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)、『記憶力が最強のビジネススキルである』(かんき出版)、『自分を変える「脳」の習慣』(SBクリエてぃぶ)ほか多数。 訳書:『売り込まなくても売れる! 実践編』(フォレスト出版)、『コーチング・バイブル 第3版』(東洋経済新報社 共訳)
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意外と知らない「情報セキュリティ」―リモートワークの必須事項
この授業では、ハッカーの視点から意外と知らない情報セキュリティの罠や脅威を学び、リモートワークにおける自分たちの身の回りの情報セキュリティについて考え対策を身に着けていきます。
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認定ホワイトハッカー
合同会社ビーエルケー・スミス 代表執行社員CEO。一般社団法人ITキャリア推進協会 技術顧問。(CEH 認定番号ECC56045708288、CND 認定番号ECC42119683638)EC-Council認定インストラクター。1968年 岩手県生まれ。現在は北海道在住。地元では剣道・居合道の指導も行う。 20年以上にわたる情報セキュリティ業界の経験と、現在も第一線の現場に立ち続けるノウハウにより技術支援と教育を行う。最新著書:「ホワイトハッカー入門」(インプレスブックス)
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Big West Brothers合同会社代表/コンプライアンスコンサルタント
日本郵船フェアートレード推進グループ長(本社法務・コンプライアンス部長)・豪州クルーズ会社CEO・国際物流企業取締役執行役員・現地法人社長(南米Bolivia)、リーガルテック企業執行役員等を歴任後、現職。通算37年間40カ国でグローバルビジネスを経験。郵船国際法務部長時代は42ヵ国200社55000人を統括するグローバルコンプライアンス体制を構築。在籍時6年間で延べ2万人の世界中のグループ社員に対してリーガル研修を対面で行った。一方、大規模国際独禁法違反事件への対応を責任者として米国司法省を始めとする各国当局との交渉を自ら行う。
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07まとめ
本記事では「リスクヘッジ」の定義や使い方、リスクヘッジ能力アップの方法について解説しています。日常のビジネスシーンにおいて、様々な場面で利用されるリスクヘッジが持つ意味と能力の重要性は企業においておさえておきたい内容です。ビジネスを行う上では複数のリスクがあり、そのリスクを回避することでビジネス展開や拡大を図ることができます。本記事の内容を元に、リスクヘッジの理解を深め、ビジネスシーンで利用して頂きたいと思います。