バックオフィスとは?関連する職種や効率化するメリットと方法を解説
バックオフィスは、企業の円滑な運営に欠かすことのできない重要な役割を果たしますが、同時に業務効率化が進めやすい領域であるともされています。本記事では、バックオフィスに含まれている職種や、効率化するメリットと方法について解説します。
- 01.バックオフィスとは?フロントオフィスとの違い
- 02.バックオフィスに含まれる職種とは?
- 03.バックオフィスが抱える課題
- 04.バックオフィスを効率化するメリット
- 05.バックオフィスを効率化する方法
- 06.まとめ
01バックオフィスとは?フロントオフィスとの違い
まず、バックオフィスの意味について、フロントオフィスとの違いとともに解説します。
バックオフィスには「後方支援」の意味合いがある
バックオフィスには「後方支援」の意味合いがあり、顧客に直接関わったり売上に直結したりすることのない業務のことを指します。企業の利益を直接的に生み出すことはありませんが、すべての従業員の円滑な業務遂行を支えており、企業の根幹を支える重要な業務です。
バックオフィスの支援を受けるフロントオフィスは企業の「顔」
バックオフィスの後方支援を受けるフロントオフィスは、企業の「顔」としての働きを担います。具体的には、営業やマーケティング、受付窓口やコールセンター業務など、顧客に直接関わり外部との接点となる部門のことです。オフィスの最前線を担うフロントオフィスは、企業の顔として、企業の利益に直接つながる重要な役割を持っています。
バックオフィスの役割は企業活動に必要不可欠
フロントオフィスの業務を効果的に行うには、バックオフィスの役割が必要不可欠です。例えば、営業やコールセンター業務では、日々顧客との対話を行っていますが、その裏でプレゼンの資料作成や顧客情報の管理など、さまざまな書類を作成し、フロントオフィスが業務に専念できるようサポートしているのはバックオフィスです。 バックオフィスは、書類作成以外にも、企業のお金や備品の管理、人事管理など、さまざまな雑務を行っています。昨今のコロナ渦では、テレワークの環境整備や労働時間管理など、さらに多くの業務を行う必要があります。 企業の信用問題に繋がるような、社外秘の重要情報を取り扱うこともあるなど、企業経営が円滑に進むためにも、バックオフィス業務は必要不可欠であると言えます。
02バックオフィスに含まれる職種とは?
企業にとって「縁の下の力持ち」とも言われるバックオフィスですが、ここではバックオフィスに含まれる業種について具体的に解説します。
人材に関わる業務を行う「人事」
まず、人材に関わる業務を行う「人事」が挙げられます。人事採用や人材育成に関する業務を行い、企業にとって基盤となる人材を管理します。また、適材適所の人事配置や、部署異動、転勤などの手続きにも携わります。 人事制度の作成をして管理するのも人事の仕事で、従業員が高いモチベーションを保って業務に取り組めるよう働いています。
働きやすい環境作りを行う「労務」
企業の財産である人に関わる業務として「労務」も含まれます。労務は、従業員の給料計算や勤怠管理、福利厚生業務や保険手続きなどの仕事を行います。これらの業務は、従業員にとって働きやすい環境作りを行い、モチベーションや労働生産性を高めることにも繋がります。また、労働トラブルが発生した際の対応を行うのも労務の仕事です。
お金に関わる業務を行う「財務・経理」
お金に関わる業務を行う「財務・経理」も含まれます。具体的には、従業員の給与支払いや給与明細の作成、日々の経費精算などを行います。企業の収支を記録して企業の経営活動を管理する重要な役割を担います。 また、資金調達や予算管理も行い、金融機関とのやり取りをするなど、企業の将来における経営活動を支える役割も担っています。
法律に関わる業務を行う「法務」
法律に関わる業務を行う「労務」も含まれます。コンプライアンス遵守の徹底や、取引、契約などの確認作業、訴訟問題が発生した際の対応なども行います。企業が持つ所有権や知的財産権を活用し、収益化の推進などにも関わることがあります。 法務は専門性を必要とする業務であるため、法務部のない企業では、弁護士や行政書士などにアウトソーシングすることもあります。
企業活動を円滑にする「総務」
多岐にわたる業務を行い、企業活動を円滑にする「総務」も含まれます。総務の仕事は企業にもよりますが、例えば職場環境の整備、備品の管理、電話または来客対応など、幅広い仕事を行います。 企業によっては、人事や法務などが行う業務も、総務が取りまとめて行う場合もあります。総務は、社内全体を見渡して、経営陣と現場、部署間を繋ぐ重要な役割を果たします。
03バックオフィスが抱える課題
間接的に企業成長にも関わるバックオフィスですが、抱える課題もあります。ここでは、バックオフィスが抱える4つの課題を解説します。
人材不足の影響を受けやすい
バックオフィスが抱える課題として、人材不足の影響を受けやすいことが挙げられます。直接企業の売上に繋がる業務ではないため、担当者の人数を抑える傾向にあり、大量の業務を少人数で回さなければならないケースも少なくありません。 また、専門知識を必要とする上に業務内容も多岐にわたることから、特定の従業員に依存しやすいとも言われています。
依然としてアナログな業務が多い
依然としてアナログな業務が多いことも課題として挙げられます。デジタル化による業務効率化を進める企業も多くありますが、紙とデータ管理が混在する書類の処理は未だにバックオフィス業務の課題として上位に位置しています。 株式会社イスプリが2020年に行った「バックオフィス業務のテレワーク実態調査」によると、テレワーク導入に向けて解説すべき課題として「請求書や領収書などの書類の処理」が47.2%ありました。機密情報を扱っていることや、「紙とハンコの文化」が根強いなど、解決しなければならないアナログな業務が多いことがわかります。
他部署からの問い合わせ対応で業務が中断されやすい
また、他部署からの問い合わせ対応で業務が中断されやすいことも挙げられます。バックオフィスはフロントオフィスからの問い合わせやトラブルへの対応を行うこともあり、その度に業務が中断されてしまいます。 問い合わせの多くは類似点も多く、バックオフィスの担当者が同じ対応に追われるケースも少なくありません。
働き方改革により業務効率化やコスト削減が求められている
2019年より働き方改革の実現が企業にとって重要な課題となっています。業務効率化による生産性の向上に関しては、直接利益が発生する業務ではないバックオフィスにおいても、積極的な取り組みが求められています。 また、業務の性質上、人的コストの増加や無駄な手間が発生しやすいため、より一層の業務効率化やコスト削減が求められています。
04バックオフィスを効率化するメリット
バックオフィスの効率化への取り組みは、企業に大きく3つのメリットをもたらします。
人件費などのコスト削減
バックオフィスを効率化するメリットのひとつに、人件費などのコスト削減が挙げられます。例えば、業務の一部を自動化したり、ファイリングを電子化したりするれば、バックオフィスに投入する人材を減らして人件費の削減に繋げることができます。 また、紙の書類を減らしてペーパーレス化を推進するなら、書類の保管場所や印刷にかかる費用を抑えることができます。
ヒューマンエラーの防止
バックオフィスの効率化することで、ヒューマンエラーの防止にも繋がります。給料計算や勤怠管理、企業の収支管理などをマンパワーで行う場合、ヒューマンエラーを防止するのは困難です。決算期など忙しい時期にはヒューマンエラーのリスクが高くなります。 データ管理をシステム化して業務効率化を図るなら、時間の大幅な短縮とともにヒューマンエラーも防止することができます。
従業員のモチベーション向上
また、バックオフィスの効率化は、従業員のモチベーション向上のメリットも得られるでしょう。データシステム化による時間短縮は、決算期の長時間労働の解決策になると考えられます。残業時間が減少し、ワークライフバランスが実現すると、従業員にとって働きやすい職場環境が生まれます。
05バックオフィスを効率化する方法
最後に、バックオフィスを効率化する4つの方法を紹介します。
業務効率化ツールを導入する
バックオフィスを効率化するために、業務効率化ツールの導入を検討できるでしょう。効率化したい業務をリストアップして、それに合わせてツールを選びます。例えば、給料計算を効率化するためのツールや、従業員の勤怠管理を効率化するためのツールがあります。これらのツールを導入することで、一部の業務時間を短縮し、他の業務に専念することが可能になります。
アウトソーシングを活用する
アウトソーシングを活用し、。バックオフィスの業務の一部または全部を外部に委託することで、従業員をコア業務に専念させることができます。また、専門知識を必要とするバックオフィス業務のために、自社の従業員を育成する必要がなくなるのも大きなメリットです。
RPAを導入する
また、RPAの導入も挙げられます。RPAとは「Robotic Process Automation」の略語で、特定の業務をロボットにより自動化することです。データ入力作業など、時間のかかる単純作業などでRPAを活用すれば、業務効率化だけでなく人手不足の問題解決にも繋げることができます。
チャットボットを導入する
チャットボットの導入も、バックオフィスを効率化する方法のひとつです。チャットボットとは、自動会話プログラムのことで、会話形式で質問への回答を行います。チャットボットの導入により、問い合わせへの対応を自動化させることができ、業務の中断による生産性の低下を防止することにも繋がります。
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06まとめ
バックオフィスに関連する職種や効率化するメリットについてまとめました。企業活動を円滑に進めるために欠かすことのできない業務を担いますが、その性質上、効率化を進めやすいとも言われています。自社において課題となっているバックオフィス業務をリストアップし、最適な方法で効率化することで、働き方改善にも繋げることができます。