インフォーラムラーニングとは?そのメリットや事例について解説する
社員の自己成長を促す学習方法として、インフォーマルラーニングが注目されています。本記事では、インフォーマルラーニングの概要やメリット、事例について解説していきます。
- 01.インフォーマルラーニングとは
- 02.インフォーマルラーニングのメリット
- 03.戦略的インフォーマルラーニング方法
- 04.インフォーマルラーニング事例
- 05.まとめ
01インフォーマルラーニングとは
「フォーマル・ラーニング」(公式な学習)とは、会社が主宰し研修担当者や外部研修会社によってプランニングされた社内研修、講習会、セミナーなどのによる学習方法を指します。それに対して、対義語である「インフォーマル・ラーニング」は会社にプランニングされた学習ではなく、個人による学習方法のことです。個人で業務のこと、業界の知識などを学ぶインフォーマルラーニングには、どのような特徴があるのでしょうか。
ビジネスでの学習はインフォーマルが主流
社会人の学習機会については約70%が非公式の学び、すなわち「インフォーマルラーニング」によるものと言われています。圧倒的な割合で、インフォーマルラーニングが多いことが分かります。具合的には仕事上で分からないことがあったときに自分で調べること、先輩や上司の行動を観察して真似をすること、同僚と意見交換をしながら業務知識を得ることや本やインターネット上の情報から気づきを得たりすることを示します。「知りたいから」「学びたい」「気がつく」がインフォーマルラーニングの根源です。フォーマルラーニングとは違い、自発的学習方法になります。
インフォーマルラーニングの重要性
自発的であり、なおかつ学習機会の約70%を占めるインフォーマルラーニングは、人材成長における学習について重要な学習方法です。機会を与えられて学習する場合と、自分で興味や関心を持って学習するのでは、その理解度には大きな差が生まれます。インフォーマルラーニングは、自発的に学習をするため、その理解度はフォーマルラーニングよりも格段に高くなるのです。インフォーマルラーニングを続けることにより、人材の学習度合や習熟度合は高くなり人材の育成が進んでいきます。また、実務を通して学習することにより実務への理解を促進し、業務ノウハウや技術の蓄積も進んみます。結果的に、業務のスペシャリストとして担当することができ、事業運営において欠かせない人材に成長することも可能です。
02インフォーマルラーニングのメリット
インフォーマルラーニングが進むことで企業に与えるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。次にインフォーマルラーニングにより起きるメリットについて解説していきます。自社にとってのメリットと比較して理解を深めていきましょう。
実務に則した知識習得が可能
インフォーマルラーニングは、決まったコンテンツやプログラムがありません。実務を通して疑問に思ったことや、知りえたことが学習となります。そのため、実務への理解度がまし即戦力として利用できる知識です。インフォーマルラーニングを進めるということは、実務を理解することと同義として扱うことができるため、実務理解の促進、業務知識の蓄積やノウハウ、技術の習得や蓄積も可能になります。一連の学習を通して、実務に対しての理解や知識を深めることは業務運営において欠かせない人材育成にもつながります。また、経験を蓄積する中で、業務効率化や生産性の向上への気付きを持つことにもつながるため、業務の生産性向上に大きな期待ができるでしょう。
自己成長につながる
自発的な「知りたいから」「学びたい」「気がつく」という概念から、自らの行動により不明点を無くしたりアイデアの創出を行うことは、自己成長のきっかけとなります。特に、興味関心を持って学習することは、理解度を高める重要な要素です。自発的に感じたことだけではなく、自ら調べること、先輩や上司に教えてもらうことは、周囲へも良い刺激を与えます。興味を持つことは、自己成長を促すためにも重要な要素です。興味・関心のないことは、いくら勉強しても理解度が低く、時には学習が苦痛だと感じることもあります。それにくらべ、インフォーマルラーニングのキッカケは、自分の興味・関心です。この自らの興味関心こそが、理解度の促進であり、自己成長の大きな軸となります。
コミュニケーション力の向上
インフォーマルラーニングでは、興味関心のあることについて、上司や先輩、同僚に聞くことで不明点を解決することがあります。積極的に質問をすること、意見交換をすることは、コミュニケーション力の強化、向上にもつながります。知りたいことを知っている人が、自分の部署に居る人だけとは限りません。時には他部署にて、不明箇所を解決することもあるため社内の人材との人間関係も構築することにつながります。社内での人間関係が構築されることは、今後、全社横断プロジェクトの遂行や業務連携が必要になった際にも有効に働きます。社会人となり最初に身に付けておきたいコミュニケーション力をより高め、人間関係を構築することで損となることはありません。逆に、より高めることでメリットを受けることがほとんどであるため、インフォーマルラーニングを行う上でも重要なメリットして取り上げられています。
継続性の高いモチベーションの維持
インフォーマルラーニングの基本は自分です。自発的におきる興味・関心は継続性の高いモチベーションになります。自分が知りたいことを知る、調べることと、人からの指示で知ること、調べることでは、どちらが楽しいかと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。人は、モチベーションを維持することを難しいと考えがちです。しかし、自分自身がもつ興味・関心であれば、継続しても苦痛になることはありません。むしろ楽しめる方が強いといえます。このように、インフォーマルラーニングを行うことは、高いモチベーションを維持することに大いに役立つ学習方法だと理解することができます。
03戦略的インフォーマルラーニング方法
次に、インフォーマルラーニングを戦略的に行う方法について解説していきます。戦略的とは、より効果的にという意味で、インフォーマルラーニングを効果的に行うための方法と理解することができます。インフォーマルラーニングの効果をより高めるためにも、戦略的な方法を理解しておくことが必要です。
現場での経験と考察の共有
インフォーマルラーニングには、日々の現場での体験や経験が非常に大切です。日常の業務を通して、感じる不明点や興味がインフォーマルラーニングの発端となります。また、そこで感じた疑問点などをチーム内や上司と共有することで、新たな気付きを得ることもあります。このように、現場での経験や考察の共有は、インフォーマルラーニングの発端となることを理解し、日常の業務経験を蓄積することが必要です。日常の業務を行う際には、不明な点はないのか、共有すべき事項はないのかを念頭におきアンテナをはることが必要だと理解して取り組んでいきましょう。
関係者でのディスカッション
業務の課題や不明点については、関係者でのディスカッションを通して解決していきます。1つの事象に対して感じること、課題として認識することには、さまざまな意見があります。決して人と一緒でなければいけないということではなく、他の人の意見を通して新たな気づきを得ることが必要です。この気づきから生まれるもっと知りたいという気持ちこそが、インフォーマルラーニングの原動力となります。
学習環境の整備
インフォーマルラーニングを推進するには、学習環境の整備が必要です。フォーマルラーニングのように日時、場所などが決まっておらず、自由に学ぶことができる反面、学習環境が未整備であれば疑問点をもったままとなります。具体的には、上司や先輩に質問をする時間、ディスカッションをする機会、自分で調べることができる環境などを用意します。最初は特に上司や先輩に質問をすることから始めるため、不明箇所や疑問がないかについては確認をする声掛けを心掛けておく必要があります。その他、意見を出しやすくする会議の運営方法などを検討すること、自分で調べることができるパソコンの用意やマニュアルの閲覧環境なども整備しておきましょう。
04インフォーマルラーニング事例
最後にインフォーマルラーニングに関する事例をご紹介します。東芝ソリューションでは、システム構築不要の SaaS 型 e ラーニングパッケージサービス『Generalist』を使いインフォーマルラーニングの機会拡大を行っています。
東芝ソリューション
東芝ソリューションでは、自社が展開する『Generalist』を使い、モバイルラーニングをサポートしています。現在では、スマホを使って調べる行為に抵抗がある人は少ないため、インフォーマルラーニングを行う際の調べる行為をスマホを使って効率的に行う仕組みを構築し展開しています。従来であれば、職場に居なければ調べることができなかったことを、通勤列車での通勤中にも調べることができ、疑問や関心を持った時に直ぐに調べることを可能にしています。この仕組みは、今後もより多くの事例として活用されることが想定される事例です。
参考:現場の学び「インフォーマルラーニング」の機会を広げるモバイルラーニング
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■資料内容抜粋
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05まとめ
本記事は、インフォーマルラーニングをテーマにその特徴やメリットについて解説しています。学習の約70%を占める学習方法であるインフォーマルラーニングを活用することは、人材育成を効率的に行う方法です。本記事を参考に、インフォーマルラーニングの理解を深め人材育成を促進していきましょう。
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登壇者:越川 慎司様株式会社クロスリバー 代表取締役
ITベンチャーの起業などを経て2005年に米マイクロソフト本社に入社。業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。全メンバーが週休3日・リモートワーク・複業の株式会社クロスリバーを2017年に創業し、815社17万人の働き方と成果を調査・分析。各社の人事評価上位5%の行動をまとめた書籍『トップ5%社員の習慣』は国内外で出版されベストセラーに。