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コーピングとは?ストレスから従業員を守る企業の取り組みについて解説

公開日:2021/09/10
更新日:2021/09/10
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コーピングとは?ストレスから従業員を守る企業の取り組みについて解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

コーピングとはメンタルヘルスに関する用語です。人がストレスを感じたときに、そのストレスに対し上手く対処しようとすることをストレスコーピングといいます。当記事ではコーピングの概要と、さまざまなストレスにさらされる従業員のメンタルを守る企業の取り組みについて解説します。

 

コーピングとは?

コーピングとは英語のcope(対処する・対応する)に由来する言葉で、メンタルヘルスの領域で「ストレスへの対処」を指す言葉です。近年、働く人々のストレスが社会問題となっています。精神疾患をはじめとした健康被害や自殺など、ストレスを原因としたさまざまな問題が発生しています。こうした問題を防ぐためには、コーピングの技術を身につけ、自分自身で上手にストレスに対処する必要があります。

ストレスの仕組み

一般的にストレスとは、心にかかる負荷のことを指します。その負荷の原因を「ストレッサー」といい、ストレッサーにより引き起こされる心身への影響を「ストレス反応」と呼びます。 ストレッサーはストレスの原因ではありますが、直接的に作用してストレス反応を引き起こすのではありません。ストレス反応は「ストレッサーの受け止め方」や「心の状態」と作用しあって生じます。つまり、同じストレッサーであっても、人によりストレス反応は違うということです。このことは、ストレッサーの受け止め方を対処(コーピング)することで、ストレス反応をコントロールできることを示唆しています。

 

コーピングが求められる背景

近年、コーピングはストレスマネジメントの手法として注目を集めています。2015年にストレスチェック制度が導入され、企業の従業員に対するメンタルヘルス管理の重要性が広く社会に認識されました。高ストレス状態にある従業員を放置し対策を怠ることは、安全配慮義務の観点からも見過ごすことができなくなっています。こうしたことから従業員に対するメンタルヘルス対策の一環として、コーピングが求められるようになりました。

職場のストレスの実態

現代における職場のストレスの実態はどのようなものでしょうか。厚生労働省が実施した「令和2年、労働安全衛生調査結果の概況」によると、「現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある」とする労働者の割合は54.2%にのぼっています。 強いストレスを感じたと回答した労働者について、その内容の内訳は「仕事の量」が42.5%ともっとも多く、次いで「仕事の失敗・責任の発生等」が35.0%、「仕事の質」が30.9%となっています。 調査結果によると、実に半数以上の労働者が仕事量や仕事内容、生じる責任から強いストレスを感じているようです。
参考:厚生労働省 令和2年 労働安全衛生調査結果の概況

ハラスメント防止

近年ハラスメントの防止の施策として、ストレスマネジメントの手法を取り入れる企業が増えています。改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が2020年6月より施行され、企業としてのハラスメント対策が世間から注目されるようになりました。都道府県の労働局に対する「職場のいじめ・嫌がらせ」の相談は年々増加傾向にあり、いじめや嫌がらせを原因とした精神疾患の労災認定も増えています。 こうしたことを背景に、コーピングやアンガーマネジメントが注目され、ストレスマネジメントの手法を取り入れ、対策を講じる企業が増えているのです。

 

従業員のストレスを放置することのリスク

社会的に従業員のメンタルヘルスに関する企業の取り組みが注目されるなか、従業員のストレスを放置することはさまざまなリスクをもたらします。 ハラスメントをはじめ、メンタル不調による従業員の休職や退職により業務停滞が発生します。うつ病などの精神疾患や、それを原因とした自殺も、一度発生すれば企業の根幹を揺るがす大問題となります。長時間労働によるストレスから発症する脳や心臓疾患の発症、それによる労災認定や訴訟といったリスクもあります。従業員の心身の健康、メンタルのケアを怠ることは、企業運営に重大なリスクをもたらすことを認識しておく必要があります。

 

コーピングの種類

それではストレスコーピングの概要について触れていきます。ストレスコーピングは大別して「問題焦点型」「情動焦点型」「ストレス解消型」の3種類に分類されます。それぞれストレスの内容や原因に応じて使い分けると良いとされています。

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレス反応の原因となっているストレスそのものに働きかけ解決を図るコーピングの手法です。例えば「上司との関係が悪くて仕事がしにくい」というストレスを感じているのであれば、その原因となっている「上司との関係そのもの」にアプローチをして問題解決を図ります。 ストレスの原因に直接働きかけて、ストレス状態を改善しようとするのが問題焦点型コーピングです。

情動焦点型コーピング

問題焦点型コーピングは、ストレスの原因となっている相手に直接働きかけるため、比較的ハードルが高く感じられます。情動焦点型コーピングは、ストレッサーに働きかけるのではなく、ストレスを受けた自分自身の考え方や感じ方を変化させ、ストレスを軽減しようとする対処方法です。 ストレッサーへのアプローチが困難で、容易に変えることができない場合や、長期間にわたりストレッサーと向き合わなければならないときに有効な、現実的なコーピング手法であるといえます。

ストレス解消型コーピング

ストレス解消型コーピングとは、ストレスを感じた際に「旅行に出かける」といった気晴らしとなる行動をとったり、軽い運動やヨガなどでストレスの緩和に取り組んだりする手法です。 ストレスの原因を直接取り除くことはできず、対症療法的な要素が強いのですが、簡単に実施できる点では、非常に有効なストレス対処の方法であるといえます。 自分なりの気晴らしのパターンを掴んでおくと、ストレスをため込むことなく日常的に発散できるので、心の健康を保つ上で有効な手段であるといえます。

 

ストレスから従業員を守る取り組み

2015年のストレスチェック制度の導入や、2020年のパワハラ防止法(通称)の施行により、職場で発生するストレスから従業員を守る取り組みは義務化されたといえます。 それ以外にも企業は独自に従業員のメンタルヘルスに配慮した、さまざまな取り組みをする必要があります。こうした取り組みを熱心に行うことは、健全な職場環境を維持し結果として生産性の向上や、好調な業績となって企業に恩恵をもたらすでしょう。

メンター制度の導入やカウンセリング窓口の設置

ストレスを抱えている現状は、誰かに相談したり、愚痴として話したりすることでかなりの部分が軽減されるものです。企業の取り組みとして、従業員が気軽に相談できる環境を整備することは、ストレスマネジメントの基本であるといえます。 年次の浅い若年層に、メンターとして先輩従業員を相談相手として専任したり、気軽に相談できるカウンセリング窓口を設置したりという対策は、比較的取り組みやすいものです。 上司との定期的な「1on1面談」の機会を設けることも、従業員のストレス状態を把握する上で有効な手段となるでしょう。

定期的な研修

定期的な研修や勉強会を開催し、従業員にストレスマネジメントの教育をすることも有効な手段であるといえます。ストレスコーピングをはじめ、ストレスマネジメントの手法を紹介し演習により身につけてもらいます。知識として知ってもらうことはもちろん、日々実践してもらうことにより、従業員のストレス対処能力は向上します。 ストレスマネジメント研修のカリキュラムの一つとして、コーピングリストを作成する演習を紹介します。

 

コーピングリストとは

コーピングリストとは、自分がストレスを感じたときに行うとストレスを軽減できる行動や言動をリストアップしたものです。具体的な行動を100個ほどリストアップしてもらいます。例を挙げると、ストレスを感じたら「甘いものを食べる」といった具体的な行動から、「宝くじの高額当選を想像する」といった妄想まで含め、自分の機嫌が良くなる気晴らしをできるだけ多くリストアップしてもらいます。そして、普段からそのリストをもち歩き、ストレスを感じたときに実践するというものです。 この方法はストレスの芽がまだ小さいうちに気がつき対処する習慣を身につけるのに有効です。リスト化した行動は、自分自身で完結し手軽に行えるものであればより効果を発揮するでしょう。

 

コーピングに取り組むメリット

企業がコーピングなどのストレスマネジメントに取り組むメリットは、ストレス対処が上手な人材を育成できる点にあります。仕事を進めていく上で、一切のストレスと無縁であるという状況を作り出すことは不可能です。 ストレスへの対処能力が高い従業員を育成することは、従業員の余計な心の負担を軽減することにつながり、意欲と情熱をもって仕事に取り組んでもらえるようになります。こうしたことが、生産性や業績の向上に間接的に影響を及ぼし企業のメリットになるのではないでしょうか。

 

ストレスの軽減が働きやすい職場をつくる

従業員一人ひとりが、コーピングなどのストレスマネジメントの手法を実施することにより組織全体のストレス状態が改善すれば、風通しが良く雰囲気も良い職場環境が構築されるでしょう。ストレスが低い状態でのびのびと仕事ができるのであれば、周囲の同僚にも優しくでき、協力して仕事を進められるようになります。ストレスをため込まない良い循環が職場に生まれるのではないでしょうか。

 

まとめ

従業員のメンタルケアの取り組みは、企業の義務として行うものであるといえます。さまざまな法改正もあり、企業としての取り組み姿勢は、社会的な注目を集める関心事となっています。人材確保や育成の観点からも従業員のストレスマネジメントは重要な意味をもちます。今一度、自社の従業員の状態と取り組み内容を検証してみてください。

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