公開日:2021/09/10
更新日:2022/09/21

クロスファンクショナルチーム(CFT)とは?導入事例やうまく機能させる方法もご紹介

クロスファンクショナルチーム(CFT)とは?導入事例やうまく機能させる方法もご紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、組織の抜本的な改革や体制刷新を目的として、クロスファンクショナルチームが形成されることが多いようです。クロスファンクショナルチームとはどういったチームのことを指すのでしょうか、そのメリットや導入するための手順、国内の代表的な事例についてご紹介します。

 

01クロスファンクショナルチーム(CFT)とは

クロスファンクショナルチーム(Cross Functional Team)とは、部門単位ではなく全社的に課題となっている問題に対して、部署や役職を問わず、課題解決に必要な人材が集められて結集するチーム体制のことです。 部署として常設される場合と、一時的なプロジェクトとして期間限定で招集される場合があります。 国内では、日産自動車株式会社においてカルロス・ゴーン氏が行った改革で、この存在を知ったという人も多いのではないでしょうか。

元々は日本発祥のチーム形態

クロスファンクショナルチームの発祥は、日本が源流になったとされています。1980年代に急成長を遂げた日本の、国際社会における高い競争力の原動力になったとして、アメリカを中心に理論化されました。 アメリカでは、部門ごとにプロフェッショナルが仕事をこなすことが一般的ですが、日本では昔から、部門を超えて全社的に課題解決に向けて動く傾向がありました。 このように、部門を超えた全社的な協力体制が日本の国際競争力の向上に繋がっているとアメリカは考え、自国でも取り入れようとし体系化されていったのです。 それが逆輸入に近い形で近年の日本でも改めて広まってきており、大企業を中心に導入されていっています。

過去の失敗例が多くノウハウが重要になる

クロスファンクショナルチームは、高度な課題解決を求められて結成されるチームですが、失敗に終わってしまうケースも少なくありません。 通常、各部門に分かれて仕事をしている従業員が、緊急的に招集され一つとなり難易度の高い業務にあたるようになるため、チームの連携に課題があったりノウハウ不足などが原因で失敗してしまうことがあります。 こういった失敗を避けるためにも、クロスファンクショナルチームにはチーム員同士の連携とノウハウの共有が重要となるのです。

 

02クロスファンクショナルチーム(CFT)導入のメリット

クロスファンクショナルチームを社内に導入することのメリットにはどういったものがあるのでしょうか。3つのメリットをご紹介します。

組織の活性化につながる

まず第一に挙げられるのが、クロスファンクショナルチームを結成することで、組織の活性化に繋がることです。 基本的にクロスファンクショナルチームの人員には、全社を横断して様々な部門から人員が必要に応じて招集されます。 そのため通常縦割り構造になっている組織が活性化され、効率化や専門性が高められることに繋がります。

自由で斬新なアイデアが生まれやすい

日頃接点の少ない従業員同士で、かつ様々な経験や知識を持った従業員が集結するため、自由で斬新なアイデアが生まれやすいこともメリットとして挙げられます。 このことからクロスファンクショナルチームには、組織の抜本的な改革や体制刷新を目的としてチームが作られるケースが多い特徴があります。

企業が抱える高度な課題の解決につながる

また、部門単位では対応できない高度な課題の解決につながるというメリットもあります。 異なる専門的な知識を持った従業員が集結し集中的に課題解決に取り組むため、生産性が非常に高くなり、従業員同士のスキルも相乗効果で高まっていきます。 その結果として、会社が抱える難易度の高い課題に対しても解決に導いてくれることでしょう。

 

03クロスファンクショナルチーム(CFT)を導入するための手順

クロスファンクショナルチームを導入するための手順を紹介します。 業務の難易度が高く、失敗に終わってしまうことも少なくないため、手順を正しく理解し導入するようにしてください。

チーム設計

クロスファンクショナルチームを導入するための第一歩として、チーム設計が非常に大切になります。日頃部門ごとに分かれて業務を行なっている従業員を招集し、別の業務に充てることになるため、既存の業務に負担がかかってしまいます。 それを覚悟した上で結成しないといけないため、どういった目的でどういった人員を何人集め、どれぐらいの期間稼働するのか、といったチーム設計は非常に重要なポイントになります。失敗に繋がることのないよう、伸長なチーム設計を行いましょう。

メンバーの選出

チーム設計が完了したら、必要となるメンバーを実際に選出していきます。メンバーの選出もチーム設計に次いで重要であり、自社が抱える高度な課題を解決できるメンバーを選出しなくてはなりません。 そのためには日頃から従業員のスキルや経験、ノウハウといったものを正しく把握しておく必要があります。 また、クロスファンクショナルチームを牽引していくリーダーを決めることも必要になります。強いリーダーシップと責任感を持った人材を選出するようにしましょう。

チームの運営

メンバーの選出が完了したら、チームとして運営を開始します。 クロスファンクショナルチームが失敗するケースには、チーム員の連携不足やノウハウ不足が挙げられることも少なくありません。 チームを運営していく上で、メンバー同士が上手く連携できるように気をつける必要があります。また、ノウハウを出し惜しむことなく、積極的に課題解決を進めていくようにしましょう。 チーム運営の先には、明確な期限を設ける必要があります。課題がなかなか解決しないからといって、いつまでもチームを作ったままでいると既存業務への影響が大きくなってしまうため、注意しなくてはなりません。 期限が迫ってきたら延長するのか、解散するのかしっかりと吟味した上で選択しましょう。

 

04クロスファンクショナルチーム(CFT)をうまく機能させるためには

クロスファンクショナルチームをうまく機能させるために必要な3つのポイントをご紹介します。

リソースの配分を公平に行う

メンバーを各部門から選出するにあたって、リソースの配分はなるべく公平に行いましょう。 既存業務に空きが出ることになるため、特定の部署から偏って人員を選出してしまうと業務が回らなくなってしまいます。 そうならないためにも、チーム結成に当たってのリソースの配分は公平を期すようにしましょう。

率直な意見交換を行う

メンバー同士は、日頃接点が少ないためなかなか正直な意見をぶつけにくいことが多いですが、課題の解決には率直な意見交換が必要になります。 メンバーの年齢や経験年数などによらず、柔軟で斬新なアイデアが求められることが多いため、忌憚のない意見交換を行えるようにチームリーダーは取り計いましょう。

チームの責任と目標を明確にする

クロスファンクショナルチームには各部門の精鋭が集結されるため、責任の所在が曖昧になってしまうこともあり得ます。そうならないためにもリーダーをきちんと選任し、責任を明確にする必要があります。 また、チームとしての目標も明確にする必要があります。目標が明確になっていない場合、チームをいつまで運営し続けなくてはいけないかが曖昧になってしまうため、最初に目標も明確に設定しましょう。

 

05クロスファンクショナルチームの導入事例

クロスファンクショナルチームの、国内における代表的な事例を二つご紹介します。 導入を検討している企業は自社のチーム結成に活かしてください。

日産自動車株式会社の導入事例

日産自動車は国内を代表する企業ですが、1990年代に深刻な業績不振に陥っていました。その背景には顧客思考の欠如があったとされており、それを解決するためにカルロス・ゴーン氏のもと、クロスファンクショナルチームが結成されました。 ゴーン氏は、「多様化する顧客のニーズに応えるためには部門を横断した対応が必要である」と考え、社内から10名の精鋭を集結し3ヶ月間の期間を設け、社内の抜本的な改革に臨みました。 クロスファンクショナルチームの結成からわずか2ヶ月後に「日産リバイバルプラン」を発表し、結成前の目標の全てを1年間前通しで実現してしまったのです。 短い期間であったにも関わらず、2,000件を超えるアイデアが生まれ、そこから日産自動車のV字回復につながりました。 短期間で圧倒的な成果が出るという点はまさにクロスファンクショナルチームの成果と言えるでしょう。

りそなホールディングスの導入事例

りそなホールディングスでは、顧客ごとの困りごとや社会課題を起点とした新規ビジネスの創造を目的として、クロスファンクショナルチームが2020年4月に結成されました。 SDGsをはじめとした社会問題の解決や、多様化する顧客ニーズに答えていくためには、従来の手法では限界があるとし、社内を横断し専門的にそれらの対応をできるチームを結成しました。 クロスファンクショナルチームを結成し、その中で見えてきた「既存ビジネスの深掘りと強化」と「新ビジネスの創造」という二つの課題に対して、今後も重点的に対応していくことになりました。 また、クロスファンクショナルチームが効果的に作用するように、東京都江東区に新たな拠点となる「Resona Garage」を作成し、経営基盤の次世代化に向けた取り組みを加速させています。


 

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06まとめ

多様化する顧客ニーズや社会問題に解決していくためには、企業内で部門を横断した高度な課題解決力を持ったチームが求められています。 そういった中でクロスファンクショナルチームをうまく機能させ、既存の概念に囚われないアイデアを出し、課題の解決に取り組んでいきましょう。

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    株式会社ZOZO 技術本部 技術戦略部 組織開発ブロック ブロック長 / 組織開発アドバイザー STANDBY 代表

    1998年に大学卒業後、味の素株式会社に入社し、営業マーケティングに従事。2006年にヤフー株式会社へ転職し、新規ビジネス開発・サービス企画のリリースを経験するかたわらで各種組織活性プロジェクトを推進。2016年に希望して人事部門に異動後、全社の人材開発・組織開発を担当。1on1ミーティングをはじめとしたピープルマネジメントツールの推進や管理職のマネジメント支援と並行して、現場の組織課題解決をサポート。2019年に個人での組織開発アドバイザリー事業と組織開発エバンジェリストとしての情報発信を開始。2020年に株式会社ZOZOテクノロジーズ(現・株式会社ZOZO)へ転職し、現在は全社およびクリエイター部門の人事企画・人材開発・組織開発に携わっている。

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