公開日:2021/09/10
更新日:2022/07/15

CCT(Concept Clarification Test)とは?メリットを正しく理解して社内研修に活かそう

CCT(Concept Clarification Test)とは?メリットを正しく理解して社内研修に活かそう | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業では、新入社員研修やリーダーシップ研修、マネジメント研修など、日々様々な研修が行われています。そのような中で、一つひとつの研修効果を高めるために、CCTと呼ばれる研修方法が注目を集めています。どのような研修なのか、メリットや進め方を紹介します。

 

01CCT(Concept Clarification Test)とは

CCTとは、「Concept Clarification Test」の略称であり、集団の中でディスカッションや質疑応答を通して、研修内容の理解を深めるための技法です。テストという言葉がついているため、試験がイメージされやすいですが、テスト方式を用いた集団討議法と考えると良いでしょう。 CCTは、研修内容の振り返りや要点を再確認することに重きを置いたものであり、講義や研修などの振り返り学習に用いられることが多いです。 元々は、アメリカで主流な教育方法だったものを日本人が概念化し、企業の研修などに取り入れました。変化の激しい現代社会において、企業が直面する課題は多岐に渡り、従業員のスキルアップの必要性が叫ばれる中でCCTの重要性は高くなっています。

 

02CCT(Concept Clarification Test)のメリット

企業が研修の中でCCTを活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。 3つのメリットをご紹介します。

研修内容をより深く理解することができる

まず挙げられるメリットが、通常の研修の後にCCTを行うことで研修で学んだ内容をより深く理解できることです。 CCTでは、研修で学んだ内容についてグループを作りディスカッションすることで、研修の要点はどのようなものであったか、どうすれば実務に活かすことができるかなどを検討することができます。 学んだことをそのままにせず、ディスカッションを通して理解を深めることで、実務に活用することができ、研修の効果が向上していきます。

管理側で受講者の理解度を把握することができる

また、CCTはテスト形式で行われるため、研修参加者がどの程度研修の内容を理解できたかを、管理者側で把握することができます。 間違いが多い箇所を把握することで、次回の研修に活かすことができたり、重要な点は追加の研修を行うことで、従業員の理解を深めることができます。 一般的には、研修で教えた内容がどの程度理解されているかを把握することは難しいですが、CCTを活用すれば簡単に把握でき、研修の質の向上に繋がります。 CCTを活用した研修を積み重ねていくことで、研修の精度が向上していくでしょう。

学んだ内容に対する興味関心が増加する

座学形式で講義を受けるだけでは、従業員はどうしても受け身になってしまい、学習の意欲が促進されません。 CCTでは、グループワークを通して参加者がより主体的に学ぶことができるため、研修で学んだ内容に対して興味関心が増加しやすい傾向にあります。また、理解度を確認するテストを通して、周囲とある種の競争をすることになるため、競争心が湧き学習自体への動機付けに繋がるメリットもあります。 従業員が研修に意欲的に参加しないといった課題がある企業においては、積極的にCCTを活用することが推奨されます。

 

03CCTの具体的な進め方

企業が研修においてCCTを行う場合は、どのように進めたら良いのでしょうか。 5つの流れで具体的に解説します。

講義やスライドによる事前学習

まずは、通常の研修と同様にスライドなどを用いて講義を行います。 その際、後からグループを作って研修内容についてディスカッションすることやテスト形式で理解度を把握することを事前にアナウンスしてください。 そうすることで、従業員が研修により意欲的に参加することができます。

個別テストの実施

研修が終了したら、事前に作成したテストを配布し、参加者に実施してもらいます。テストは集計のしやすさや、後に行うディスカッションの進めやすさの観点から、記述形式ではなく、答えが明確になっている4択などのマークシート形式にすると良いでしょう。 研修の内容によって設問の数は変わりますが、理解度を正確に測定するためにも、最低10問は作成しましょう。それぞれの設問は、実務に即した形で「〇〇のような場合、取るべき行動は次のうちどれか」といったような形にすることで、参加者が学んだことを業務に活かしやすくするのがポイントです。

グループを作りテストの統一の回答を定める

テスト実施後、研修参加者同士で5人程度のグループを作成します。 この際、日頃関わることが少ない他部署の人同士を同じグループにすることで、部署間のコミュニケーションを活性化することもできます。 グループに分かれた後に時間を設定し、それぞれの回答を共有し正解がどれであったかを、ディスカッションによって1つに定めます。回答を1つに絞る際は安易に多数決で決めず、ディスカッションを通して、全員が納得できる回答に絞るよう促すと良いでしょう。

講師による正解の発表と解説

回答が出揃った段階で集計し、講師が一つひとつ解説しながら正解を提示します。時間が限られている場合は、研修の重要なポイントや誤答が多かった問題を中心に解説しましょう。 また、随時質疑応答を行い参加者に不明点が残らないようにすることも大切です。時間に余裕がある場合は、参加者の理解を深めるためにグループを指定し、正解を選ぶまでに至った経緯を発表させましょう。

結果を分析し次回の研修に活用する

CCTの場合、研修が終わった後に回答結果を分析することが非常に重要です。 そうすることで、理解が難しかった点や、間違えやすいポイントを管理者側が確認でき、次回の研修に活用することができます。

 

04CCTを行う上での注意点

CCTを効果的に行う上でどのような点に注意すれば良いのでしょうか。 3つの注意点を解説します。

職場の現状や経験を織り交ぜながら議論させる

まず、テスト結果について共有し回答を1つに定める際は、実際の職場の現状や経験を織り交ぜながら議論することが大切です。 テストで良い点を取ることが目的になっては、研修の効果が薄れてしまいます。 実際に仕事を行う上での視点を持ちディスカッションすることで、研修で学んだ内容をより実務に活用することができます。

ディスカッションの時間を厳守させる

次に、ディスカッションの制限時間は厳守させるようにしましょう。 限られた時間の中でディスカッションを行い、正解を1つに絞ることで、より真剣に参加者が研修内容を振り返ることができます。 参加者の意見が割れ、回答がなかなか1つに定まらない場合は、より多くの問題について議論するために保留にして回答を飛ばしてもらうことも大切です。

質疑応答の時間を十分に設ける

講師によって正解を解説する際は一方的に行うのではなく、質疑応答を随時設けましょう。 参加者に疑問が残っていても、その場で解決することができれば理解が深まります。 一方で、参加者が正解に納得できず疑問を残したままの状態で研修を終えてしまうと、研修の理解度が低下してしまいます。1人が抱えた疑問は他の参加者も疑問に思っている場合が多いため、その場で共有し参加者全員の理解を深めることが大切です。

 

05CCTを効果的に活用できるケース

CCTはどのような研修において効果を発揮するのでしょうか。 3つの研修をご紹介します。

リーダーシップ研修

リーダーシップ研修は、企業の中で特にリーダーシップを発揮して欲しい人材に対して行う研修であり、中堅層やマネジメント層の従業員に対して行われます。 リーダーシップの定義は人によって様々であり、各々が業務で経験してきた内容によって理想像も異なります。そこで、研修時にCCTを活用することで、自分以外の従業員がリーダーシップについてどのように考えているのか、業務上どのように発揮しているのかを知ることができます。 リーダーシップに関する多様な考えを知った上で研修で学ぶことで理解が深まり、よりリーダーシップを発揮できるようになります。

マネジメント研修

マネジメント研修は、チームや部下を率いて仕事を行うマネジメント層に対して行う研修であり、研修の中でも高度な部類の研修に分類されます。 従業員のマネジメントスキルは、企業全体の生産性に繋がるため、とても重要な研修でもあります。 マネジメント研修にCCTを活用することで、他の管理職の人がどのようにマネジメントしているのか、どのような点に気をつけてマネジメントしているのかを知ることができるため、自分のマネジメントスキルの向上に大きく影響します。 マネジメントに必要な育成や管理、コミュニケーションなどのスキルは座学だけでは伝えづらいため、CCTを通して理解を深めましょう。

職種別研修

職種別研修は、従業員の職種別に特化した内容で行う研修であり、営業研修やマーケティング研修、人事研修などが含まれます。営業に必要なスキルや、マーケティングに必要なスキルは別物であるため、職種別のニーズに応じて研修を行うことは大切です。 職種別研修では、自分と同じ職種の従業員同士で研修を行うため、CCTを活用してディスカッションを行うことで、職種別に必要な知識の理解が深まり、スキルの向上に磨きがかかります。 会社の中で課題に感じている職種がある際は、積極的に研修にCCTを活用し、職種別に必要なスキルの理解を深めていきましょう。


 

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06まとめ

研修でCCTを活用することで参加者の理解度を深め、より実務に即した知識やノウハウを伝えることができます。 リーダーシップ研修やマネジメント研修など、様々な研修で研修活用できるため、積極的に社内の研修に取り入れましょう。

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