更新日:2025/08/14

3年目社員向け研修 - 目的やポイント、事例まで紹介

3年目社員向け研修 - 目的やポイント、事例まで紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

3年目の社員は、現場経験を積んで業務にも慣れてきた一方で、成長の停滞や将来のキャリアに不安を感じやすい時期です。さらに後輩指導やチーム貢献など、1~2年目と比べて求められる役割も大きく変化していきます。そんな3年目社員に意識転換を促し、主体性と視座を高めるのが「3年目社員向け研修」の狙いです。本記事では、その目的や実施ポイントに加え、実際の事例も交えながら、効果的な研修設計のヒントをご紹介します。

 

013年目社員向け研修とは

3年目向け研修は、新卒入社から一定の実務経験を積んだ若手社員を対象に実施されます。入社3年目は、業務遂行において独り立ちし、チーム内でのリーダーシップ発揮へと役割が広がる時期です。

そのため、後輩指導や小規模なプロジェクトの主担当を任され始める層が主な対象です。研修では、セルフマネジメント力や業務改善の視点、後輩育成の基本、報連相・巻き込み力といった実践的なスキルを学び、将来的な中堅社員・管理職へのステップアップを見据えた基盤を築きます。

3年目社員向け研修が求められている背景

3年目社員向け研修が求められている背景

厚生労働省のデータによると、新規学卒者の約30%が入社3年以内に離職していたことがわかっています。さらに、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが入社1~3年目の社会人に行ったアンケート調査によると、離職を想起する最大の理由は「仕事にやりがい・意義を感じない」(27.0%)であり、これは若手社員が自己実現や幸福追求を重視する傾向が強まっていることが要因でもあります。

3年目社員は業務の独り立ちや後輩指導など、新人時代と比べて高度な役割が期待される一方、業務のルーティン化により成長実感が持ちづらく、キャリアの停滞感に直面しやすい時期です。また、1・2年目と比較して3年目以降は周囲からの直接的なフォローが減少するという特徴もあります。

そのため3年目社員には、自身の「キャリア・ビジョン」に基づき、自律的に成長し組織貢献を追求することができるよう、研修を通じて視座を引き上げたり、キャリア形成を支援したりすることが不可欠です。

▶︎参考リンク:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

▶︎参考リンク:「新人・若手の早期離職に関する実態調査」の結果を発表 | リクルートマネジメントソリューションズ

 

023年目社員向け研修の目的

3年目向け研修の目的は、周囲のサポートを受ける立場から主体的に組織へ貢献する立場へと意識を転換し、自律的な業務遂行や成長を促すことです。加えて、研修を通じて後輩育成やチーム全体への貢献といった視点を持つことも重要です。

期待役割の変化に対して意識転換を促す

入社3年目社員は、1〜2年目で組織の基本を習得するフェーズから、周囲のフォローが減り、自律的な業務遂行と成果への期待が高まる時期へと移行します。この時期は「3年目の壁」とも呼ばれ、プレッシャーの高まりやモチベーションの低下、それに伴う離職が発生しやすい節目でもあります。

研修を通じて、彼らが若手社員としての新たな役割と責任を自覚し、受け身の姿勢から能動的な貢献者へと意識を転換させることを促します。これにより「仕事にやりがい・意義を感じないといった離職理由への対応を図り、離職という企業にとっての損失を防ぐ意義があります。

自律的な業務遂行力を養う

3年目の社員は、もはや「新人」ではありません。上司のフォローを必要とせず、自身の力で目標を達成することが求められます。そのため3年目向け研修では、与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら考え、課題を解決し、主体的に行動できる人材を育成することも目的の1つになります。

新人時代に培った業務スキルを土台に、一人前の社員として成功体験を積み重ね、仕事への自信と自己効力感を高めていくことが、研修の重要な目的です。これにより、仕事のマンネリ化や成長の停滞といった課題を乗り越え、自律的なキャリアを歩む一歩を支援します。

後輩育成・チーム貢献への視野を広げる

3年目社員は、新たな役割として後輩指導やチーム貢献が期待されます。特に新人社員にとって年次の近い先輩は悩みを打ち明けやすい存在であり、自身の経験と組織の視点の双方から適切にサポートやアドバイスをできることが期待されます。

また上司の力を借りずに成果を創出できる一人前の社員として、どのように行動すればよりチームの生産性が上がるのかという視点を獲得することも大切です。研修では、自身の業務遂行に加え、後輩育成のスキルや、チーム全体の目標達成への貢献意識を醸成します。これにより、個人としての成長実感や組織への貢献実感を持つことができ、キャリア停滞感の打破や、組織全体の活性化に繋がります。


 

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033年目社員が直面しやすい悩みとその背景

3年目社員は、業務に慣れる一方で成長実感が得にくくなり、今後のキャリアに不安を抱きがちです。また、周囲からは後輩指導やチーム貢献が求められ、これまでとは異なる役割や期待にプレッシャーを感じることもあります。こうした変化に戸惑い、悩みを抱えるケースが増えています。

成長実感の低下とキャリアへの不安

3年目になると先輩や上司のサポートなしで業務が遂行できるようになる一方、新人時代と比べて新しい知識の獲得や経験が少なくなるため、成長実感が持ちづらくなることがあります。現状を俯瞰して今後のキャリア形成を意識し始める時期でもあり、「このままで良いのか」「将来どうなりたいのか」といった漠然とした不安を抱えるケースが増えます。

これによりモチベーションが低下し、仕事への意欲や自信を失う原因となることも少なくありません。明確な成長実感やキャリアへの展望が見いだせないと、離職に繋がるリスクがあります。

役割期待の変化によるプレッシャー

3年目になると、上司や組織から「一人前の社員」としての成果創出を期待され、業務の質やスピードの向上、自発的な行動やチームへの貢献が求められます。また与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら主体的に考えて課題解決することが期待されるため、仕事の難易度が上がります。

そのような変化の中、マインドセットの転換や業務遂行に必要なスキルに不足があると、責任感と不安の間で葛藤しやすくなってしまいます。場合によっては、プレッシャーから自己効力感の低下や燃え尽きにつながることもあり、注意が必要です。

後輩指導やチーム貢献への戸惑い

自身の業務への責任に加え、3年目社員はより「組織貢献」の視点が求められます。これまでプレイヤーとしての成果や一人前化に注力してきた社員にとって、他者を育てることやチーム全体を見渡すことは新たな挑戦です。

自身の成長と組織貢献の両方を追求することへの戸惑いや、具体的にどう行動するべきかが分からず悩むことがあります。

 

043年目社員向け研修で扱う主なテーマ

3年目社員向け研修では、業務遂行力を上げるための「問題解決力」や「業務改善思考」を強化し、自ら課題を見つけて動ける力を養います。また、将来を見据えた「キャリア自律」や「目標設定」、安定した成果を出すための「セルフマネジメント」も重要なテーマです。役割の転換期に求められる能力を体系的に学びます。

課題解決力と業務改善思考

入社3年目社員は上司のフォローなく自律的に業務を遂行し、目標を達成する力が求められます。そのため自ら課題を見つけ、考え、解決する能力は不可欠です。

また研修でこの力を養う意義は、業務遂行力を向上させるだけではありません。自律的な行動が自己効力感や自信に繋がり、成長・貢献実感の獲得を促すことで、キャリア展望や仕事への意義を見出しやすくなります。

キャリア自律と目標設定

キャリア自律と目標設定も、3年目向け研修で扱う大切なテーマの一つです。3年目は業務を一人で遂行できるようになり、自らのキャリアを主体的に考え始める重要なタイミングであるからです。

研修では、自身の強みや価値観を振り返り、将来像を描く力を養うとともに、業務上の目標とキャリア目標を結びつけて考えるスキルを育てることが重要です。これにより、目の前の仕事に対する納得感や目的意識が高まり、自律的な行動と中長期的な成長が促進されます。

セルフマネジメント

3年目社員は周囲の直接的なフォローが減るため、自身でパフォーマンス、ストレス、モチベーションを管理する能力が不可欠です。そのため、「セルフマネジメント」も重要な研修テーマの1つになります。

研修では、例えばSMARTの法則といった目標設定のフレームワークやタスクの優先度付け、タイムマネジメントの方法、ストレスコーピングなどを扱います。これにより、社員は心身の健康を保ちながら最大のパフォーマンスを発揮し、自律的に高いモチベーションを維持できるようになります。


 

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053年目社員向け研修を実施する際のポイント

3年目社員向け研修では、組織が求める期待を明確化し、現場と連携した実践的な支援が重要です。同期との相互フィードバックや1〜2年目の振り返りを通じて内省を促し、スキルだけでなく視座の向上も図ります。また、キャリアビジョン形成を支援し、行動変容と自律的成長を後押しする設計が求められます。

組織からの期待を明確に伝える

入社3年目は、サポートを受けながら業務を遂行する立場から一人前の社員としての立ち位置に変わるタイミングです。そして社員自身が役割の変化を自覚するためには、組織からどのような役割や貢献を期待されているのかを明確に伝えることが大切です。伝達が曖昧なままだと当事者意識が育たず、自らの行動に迷いが生じます。研修を通じて組織のビジョンや個人の役割を具体的に伝えることで、主体性を持った行動を促すことができます。

現場を巻き込み研修後の行動変容を促す

研修で学んだことを現場で実践し、定着させるには、上司や先輩などによる現場でのフォローが不可欠です。研修を実施の際は社員の所属部署と連携し、研修後に内容をどう業務に活かすかを予め意識して設計にすることで、意味のある研修が実現しやすくなります。例えば、研修後のフォローアップとして1on1やOJTでのフィードバックをセットにすることで、行動変容がより具体的に促進されます。

同期社員との相互フィードバック機会を設ける

同期同士の交流や相互フィードバックは、自分の課題や強みに気づく貴重な機会になります。同じ年次だからこそ、率直な意見交換ができ、互いの成長を支える関係も築きやすくなります。上司や先輩からの直接的なサポートが薄くなる3年目のタイミングに、横のつながりを再構築することは、メンタル面の安定や学び合いの土壌づくりにもつながります。

スキルだけでなく視座の向上も意識させる

3年目は「できることを増やす」から「どう組織に貢献するか」へと視野を広げる時期です。個別スキルの習得だけでなく、組織全体を見渡す視座や、他者に与える影響への自覚を持たせることで、より質の高い行動ができるようになります。マネジメントやリーダーシップの入り口としての意識づけも、このタイミングで重要です。

1~2年目の振り返りをして内省の機会を作る

新人時代は目の前の業務を修得することに集中していることから、これまでの経験を俯瞰して振り返る機会は少なくなりがちです。そのため3年目研修では、1~2年目の成功・失敗の体験を振り返り、成長の軌跡を確認することが重要です。内省を通じて自己理解を深めることで、成長実感の獲得と今後の課題の明確化につながり、次のステップへのモチベーションにつながります。

キャリアビジョン形成を支援する

将来のキャリアに不安を感じやすい3年目の時期には、研修内でキャリアビジョンを描くワークや先輩社員の事例紹介が有効です。中長期的な視点で「どうありたいか」「何を実現したいか」を考えることで、現在の業務の意味づけができ、モチベーション向上にもつながります。主体的なキャリア形成の第一歩となります。


 

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063年目社員向け研修にeラーニングを活用するメリット

3年目社員向け研修にeラーニングを活用することで、業務との両立がしやすく、個々の学習ペースに合わせた柔軟な受講が可能になります。

周囲からの直接的なサポートが減り、責任範囲が増える3年目は、業務対応でいっぱいいっぱいになっているケースも少なくありません。eラーニングであれば、時間的余裕の少ない環境であってもスキマ時間に学べるため、継続的な学習が促進されます。また、反復学習がしやすく、理解を深めながら定着を図れる点も大きなメリットです。

集合研修と組み合わせることで、実務と結びついた実践的な学びを強化でき、研修効果を高めることができます。

 

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Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約9,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができます。

3年目研修のカリキュラム例

Schooで提供している若手社員研修パッケージについて詳しくご紹介します。

1 ロジカルシンキング研修パッケージ(中級編)
時間 10時間(90分×2コマ+60分×7コマ)
研修内容
  • ・批判的思考法を通じて、論理に問いを立てて物事を正しく解決するスキル
  • ・Why型思考を学び、AIに代替されない課題設定力とその実践方法
  • ・アナロジカルシンキングにより、類似点から着想を得る思考術
  • ・タテ・ヨコ理論やピラミッドストラクチャーの概要を理解し、コミュニケーションに応用する方法
2 業務遂行力向上研修パッケージ
時間 17時間(60分×17コマ)
研修内容
  • ・ビジネスマナーの基本(第一印象、身だしなみ、挨拶など)
  • ・業務を円滑に進める報連相ができるようになる
  • ・PDCAサイクルの全体像
  • ・仕事上のミスを減らす記憶術
  • ・仕事のミスを減らす集中術
  • ・仕事のミスを減らすコミュニケーション術
3 レジリエンス強化研修パッケージ
時間 18時間(60分×18コマ)
研修内容
  • ・メンタルヘルスとマインドフルネスの基礎と実践
  • ・ストレスやプレッシャーに柔軟に対応する方法
  • ・不安や悩みが生まれる理由を理解し、感情と思考を分けて自己の思考に耳を傾ける方法
  • ・タフな心の作り方と、自身の悩みを分析し思考を変える実践的なアプローチ
 

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08まとめ

3年目社員は周囲の状況も見てくる中で、明確な成長や成果を求められる時期です。一方で個人の視野を広げ、成長・貢献実感を得る経験も重要となってきます。企業は期待を明確にし、キャリア形成支援が求められます。研修を活用して、3年目社員の成長を支援する体制作りも必要です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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