公開日:2021/05/28
更新日:2023/10/29

社内研修内製化を進める際のポイントと手順について解説

社内研修内製化を進める際のポイントと手順について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

従来から社員研修を外部に依頼していた企業が、社員研修の内製化を進める検討を行っています。社員研修を内製化することで、どんなメリットが生まれてくるのでしょうか。本記事では、社員研修の内製化に伴うメリットや手順について解説していきます。今後の社人研修の内製化の参考にしてください。

 

01社員研修を実施する意味とは

社員研修を行うことにはどんな意味があるのでしょうか。社員研修を行う意味や期待効果について解説していきます。社員研修を行うことで、どのような効果を期待できるかについて確認していきましょう。

人材育成のため

研修の最大の目的は人材育成のためです。業務を遂行する上での知識や技術を習得し、業務に活かしていく中でより成長し、企業の運営に貢献してくれることを目的として研修に参加させます。習得した技術や知識は、業務の中で活かすことで定着し効果を発揮していくため、短期的ではなく長期的視点での育成を行う必要があります。

企業活動を活発化させるため

企業活動の活発化には、従業員がモチベーション高く行動していくことが不可欠です。研修を行うのは、知識や技術習得だけではなくメンタル面の強化や自己分析、モチベ―ションアップのために参加させることもあります。企業活動を活発化させるために必要な従業員の内面を強化し事業活動の発展を目指すことも研修が持つ目的の一つです。

企業活動に必要なため

専門知識や技術、国家資格など企業活動に必要となる研修に参加させることも目的の一つです。社内では育成が難しい専門技術や国家資格保有者を増やすことは企業活動に不可欠です。このように研修の場を通して、今後の業務運営に必要な人材を輩出することも研修が持つ意味としては重要です。

 

02研修を内製化するメリットとは

次に、研修の内製化によるメリットについて解説していきましょう。社内研修の内製化を検討する上では重要な観点です。研修を行う意味をふまえ研修の内製化によるメリットには何があるかを理解し、研修の内製化を計画していく必要があります。

研修を通してスキルアップを期待できる

研修を社内で行うことは、研修講師を社内の人材から選出します。従来であれば、外部講師に依頼していた「教える」「伝える」「理解させる」という行為を社内の人材で行うことで、教える側のスキルアップを期待できます。今まで行っていたことを、相手に伝わるように説明する、理解させるということは難しいテーマです。この難しいテーマを行う講師役の人材は、いろいろな工夫を行い目的を達成しようと行動します。この行動により、人材のスキルアップを期待することができる点が社内研修の内製化による大きなメリットとなります。

実務の理解やスキルアップを促進させる

外部研修とは異なり、研修テーマや事例が社内業務を利用した研修を構築することができます。業務に直結した内容となることで、受講者の理解度が増すだけではなく仕事に直結し実践を行いやすい効果を期待できます。学んだことを翌日から実際に使えることで、理解度の促進にもつながります。

コストを抑えることができる

社員研修のコストは決して安いものではありません。講義代、移動費や宿泊費を考えると年間に必要となるコストも大きくなりますが、社内研修の内製化ができることで講義代を始めとする経費を大幅に削減することができます。研修に必要な資材調達などによるコスト発生は必要ですが、外部へ払い出す費用と比較しても削減効果は大きく企業にとってのメリットとなります。

研修プログラムのブラッシュアップがしやすい

外部での研修の場合には、プログラム内容は決まっておりコンテンツの変更を行うことはできません。しかし、社内研修が内製化されていれば、必要に応じてコンテンツの変更や内容の見直しは容易に行うことができます。学んで欲しい事例が出た場合や、テーマを変更する必要が発生した場合には柔軟に対応できることで、より業務に直結した研修内容となる点も大きなメリットです。

 

03研修を内製化するデメリットとは

研修を内製化することには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。大きくは、次が挙げられます。

  • ・費用がかかる場合がある
  • ・講師を育成する必要がある
  • ・研修プログラムの構築までが大変

これらのデメリットは、研修を内製化する際に遭遇する一般的な課題です。内製研修を検討する際には、これらのデメリットとメリットをバランスさせ、適切な戦略を採用することが重要です。ここではデメリットには具体的にどのような特徴があるのかについて解説していきます。

費用がかかる場合がある

研修を内製化するためには、設備や教材の購入、研修プログラムの開発、講師の給与などの経費がかかります。これには、外部の専門機関に委託する場合よりも多くのコストがかかる可能性があります。特に初期投資は大きく、研修プログラムを開始するまでに時間と資金を必要とします。

講師を育成する必要がある

研修プログラムを効果的に運用するためには、経験豊富な講師が必要です。しかし、内製の研修プログラムでは、講師を外部から採用するか、現在の従業員を育成して講師として活用する必要があります。講師育成には時間と労力がかかり、場合によっては、トレーナーとしてのスキルや知識を習得させるためのプログラムを開発する必要があります。

研修プログラムの構築までが大変

研修プログラムの設計、開発、評価は専門知識を要する作業であり、時間とリソースを必要とします。適切な教材、カリキュラム、教育テクノロジーを用意し、研修の内容と目標を達成するためのプログラムを作成する必要があります。プログラムの効果を継続的に評価し、改善するための仕組みも整備する必要があります。

 

04研修を内製化する際の注意点とは

次に研修の内製化に伴う注意点についても解説していきましょう。メリットの多い研修の内製化を準備するためには、いくつかの注意点を考慮しながら進める必要があります。ご紹介する注意点を参考に内製化の準備を進めていきましょう。

カリキュラム構築が難しい

研修のプログラムやタイムテーブル、研修コンテンツが確立できるまでには時間も手間も必要です。また、社内などでの講師経験がない人材が担当する際には、どういう流れで説明することが良いかなどのカリキュラム構築が難航する点に注意が必要です。このような場合には、外部研修のタイムテーブルや過去に参加した研修テキストを参考に自社オリジナルのカリキュラムを作ることから開始します。カリキュラムができた後は、複数人で流れの確認を行い作成していきますが、社内で展開していくため実施都度、見直しを行いカリキュラムの確立を行っていきましょう。

講師役の育成が容易ではない

研修の内製化において最も大きな課題は、講師役の育成です。過去に講師役を経験している場合を除き、研修講師としての立ち居振る舞いや話し方、間合いなど講師役として相手に伝えるための育成だけはなく、研修を行うテーマに関する理解度、知識力も要求されます。これらを育成することは、研修の成功を決める鍵となります。講師役の育成については、計画的な育成を行う必要があることを十分理解しておきましょう。

講師となる人件費の削減は難しい

外部研修の場合には、研修コスト削減を行うためには研修の参加自体を取りやめる方法で実現可能です。しかし、研修の内製化のために講師役を専任化している場合には、講師となる従業員の人件費を削減することは難しくなります。研修がない期間は実務を行い研修の際にのみ講師役として登壇するなどの工夫を行う必要がある点に注意しておきましょう。

 

05研修の内製化に適したテーマ事例

研修の内製化を進める上で、どのようなテーマを選択すればいいのでしょうか。次に研修の内製化に適したテーマ事例をご紹介します。研修テーマは段階を踏み、増やしていくことも可能です。まずは、どのようなテーマから始めるのがよいのか、その例についてご紹介します。

企業ビジョンや経営理念に関するテーマ

企業経営に必要なビジョン、経営理念については外部へ依頼することができない研修テーマであり、研修の内製化に最も適したテーマです。経営ビジョン、経営理念の理解は働く従業員全てが理解しておくべき内容でもあり、中途社員、新入社員が入社した際には必ず行う内容です。このテーマを研修テーマとする場合には、会社の歴史、経営ビジョンや経営理念ができた背景と共に、何を意図しているか、経営者の想いはどのような内容かを説明していく必要があります。

職種や業務に関連した内容

業務に直結した内容も研修の内製化には適したテーマです。業務の目的、手順や注意事項などは、研修後に即役立つ内容です。研修という形式で行うことで、手順の再確認や共通認識を持つことによるミスやトラブル回避に役立ちます。また、講師役は業務手順の再確認を行い業務に精通したスペシャリストになる期待効果もあります。

情報セキュリティなど自社オリジナルルール

自社オリジナルルールを適用している情報セキュリティや啓蒙活動などのテーマの研修の内製化に適しています。一般的な情報セキュリティに関する基礎知識から始め、自社においての取り組みや注意点を研修テーマとして採用することで、企業全体の危機管理レベルの底上げを実現します。このテーマの理解促進は容易ではないため、テーマをいくつかに分け複数回実施することを必要とするため、開催回数を調整できる研修の内製化のテーマに適しています。

 

06外部委託に適した研修のテーマ事例

外部委託される研修は、企業にとって迅速かつ効果的な方法で、一般的な業務スキルと専門的なスキルを向上させ、競争力を高めることができます。外部トレーニングプロバイダーは専門知識とトレーニングの経験を持ち、研修プログラムの設計と実施において価値を提供できます。

一般的な業務スキルについての研修

一般的な業務スキル研修は、基本的なスキルの向上に焦点を当てます。これにはコミュニケーション、プロジェクト管理、時間管理、チームビルディング、リーダーシップなどが含まれます。外部委託を利用することで、従業員がこれらのスキルを効果的に習得し、組織内での生産性と協力を向上させることができます。

専門的なスキルや最新事例についての研修

専門的なスキルと最新情報に焦点を当てた研修は、特定の業界や職種に関連する知識やスキルの向上をサポートします。業界固有の専門知識、技術の進化、資格取得などが含まれます。外部の研修機関は、従業員が業界の最新トレンドに追従し、競争力を維持するのに役立ちます。

 

07研修を内製化するための手順

研修の内製化を実際に行うための手順をご紹介しましょう。研修の内製化の準備は短期間では完了しません。期間を取り計画的に行う必要があるため、企業全体の取り組みとして事業計画などに盛り込み推進していくことが最適です。

研修を内製化するための手順

計画立案と目標の設定

研修の内製化でまず行うのが、計画立案と目標の設定です。どの程度の期間で内製化を行うのか、内製化による目標をどう設定するかを決めていきます。この計画立案と目標設定にいては、経営層の意見を反映しつつも現実的な計画を立案することが必要です。計画立案の際には、テーマの選定も同時に行い内製化を行う優先順位決めも行っておきましょう。

講師役の選出と育成

次に講師役の選出と育成を実施します。講師役については、任命制でも立候補制でも構いません。講師役となることで、どのような目的を果たさないといけないかの意識付けを行い講師に必要なスキル習得が必要です。人前で話すことが得意、不得意などの個性もあるため、育成期間が想定通りにいかない場合もありますが、育成には時間が必要だと捉え計画的なスキル習得を実施していきましょう。

研修プログラムやカリキュラムの作成

具体的に研修プログラムやカリキュラムの作成を行います。具体的な準備の中には、研修で使用するテキストなどの作成も含まれるため、準備期間は短期間ではなく作成可能な期間を設けることも必要です。現在では、研修テキストのみ販売をしている機関もあるため活用することで作成負荷の軽減につながる場合があることも理解して準備していきましょう。

研修実施後の見直し

研修実施後の見直しを行う仕組みも構築しておきます。理解度テストや講師評価アンケートなど研修内容を見返す仕組みは、研修内容をより良くするために必要です。研修は一度実施したことで内容が完璧になるものではありません。繰り返し見直しを行いカリキュラム内容の確立を行うことが必要です。

 

08研修の内製化を成功させるためのポイント

次に研修の内製化を成功させるためのポイントをご紹介します。研修の内製化は講師だけが頑張れば成功するものではありません。研修の内製化がなぜ必要かを理解し成功させるためには何を行うべきかについて理解していきましょう。

社内全体でのサポートを行う

研修の内製化は、会社として取り組む案件です。成功させるためには、講師だけに任せることではなく社内全体でサポートをする姿勢が必要です。会場の運営などを含め、講師以外のメンバーで支援できることは多くあります。また、研修後のアンケートにより具体的な改善案を出すことで内容の充実を図ることにつなげるなどの協力を行っていきましょう。

研修内容のブラッシュアップを行う

研修内容のブラッシュアップは繰り返えし行います。一度の研修で完璧な内容になることはありません。何度も見直しにより徐々に良くなり改善されていきます。テキスト、タイムテーブルの見直しなど見直せる項目は数多くあることを前提にブラッシュアップしていきましょう。

評価による講師スキルアップを行う

講師のスキルアップも段階的に行い続けます。研修後のアンケートなどを通して、評価が低い箇所を直していくことが必要です。予定時間をオーバーしてしまっている、理解度が低いなどの反省点も含め講師のスキルアップやスムーズな説明方法について繰り返し練習し改善を図っていきましょう。

コンピテンシーを作成する

研修の内製化を成功させるためには、組織固有のニーズに合致したコンピテンシーを明確に定義することが不可欠です。これに基づいてカスタマイズされた研修プログラムを設計し、組織の目標に対応します。コンピテンシーマッピングを通じて、必要なスキルと知識を網羅し、効果的な研修プログラムを実現していきましょう。

外部リソースも活用していく

外部の専門家やトレーナーを組織に導入し、内製トレーナーと協力することは重要です。外部リソースは新しい視点や専門知識を提供し、従業員に多様な視点をもたらします。また、一部の専門知識やスキルは外部研修プロバイダーから提供されることもあり、高品質で専門的なトレーニングを提供できます。

モチベーションを高める仕組みを作る

従業員の研修への参加を奨励するため、目標設定と報酬システムを導入します。これにより、学習目標の達成を促進し、従業員のモチベーションを高めます。フィードバックと評価を提供し、進捗を透明にし、社内コミュニケーションを通じて成功事例や成果を共有することで、研修プログラムへのコミットメントを強化します。


 

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■資料内容抜粋
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09Schooビジネスプランの特徴

Schooビジネスプランでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.様々な研修におすすめのSchooの研修パッケージ

上記でも説明したように、Schooでは約8,000本もの動画を用意しており、様々な研修に対応することができます。特に、階層別研修は、内定者・新入社員研修から管理職研修までが揃っており、階層別研修パッケージを活用することで、内定者・新入社員研修、若手社員研修、中堅社員研修、管理職研修の全てを行うことができます。また、それぞれの研修パッケージにも、階層によって必要なスキルに関する講座が網羅されているため、内容面でも充実した研修を行うことができます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

ここでは、例として新入社員研修を例としてご紹介します。

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3.Schooなら研修スケジュールが簡単に立てられる

研修期間が短く、必要な研修を全て実施することが難しいという場合はオンライン学習サービスを研修に取り入れてみるというのはいかがでしょうか。 オンライン学習サービスはPCやスマートフォンを使って動画講義を通じて学習するというもので、インターネットさえ繋がれば時間や場所を選ばずに学習できることが大きなメリットです。 Schooビジネスプランでは、管理者側が受講者の研修スケジュールを管理することができるため、簡単に研修スケジュールを立てることができます。ここではその方法をご紹介します。

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まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

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研修スケジュールを立てるだけでなく、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができるため、もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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10まとめ

本記事では、研修の内製化をテーマに自社内で研修を内製化する際の注意点や実施手順について解説しています。研修を内製化することのメリットも多くあり、より具体的な検討を進める際には本記事を参考にし計画的な実施をしていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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