公開日:2021/09/10
更新日:2022/09/21

後進育成とは?メリットや課題、後進育成に力を入れている企業の事例をご紹介

後進育成とは?メリットや課題、後進育成に力を入れている企業の事例をご紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

企業が発展していくためには、人材を育成し成長させることが必要不可欠です。人材育成には多くの手法がありますが、中でも「後進育成」が注目を集めています。どのような育成方法なのか、メリットや課題、導入している企業の事例などをご紹介します。

 

01後進育成とは

後進育成とは、自分の後に続いていく部下に対して知識や経験から学んだノウハウを伝えながら育成していく手法を指します。 後進育成をしっかりと行うことで、自分の業務をサポートしてもらい業務効率の改善が図れることや、従業員間のコミュニケーションが活性化するといったメリットがあります。 後進の育成をしっかりとしていかないと自分の業務範囲が広がっていかないため、効果的な育成が求められています。

後進育成の目的

後進育成の目的としては、企業の発展や指導者のスキルを高めることなどが挙げられます。 後進の育成を行わないと、人材が成長していかず、企業も発展できません。 また、後進の育成には早期の離職を防ぐ目的もあります。若手社員の早期離職率は30%を超えており、成長を実感できないという理由で離職するケースが多いです。 後進をしっかりと育成することで、従業員が自身の成長を実感できると共に、企業が従業員の育成に注力していると感じ、早期離職の防止に繋がります。
参考:新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)|厚生労働省

後進育成の類語

後進育成の類義語には、「後継者の育成」や「弟子の教育」といった語句があります。 後継には前任者や師匠、先輩などから業務や地位を引き継ぐという意味があり、後継者の育成とは、自身の後継となる人材を育成することを意味します。後進の育成の場合、必ずしも業務を引き継ぐわけではなく、引き続き業務を共にすることが多い点で、後継者の育成とは異なります。 また、弟子の育成とはものづくりの業界で用いられることが多く、自身の技術を伝え、一人前の技術者になるべく指導するという意味で使われます。

 

02後進育成のメリット

企業が後進の育成に力を入れることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。 3つのメリットをご紹介します。

採用活動が行いやすくなる

まず挙げられるのが、採用活動が行いやすくなるメリットです。 後進の育成に力を入れることで、自社が人材の育成に力を入れていることをPRし、広報に活用することができます。 後進育成のために具体的な社内制度を設けている場合は、それを積極的にPRすることで、人材育成に力を入れている企業だと求職者に伝えることができます。また、実際に育成された従業員が、採用活動の中で求職者と話すことで、より具体的に入社後の育成イメージを伝えることができるため、採用活動の効果が上がりやすくなることが考えれます。

会社の生産性が向上する

後進を育成し人材が成長していくことで、若手従業員のスキル向上に繋がります。 また、部下の業務範囲が広がれば、自分のサポートをしてくれたり、指導者側の業務効率が改善するため、仕事の幅が広がります。 若手従業員のスキルが向上し指導者側の仕事の幅が広がれば、会社全体の生産性の向上に繋がります。 後進育成を行う際は、会社にとってのメリットを意識した上で行うと良いでしょう。

従業員間のコミュニケーションが活性化する

後進育成に力を入れることで、従業員同士の関わり合いが増え、コミュニケーションが活性化するメリットもあります。 また、後進育成を通して若手従業員と指導者間に、信頼関係が構築されることもあります。 従業員同士のコミュニケーションが活性化し、信頼関係が構築されていくと、チーム全体のパフォーマンス向上に繋がります。

 

03後進育成を行う上での課題

企業が後進育成を行なっていく上で、どのような課題があるのでしょうか。 3つの課題を紹介します。

後進育成を行う時間がない

後進育成を行うためには、業務の合間を縫って育成のための時間を用意する必要があります。そのため、自分の業務に支障が出てしまったり、そもそも業務が忙しすぎて育成する暇がないというケースもあります。 後進育成を行うためには、企業全体で新人を育てる意識を持ち、指導者の業務をサポートするなどして育成の時間を十分に用意する必要があります。

育成する側のスキルが足りない

後進育成によって部下が成長できるかどうかは、指導者側のスキルに左右されてしまいます。マネジメントの経験が少なく、指導する能力が足りなければ、部下をしっかりと育成することはできません。 また、指導者側のスキル次第で育成にばらつきが出てしまうため、マネジメント研修を受講させるなど、指導者側に対する教育も重要となります。

評価に繋がらないことが多い

後進の育成は、それ自体が指導者の評価に繋がらないケースが多いことも課題として挙げられます。そもそも、部下の成長度合いは可視化しづらく、定量的に評価をすることが難しい傾向にあります。 指導者は育成のために時間を割いて努力しているのに、会社が正当に評価してくれないと感じてしまうと、モチベーションの低下に繋がります。 そのため、後進育成に対する評価においては、成果よりも過程を重視する必要があります。どれくらいの時間を育成に割いたか、どれくらいの熱量で育成したのか、結果に表れにくいそういった努力もきちんと認め、評価につなげることが大切です。

適切な目標を設定できない

後進育成をする上で、部下に対して適切な目標を設定できないという課題もあります。 育成をする上では、適切な目標を設定し達成させることが大切です。 業務にかかっていた時間を3分の2に短縮するといった目標や、架電件数を増やしアポイントメント獲得数を1.2倍にするなど、具体的な数値で目標を設定しましょう。 そうすることで進捗度合いの確認がしやすくなったり、目標を達成する快感を感じられることで育成の効果が上がります。

 

04後進育成を効果的に行うための制度

後進育成を行う上で効果的に活用できる制度には、どのようなものがあるのでしょうか。 3つの制度をご紹介します。

OJT制度

OJT制度とは、実際の職務を通して教育を行う訓練方法であり、多くの企業で導入されている教育方法です。 実際の職務に即した知識やノウハウを身につけることができるメリットや、指導者側のスキル向上にも繋がる一方で、指導者がつきっきりで指導する必要があることや、体型的な知識が学びづらいというデメリットがあります。

メンター制度

メンター制度とは、直接の上司や先輩とは別の部署の社歴や歳が近い先輩社員が、新入社員や若手社員をサポートする制度です。サポートする先輩社員をメンターと呼び、サポートを受ける側をメンティーと呼びます。 部署間のコミュニケーションを活性化したり、些細な相談も可能になるメリットがある一方で、メンターのサポート度合いに影響されることや、業務で直接的に関わる相手がメンターだと、実務に支障が出てしまうデメリットがあります。

ブラザー制度

ブラザー制度とは、新入社員と同じ部署の先輩社員を兄と見立てて、業務の進め方から仕事の心構え、社会生活における不安などを総合的にアドバイスする制度です。 新入社員の早期離職の防止に繋がることや、信頼関係の構築に繋がるメリットがある一方で、先輩社員の負担が大きくなることや、後輩社員間で不平や不満が募ってしまうデメリットがあります。

 

05後進育成に力を入れている企業の事例

後進の育成に力を入れ、効果的に人材の育成を行なっている企業の事例を3つご紹介します。

株式会社山岡製作所の事例

株式会社山岡製作所は、京都府にある薄板金属やフィルムなどを製造する企業です。他社には実現できない難易度の高いものづくりを実現することで、競合他社との差別化を図るために、従業員一人ひとりに高いスキルが求められ、短期間で人材を育成することが重要な課題でした。 そこで、具体的な取り組みとして「マンパワー活動」を導入し、「加工精度ワンランクUP活動」や「技能検定1級合格」といった目標を従業員が掲げ、先輩社員が若手社員を指導する形で教育しています。 この取り組みによって人材育成がスピーディに行われ、自社の強い競争力に繋がっています。
参考:人材育成事例004|厚生労働省

トッパン・フォームズ株式会社の事例

トッパン・フォームズ株式会社は、東京都にある情報メディアや印刷技術を応用した製品開発を行なっている企業であり、「三益一如」という経営理念のもと、従業員の育成に力を入れています。 具体的な取り組みとして「OJTトレーナー制度」を設けており、新入社員には1年間専属のトレーナーがつけられ、必要な能力を一覧化し、キャリア形成の支援を積極的に行なっています。 この取り組みによって、若手社員の早期離職を防いだり、従業員間の信頼関係の構築に成功しています。
参考:人材育成事例007|厚生労働省

損害保険ジャパン日本興亜株式会社の事例

損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、東京都にある損害保険業の企業であり、収入保険料が国内で最も大きい企業です。 同社では、人材力日本一を掲げ、「仕事→評価→処遇→キャリア形成・人材配置→教育・研修」を一連の流れとし有機的に組み合わせ、生涯を通した人材育成に取り組んでいます。 具体的な取り組みとして「​​若手活躍支援」という制度があり、入社後1年間はサポーターを設定しOJTを通して成長を促進しています。この取り組みによって、若手社員がいち早く業務に必要なスキルを身につけ、スピーディーに一人前の戦力となることに繋がっています。
参考:人材育成事例013|厚生労働省


 

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06まとめ

企業が後進の育成に力を入れることで、採用活動に繋がったり、企業の生産性が向上するメリットなどがあります。 OJT制度やメンター制度を活用し、自社の後進育成に力を入れていきましょう。

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  • 登壇者:高木 一史 様
    サイボウズ人事本部 兼 チームワーク総研所属

    東京大学教育学部卒業後、2016年トヨタ自動車株式会社に新卒入社。人事部にて労務(国内給与)、全社コミュニケーション促進施策の企画・運用を経験後、2019年サイボウズ株式会社に入社。主に人事制度、研修の企画・運用を担当し、そこで得た知見をチームワーク総研で発信している。

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