情意評価とは?特徴・メリットと導入時の注意点について解説

公開日:2021/12/02
更新日:2022/05/26
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情意評価は人事評価(人事考課)において、「情意=思い・気持ち」を評価基準とすることを言います。 適切に活用すると組織力の強化も期待できるため、ひとつの選択肢として知っておきたい手法です。 本記事では情意評価の特徴、メリットや導入時に注意すべき点などについてご紹介していきます。

 

01情意評価とは

情意とは「思い・気持ち」のことですが、人事評価の文脈でその言葉が使われる場合、主に仕事に対する意欲や姿勢のことを指します。 ここでは、その特徴について触れていきます。

情意評価の特徴とは

情意評価は社員の内面にある意欲や姿勢を尺度としますが、それらは目に見えず客観的に図ることが難しいことが特徴です。そのため、具体的な行動様式にまで落とし込んで評価を行うことが必要となります。例えば、「意欲の高い社員ならば、自己を律した働き方をし、遅刻はしないはず」と仮定し、勤怠を評価基準のひとつとするようなことが考えられます。

情意評価の主な評価項目

情意評価の主な項目には、「規律性」「協調性」「積極性」「責任感」などがあります。 いずれも業務遂行上大切な姿勢であり、それぞれ次のような意味を持ちます。

規律性

自己を律し、組織のルールに乗っ取った行動を取ろうとする姿勢

協調性

周囲の人と協調し、円滑に業務を進めようとする姿勢

積極性

与えられた業務をこなすだけでなく、自ら改善や提案などの働きかけをしようとする姿勢

責任感

自身の役割を最後まで果たそうとする姿勢

ただし、実際に情意評価を人事評価制度に取り入れる場合は、これらを漫然と設定するのではなく、まず自社にとって望ましい人材像を描くことが大切です。その後、その人材はどのような資質を持っているか?その資質を持っている場合、どのような行動を取るだろうか?という順で考えていくとよいでしょう。

 

02情意評価以外の主な人事評価基準

情意評価の概要についてご紹介した上で、理解を深めるために他の主な評価手法についても触れていきます。

1.成果評価

業績評価ともいい、その社員が実際に出した成果や組織への貢献度を評価対象とします。例えば営業成績、業務改善の実績、研究成果など、業務遂行において最終的に得られるアウトプットの部分を評価するという点が特徴です。これに対して情意評価は成果を得られたかに関わらず取り組みの姿勢を見るものなので、プロセスを評価する手法と言えるでしょう。

2.能力評価

社員が持っている業務遂行能力を評価対象とする手法です。例えば企画力、課題解決力、指導力といったものが評価基準として挙げられます。情意評価と同じく形のないものを評価指標とするため混同されることもありますが、業務に直結する能力を評価するのか、それとも業務遂行時の姿勢を評価するのかという点で異なります。

3.コンピテンシー評価

コンピテンシーとは、高い成果を上げる人材の行動特性のことを言います。簡単にいうと「仕事ができる人が取っている行動」を類型化し、どれだけその類型に沿った行動を取っているかを評価基準とするのがコンピテンシー評価の手法です。 社員の行動を判断指標とするという点で情意評価や能力評価と似通っていますが、前者が行動を通して社員の意欲や能力を測ろうとしているのに対し、コンピテンシー評価においては行動そのものが評価対象となります。

 

03情意評価導入のメリット

情意評価を導入した場合、そのようなメリットが期待できるのでしょうか。主な3点をご紹介します。

社員を多面的に評価できる

成果評価は人事評価を行っている企業ならば、おそらくほぼすべてで導入している指標です。しかし、達成された結果のみを見るため、行き過ぎると社員間の競争が望ましくないレベルで激化してしまうことが懸念されます。また、営業部門のような個人、チームの目標が会社の業績に直結する部門と、事務や総務など、定性的な目標を追う部門とでの間で不公平感が生じてしまうなど、デメリットもあります。

そこで、情意評価を組み合わせて社員を成果と業務プロセスの双方から評価することにより、これらのデメリットを緩和することが可能です。 また、社員を上司や部下、同僚といった様々な立場から評価する「多面評価」は情意評価と相性のよい概念です。 このように、社員を様々な面から多角的に評価したいと考えている組織にとって、情意評価は有用な選択肢と言えるでしょう

求める人物像に合致した人材の育成に役立つ

情意評価は、社員の中にある思い、気持ちを評価対象とします。つまり、企業は社員が仕事をするにあたって内在化してほしい思いや示してほしい姿勢を情意評価に盛り込むことで、求める人物像をメッセージングすることが可能です。
評価項目は、人事評価の時期だけでなく、例えば上司部下のキャリア面談のツールとして利用するなどの工夫も可能です。うまく活用すれば企業は社員に対して「企業理念を体現する社員になってほしい」というメッセージを繰り返し伝えられます。また、社員が高い評価を得るためにそれに応えようとすることも、ある程度は期待できるでしょう。

組織の一体感や社員の帰属意識が高まる

先ほど、情意評価における代表的な評価項目として「規律性」「協調性」などを挙げました。これらは、組織を円滑かつ一体感をもって運用するために不可欠な要素です。 例えば高い協調性を持ち、積極的に他者と協働する社員を高く評価することは、組織の一体感を高めることに寄与するでしょう。また、そのような組織は一般的には人間関係が上手くいき、居心地もよくなることが多いため、組織に対する社員の帰属意識が高まることも期待できます。

 

04情意評価導入時の注意点

多くのメリットが期待できる情意評価ですが、目に見えないものを評価するという難しさから、導入には留意点も存在します。解決策の例と共に見ていきましょう。

評価の中央化傾向が起こりやすい

中央化傾向とは人事評価の際に評価者が陥りがちな評価エラーのひとつで、評価結果が標準値に偏ってしまう現象を指します。情意評価で評価する「仕事への意欲・姿勢」は定性的なものであり、明確な評価基準を設定することは簡単ではありません。そのため評価者が自分の評価に自信を持てずに中央化する、といったケースが見られます。

これを防ぐには、評価基準を可能な限り具体的に設定することが必要です。 たとえば「協調性」を1~5の評価点で測る場合、1と2、2と3の評価の分かれ目はどのように判断すればよいのか?どういった行動で協調性を示せば標準以上の評価がつくのか?といった事項は評価者が特に迷いそうなポイントです。ケーススタディなどを利用して、それらを評価者へわかりやすく伝えることができれば、中央化傾向のリスクは低減できるでしょう。

評価が評価者の主観に左右されやすい

情意評価の運用においては、評価者が主観に傾きすぎて実態とはかけ離れた評価をつけてしまうリスクもあります。 また、評価者にバイアスがなくとも、被評価者の行動をすべて把握することはできないため、被評価者と評価者の関係性によって評価内容が左右されてしまうようなことも起こりえます。 このような状況を防ぐためには、多面評価の実施も有用です。上司、部下、同僚といった、様々な視点を持つ複数の人物が評価を行うため、ひとりの主観に評価が大きく左右されることは少なくなります。

被評価者が不公平感を覚えやすい

情意評価や能力評価のように本人の内面にあるものを評価する場合、被評価者本人が自身の評価に納得しているか、不公平感を覚えていないかということに特に注意が必要です。理由としては、ここまでで述べた評価者側の課題が挙げられます。
さらに、被評価者自身の自己理解に誤りがあった場合、自己評価と他者評価のギャップに不満を覚えることも大いにありえます。 目に見えないものを評価する以上避けられないリスクではありますが、まずは制度設計において、評価プロセスそのものの透明性・公平性を担保するよう努めましょう。また、フィードバック面談の実施なども有効です。被評価者が自身の評価の根拠を知り、自他の評価のギャップを埋める機会を持つことがポイントとなります。

 

05情意評価の書き方のポイントとは

人事評価プロセスの大半は職場で行われるため、そこでの運用実態が制度設計の仕方と同等に重要となります。したがって、評価制度が大きく変わったときや、新たに評価者の立場になった社員に対しては、評価制度に関する説明会や研修などを行い、運用の下地を整えることが大切です。ここでは、運用上大切なことのひとつとして、実際に現場の評価者が情意評価を行うにあたってのポイントをご紹介します。

評価エラーに陥っていないか意識する

評価エラーとは評価者が自身の感情や主観などに影響を受け、適正でない評価をつけてしまう現象のことで、いずれも評価実施にあたって注意すべきものです。 主な評価エラーとしては中央化傾向(評価が標準値に偏ってしまう)、ハロー効果(被評価者の第一印象にその後の評価が引きずられる)、寛大化傾向(反発などを恐れ評価が甘くなる)、逆算化傾向(昇給などの結果ありきで評価が逆算して決定される)などが挙げられます。評価者がこれらに関する知識を持ち、自己点検することが必要です。

評価の根拠を具体的に示す

人事評価をうまく社員の成長やモチベーション向上に繋げるには、被評価者が自身の評価とその根拠に納得していることが大切です。フィードバックコメントには、被評価者の具体的な行動やエピソードを例に挙げて、「○○な部分が高い・低い評価につながった」というように評価の根拠を書くようにしましょう。

改善方法を伝える

被評価者に対して「どうすればもう一段階上の評価だったのか」を示すことも、その成長を促すために必要です。特に情意や能力といった尺度は被評価者が自覚を持っていないことも多いため、なるべく具体的に改善策を伝えましょう。


 

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06まとめ

情意評価は扱うのが難しい側面もありますが、上手く運用することができれば組織をあるべき姿へ近づけることに役立つ手法です。 他の人事評価尺度にもそれぞれメリット・デメリットはありますので、現状の組織の課題を踏まえてよりよい人事評価制度のあり方を目指しましょう。

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